- I.G.T.
- Indicazione Geografica Tipica
2009年の改正以前のEUのワイン法で、中間に位置する地理的表示保護クラスのイタリアでの呼び名。地酒クラス。イタリアでは改正以前の呼称をそのまま使用する事が認められているので、I.G.T.表記のままの生産者が多い。
- I.G.P.
- Indication Géographique Protégée
2009年に改正されたEUの新しいワイン法の3段階の格付けにおいて、中間に位置する地理的表示保護クラスのフランス、イタリア、スペイン、ポルトガルでの呼び名。地酒クラスで、日本のイメージで言うと「新潟県産の日本酒」くらいのイメージ。指定地域で生産されたぶどうを85%以上使用する必要がある。EU各国では、2009年以前の呼び名が認められている場合もあるので、市場に流通しているワインは元々の名前(フランス:Vins de Pays、イタリア:I.G.T.、スペイン:Vino de la tierra、ポルトガル:Vinho Regional)とI.G.P.が混在している。
- アイスワイン
- Ice Wine
低温のために木になったまま凍ってしまったぶどうを、深夜~早朝に収穫して凍結状態のまま圧搾し、得られた果汁(水分のみが凍結して除かれ、それ以外の糖・酸などの成分が凝縮されたもの)からつくられる極甘口のワイン。代表的な生産国はドイツ、オーストリア、カナダなど。
- アウスレーゼ
- Auslese
元々の意味はドイツ語で「房選り収穫」。完熟したぶどうの房だけを選んでつくられる高品質なワインの事を指した。現在はドイツやオーストリアのワイン法における格付けの一つで、両国のワイン法の最高ランクの格付けであるPrädikatsweinの中で、シュペートレーゼ(Spätlese)に使用されるぶどうをさらに上回る糖度のぶどう(殆どの場合遅摘みで完熟した、もしくは一部貴腐化した果実の混ざった)から生産される。基本的に甘口。
- 青森
- Aomori
ワイン生産量はまだ少ないが、岩木山の麓と下北半島でぶどう畑が広がりつつある。近年の日本ワインコンクールでも岩木山の麓の津軽エリアのソーヴィニヨン・ブランが3年連続で金賞受賞や、下北エリアのピノ・ノワールがピノ・ノワールとして初めて金賞受賞など注目度が高まっている。
- 赤ワイン
- Red Wine
黒ぶどうを原料にしてマセラシオンの工程を経る事で、ぶどうの色素やタンニンを液中に抽出した、淡い赤~黒に近い濃い色調をしたワイン。フランス語ではVin Rouge、イタリア語ではVino Rosso、スペイン語ではVino Tinto、ドイツ語ではRot Wein。
- アザル
- Azal
ポルトガル北部ミーニョ地方の白ぶどう品種。ヴィーニョ・ヴェルデの白ワインにブレンドされ、酸味を与える役割をする。
- 味のタイプ
ワインの風味をあらわす言葉たち。白ワインとロゼワインは辛口、やや辛口、やや甘口、甘口などの残糖度であらわし、赤ワインは基本的に辛口である事が大前提なのでライトボディ、ミディアムボディ、フルボディというボディであらわす。
- アスティ
- Asti
イタリア・ピエモンテ州のD.O.C.G.白ワインの呼称。モスカート(マスカット)からのフレッシュで華やかな甘口白ワイン。同じアスティの呼称の下にスパークリングワインと微発泡とスティルが存在するが、微妙に呼び方が変化する。アスティ・スプマンテはスパークリングワイン、モスカート ダスティが微発泡、アスティ・ヴェンディミア・タルディーヴァがスティル。
- 圧搾
- press
ワインづくりの工程の中で、果汁(もしくはワイン)と果皮や種子などを分離する作業。白ワインはぶどうのアルコール発酵前に実施して果汁のみを発酵させ、赤ワインはアルコール発酵&マセラシオン後に実施、ロゼワインはアルコール発酵&マセラシオン中で適度な色になったところで実施する。一般的に圧搾の際に最初に自重で出て来る液体をフリーランワイン、その後圧搾機で搾ることによって出て来る液体をプレスワインと呼ぶ。フリーランワインはピュアな味わいで、プレスワインは厚みがあって複雑だがクセやエグミの強い味わい。
- アッサンブラージュ
- blend
ブレンドとも。出来上がったワインを混ぜることで味わいのバランスを取ったり、複雑味を増す作業。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロなど複数品種をブレンドしたり、同一品種の異なる畑区画をブレンドしたり、寒い年に温かい年のワインをブレンドして平均化したりなど、色々なパターンがある。
- アペラシオン
- appellation
シャブリ、ボルドーなどのワインの産地名のこと。伝統的にワインを生産してきた国々では、ワインの味わいやその名声は、そのワインが生産される土地の風土や伝統的なワインづくりのスタイルに負うところが大きいと考えられている。つまり「その産地で生産しなければ、そのワインにならない」ため、特に高級ワインにとって重要なのは「どこ」でそのワインがつくられたかということになる。
- Appellation d'Origine Contrôlée
- Appellation d'Origine Contrôlée
2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのフランスでの名称。AOC、A.O.C.とも。
- Appellation d'Origine Protégée
- Appellation d'Origine Protégée
2009年に改正されたEUの新しいワイン法の3段階の格付けにおいて、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのフランス語での呼び名。略してAOP、A.O.P.とも。その名称の名声を守るために、指定地域のぶどうを100%使用する他、使用可能なぶどう品種、生産するワインのタイプ、ぶどうの栽培やワインの醸造法、収穫して良い最大のぶどうの量など厳しい規制が課せられている。
- アペリティフ
- Apéritif
食前酒のこと。食事の前に軽くお酒を飲む事で、胃を刺激して食欲を増進する。酸味や苦味があるものや、炭酸分を含むもの、軽めのアルコールのものなどが好んで飲まれる。代表的なアペリティフとして、シャンパンやプロセッコ、カヴァなどのスパークリングワインが挙げられる。欧米では、食前に軽くお酒を飲む習慣のこともアペリティフと呼んでいる。略してアペとも呼ぶ。
- 甘口
- Sweet
何らかの形で、果汁の糖分が残った状態で発酵が終了したもの。軽く甘味を残した軽やかなタイプから貴腐ぶどうを使用した重厚で複雑な極甘口まで幅広いスタイルがある。甘口ワイン参照。
- 甘口ワイン
- Sweet Wine
何らかの理由でぶどうの糖分が非常に高くなり、酵母が糖分を分解しきれずにワイン中に残糖分が残ったワイン。収穫を待つ遅摘みによる過熟、ボトリティス・シネレア菌による貴腐、低温によって凍った水分を除去する事で糖度を高めたぶどうからつくるアイスワイン、収穫したぶどうを干して水分を抜く陰干しが甘口ワインの伝統的な4つの製法。他には発酵途中にフィルターで酵母を除去する、発酵途中にブランデーなどを加えて一気にアルコールを上げる(酒精強化ワインカテゴリーになる)などの方法でも生産される。
- アマローネ
- Amarone
イタリア・ヴェネト州のヴァルポリチェッラで使用される製法。収穫したぶどうを2~3ヶ月陰干しすることで得た糖度の高い果汁を、完全に辛口になるまで発酵させてつくられる偉大な赤ワイン。アマローネの名はアマーロ(イタリア語で「苦い」)から来ており、味わいの余韻にチョコレートやドライフルーツのようなホロ苦さが残るのが特徴。
- アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ
- Amarone della Valpolicella
イタリア・ヴェネト州で最も高名なD.O.C.G.の赤ワイン呼称で、イタリアを代表する偉大なワインの一つ。コルヴィーナ種のぶどうを主体に複数のぶどう品種を数ヶ月陰干しして得られた糖度の非常に高いぶどうを、辛口になるまで完全に発酵させてつくられる濃密で深みのある味わいの銘酒。アマローネの語源はアマーロ(苦い)で、陰干しのぶどうからくる後味の苦味に由来する。
- アメリカ
- United States of America
世界4位のワイン生産量を誇り、高級ワインの生産量の多さからも大きな存在感を持つ大ワイン生産国。50州の中の殆どの州でワイン生産が行われているが、生産量が多いのは西海岸のカリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州と、東海岸のニューヨーク州。それぞれに特長のあるワインを生産している。
- アメリカン・オーク
- American Oak
ワインの醸造や貯蔵用の容器(発酵槽や樽)の材料として使われる木材の一つ。主に北アメリカに自生するアメリカン・ホワイト・オーク。ヨーロッパのオークと比較すると、タンニンが少なく、ヴァニラやココナッツなどの甘い香りの成分が多い。
- アラゴネス
- Aragonez
テンプラニーリョの南部ポルトガルでの呼び名。
- 亜硫酸塩
- Sulfite
酸化防止剤を参照
- アルコール
- Alcohol
ぶどうの糖分が酵母によって分解されて生まれる。ワインの成分の中で約12~14%を占める。味わいの中ではボリューム感と甘さを感じさせるため、アルコールの高いワインは辛口でもやや甘いと感じる。
- アルコール発酵
- alcoholic fermentation
酵母の活動によって、糖分がエタノールと炭酸ガスに分解されること。
- アルザス
- Alsace
①フランス北東部、ドイツとの国境ライン川沿いに位置するワイン産地。白ワインの生産が多く、フランスの銘醸ワイン産地には珍しくボトルに産地名に加えて、ぶどう品種名も書かれるワインが多い。リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリなどから辛口~甘口までの多彩で高品質なワインを生み出す。瓶はドイツ風のフルート型ボトルを使用。スパークリングワインの産地としても評価が高い。 ②フランス・アルザス地方のベースとなるA.O.C.ワインの呼称。
- アルゼンチン
- Argentina
南米最大のワイン生産量を誇る、世界のトップ10に常に入る大ワイン生産国。アンデス山脈の東麓という世界でも特に標高の高いエリアにぶどう畑があり、鮮やかな果実味と酸味を併せ持ったワインをうむ。マルベックからの力強い赤と、トロンテスからのアロマティックな白がこの国を代表するワインとして名高い。
- アルバリーニョ
- Albariño
スペインのガリシア州及び、ポルトガル北部ミーニョ地方の白ぶどう品種。桃や洋梨を連想させる華やかな香りと、豊かな果実味、鋭い酸味を持った高品質なワインを産む。代表的なワイン産地はスペイン・ガリシア州のD.O.リアス バイシャス(Rías Baixas)。
- アルフロチェイロ
- Alfrocheiro
ポルトガル中部と南部の黒ぶどう品種。単体でワインになる事は少なく、主にブレンド用に使われる。ワインに濃い色調と複雑な果実味を与える。
- アレンテジャーノ
- Alentejano
ポルトガル南東部に位置する大きなI.G.P.ワインの呼称。ポルトガルを代表する優れた赤ワインの産地として知られる。世界有数のコルクの産地でもある。
- アロマ
- Aromas
ワインの香りをあらわす言葉の一つ。ワインの香りは大きく「ぶどうに由来する香り」「発酵に由来する香り」「熟成に由来する香り」の3つに分けられるが、アロマはそのうちのぶどう由来(第一アロマ)と発酵由来(第二アロマ)のものを併せたもの。果実や植物などの比較的フレッシュでストレートな香りが多い。
- 泡
- Bubbles
スパーリングワインの通称。
- アンソニカ
- Ansonica
イタリアのティレニア海側で栽培されている白ぶどう品種。シチリアではインツォリア(Inzolia)と呼ばれ、シチリア西部を代表する白ワイン用のぶどうの一つ。独特のナッツを思わせる香りが特長。
- Indication Géographique Protégée
- Indication Géographique Protégée
EUのワイン法で中間に位置する地理的表示保護クラスのフランスでの呼び名。地酒クラスで、日本のイメージで言うと「新潟県産の日本酒」くらいのイメージ。指定地域で生産されたぶどうを85%以上使用する必要がある。
- アントシアニン
- anthocyanin
