- マイポ・ヴァレー
- Maipo Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン生産の中心であるセントラル・ヴァレーの最北部、首都サンチアゴに隣接する、チリで最古のワイン産地。特に高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンの産地として定評がある。
- マカベオ
- Macabeo
スペインのカタルーニャ州原産の白ぶどう品種。フランスの地中海沿岸でも広く栽培されており、スペインのリオハではビウラ(Viura)、フランスではマカブーとも呼ばれる。素直な果実味の軽やかな味わいのワインとなる。マカベオはまたカヴァの主要3品種の一つでもあり、ブレンドの中でフルーティさと爽やかさを与える役割を果たしている。
- マグナムボトル
- Magnum
1.5L瓶の呼び名
- マコン・ヴィラージュ
- Mâcon-Villages
フランス・ブルゴーニュ地方のマコネ地区のA.O.C.白ワインの呼称。この地区のベースとなるワインで、シャルドネからフレッシュで軽やかな辛口のワインをうむ。
- マスエロ
- Mazuelo
カリニェナのスペインのリオハ地方での呼び名。
- マスカット
- Muscat
イタリア語ではモスカート(Moscato)スペイン語ではモスカテル(Moscatel)。地中海世界が原産のとても古い白ぶどう品種。マスカットの名前の元に多くの品種が存在し生食・醸造兼用の品種であるが、醸造用として最も高い評価を得ているのは粒の小さなマスカットと呼ばれるMuscat Blanc à Petits Grains。マスカットそのものの香りが楽しめる、フレッシュでフルーティー、軽やかな味わいのぶどう。世界で広く栽培されているワイン用ぶどうの中では、原料であるぶどうの香りがそのままワインに表現される、ほぼ唯一の存在。
- マスカット・オブ・アレキサンドリア
- Muscat of Alexandria
マスカットグループの一員。Muscat Blanc à Petits Grainsの子供。生食用としても広く利用されている。
- マスカット・ベーリーA
- Muscat Bailey A
名前からは海外のぶどうのように思えるが、1927年に新潟・岩の原葡萄園の川上善兵衛氏によって新潟県で交配された日本固有のぶどう。ベーリー×マスカット・ハンブルグ(黒い果皮のマスカット)。キーワードは明るい外観、独特のイチゴや綿菓子を連想させる甘い香り。フレッシュでピチピチした果実味、意外に固くて鋭い酸、とても軽くてまろやかなタンニンなど。フルーティーという言葉がぴったりの味わい。マスカット・ベーリーの後にAがつくのは、過去に同じ親から生まれたマスカット・ベーリーBが存在したため。
- マセラシオン
- maceration
ワインの製造工程の一つで、赤ワインの工程の中では最も重要なもの。発酵容器内で果汁に果皮や種子を漬け込むことで、醸しとも言う。目的はワインに漬け込まれた果皮や種子から色素であるアントシアニンや渋み成分であるタンニンを溶出させることで、マセラシオンの工程を経て初めて赤ワインらしい色調や味わいが出て来る。マセラシオンの期間は原料のぶどうの品種や状態などを見て判断する。またマセラシオンはロゼワインの主要な製法(セニエも参照)でもあり、ロゼワインの場合はマセラシオンの途中、求める色まで色素が抽出されたと判断した時点でワインと果皮を分離し、ワインのアルコール発酵を進める。白ぶどうの場合でも赤ワインのようにマセラシオンを行うことがあり、ややオレンジがかった濃い色調と、渋みを持った白ワインが出来る。近年増加してきているスタイルで一般的にオレンジワインもしくはアンバーワインと呼ぶ。
- マセラシオン・カルボニック
- Macération carbonique