植物に一般的に含まれる成分の一つで赤、青、紫などの色を持つ色素成分。ぶどうにおいては果皮に多く含まれる。赤ワインやロゼワインの色はこの色素に由来する。植物の持つポリフェノールの一種で、抗酸化物質としても知られる。
- アンバーワイン
- Amber Wine
オレンジワインと同義。
- アンフォラ
- Amphora
古代から使用されている二つの取っ手を持つ大型の陶器の甕の事。樽が発明される以前はワインの運搬用の容器の主流であった。割れやすいため、中世以降はワインの運搬用としてはもう使用されていないが、ワイン発祥の地と言われるジョージアなどのコーカサス地方では、伝統的にクヴェヴリと呼ばれる取っ手のないアンフォラ型の陶器内でワインの発酵及び熟成を行ってきた歴史があり、近年はジョージア以外の国々でも発酵用の容器として再注目されている。
- イギリス
- United Kingdom
近年注目のワイン産地の一つ。中世以降ワイン生産国よりも消費国として重要な位置を占めてきたが、近年の地球温暖化の影響を受け、高品質なスパークリングワインの産地として急激に注目を集めている。
- イタリア
- Italy
フランスとワイン生産量世界1位を常に争う大生産国。20州の全てでワインが生産され、長い長いワイン生産の歴史と、有名なサンジョヴェーゼやネッビオーロをはじめ、世界で最も種類が多いと言われるイタリア固有のぶどう品種による、多彩で個性的なワインがこの国の魅力。トスカーナ州、ピエモンテ州、ヴェネト州、シチリア州など、世界に知られたワイン産地を多く抱え、キャンティ、アスティ、バローロなど誰もが知る有名なワインも生産されている。食と一体になった、非常に深いワイン文化のあるワイン大国。
- 岩垂原
- Iwadarehara
日本を代表するメルロからの赤ワインで知られる、長野県塩尻市の生産地区の一つ。塩尻駅の周辺に広がる奈良井川右岸の桔梗ケ原に対し、奈良井川左岸のやや冷涼なエリア。岩垂の名前の通り、ゴロゴロとした大きな岩が多く含まれる非常に水はけの良い土壌。近年、ワイン用ぶどうの好適地として注目を集め、ぶどう園が急増している。
- ヴァラエタルブレンドワイン
- Varietal Blend Wine
オーストラリアのカテゴリーの一つ。一般的にヴァラエタルワインとは一つのぶどう品種がラベルに表示されたワインの事だが、2つもしくは3つ(もしくはそれ以上)のぶどう品種をブレンドして、それらの品種名が書かれたワインをこう呼ぶ。代表的な例として、「シラーズ/カベルネ」や「セミヨン/シャルドネ」「GSM(グルナッシュ、シラーズ、ムールヴェードル)」などがある。
- ヴァラエタルワイン
- Varietal Wine
ぶどうの産地名が大きくラベルに書かれたヨーロッパの伝統的なワインに対して、原料となるぶどう品種に注目して、主体となるぶどう品種を大きくラベルに表記したワインの事。伝統的なワイン産地よりも新興産地のワインに多く見られる。ぶどう品種による味のスタイルを覚えれば、飲んだ事のないワインでも味わいの想像がつきやすいので、20世紀の後半から一気に広がったカテゴリー。ぶどう品種の表記基準は各国のワイン法で決められているので、ラベルに品種名が表記されていてもその品種が100%使用されているわけではないので注意(例えば日本市場にあるチリのワインであれば85%以上その品種を使用していれば、ラベルに品種名を表示してよい)。
- ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スペリオーレ
- Valdobbiadene Prosecco Superiore
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.G.スパークリングワイン呼称。世界中で人気のスパークリングワイン・プロセッコの生産エリアの中でも、特に栽培条件の良いヴァルドッビアーデネ周辺のぶどうから生産される、1ランク上のプロセッコ。
- ヴァルポリチェッラ
- Valpolicella
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.赤ワイン呼称。ヴェローナ近郊で生産され、ソアーヴェ、バルドリーノと並んで、古くからヴェネト州を代表するワインの一つとされる。コルヴィーナ種を主体に、複数の品種をブレンドしてつくられる滑らかな赤ワイン。このエリアには陰干ししたぶどうから生産されるコクのある辛口のアマローネ(Amarone)、同じく陰干ししたぶどうからの甘口であるレチョート(Recioto)、通常の赤ワインの発酵中にアマローネやレチョートの搾りかすを加えてつくるリパッソ(Ripasso)など特徴的なワインが多い。特定の昔からぶどう畑のあったエリアのワインはヴァルポリチェッラ クラッシコを名乗れる。
- ヴァン ド EU
- Vin de E.U.
EUのワイン法の3段階の格付けにおいて、最もカジュアルなレンジに位置する地理的表示を持たないワインのカテゴリー。ヴァン ド EUはEU加盟各国のぶどうをブレンドしたもの。
- ヴァン ド フランス
- Vin de France
EUのワイン法の3段階の格付けにおいて、最もカジュアルなレンジに位置する地理的表示を持たないワインのカテゴリー。フランス国内の複数の産地で収穫されたぶどうをブレンドしてつくられるテーブルワインが多いが、なかにはA.O.P.ワインやI.G.P.ワインの規制(伝統的だがある意味型にはまったワインづくり)外のワインづくりをするために、あえてこのカテゴリーでワインを生産する生産者も存在する。
- ヴァン・ムスー
- Vin Mousseux
フランス語でのスパークリングワインの総称。一般的に3気圧以上のガス圧をもつものの事を指す。
- ヴィーニョ・ヴェルデ
- Vinho Verde
ポルトガルの最北部ミーニョ地方で生産されるD.O.P.ワインの呼称。ヴィーニョ・ヴェルデとは「緑のワイン」という意味。そのイメージにピッタリの、アルコールが低く、爽やかな酸味を持った、微発泡の軽やかな白ワインの産地として知られる。ただし、D.O.P.ヴィーニョ・ヴェルデの規定では量こそ少ないものの赤やロゼの生産も可能で、白でも微発泡ではない長期熟成可能な力強い白ワインや、本格低なスパークリングワインも生産されている。
- ヴィオジーニョ
- Viosinho
ポルトガル北部の白ぶどう品種。ドウロ地方が主な産地で、ホワイト・ポートやドウロのスティルワインにブレンドされる品種の一つ。華やかな香りと酸味を与える。
- ヴィオニエ
- Viognier
フランス・コート デュ ローヌ地方北部原産の白ぶどうで、華やかでボリュームのある香りのアロマティック系品種。完熟した果実や大輪の花、白いスパイスなどを連想させるゴージャスな香りと、肉厚な果実味、低めの酸味が特徴。トロリとした粘性の飲み応えのあるワインを生む。近年オーストラリア、アメリカ、南アフリカなど原産地以外でも生産量が伸びている。
- ヴィティス・ヴィニフェラ
- Vitis vinifera
3種あるぶどうの系統の中で、ヨーロッパ・中東系と呼ばれる系統。コーカサス地方原産とされている。現在、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなど、ワイン用のぶどうとして栽培されているぶどう品種の殆どがこの系統に属し、一般にワイン用ぶどうと言う場合ヴィニフェラを指す事が多い。フィロキセラに対する耐性がないため、栽培する際には通常は北米系の台木への接木が行われる。
- ヴィティス・ベルランディエリ
- Vitis berlandieri
北米系のぶどう系統の中で、特にフィロキセラへの耐性を強く持つ3大台木品種の一つ。乾燥した土壌に強く、石灰質の土壌に強い石灰耐性を持つ台木になるが、挿し木の際に根が出にくい。
- ヴィティス・ラブルスカ
- Vitis labursca
3種あるぶどうの系統の中で、北米系と呼ばれる系統の代表種。この一群にはコンコードやナイアガラなどの生食用や果汁・加工品用のぶどう品種が属する。フォクシー・フレーバーと呼ばれる独特の強い香りがあるので、食事と合わせるテーブルワインの原料としてはヨーロッパではあまり用いられない。アメリカや日本ではこの系統のぶどうからのワインも比較的生産されている。
- ヴィティス・リパリア
- Vitis riparia
北米系のぶどう系統の中で、特にフィロキセラへの耐性を強く持つ3大台木品種の一つ。湿った土壌に強く、早熟な苗になり、収量は少なめで、石灰質の土壌に弱い。挿し木の際に根が出やすい。
- ヴィティス・ルペストリス
- Vitis rupestris
北米系のぶどう系統の中で、特にフィロキセラへの耐性を強く持つ3大台木品種の一つ。乾燥した土壌に強く、晩熟な苗になり、収量は多めで、石灰質の土壌に弱い。
- ヴィニフェラ
- vinifera
ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)の略称(通称)
- ヴィノ・デ・ラ・ティエラ
- Vino de la Tierra
EUのワイン法で中間に位置する地理的表示保護クラスのスペインでの呼び名。地酒クラスで、日本のイメージで言うと「新潟県産の日本酒」くらいのイメージ。指定地域で生産されたぶどうを85%以上使用する必要がある。
- ヴィンテージ
- vintage
本来の意味はぶどうの収穫。そこから転じて、ワインの原料となったぶどうが収穫された年のこと。ぶどうの収穫はは通常一年に一回であり、その生育状況は天候に左右される。さらに、その生育状況が出来るワインの味わいに大きく反映されるため、ヴィンテージが重視される。
- ヴェスパイオーラ
- Vespaiola
イタリア・ヴェネト州のヴィチェンツァ周辺(主にブレガンツェ)のみで栽培される希少な白ぶどう。辛口の白ワインも生産されるが、陰干しからの甘口ワイン、トルコラートの原料として知られる。
- ヴェネツィア
- Venezia
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.ワインの呼称。州の東部を広くカバーし、国際品種をはじめ多くの品種から、赤・白・ロゼ・スパークリング・微発泡などあらゆるタイプのワインを生産する呼称。
- ヴェネト
- Veneto
①イタリア20州の中で最大級のワイン生産量を誇る重要な州。ヴァルポリチェッラ、ソアーヴェ、バルドリーノの3大ワインの他、人気のプロセッコなど、世界に広く知られる銘酒を数多くうむ。 ②イタリア・ヴェネト州のI.G.T.ワインの呼称。州の全域を広くカバーする汎用的な呼称。
- ヴェルシュリースリング
- Welschriesling
クロアチア原産の白ぶどう品種。原産地のクロアチアではグラシェヴィナと呼ばれている。中欧、東欧で広く栽培されている基幹品種の一つ。リースリングという名前がついているが、ドイツのリースリングとは全く血縁関係の無い別の品種。高めの酸の香り高いワインをうむぶどう。貴腐の素晴らしい甘口ワインの原料ともなる。リースリング・イタリコとも。
- ヴェルメンティーノ
- Vermentino
サルデーニャ島、リグーリア州、トスカーナ州などのイタリアのティレニア海沿岸や、フランスの地中海沿岸各地で広く栽培されている白ぶどう品種。華やかな香りと、イキイキとした酸味があり、高品質な爽やかな辛口の白ワインをうむ。近年人気の高まっている品種。
- ヴェレゾン
- veraison
ぶどうの生育サイクルの一つ。ぶどうの果皮が色付くタイミングを指す。ぶどう樹の活動が自らの枝や葉を伸ばす生長サイクルから、次代に子孫を残すために果実の成熟という生殖サイクルへと変化する重要な過程。このタイミングから果実は酸が減少し、糖が増加していく。北半球では7月~8月前半頃。
- ウドンコ病
- powdery mildew
ぶどうの病害の一つ。カビの一種で、枝や果実が白い粉状の胞子で覆われてしまい、果実腐敗の原因となる。対策としてはぶどうの開花時に硫黄を含んだ薬剤を散布するのが最も一般的。この時期にぶどう畑を訪れると、温泉のような香りがする場合があるのは、この対策のため。
- エアレーション
- Aeration
アエラシオンとも。ボトルに入ったワインをグラスに注いだり、デカンタなどに移すことでワインを空気に触れさせること。ワインが空気と接触することで起こる変化として、「還元状態から戻す」、「第一アロマを強く感じるようになる」、「第二アロマが感じにくくなる」、「樽を使ったワインの場合に樽の香りを強く感じるようになる」、「ポテンシャルを持ったワインの場合は、より複雑性を感じるようになる」、「味わい全体に広がりが出てふくらみを感じるようになる」、「渋さがまろやかに感じるようになる」などがある。エアレーションによってワインの味わいが広がる現象を、眠っていたワインが「目覚める」と表現することもある。
- A.O.C.