ワインの特殊な醸造法の一つ。密閉ステンレスタンクに収穫した黒ぶどうを破砕せずに入れ、炭酸ガスを注入(もしくは自然発生)した状態で数日置く方法。鮮やかな色調と、フルーティな香りは存分に出るが、タンニンはあまり抽出されない、フレッシュでフルーティな飲みやすい赤ワインが出来る。独特のバナナを思わせる香りも特徴。この製法でつくられる代表的なワインはボジョレー ヌーヴォー。タンニンが強い品種のワインを、若い状態でも飲みやすくするために採用されることもある。
- マチュザレムボトル
- Mathusalem
シャンパーニュ地方での6L瓶(通常ボトル8本分)の呼び名。ボルドーでは6L瓶はアンペリアルと呼ぶ。
- マデイラ
- Madeira
世界3大酒精強化ワインの一つ。リスボンから南西に1,000kmの大西洋に浮かぶ絶海の孤島マデイラ島で生産される。温めて熟成するという独特の製法から生まれる、特有のマデイラ香と呼ばれる酸化熟成の香りがその他の酒精強化ワインとの大きな違い。
- マリアージュ
- Mariage
フランス語で結婚を意味する言葉。ワインと料理の相性や、ワインと料理を合わせた際に生まれる味わいの変化のことを指す。美味しくなる場合だけでなく、マイナスの結果をうむ事もあるというのが、マリアージュという言葉の深いところ。
- マルヴァジア・フィナ
- Malvasia Fina
ポルトガルの白ぶどう品種。ドウロやダォンなどでスティルの白ワインにブレンドされる他、ドウロではホワイトポートの原料にもなる。また、スパークリングワインの原料としても使用される。マデイラ島ではボアル(Boal)とも呼ばれ、ヴィンテージ・マデイラなどの品種名をラベルに表示した、高品質なやや甘口のマデイラワインの原料にもなっている。
- マルゴー
- Margaux
フランス・ボルドー地方のA.O.C.ワインの呼称。ジロンド川左岸のメドック地区のA.O.C.オー・メドック内にある、6つの村名ワインの中の一つ。6つの村名ワインの中で、最も華やかで繊細なワインをうむと言われる。
- マルサーラ
- Marsala
イタリアのシチリア州の西部、マルサーラの町周辺で生産される偉大な酒精強化ワイン。
- マルサンヌ
- Marsanne
フランス・コート デュ ローヌ地方原産の白ぶどう品種。現在は南仏一帯、アメリカやオーストラリアでも人気となっている。スイカズラの花やアーモンド、マジパンなどを思わせる香りと、リッチでコクのある味わいのワインをうむ。原産地のコート デュ ローヌ地方ではルーサンヌとよくブレンドされる。
- マルベック
- Malbec
フランス・南西地方原産の黒ぶどう品種。コー(Côt)、オーセロワ(Auxerrois)とも呼ばれる。歴史的に「黒ワイン」と呼ばれた事も納得の暗くて濃厚な色調が特徴。みっちりと詰まった果実の香り。凝縮したボリュームのある果実味、高めの酸、しっかりとしたタンニン、高めのアルコールなど。凝縮感のある強めのワインを生むぶどう。産地としては原産地のフランス・南西地方カオールとアルゼンチンのメンドーサ地方が有名だが、圧倒的に数量が多いのはアルゼンチンで、世界のマルベックの約80%が生産されている。ボルドーの赤ワインのブレンド用の補助品種でもあり、ボルドーブレンドを生産している多くの国で栽培されている。
- マロラクティック発酵
- Malo-lactic fermentation
ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌の働きによって、乳酸と炭酸ガスに分解される発酵。結果として①酸の絶対量が減りまろやかな味わいになる、②乳酸菌が生成するダイアセチルなどの成分によって乳製品の香りが加わるため香りが複雑になる、③不安定なリンゴ酸が安定的な乳酸に変化することでワインの生物学的安定性が上がる、などの効果がある。赤ワインではほぼ100%のワインで行われるが、酸の絶対量が減るため、酸を大事にする白ワインの場合はあえてこの発酵を行わない場合もある。空気中に存在する乳酸菌によって自然に起こる発酵だが、スムースに発酵を進行させるために市販の乳酸菌を加える場合もある。