- Appellation d'Origine Contrôlée
2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのフランスでの名称。AOC、Appellation d'Origine Contrôléeとも。
- A.O.P.
- Appellation d'Origine Protégée
2009年に改正されたEUの新しいワイン法の3段階の格付けにおいて、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのフランス語での呼び名。AOP、Appellation d'Origine Protégéeとも。その名称の名声を守るために、指定地域のぶどうを100%使用する他、使用可能なぶどう品種、生産するワインのタイプ、ぶどうの栽培やワインの醸造法、収穫して良い最大のぶどうの量など厳しい規制が課せられている。
- AC
- AC
Appellation d'Origine Contrôléeを参照
- AVA
- American Viticultural Areas
米国政府認定ぶどう栽培地域。一定の地理的・気候的なぶどう栽培条件を共有するとみなされるエリアの境界線。ヨーロッパのワイン法による原産地呼称保護との大きな違いは、あくまで土壌や気候だけにポイントが置かれており、そこで栽培されるぶどう品種や、生産されるワインのスタイルには決まりがないこと。
- SO2
- SO2
酸化防止剤を参照
- エストゥファ
- Estufa
マデイラ独自の製法である加熱熟成を行うシステムの一つ。タンクの中(もしくは外周)に入っている管にお湯を循環させ、温める方法。50℃前後で3ヶ月ほど加熱する。比較的短時間で加熱熟成の効果が得られるため3年熟成などのスタンダードタイプのマデイラに使われる方法。
- エチケット
- étiquette
ワインのボトルに貼られているラベルのフランス語の名称。
- エデン・ヴァレー
- Eden Valley
オーストラリア・南オーストラリア州のGIワイン呼称。イーデン・ヴァレーと記載することもある。バロッサ・ヴァレーに隣接し、より標高の高いエリア。オーストラリア最高峰のリースリング産地の一つであり、素晴らしいシラーズもうむ。
- エミリア
- Emilia
イタリア・エミリア・ロマーニャ州のI.G.T.ワインの呼称。州の西部を広くカバーする汎用的な呼称。
- エミリア・ロマーニャ
- Emilia-Romagna
北部イタリアのパダーナ平原に位置する大きな州。全20州の中で常に生産量5指に入る大ワイン生産州。州都のボローニャを境に西がエミリアで東がロマーニャ。有名なワインとしてはエミリアで生産される微発泡赤ワインのランブルスコ、ロマーニャで生産されるサンジョヴェーゼとトレッビアーノなどが挙げられる。パルマの生ハムやバルサミコ酢などをうむ、美食の州としても名高い。
- M.L.F.
- Malo-lactic fermentation
マロラクティック発酵の略称
- オー・メドック
- Haut-Médoc
フランス・ボルドー地方の重要なA.O.C.ワインの呼称。メドック地区の中でも、上流部分の特に気候・土壌に恵まれたエリア。ポーイヤック、マルゴー、サン・ジュリアンなどの全ボルドーを代表する赤ワインをうむ村々を内包する。
- オーク樽
- Oak Barrel
ワインの発酵および熟成のための容器。大きさによって大まかに小樽(200~300リットル程度)、中樽(400~600リットル程度)、大樽(1,000リットル以上)に分けられる。樽の形状や大きさ、樽材の種類(フレンチ・オークやアメリカン・オークなど)や質、中身の焼き方、使われた期間などで中に入れられたワインの味わいへの影響度合いが変わる。
- オークチップ
- Oak chips
オークの素材を細かく砕いたもの。オーク樽で熟成しないワインにこのチップを漬け込むことで、オーク樽で熟成したような風味を与えることが出来る。
- オーストラリア
- Australia
常に世界のトップ10に入るワイン生産量を誇る大ワイン生産国。大きな国だが、ワインの生産が可能なのは比較低冷涼な国の南部のみ。広大な国であるためワインのスタイルは多彩。この国を代表するのは、独自の個性を持つシラーズ。
- オーセロワ
- Auxerrois
主にフランスのアルザス・ロレーヌ地方で栽培される白ぶどう品種。アルザスのワイン法ではピノ・ブランの亜種とされ、オーセロワを使用したワインもピノ・ブランと名乗る事が可能。ただ近年のDNA調査の結果、ピノ・ブランの亜種ではなく、シャルドネやガメの兄弟である事が判明した。ピノ・ブランよりも酸が穏やかとされる。フランス南西地方では、マルベック(黒ぶどう)をオーセロワと呼ぶ事もある。
- 大樽
- big barrel
一般的に1,000L以上の大型の樽のこと。定置した上で長年使用する事を前提とした樽で、樽の成分をワインに与えるためではなく、ゆっくりとした酸素の透過を目的として使用する。ドイツのフーダーやシュトゥック、フランスのフードルやトノー、イタリアのボッティなど。
- オールドワールド
- Old World
世界のワイン生産国の中で、古くからワインを生産している国々のことで、主にヨーロッパを指す。近年、ワイン発祥の地とされるジョージアやアルメニアなどのコーカサス諸国、イスラエルやレバノンなどの中東諸国などのワインにも注目が集まっており、単純にオールドワールド=ヨーロッパという図式ではなくなってきているが、ワイン生産国を区別する一つの代表的な方法。
- オフ・フレーバー
- Off Flavor
ワインの醸造・熟成・輸送・管理などの過程で生まれる欠陥臭のこと。代表的な例としてコルクによる汚染であるブショネ、高温に長時間曝されたことによる高温劣化、栓の不備による酸化、醸造・熟成時の管理ミスによる微生物汚染などが挙げられる。
- オリ
- Deposit
ワインの醸造や熟成の間に沈殿してくる固形分。醸造中には発酵を追えた酵母の死骸や、破砕された果肉や果皮など、熟成中には重合したタンニンやポリフェノール類、析出する酒石などがオリの成分。
- オリ抜き
- Disgorgement
デゴルジュマンを参照
- オリ引き
- lacking
ワインの製造工程の一つ。発酵が終わったばかりのワインには、ぶどうや酵母のかけらなど細かい浮遊物によって濁っている。これらは時間とともに貯蔵容器の底に沈みオリとなる。このオリを取り除くために定期的に上澄みの部分を別の容器に移しかえること。
- オレンジワイン
- Orange Wine
白ぶどうを原料として赤ワインと同じマセラシオンの工程を経ることで、オレンジや琥珀がかった色調と、果皮と種子からの複雑な香りとタンニンのある味わいに仕上げた白ワインの事。ジョージアが発祥とされるが、現在は世界中で生産されている。
- 温度
- Temperature
ワインを味わう際の重要な一つの要素。飲む温度によって同じワインでも味わいは大きく変化する。
- 害虫
- vine pests
ぶどうの害虫として最も恐れられているものは、フィロキセラ。日本では木に侵入し枯死させるコウモリガやスカシバ類の幼虫、カミキリムシの仲間、葉を食害するコガネムシ類、葉に寄生するダニ類、果汁を吸うヨコバイや蛾の仲間、果実を食害するカメムシ、カイガラムシの仲間など。
- カヴァ
- Cava
スペインのD.O.スパークリングワインの呼称。製法はシャンパンと同様の瓶内二次発酵が義務付けられている。生産可能エリアはスペインの各地に点在しているが、生産量の95%はカタルーニャ州。カヴァの語源はカタルーニャ語で「洞窟」。
- 垣根仕立て
- vertical shoot position
ぶどう樹の仕立て方として最もポピュラーなもの。世界的に広く採用されている。針金と柱を使って、結果枝を地面と垂直方法に伸ばす方法。代表的な垣根仕立てのスタイルとして、ギヨー(Guyot)やコルドン(Cordon)が挙げられる。
- 格付け
- Classification
ワインの順序付けをする作業。ワインが出来る土地の良し悪しを評価して畑の格付けを行う方法と、ワインをつくる生産者の良し悪しを評価して格付けを行う方法の2つがある。前者の代表がフランス・ブルゴーニュ地方の特級・1級・村名・地方名という4段階の畑の格付けで、後者の代表がフランス・ボルドー地方の1855年の生産者の格付け。
- 陰干し
- dried-grape wine
糖度の高いぶどうを得るための方法の一つ。収穫したぶどうを小屋の中で数ヶ月陰干しする事で、水分を抜き糖度を挙げること。この製法でつくられたワインは、フランスではVin de Paille(ヴァン ド パイユ=藁のワイン)、イタリアではパッシート、レチョート、アマローネ、スフォルツァートなど、オーストリアではシュトローヴァインやシルフヴァインなどと呼ばれる。
- 果実酒
日本の酒税法上でのワインの区分の一つ。酒精強化ワインやフレーバードワインをのぞく殆どのワインがここに属する。
- 果汁凍結
圧搾後の果汁を凍結させることで、凍った水分を除去し、本来の果実よりも凝縮した味わいにする技術。クリオ・エクストラクシオンは果汁ではなく果実を凍らせる技術なので違ったもの。
- カスティーリャ
- Castilla
スペインの地方名ワインの呼称でカスティーリャ・ラ・マンチャ地方全域をカバーする。
- カチャポアル・ヴァレー
- Cachapoal Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン生産の中心であるセントラル・ヴァレーに位置する、D.O.ラペル・ヴァレーの東側を占めるエリア。特に高品質なカルメネールの産地として定評がある。
- 門出のリキュール
- Dosage
ドサージュ参照
- カナイオーロ
- Canaiolo
トスカーナ州を中心とするイタリア中部の黒ぶどう品種。カナイオーロ・ネロ(Canaiolo Nero)とも呼ばれる。ふくよかな果実味が特長で、現在では主にブレンド用として使用され、赤ワインにまろやかさを与える。
- カビネット
- Kabinett
ドイツやオーストリアのワイン法における格付けの一つで、通常よりもよく熟した糖度の高いぶどうから生産される高品質のワインの事。原料のぶどうの糖度が格付けのポイントで、その後の発酵に関する規定はないので、味わいは限定されない(辛口~やや甘口まであり)。名前の由来は良質のワインを取っておいた棚(キャビネット)から。
- 株仕立て
- bush vine
ぶどう樹の仕立て方の一つ。針金と柱を使用せず、ぶどう樹から短い結果枝を伸ばす。結果枝が伸びすぎると、枝が地面に垂れ下がってしまうため、乾燥地帯など枝が伸びすぎない産地で採用されている。代表的な仕立て方はゴブレ(Goblet)。
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- Cabernet Sauvignon
フランス・ボルドー地方原産の黒ぶどう品種で、世界で最も広く栽培されているワイン用のぶどう。キーワードは濃い色調、濃い色の果実と清涼感の共存、しっかり酸、しっかりタンニン、カチっとした構造の強さを感じるテクスチュア、凝縮感のある強い味わい、ヒンヤリした冷たさ、ハズレのない安定感、長期の熟成能力など。強い赤ワインの典型を生むぶどうの一つ。カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配でうまれた。代表的な産地はフランス・ボルドー地方、アメリカのカリフォルニア、チリのセントラル・ヴァレーなどだが、世界中で高品質な赤ワインをうんでいる。
- カベルネ・フラン
- Cabernet Franc
フランス・ボルドー地方近辺原産(近年の研究によるとスペインのバスク地方が有力)の黒ぶどう品種。キーワードは中庸の濃さ、フレッシュで軽やかな果実味、イキイキとした酸味、軽めのタンニン、あまり重量感を感じないボディ、キメ細やかなテクスチュア、涼やかな味わいなど。カベルネ・ソーヴィニヨンの親なので似たところがあるが、より軽やかな味わいになる。世界中で栽培されているが、原産地のボルドー地方をはじめブレンド用の補助品種である事が多い。カベルネ・フラン主体の赤ワインの重要産地はフランスのロワール地方。
- 上山
- Kaminoyama
かみのやま。山形県の内陸部、蔵王山の西麓に位置するワイン産地。山形盆地の南端に位置し、雨が少なく日照時間が長い。特に収穫期の雨量が日本の他の産地よりも少ないのが強み。高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの産地として知られるが、シャルドネも良いものが収穫される。洋梨、桃など他の果実の産地としても有名。
- ガメ
- Gamay
フランス・ブルゴーニュ地方にあるボジョレー周辺の黒ぶどう品種。キーワードは、明るい外観、華やかで甘い果実の香り、やわらかくてフレッシュな果実味、イキイキした酸、軽めのタンニン、軽やかな味わいなど。。比較的シンプルで早飲みタイプのチャーミングなものが中心だが、中には10年以上の熟成能力を持つものも存在する。
- 醸し
- maceration
マセラシオンを参照
- 辛口
- Dry
白ワインやロゼワインの味わいをあらわす言葉。ぶどうの糖分が全てアルコールに変換され、糖分がほぼ残っていない状態(酵母が代謝できない糖分もあるので、ゼロにはならない)。EUのスティルワインの規定では残糖度が4g/L以下のものを辛口としている。例外として、非常に酸が強いワインの場合には、少し残糖が残っていても辛口に感じるので、9g/L以下の残糖で酸の量が残糖の2g/L以内なら辛口と認められる。スパークリングワインの場合は12g/L未満を通常辛口とする。辛口ワイン参照。
- 辛口ワイン
- Dry wine
ぶどうの持つ糖分が酵母によって全てアルコールに分解されたもの。EUの規定ではスティルワインでは4g/L以下のものが辛口とされる。ただ、甘辛度はワインの持つ酸度によっても左右されるので、酸が高いワインの場合、酸の数値によって残糖量が最大で9g/Lまでが辛口ワインのカテゴリーに入る場合がある。スパークリングワインでは一般的に12g/L以下のものを辛口としている。
- カリニェナ
- Cariñena
スペイン北東部、アラゴン州原産の黒ぶどう品種で、カタルーニャ州、フランスのラングドック・ルーション地方からサルデーニャ島まで広く地中海沿岸で栽培されている。スペインのリオハ地方ではマスエロ(Mazuelo)、サルデーニャではカリニャーノ(Carignano)と呼ばれる。多産なぶどうで、樹齢が若い時は高い酸と収斂する厳しいタンニンのやや粗い味わいだが、樹齢が上がり収量が落ち着いてくると、エレガントで深みのある素晴らしいワインを産む事でも知られる。
- カリニャン
- Carignan
カリニェナのフランスでの呼び名。
- カリフォルニア
- California
アメリカのワインの生産量の約85%を占める最大産地。ナパ、ソノマなどの世界に名の知れた銘醸地を多く抱えるだけでなく、セントラル・ヴァレーの広大な農業地帯で大規模なぶどう生産が行われており、質量ともに他の州を圧倒する。特に高品質で有名なのは、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨン、ソノマとセントラル・コーストのピノ・ノワールとシャルドネ。ジンファンデルもカリフォルニアを代表するぶどうとして人気がある。
- ガルガネガ
- Garganega
イタリア・ヴェネト州の白ぶどう品種で、イタリアを代表する白ワインであるソアーヴェの原料として知られる。多産性のぶどうだが、収量を抑えることでレモンとアーモンド、時として白桃のアロマを持つ魅力的な白ワインをうむことが出来る。陰干しからの甘口(レチョート)も有名。
- ガルナッチャ
- Garnacha
スペイン北東部、アラゴン州原産の黒ぶどう。現在はスペインだけでなく、南フランス、オーストラリア、カリフォルニア、南アフリカなど世界中で栽培されている主要なワイン用ぶどうの一つ。基本的に温暖なエリアのぶどう。キーワードは、中庸から濃いめの色調、ドライフルーツを連想させる甘い果実の香りと、おだやかなスパイシーさ、やわらかで肉厚な果実味、まったりとした低い酸、ホロホロと崩れるような独特の質感のタンニン、豊かなボディ、高いアルコールなど。あたたかさを感じさせるまろやかな味わいが特長。単体でワインになる他、シラーやムールヴェードル、カリニェナなどとブレンドする事も多い。
- ガルナッチャ・ブランカ
- Garnacha Blanca
突然変異で果皮の色素が無くなったガルナッチャ。ガルナッチャ同様、地中海沿岸で広く栽培されている。豊かな果実味と高めのアルコール度数、穏やかでまろやかな酸味のコクのあるタイプのワインをうむ。単体でワインになる事は少なく、他の白品種とブレンドすることが多い。
- カルメネール
- Carmenère
ボルドー原産の黒ぶどう品種。現在ではボルドーでは殆ど栽培されておらず、チリが主要な産地になっている。品種名の由来はカルミン(深紅色)で、このぶどうからつくられたワインの色の濃さから来ているとされる。キーワードは、しっかりとした濃厚な外観、濃色の果実と植物を感じさせる香り、刺激的なスパイシーさ。凝縮して詰まった果実味と、しっかりとしたタンニン、太くて引き締まった酸。比較的安価な場合でも、ガッチリとして力強く飲み応えのあるワインが出来るぶどう。
- 関税
- custom duty
外国から輸入されてくる物品に対して国家が課す税金。ワインの場合、スティルワイン、スパークリングワイン、酒精強化ワインでそれぞれ税率が異なる。基本の関税は、スティルワインが単価によって異なる(高いワインほど関税が高くなる)が、750mlボトル1本あたり69.75円~117.6円、スパークリングワインが151.2円、酒精強化ワインが92.4円。WTO加盟国(日本が輸入しているワイン生産国の殆どが加盟している)は協定によって関税低く設定されており、750mlボトル1本あたりでスティルワインが50.25円~93.75円、スパークリングワインが136.5円、酒精強化ワインが84円。この他にチリやオーストラリア、EU諸国など、個別に日本と経済連携協定(EPA)を結んでいる国ではさらに低い関税の場合もある。
- カンテイロ
- Canteiro
マデイラ独自の製法である加熱熟成を行うシステムの一つ。倉庫の屋根裏部屋に樽を並べ、天然の太陽熱を庫内に取り込むことでゆっくりと加熱熟成させる方法。単一品種表示のヴィンテージ・マデイラなどに使用される方法。
- 甘味果実酒
日本の酒税法上でにワインの区分の一つ。酒精強化ワインやフレーバードワインが属する。
- 機械収穫
- mechanical harvesting
専用の機械で一気にぶどうを収穫していく方法。手摘みと比較して圧倒的に早い、収穫人の手配が不要で、本当に収穫したタイミングで一気に収穫出来る、コストが安いなどの長所があるが、反面ある程度のぶどうの痛みが出てしまう、選果出来ない、機械では収穫出来ない場所があるなどの問題もある。
- 桔梗ケ原
- Kikyogahara
日本を代表するメルロからの赤ワインで知られる、長野県塩尻市の生産地区の一つ。塩尻駅の周辺に広がる奈良井川右岸の一帯。長野県のワインづくり発祥の地。
- 気候
- climate
気温、降水量、日照量など、ぶどうの生育に影響を与える自然条件の事。気候によって収穫されるぶどうの味わいや、栽培出来るぶどう品種などが異なってくるため、ワインの味わいに大きな影響を与える。
- 貴腐
- noble rot
ボトリティス・シネレア菌が乾燥した環境で熟したぶどうに付くと、菌糸がぶどうの表面のロウ質を溶かして、果皮にごく小さな穴を開ける。その穴からは水分は蒸発出来るが分子量の大きな糖分や酸などの他の成分は蒸発出来ないため、全ての成分が凝縮され生きながら干しぶどう状態になった果実がうまれる。この状態を貴腐と呼び、素晴らしい甘口ワインの原料となる。
- 貴腐ワイン
- Botrytized sweet wine
貴腐ぶどうを原料としてつくられる極甘口のワイン。歴史のある世界3大貴腐ワイン産地として、フランスのボルドー地方のソーテルヌ、ハンガリー東北部のトカイ地方、ドイツのラインガウ地方のトロッケンベーレンアウスレーゼが有名。日本では1975年にサントリーの登美の丘ワイナリー(当時は山梨ワイナリー)で初めてつくられた。
- キャップシール
- Capsule
コルクの乾燥防止や、瓶口の保護のために被せられるカバー。錫やアルミ、プラスチック製の他、蝋封なども存在する。
- キャンティ
- Chianti
イタリア・トスカーナ州のD.O.C.G.赤ワイン呼称。世界中で最もよく知られたイタリアワインの呼称でサンジョヴェーゼ種が主体。イキイキとした果実味とフレッシュな酸味が特長で、幅広い料理に合わせやすい。指定の産地が広く、生産量が多いので、生産者によって異なる幅広いスタイル・味わいがある。
- ギヨー
- guyot
グイヨとも。代表的な垣根仕立ての一つ。長い結果枝を伸ばす長梢剪定。木の片側に枝を伸ばす、ギヨー・サンプルと、両側に枝を伸ばすギヨー・ドゥーブルがある。
- 黄ワイン
- Vin Jaune
フランス・ジュラ地方で生産される特殊なワイン。補酒を行わず長期の酸化熟成工程を経る事で、ワインの色調が黄色みを帯びるため、黄色ワインと呼ばれる。クラヴラン(Clavelin)と呼ばれる独特の形状のボトルに入れられ、ローストナッツやカレーを連想させる独特の風味を持つ。
- クヴェヴリ
- Qvevri
ジョージアなどのコーカサス諸国で、ワインの発酵に使用されてきた大型の陶器の甕のこと。ジョージアでは、白ワインもこの甕の中で皮と種と一緒にマセラシオンして醸造するのが伝統的(オレンジワインもしくはアンバーワインと呼ばれる)。
- グラーヴ
- Graves
グラーブとも。フランス・ボルドー地方のA.O.C.ワインの呼称。ボルドー市の南、ガロンヌ川の左岸にある産地。ボルドー地方で唯一、高品質な赤ワインと辛口の白ワインの両方を産する。この地区の中でも特に優れたエリアはA.O.C.ペサック・レオニャンを名乗る。
- グラシアーノ
- Graciano
スペイン・リオハ地方の黒ぶどう品種。補助品種でワインに濃厚な色調や華やかな香り、長期の熟成能力を与える。
- グラス
- Glass
ワインを味わう際の重要な一つの要素。グラスの形によって同じワインでも味わいは大きく変化する。
- クラッシコ
- Classico
イタリアワインの用語の一つ。あるワイン産地の中で、最も古くから畑が存在していたエリアを指す。産地の中心の高品質のぶどう栽培に適した場所である事が多く、クラッシコのつかないエリアよりも優れたワインが生産される条件が整っている。
- グランクリュ
- Grand Cru
日本語訳は特級。フランスのワインに見られる表示で、公的な格付けの最上位に位置しているという証明。畑が格付けされている場合と、生産者が格付けされている場合があるが、どちらにせよ伝統的に高い評価を得てきた貴重なワインであることは間違いない。
- クリアンサ
- Crianza
スペインワインの用語の一つ。スペインの高級ワイン(D.O.ワイン及びD.O.Ca.ワイン)で330リットル以下のオーク樽を使用し、一定期間熟成したものがラベルに表示する事が出来る。赤ワインは合計24ヶ月以上(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)、白及びロゼワインは合計18ヶ月以上(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)。
- クリオ・エクストラクシオン
- Cryo-extraction
ワインの特殊な醸造法の一つ。収穫したぶどうを冷凍庫で凍結し、凍ったままのぶどうを圧搾することで、糖度の高い果汁を得る方法。人工的にアイスワインをつくるようなもので、甘口ワインにすることが多い。圧搾後の果汁を凍結する方法もあるが、これは果汁凍結という別のやり方になり、クリオ・エクストラクシオンにはならない。
- グリッロ
- Grillo
イタリア・シチリア州の白ぶどう品種。しっかりとしたコクのあるスティルワインになる他、マルサーラの原料としても重要。
- グリぶどう
- pink grape
完熟した際に、果皮の色調が淡いピンク~淡い紫色に色付くぶどうのこと。主に白ワインの原料となる。
- グルナッシュ
- Grenache
ガルナッチャのフランスでの呼び名。オーストラリアやアメリカなどでもこの名で呼ばれることが多い。
- グルナッシュ・ブラン
- Grenache Blanc
ガルナッチャ・ブランカのフランスでの呼び名。オーストラリアやアメリカなどでもこの名で呼ばれることが多い。
- グレーラ
- Grela
イタリア・ヴェネト州の白ぶどう品種。以前はプロセッコ(Presecco)と呼ばれていたが、2009年のD.O.C.プロセッコの認定のタイミングでグレーラに改名された。軽やかで華やかなスパークリングワイン、プロセッコの原料ぶどう。
- クレーレット
- Clairette
南フランスの非常に古い白ぶどう品種。高いアルコール度数と、低めの酸のコクのあるタイプのワインをうむが、酸化しやすい。
- クレマン
- Crémant
シャンパン以外のフランスの高品質な瓶内二次発酵タイプのスパークリングワインに与えられる名称。2019年現在、フランスで認可されているのは、アルザス、ブルゴーニュ、ジュラ、サヴォワ、ボルドー、ロワール、リムー、ディーの8地区のみ。他にルクセンブルグやドイツにもこの名称を持つスパークリングワインが存在する。
- クローン
- clone
ぶどうの苗で同じ遺伝子をもつもののこと。ぶどうは突然変異を起こしやすい植物で、大きな突然変異を起こした場合は別の品種になる(ピノ・ノワールの果皮の色素がなくなってピノ・ブランになるなど)が、小さな突然変異(微妙に粒が小さいとか房が大きいとか)の場合は同じ品種の別のクローンとして登録される。例えば突然変異を起こしやすい品種の代表であるピノ・ノワールの場合、登録されているクローン数は数百種に及び、一般に流通しているものだけでも40種類以上存在する。生産者はそのクローンの中から、自分の目的にあった苗(例えば収量が多くて病気に強いとか、収量は少ないけど高品質とか)を選んで畑に植える。
- 黒ぶどう
- black grape
完熟した際に、果皮の色調が濃い紫色に色付くぶどうのこと。主に赤ワインの原料となる。
- グロロー
- Grolleau
フランス・ロワール地方の黒ぶどう品種。多くがやや甘口のロゼである、ACロゼ・ダンジューの原料となる。
- 黒ワイン
- Vin Noir
あまりに色調が濃厚なために黒く見える赤ワインに付けられた通称。有名なものとして、フランス・南西地方のカオールで生産される赤ワイン(現在はそれ程濃くはないが)が挙げられる。
- ゲヴュルツトラミネール
- Gewürztraminer
トラミナー種(非常に古くからある白ぶどうで、フランス・ジュラ地方でヴァン・ジョーヌをつくるサヴァニャン=Savagninと同じ品種)が突然変異によって果皮がピンク色に変化したグリぶどう。白バラや白桃、ライチ、ハチミツなどの非常に特徴的で華やかな香りを持つアロマティック品種。ゲヴュルツはドイツ語で「スパイシーな」という意味で、白胡椒やコリアンダーシード、ジンジャーのようなスパイスの香りも。酸が落ちやすく、肉厚でボディ感の強い、果実味タップリのワインになる。遅摘みや貴腐によるくエキゾチックな香りの甘口も素晴らしい。
- 欠陥臭
- Off Flavor
オフ・フレーバーを参照。
- ゲミシュター サッツ
- gemischter satz
ドイツ語で、複数品種の混植&混醸のワインを指す言葉。フィロキセラ以前の一般的なワイン生産のスタイル。代表的なこのワインの産地はオーストリアのウィーン近郊。
- ケルナー
- Kerner
ドイツで1969年にトローリンガーとリースリングを掛け合わせてうまれた白ぶどう品種。日本でも北海道で栽培され成功いている。リースリングに似た風味を持つが、よりマイルド。ドイツ系の交配品種の中では品質面で特に評価の高い品種の一つ。
- 原産地
- appellation
そのワインの原料となるぶどうが収穫された場所のこと。ワインは出来る場所によって味わいが変化するお酒のため、原産地は非常に重視される。多くの国で、気象・土壌・歴史的経緯などを踏まえて原産地の線引きを行っており、同じ原産地名を名乗るワインには共通の風味があるとされる。
- 梗
- stem
ぶどうの果実の中で、実と果皮、種子を除いた軸の部分。
- ゴウヴェイオ
- Gouveio
ポルトガルのドウロ川流域の白ぶどう品種。ドウロの白ワインやホワイトポートのブレンドの原料となる他、スパークリングワインもつくられている。
- 高貴品種
- Noble Varieties
国際品種を参照
- 甲州
- Koshu
日本で1,000年の歴史を重ねると言われる、日本固有の皮の色がピンク色のグリぶどう。日本のワイン用ぶどうとしては最も栽培面積が広い。他のぶどう品種ではあまり感じない日本酒や米に例えられる日本を感じさせる要素と、八朔や夏みかんなどの和の柑橘のフレーバーが特長。自分からはあまり強く主張しないが、日本の素材や料理に寄り添う穏やかでしっとりとした味わいのワインをうむ。シュール・リー製法によるスッキリとした辛口が現在の主流。
- 酵母
- yeast
ぶどうに含まれる糖分をエタノールと二酸化炭素(と香気成分)に分解(これをアルコール発酵と呼んでいる)する微生物。ワインのアルコール発酵を行う酵母は、パンやその他のお酒と同じサッカロミセス・セレビシエ。ぶどうの果皮や醸造所に自生する酵母(自生酵母・土着酵母)でアルコール発酵を行う場合と、それらの酵母から優秀なものを選抜した培養酵母でアルコール発酵を行う場合がある。
- コート デュ ローヌ
- Côtes du Rhône
①フランス南東部のコート デュ ローヌ地方に位置するワイン産地。赤ワインの生産が多く、しっかりとした果実味と豊かなコクを持つ、飲み応えのあるワインで定評がある。大きく北部と南部に分かれ、北部ではシラー種からのスパイシーでエレガントなワイン、南部ではグルナッシュを主体にした複数品種のブレンドからのスパイシーでコクのあるワインをうむ。 ②フランス・コート デュ ローヌ地方のベースとなるA.O.C.ワインの呼称。
- コート ド プロヴァンス
- Côtes de Provence
フランス南部のプロヴァンス地方のA.O.C.ワインの呼称。この地方最大のワイン産地で、フランスを代表するロゼワインの産地として知られる。淡い夕焼けの色をしたプロヴァンスのロゼはフランスだけでなく、世界中で辛口ロゼワインの代名詞的な存在。
- コート・ドール
- Côte d'Or
高級ワインの産地として知られるフランス東部のブルゴーニュ地方の中でも、特に銘醸地として知られ、ブルゴーニュの心臓とも言えるコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌを併せた呼び名。意味は「黄金の丘」で、由来はブルゴーニュのぶどう畑が連なる丘からうまれるワインが文字通り黄金を生み出すからとか、晩秋に黄葉したぶどうの葉によって丘全体が金色に見えるからなどと言われている。
- コールド・マセレーション
- Cold Macertion
ワインの特殊な醸造法の一つ。赤ワインのアルコール発酵の前に果汁と果皮を低温に管理して、一定期間アルコール発酵が起きない状態を保持すること。鮮やかな色調と果実味を持つワインになる。
- 国際品種
- International Varieties
そのぶどうから生まれるワインの品質の高さから、原産地だけでなく広く世界の国々で栽培されているぶどう品種。代表的なぶどう品種としてカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングなど。品種ごとの味わいの個性が広く認識されており、人々はそれらの品種から生産されるワインを味わうことで、品種の味わいよりもむしろ土地の個性を味わうことが可能となる。
- 小樽
- small barrel
一般的に200~300Lの小型の樽のこと。移動可能な貯蔵容器で、樽の成分がワインの味わいに影響を与える。特に新樽は影響が大きい。使用するごとに、ワインの味わいに与える影響が減少していき。通常5シーズン程度の使用で廃棄される。
- 小瓶
- Quart
通常の1/4サイズのボトル。187mlが一般的だが、200mlなどの場合もある。
- ゴブレ
- goblet
株仕立てのこと。フランスの南部やスペインなどで暖かくて乾燥した産地で多く見られる栽培方法。カリフォルニアやオーストラリアなどの歴史の古い畑(ここではBush Vineと呼ばれる)でも見られる。
- 古木
- old vine
通常よりも高い樹齢のぶどう樹のこと。ただし、樹齢何年以上が古木かという明確な規制は無い。ぶどう樹は樹齢が高い方が品質の高いぶどうをうむと言われているが、それに反比例して収量は落ちていくため、生産性を考えて30~50年程度で植え替えする事が多い。産地にもよるが30年を超える樹齢のものを古木と呼んでいることが多く、100年を超えるような樹齢のぶどう樹は非常に稀。
- 固有品種
- Specific Varieties
ぶどうの原産地及びその周辺のみで栽培されているぶどう品種。その土地で生産されているワインの風味と密接に関係している。
- コルヴィーナ
- Corvina
イタリア・ヴェネト州の黒ぶどう品種で、コルヴィーナ・ヴェロネーゼ(Corvina Veronese)とも呼ばれる。D.O.C.ヴァルポリチェッラやバルドリーノの主要ぶどう。陰干しする事で、アマローネやレチョートなどの偉大な赤ワインをうむ。
- コルク
- Cork
ワイン用の栓として、最も広く使われているもの。伝統的にはコルク樫の木の皮からつくられるが、近年形状は同じながら色々な素材を使ったものが出てきている。
- コルク・ティント
- Cork Taint
コルク臭の英語での呼び名。コルク臭を参照。
- コルク臭
- Cork Tinto
TCA(2,4,6-トリクロロアニゾール)という化学物質に汚染されたコルクが打栓されたボトルで起こるワインのオフ・フレーバーの一つ。TCAは非常に少量で感知出来てしまう物体で、ワインにカビ臭い香りを与えるとともに、嗅覚を麻痺させてワインの果実味を感じさせなくするため、どのようなワインでも全て同じようなカビの香りになってしまう。研究と対策が進み、発生率は2~3%程度と少しずつ減ってきてはいるが、ワインのオフ・フレーバーの最大発生源であり、悩みの種である。
- コルチャグア・ヴァレー
- Colchagua Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン生産の中心であるセントラル・ヴァレーに位置する、D.O.ラペル・ヴァレーの西側を占めるエリア。特に高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンの産地として定評がある。
- コルドン
- cordon
垣根仕立ての仕立て方の一つ。前年の結果枝を2芽だけ残して短く剪定する短梢剪定。作業が単純で機械化も可能。
- コルビエール
- Corbières
フランス南部のラングドック地方のA.O.C.ワインの呼称。この地方最大のA.O.C.ワイン産地で赤白ロゼがつくられるが、地元のシラー、ムールヴェードル、グルナッシュなどのぶどうをブレンドしてつくられる、力強さとコクを併せ持った赤ワインはこの地方を代表するワインとして知られる。
- コロリーノ
- Colorino
イタリア・トスカーナ州の黒ぶどう品種。色素が多いぶどうで、伝統的にキャンティワインに濃厚な色調を加えるためにブレンドされてきた。
- コロンバール
- Colombard
フランス・シャラント地方原産(コニャックが生産されるエリア)の白ぶどう品種。伝統的にユニ・ブランやフォル・ブランシュと共にコニャック、アルマニャックなどのブランデーの原料となってきた。近年は気軽に飲めるフレッシュでカジュアルなテーブルワイン用としての需要が多くなっている。カリフォルニア(ここではフレンチ・コロンバードと呼ばれる)や南アフリカ、オーストラリアなどでもカジュアルなブレンド白ワイン用として広く栽培されている。
- コンコード
- Concord
アメリカ北東部原産のヴィティス・ラブルスカ系の黒ぶどう品種。強いフォクシー・フレーバーを持ち、主にグレープジュースやゼリーの原料となるが、アメリカや日本などでは、このぶどうからのワインも生産されている。
- 混醸
- Co-Fermentation
複数のぶどう品種を同じ発酵容器に入れて、同時にアルコール発酵を行うこと。アルコール発酵を同時に行うことで、別々に行った後でブレンドする場合にはうまれない香り成分が出来ることがわかっている。混醸法はロゼワインの製法の一つでもあり、この場合はぶどうの状態で黒ぶどうと白ぶどうを混ぜてアルコール発酵とマセラシオンを行う。
- 混植
- field Blend
複数の品種を同じ畑に植える栽培方法で、フィロキセラ以前の伝統的なスタイル。品種によって生理的な成熟のタイミングが異なるために、同じ畑で複数回に分けて作業を行う必要性が出て来るが、同じ理由で病気や悪天候などのリスクを分散することが可能。一度に収穫して全て同時に仕込む場合と、品種ごとに収穫して別々に仕込む場合がある。
- サルタ
- Salta
アルゼンチンの北部に位置する州で、約1,300~3,100mと世界の中でも特に標高の高いエリアにぶどう畑がある事で知られる。良質なトロンテスの産地として定評がある。
- サルマナザールボトル
- Salmanazar
シャンパーニュ地方での9L瓶(通常ボトル12本分)の呼び名
- サン・ヴェラン
- Saint-Véran
フランス・ブルゴーニュ地方のマコネ地区のA.O.C.白ワインの呼称。マコネ地区の中でも特に優れた村から生産される5つの村名ワインの1つ。シャルドネからのコクのある辛口。
- サン・ギエム・ル・デゼール
- Saint-Guilhem-le-Désert
フランス・ラングドック地方のI.G.P.ワインの呼称。ラングドック東部の内陸側の山地一帯。
- サン・ジュリアン
- Saint-Julien
フランス・ボルドー地方のA.O.C.赤ワインの呼称。ジロンド川左岸のメドック地区のA.O.C.オー・メドック内にある、6つの村名ワインの中の一つ。6つの村名ワインの中で、最も滑らかでバランスの良いワインをうむと言われる。
- 酸化
- oxidation
物質が酸素と反応して酸化物となること。還元の反対。ワインの熟成と関連の深い言葉。ワインにおいては醸造・熟成中の急激な酸化は味わいのバランスを壊し、風味を落とすが、適した条件の下でのゆっくりとした酸化熟成はワインの風味を向上させ、味わいに複雑さを増す。
- 酸化防止剤
- Antioxidant
ワインの酸化防止剤としては主に硫黄を燃やした際に発生する物質である亜硫酸塩が主に使われている。古代ローマ時代からワインの保存のために使われてきた長い歴史を持ち、現在でも殆どのワインに使用されている。食品衛生法によって0.35g/kg(350ppm)未満と使用量が決められているため、人体への悪影響は基本的にない。ワイン以外の食品では、ドライフルーツなどにも広く使用されている。酸化を抑えるために瓶詰めする際に添加されているイメージが強いが、実際には瓶詰め時だけでなく醸造をコントロールするためにも、色々な場面で使用されている。
- サングリア
- Sangria
スペインで伝統的に生産される、代表的なフレーバードワインの一つ。ワインに果実などを漬け込んだもの。
- サンジョヴェーゼ
- Sangiovese
イタリアで最も広く栽培されている黒ぶどう品種で、特にトスカーナを中心とする中部イタリアを代表するぶどう。キャンティ、キャンティ・クラッシコ、ブルネッロ ディ モンタルチーノなどのイタリアを代表する赤ワインの原料となっている。多くのクローンがあり、多種多様なスタイルのワインがつくられるので、味わいは一概には言えないが、しっかりとした酸の骨格を特長とするものが多い。呼び名も産地によって様々であり、沢山の顔を持つぶどう。
- サンセール
- Sancerre
フランス・ロワール地方のA.O.C.ワインの呼称。ソーヴィニヨン・ブラン種のワインの代表の一つとして知られる、爽やかで引き締まった辛口の白ワインをうむ。ごく少量のロゼと赤もあり、こちらはピノ・ノワール種から生産される。
- サンソー
- Cinsault
南フランスの黒ぶどう品種。色が淡く、軽やかでやわらか、フレッシュかつ香り高いワインをうむ。濃厚な赤ワインには向かないが、品質の高いロゼワインの原料として重要。
- サンタムール
- Saint-Amour
フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区のA.O.C.赤ワインの呼称。ボジョレー地区の中でも特に優れた10の村から生産されるクリュ・ボジョレーと呼ばれるワインの1つ。意味は「愛の聖人」で、フランスではバレンタイン・デーのプレゼントの定番。甘い香りと、繊細な味わいが特長。
- 産地
- appellation
原産地を参照
- サンテミリオン
- Saint-Émilion
フランス・ボルドー地方の重要なA.O.C.赤ワインの呼称。ボルドー市の東、ドルドーニュ川の右岸に位置し、メルロを主体とする芳醇でコクのある、偉大な赤ワインの産地として知られる。サンテミリオンの美しい町とその周辺のぶどう畑はローマ時代からの歴史を持ち、ユネスコの世界遺産にも登録されている。
- 残糖量
- residual sugar
ワインに残っている糖分の量で、ワインを飲んだ時に感じる甘さを測る一つの指標。口の中で感じる感覚的な甘さは、ワインの酸度やアルコール度数などのバランスによっても変化するので、残糖量の数値だけでは決まらない。EUではスティルワインは残糖量によって辛口、やや辛口、やや甘口、甘口の4つに分けられ、一般的には4g/L以下の残糖のものが辛口(酸度によって例外あり)、45g/L以上の残糖のものが甘口とされる。スパークリングワインは残糖量によって7段階の呼び名があるが、一般的に辛口とされるのは12g/L未満。
- 産膜酵母
- Flor
フロールを参照
- GI
- Geographical Indication
日本、オーストラリア、ニュージーランドのワイン法による地理的呼称。Geographical Indicationの略称。
- ジェネリックワイン
- Generic Wine
ヴァラエタルワインの対義語。ラベルにぶどう品種名は記載されず、ワインのブランド名、生産者名、産地名(多くの場合は比較的広域のもの)などが書かれている。ぶどうは複数品種のブレンドである事が多い。アメリカ合衆国やオーストラリアなどで多く見られるタイプで、価格もスタイルもカジュアルなものが多い。
- シェリー
- Sherry
世界3大酒精強化ワインの一つ。スペイン南部のアンダルシア地方・ヘレス(英語でシェリー)の町の周辺でつくられる。ドライで優美な辛口のフィノ、コクと厚みのある辛口のオロロソ、濃密でそれ自体がデザートのような極甘口のペドロ・ヒメネスなど、辛口から甘口まで幅広いタイプがある。
- ジェロボアムボトル
- Jéroboam
シャンパーニュ地方での3L瓶(通常ボトル4本分)、ボルドー地方での4.5L瓶(通常ボトル6本分)の呼び名。ボルドーでは3L瓶はダブルマグナムと呼ぶ。
- 塩尻
- Shiojiri
長野県中部に位置する、長野のワインづくり発祥の地。日本を代表するメルロからの赤ワインで知られる。サントリーは1936年からこの地にワイナリーを持ち、ワインを生産している。
- 自然派ワイン
- Vin nature
明確な定義のないカテゴリー。「化学農薬や化学肥料を使用しなかったり減らしたりして、持続可能な農業で栽培されたぶどうを原料にして、醸造過程で出来るだけ人為的介入と酸化防止剤の使用を控えて生産されるワイン」というイメージがあるが、あくまでイメージで規定はない。
- 仕立て
- vine training
蔓性の植物であるぶどうを、人間が管理しやすい形に誘導する作業。ぶどうは支えになるものがないと地面に垂れ下がってしまうため、捧やワイヤーなどを使って、ぶどうが上方向に生長していくように整える。
- 仕立て方
- Training System
地形や気象条件などによって、その土地に適した仕立て方が選ばれる。作業効率の良い垣根仕立て、雨に強い棚仕立て、費用が安い乾燥地向けの株仕立て、急斜面向けの捧仕立てなどがある。
- シチリア
- Sicilia
①イタリア20州の中で、常に5指に入るワイン生産量を誇る重要な州。イタリア最大の州かつ、地中海最大の島であり、多様な気候、多様なぶどう品種、多様な歴史からくる多彩なワインが生産される。最も有名なワインは、酒精強化ワインのマルサーラ。 ②イタリア・シチリア州のD.O.C.ワインの呼称。州全体をカバーし、幅広いタイプのワインを生産出来る汎用的なD.O.C.。
- 地場品種
- Local Varieties
固有品種を参照
- シャトー
- Château
フランス語で城や豪華な家のこと。ボルドー地方では貴族や大商人の所有する城や豪華な建物の周辺にぶどう畑が開かれ、ワインが生産されてきたという歴史があるために、生産者名にシャトーとつくところが多い。ボルドー以外の産地でも、シャトーとつく生産者は昔から周囲のぶどう畑を所有してきた歴史のある生産者である事が殆ど。ボルドーにおいても、歴史のある建物をもたない生産者はシャトーとは名乗れないルールがある。
- シャブリ
- Chablis
フランス・ブルゴーニュ地方の最北部に位置するA.O.C.白ワインの呼称。辛口白ワインの代名詞として、数あるワイン産地の中でも特に有名なもの。シャルドネと、フランスの中でも北に位置する冷涼な気候と、キンメリッジアンと呼ばれる特殊な土壌からうまれる引き締まった味わいは、魚介類との相性が良いことで知られる。
- シャルドネ
- Chardonnay
フランス・ブルゴーニュ地方原産の、世界で最も人気のある白ぶどう品種。品種としての個性的な風味が少なく、産地や醸造方法によって、驚く程多彩な表情を見せる。シャブリのようなすっきりした辛口から、モンラッシェやカリフォルニアのナパ・ヴァレーのリッチでコクのある辛口、シャンパンやフランチャコルタなどの高級スパークリングワインまで、あらゆるスタイルで高品質のワインを生む、大変ポテンシャルの高いぶどう。
- シャルマ法
- Méthode charmat
スパークリングワインの製法の一つ。泡をつくる際の二次発酵を大きな加圧式のタンクで行う方法。瓶内二次発酵と比較した際に、品質が均一化され、作業がまとめて行えるために効率的。また、大型タンクでの熟成の方が酸化のリスクが少ないため、果実味やフレッシュさを残したいスパークリングワインにも適した製法。
- シャンパーニュ
- Champagne
シャンパンを参照
- シャンパン
- Champagne
①フランス北部のワイン産地。冷涼な気候と、白亜質で真っ白に見える独特の土壌から生まれる偉大なスパークリングワインの産地として名高い。ごく少量ではあるが、スパークリングワイン以外も生産している。 ②フランス・シャンパーニュ地方のA.O.C.ワインの呼称。シャンパーニュ地方全域をカバーし、白とロゼのスパークリングワインを産する。原料のぶどうはシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3種(ブレンドが主体だが、単一品種の場合もある)が殆どで、黒ぶどうからも白ワインをつくるのがこのエリアの特徴。
- シャンパンブレンド
- Champagne Blend
スパークリングワインでシャルドネとピノ・ノワールを主体(ムニエを含む場合も)にブレンドしたもの。
- シャンベルタン
- Chambertin
フランス・ブルゴーニュ地方の偉大な赤ワイン。フランスを代表するグランクリュの畑で、そこから生まれるワインの緻密な果実味と強い骨格を持つ味わいは「ワインの王」と讃えられる。ナポレオンが愛したワインとしても知られる。
- シュヴァルツェ カッツ
- Schwarze Katz
ドイツの著名なワインの一つ。モーゼル地方で生産されるフルーティで瑞々しい味わいの白ワイン。シュヴァルツェ(黒)、カッツ(猫)で、貯蔵庫に置いてある樽の中で黒猫が飛び乗った樽が一番美味しかった事から名付けられた。
- 収穫
- harvest
ぶどう栽培での一年間の総決算となる作業。同じぶどうでも収穫するタイミングで糖と酸のバランスが変化するため、いつ収穫するかは出来上がるワインの品質を決定する大事な一つの要素である。また、手摘みか、機械収穫かもワインの品質に影響する。
- 収量
- yield
一定の広さの畑からどれくらいの量のワインが出来上がるか。一般的には1ヘクタールあたり(アメリカではエーカーもよく使われる)で、何ヘクトリットル(1ヘクトリットル=1hl=100リットル)のワインが出来上がるかが単位として良く使われる(60hl/haというような表記がされる)。産地や品種によっても異なるので一概には言えないが、ざっくりした目安としては1haあたりで100hlを超えると収量は多め。50hlを下回ると少なめと言う感じ。1haあたりの土地の養分は決まっており、その養分をぶどう樹が吸い上げて果実に分配するわけなので、収量を下げた方が収穫出来るぶどうの充実度は上がる。ただし、収量を下げると品質は上がるが出来るワインの数量が減ってしまう。経営を考えながら収量と品質のバランスを取るのがワイナリーの悩みどころ。収量は産地の気候、土壌、ぶどう品種、クローン、台木、仕立て方、その年の天候、害虫や動物の食害、病気の発生度合いなどで変わってくる。
- シュール・リー
- Sur Lie
ワインの特殊な醸造法の一つ。比較的軽めの辛口白ワインで採用される製法。アルコール発酵の後に、わざとオリ引きをしないでワインとオリを接触したまま翌年の春過ぎ頃まで保持する製法。オリは時間とともに酵母の自己消化でアミノ酸を放出していくので、それがワイン中に溶け込んで旨味を持ったワインとなる。元々はフランス・ロワール地方のミュスカデの伝統的な製法。近年は辛口の甲州の最も代表的な醸造法にもなっている。
- ジュヴレ・シャンベルタン
- Gevrey-Chambertin
フランス・ブルゴーニュ地方を代表するA.O.C.赤ワインの呼称。タンニンが豊かで、骨格のしっかりした、力強く長期熟成型のワインをうむ。ぶどうはピノ・ノワール。ブルゴーニュのワインを生産する村としては最も有名なものの一つ。
- 熟成
- maturation
育成とも。発酵が終わったワインを樽やタンクもしくは瓶で一定期間保存する工程。保存中にゆるやかな酸化や成分の重合が進み、まろやかな味わいに変化していく。
- 酒税
- alcohol tax
ワインの酒税は1キロリットルあたり80,000円。750mlボトル1本あたりでは60円が酒税。2020年からの酒税改正により、段階的に1キロリットルあたり100,000円、ボトル1本あたり75円になる予定。酒精強化ワインや一部のワインは甘味果実酒の扱いになり、1キロリットルあたり120,000円、750mlボトル1本あたり90円と酒税が異なる。
- 酒精強化ワイン
- Fortified Wine
醸造法によるワインの4分類の一つ。ワインの醸造中に、ブランデーなどのより度数の高いアルコールを添加して、ワイン自体のアルコール度数を高めたもの。通常のワインのアルコール度数は12度~13度前後だが、酒精強化ワインでは15度~22度程度になる。アルコール度数が高くなる事で保存性が高まるだけでなく、味わいにもコクが生まれる。代表的な酒精強化ワインに、シェリー、ポート、マデイラがある。
- 酒石
- tartrate
ワインに含まれる酒石酸にカリウムなどが結合した物質。キラキラと輝くガラスのような物質で、ワインの宝石とも呼ばれる。
- シュナン・ブラン
- Chenin Blanc
フランス・ロワール地方原産の白ぶどう品種。単にシュナン(Chenin)とも。花梨やはちみつ、濡れたワラを連想させる香りと厳しい酸味を持ち、原産地のロワールでは辛口~甘口までの高品質なスティルワインに加え、スパークリングワインでも良いものがつくられている。ニューワールドでも広く栽培されているが、ここでは軽めのテーブルワインの原料もしくは高い酸を活かしたカジュアルなスパークリングワインの原料となることが多い。南アフリカではスティーン(Steen)とも呼ばれ、最も広く栽培されているぶどう。
- シュペートレーゼ
- Spätlese
ドイツやオーストリアのワイン法における格付けの一つで、ドイツ語でシュペートは「遅い」、レーゼは「収穫」を意味。その名の通り、通常よりも1週間程度収穫を遅らせて糖度の上がったぶどうから生産される上質なワインを指す。伝統的には甘口が多かったが、近年は地球温暖化の影響もあり、シュペートレーゼクラスまで糖度の上がったぶどうを完全に発酵させて辛口に仕上げることも増えてきている。
- 樹齢
- vine age
そのぶどうが植えられてから何年経っているか。産地によっても異なるが、一般的にぶどうは新植されて最初の2年間は実をつけず、3年目に初めて少し実をつけ、一般的な生産レベルにまで達するのは4年目から。そこから10年目くらいまでは若木の時期で、樹勢が強く多くの実をつける。10年目から30年目くらいまでが安定期で生産量を保ちながら、充実した品質の実をつける。30年を超えてくると、品質は高いが収量がだんだんと少なくなっていくため、経済性を考えてどこかのタイミングで植え替えされることが多い。
- シラー
- Syrah
シラーズとも。フランス・コート デュ ローヌ地方原産の黒ぶどう品種。オーストラリアをはじめ、幾つかの国々ではシラーズと呼ばれる。キーワードは濃い色調、豊かな果実味、黒胡椒やビーフジャーキーなどを思わせる独特の香りなど。スパイシーという表現をされるぶどう品種の代表。濃くて渋いと思われがちだが、意外に滑らかで上品な味わい。フランスのコート デュ ローヌ地方とオーストラリアが2大産地だがスパイシーさや花の香りが前に出るコート デュ ローヌ地方に対して、果実味が前に出るオーストラリアと、出来るワインはかなり異なった味わいになる。近年世界中で栽培面積が増加している人気品種。
- ジルヴァーナー
- Silvaner
オーストリア原産の白ぶどう品種。現在ではオーストリアでは殆ど栽培されておらず、主要な産地はドイツとフランスのアルザス地方。豊かな酸味と柑橘類を連想させる香りに、ほのかに緑の植物のタッチが入る爽やかなワインをうむ。ドイツではジルヴァーナーもしくはシルヴァーナー、フランスではシルヴァネール。
- 白ぶどう
- white grape
完熟した際に、果皮の色調が淡い黄緑色~金色に色付くぶどうのこと。主に白ワインの原料となる。
- 白ワイン
- White Wine
赤ワインと比較して、果汁と果皮の接触を全く行わない、またはわずかにしか行わないワインの事。基本的には果皮から色素が抽出されないのでワインの色調は緑がかった淡い黄色~金色。果皮に色素を持たない白ぶどうを原料とする事が多いが、果皮の色素を極力出さないように低圧力で果汁を搾れば黒ぶどうを原料とた白ワインもつくる事が可能(ブラン ド ノワール)。フランス語ではVin Blanc、イタリア語ではVino Bianco、スペイン語ではVino Blanco、ドイツ語ではWeiss Wein。
- ジンジャーワイン
- Ginger Wine
イギリスの伝統的な飲み物。白ワインに生姜を漬け込み、酒精強化したフレーバードワインの一種。ソーダで割ってジンジャーエール風にしたり、お湯とスパイスでホットジンジャーワインにするのが代表的な飲み方。
- 新酒
- nouveau
秋に収穫されたぶどうをすぐワインにしたもの。軽やかで新鮮な果実味を愉しむ季節のワイン。旬のものとして愉しむだけでなく、ワインは年毎の天候によって味わいが大きく変化するため、生産されるエリアのその年の天候を感じられる最初のワインとしても意味がある。代表的なものとして、フランスのボジョレー ヌーヴォーが挙げられる。
- 新梢
- shoot
春に発芽して伸びていく枝の事。葉も花も果実も、新梢に生成される。
- ジンファンデル
- Zinfandel
アメリカ・カリフォルニア州を代表する黒ぶどう品種。原産地はクロアチア南部のダルマチア地方でそこからアドリア海の対岸のイタリア・プーリア州に伝わり、プーリアの移民がアメリカに伝えたとされる。クロアチアではトリビドラグもしくは、ツェリエナック・カシュテランスキ、プーリアではプリミティーヴォと呼ばれている。高いアルコール度数と滑らかなテクスチュア、豊かな果実味をもつワインになる。
- 水分
- moisture
ワインの成分の中で最も多く含まれる成分。ぶどうに由来しワインの成分の約85%を占める。
- スキン・コンタクト
- Skin contact
ワインの特殊な醸造法の一つ。白ワインで採用される製法で、除梗・破砕後、圧搾して果汁と果皮に分ける前に一定期間果汁に果皮を漬け込む製法。果皮には多くの香り成分が含まれるので、浸漬中に果皮から果汁に香り成分が移行し、香り高いワインが出来る。
- スクリューキャップ
- Screw Cap
ねじ式の金属製のキャップで密閉するタイプの栓。コルクと比較した場合のスクリューキャップの利点としては「開栓するのに道具が必要なく、簡単&失敗なく開栓出来る上、再栓も容易」「コルクと異なりワインと接触していなくても乾燥しないため、寝かせて保存する必要がない」「基本的にはコルク臭の心配がない」など。実用化されたのが1990年代半ばからと比較的新しく、酸素の透過性などの問題からワインの熟成の可能性に疑問が持たれていたが、近年研究が進みワインの熟成の問題も解決したものが出てきている。
- スティルワイン
- Still Wine
醸造法によるワインの4分類の一つ。ぶどうを発酵させたもので、発泡性を持たないもの。泡立つスパークリングに対して、じっと動かないのでスティルワインと呼ぶ。
- ステンレスタンク熟成
- stainless tank aging
文字通りステンレスタンクの中で熟成する製法。樽と異なり、ワインの味わいに影響を与えず、空間に不活性ガスを注入することでワインの酸化も防ぐことが出来る。ぶどうの味わいをそのまま出す、フレッシュなタイプのワインで採用される。
- スパークリングワイン
- Sparkling Wine
醸造法によるワインの4分類の一つ。発泡性を有するワインの総称。
- スプマンテ
- Spumante
イタリア語でのスパークリングワインの総称。一般的に3気圧以上のガス圧をもつものの事を指す。それ以下のガス圧のものはフリッツァンテ(Frizzante)と呼ぶ。
- スペイン
- Spain
世界3位のワイン生産量を誇るワイン大国の一つ。ワイン用ぶどうの栽培面積は世界1位。国全域でワインが生産されており、リオハに代表される豊かな太陽に恵まれた芳醇でコクのある赤ワインだけでなく、瓶内二次発酵のスパークリングワインであるカヴァや、世界3大酒精強化ワインの一つシェリーなども有名。
- スペリオーレ
- Superiore
本来のその原産地呼称で規定されているよりも一定度数(0.5~1%)アルコール度数が高いワインが名乗る事が出来る追加呼称。アルコール度数が高いという事は、原料に通常よりもよく熟した高い糖度のぶどうが使用されているという事なので、より品質が高く、厚みのある味わいのワインである事が多い。
- 清澄
- fining
ワインの製造工程の一つ。オリ引きを行った後にさらにワインを透明にするための作業。卵の白身やゼラチン、珪藻土などの清澄剤を使用してワイン中の濁り成分を落とす。
- ゼクト
- Sekt
ドイツ語でのスパークリングワインの総称。一般的に3気圧以上のガス圧をもつものの事を指す。それ以下のガス圧のものはパールヴァイン(Perlwein)と呼ぶ。
- セコ
- Seco
①スペイン語で「ドライ」という意味でスパークリングワインの残糖量を表す言葉(フランスではSec、イタリアではSecco)。EUのワイン法では17~32g/L(±3g/Lまでの許容範囲あり)と決められている。それなりに残糖があるのにドライという表記になっているのは、元々のスパークリングワインが残糖分100g/Lを超すような極甘口で、徐々に辛口に移行していったという歴史から。 ②スペイン語でスティルワインの残糖量を示す言葉。こちらはドライという意味の通りEUの規定では残糖量4g/L以下の完全な辛口ワイン。
- セニエ
- Saignée
①ロゼワインの製法の一つ。マセラシオン法とも言う。直接圧搾法よりもしっかりした色調とタンニンを持ったロゼが出来る。セニエとは昔の病気の治療法の一つである瀉血(しゃけつ)の意味で、発酵容器からワインを抜く工程が血を抜くように見えることから名付けられた。マセラシオンも参照。 ②赤ワインの特殊な製法の一つ。赤ワインのマセラシオンの前に果汁の一部を抜くことで、果汁に対する果皮などの比率を高め、本来ぶどうが持っている力よりも濃厚な赤ワインをつくる方法。この時に抜いた果汁は別途で白ワインのようにアルコール発酵してロゼワインとして販売されることが多い。これもセニエのロゼと呼んだりするので、セニエ法でつくったロゼと混同されてややこしい。
- セミセコ
- Semi-Seco
①スペイン語で「ややドライ」という意味でスパークリングワインの残糖量を表す言葉(フランスではDemi-Sec、イタリアではSemi-Secco)。EUのワイン法では32~50g/L(±3g/Lまでの許容範囲あり)と決められている。 ②スペイン語でスティルワインの残糖量を示す言葉。こちらはドライという意味の通りEUの規定では残糖量12g/L以下のやや辛口のワイン。
- セミヨン
- Sémillon
フランス・ボルドー地方原産の白ぶどう品種。栽培しやすく安定した収量が期待出来る。強い特徴を持つわけではなく、どちらかというと目立たない存在の地味めのぶどう。味わいの特徴としては落ち着いた酸、どっしりとした重量感のあるボディなど。他のぶどうとのブレンドで活きるタイプで、原産地のボルドーでは香りと酸の高いソーヴィニヨン・ブランと厚みのあるボディのセミヨンを組み合わせる事で、高品質のワインを生産している。また、貴腐ワインの原料ぶどうとしても重要で、世界3大貴腐ワインのソーテルヌの主要ぶどうでもある。
- 選果
- fruit sorting
ワイナリーに搬入したぶどうを、破砕の前に選果台と呼ばれる台の上に流し、腐敗果や混入した梗などを取り除く作業。高品質なワインをつくる際に重要な工程。
- 剪定
- pruning
ぶどうの休眠中に行う作業で、翌シーズンのために前シーズンに伸びたぶどう樹の枝を切って樹形を整えること。翌シーズンのぶどうの収量や品質を決定付けるとても大切な仕事。
- セントラル・ヴァレー
- Central Valley
①アメリカ・カリフォルニア州のワイン産地。独自のAVAは持たないが、広大なぶどう畑を擁し、カリフォルニア全体の過半数を超えるワインをうむ大産地。 ②チリのD.O.ワインの呼称。アンデスと海岸山脈に挟まれたチリのワイン生産の中心となるエリア。マイポ・ヴァレー、カチャポアル・ヴァレー、コルチャグア・ヴァレーなどの主要D.O.を内包する広域D.O.。
- セントラル・コースト
- Central Coast
アメリカ・カリフォルニア州のAVAの呼称。南北400kmに及ぶ広い産地で多彩な気候を持つが、特に湾岸を流れる寒流のカリフォルニア海流に近い海岸寄りの冷涼な気候の畑では、シャルドネやピノ・ノワールが成功している。
- 全房発酵
- Whole-Bunch Fermentation
赤ワインの特殊な醸造法で、通常は行う除梗を行わず、梗も一緒にマセラシオンする方法。除梗機が発明される前の非常に伝統的な製法で、梗からのタンニンがワインに与えられ構造を増し、スパイシーな風味が与えられる。完熟した梗を使用しないと青臭い風味やドライなタンニンを与えることになるので注意が必要。100%ではなく、一部だけ全房をつかう場合もある。
- ソアーヴェ
- Soave
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.白ワインの呼称。、ヴァルポリチェッラ、バルドリーノと並んで、古くからヴェネト州を代表するワインの一つとされる。ガルガネガ種を主体としたフレッシュかつキレ味のよい白ワイン。特定の昔からぶどう畑のあったエリアのワインはソアーヴェ クラッシコを名乗れる。
- ソーヴィニヨン・グリ
- Sauvignon Gris
突然変異で皮の色がピンクになったソーヴィニヨン・ブラン。ソーヴィニヨン・ブランよりも厚みがあり、酸が低めで、コクのあるタイプのワインをうむ。近年増加中。
- ソーヴィニヨン・ブラン
- Sauvignon Blanc
フランス原産の白ぶどう品種。弾けるようなもぎたての柑橘類やフレッシュハーブなどの味わいを連想する、鮮やかで若々しい香りと、イキイキとした強い酸味と、鮮烈でフレッシュな果実味が特長。爽やかな味わいを代表する白ぶどう。フランス・ロワール地方のサンセールや、ボルドー地方が産地として知られるが、現在では世界中で広く栽培されている。特にニュージーランドのマールボロ地区のものはこの品種の特長が良く出ているとして有名。
- ソルビン酸
- Sorbic acid
保存料を参照
- ソレラ
- Solera
シェリーの伝統的な熟成方法。樽を何段かに積み上げ、製品を出荷する際には最下段から一部を抜き取り、一つ上の段から同量を最下段の空いた部分に移す。2段目の空いた部分には3段目から補充し、という風に進め最上段の空いた空間につくりたてのワインを詰める。この作業で熟成度合いの平均化が行える上に、ソレラを設定した年からのワインの味を引き継ぐことが出来る。ソレラで熟成されるワインはノンヴィンテージとなる。
- 第一アロマ
- Primary Aromas
ワインの香りをあらわす言葉の一つで、原料のぶどうに由来する香りのこと。果実、花、植物、スパイスなどの香りが中心。
- 台木
- rootstock
Vitis viniferaはフィロキセラへの耐性を持たないため、耐性を持つアメリカ系の木を根の部分に接木する。接木されるアメリカ系の台木の影響を上のVitis viniferaの木も受けるため、台木はフィロキセラへの対策だけではなく、ワインの品質にも影響を与える。Vitis riparia、Vitis rupestris、Vitis berlandierを3大台木品種としているが、現在ではそれらを交雑させた多彩な台木用の品種がうまれている。
- 第二アロマ
- Secondary Aromas
ワインの香りをあらわす言葉の一つで、発酵に由来する香りのこと。マセラシオン・カルボニック製法由来のバナナを思わせる香りや、マロラクティック発酵由来の杏仁豆腐やクリームを思わせる香りなど。
- 高山村
- Takayamamura
長野県北部、千曲川右岸に位置する注目のワイン産地。垣根仕立てでヨーロッパ系のぶどう品種が栽培され、特に高品質のシャルドネで知られる。400~900mと村内の標高差が大きく、多彩なぶどう品種の成功の可能性がある。
- 棚仕立て
- tendone
ぶどう樹の仕立て方の一つ。日本でも多く見られる、ぶどうを頭上に棚のように広げる仕立て方。雨の多い産地や、日照が非常に強い産地で多く見られ、ぶどうの葉を雨傘もしくは日傘がわりにして果実を守る役目を果たす。日陰になるので、夏の日照の中での作業も楽。
- 樽
- Barrel
ワインの醸造や熟成には主にオーク樽が使用される。オーク樽参照
- 樽熟成
- barrel aging
樽の中でワインを育成すること。樽熟成の目的としては、木目を通しての穏やかな酸素との接触、樽からの成分抽出(タンニンや樽香など)、樽のタンニンによる清澄化促進、成分の重合による赤ワインの色調の安定化、フェノールの重合による沈殿、風味の複雑化などが挙げられる。
- 樽発酵
- barrel fermentation
白ワインの醸造法の一つで、果汁を樽(主に小樽)に入れてアルコール発酵を行う。発酵終了後はそのままその樽で熟成を行う。別容器でアルコール発酵を行ってから樽に入れて熟成する場合と比較すると、樽の香りや成分が良く馴染んで目立たないワインになるとされる。
- タンク
- tank
ワインを醸造したり、貯蔵したりする容器の一つ。温度管理や衛生管理がしやすいステンレスタンクが多いが、近年は保温性のよいコンクリートタンクも見直されている。
- 短梢剪定
- spur pruning
残す芽の数が2芽くらいの剪定方法。前年結果枝の結果母枝に近い2芽を残すので、作業が単純で機械化も可能。
- タンニン
- Tannin
ワインに含まれるポリエフェノールの一種。ぶどうの種子に多く含まれるため、種子をマセラシオンする赤ワインに多く含まれる。
- 地中海ブレンド
- Mediterranean blend
複数品種をブレンドしたワインのスタイルの一つで、南仏のラングドック・ルーション地方やプロヴァンス地方、コート デュ ローヌ地方南部などで良く見られる。赤ワインの場合、グルナッシュやシラー、ムールヴェードルを主体に、カリニャン、サンソーなどをブレンド。白ワインの場合は、グルナッシュ・ブラン、クレーレット、ブールブーランなどを主体に、マルサンヌ、ルーサンヌ、ピクプールなどをブレンドする。南アフリカでは、シュナン・ブランを主体にした白ワインもこの名前で呼ぶ事がある。
- チャレロ(サレーロ)
- Xarel.lo
スペイン・カタルーニャ州の白ぶどう品種。カヴァの主要3品種の一つで、カヴァに骨格と酸味を与える役割。ポテンシャルのある品種で、近年は辛口のスティルワインの原料としても注目されている。
- 長梢剪定
- cane pruning
残す芽の数が5~10芽くらいの剪定方法。作業は増え、熟練を要するが、残す枝を選ぶことが出来る利点がある。
- 直接圧搾法
- Direct Press
ロゼワインの製法の一つ。黒ぶどうを原料として圧搾を行い、得られた淡い色の果汁を白ワインと同様にアルコール発酵する。セニエよりも淡い色調のロゼワインになる。セニエと並んでロゼワインの主要な製法の一つ。アメリカのブラッシュワインやフランスの灰色ワイン(ヴァン グリ)もこの製法でつくられるワイン。
- チリ
- Chile
常に世界のトップ10に入る生産量を持つワイン大国の一つ。ワイン用のぶどうが好む地中海性気候に恵まれ、安くても美味しい、非常にコストパフォーマンスの高いワインをうむ。赤ワインの生産が多く、「チリカベ」として知られるカベルネ・ソーヴィニヨンや、元々はボルドー原産だが今はチリの特産とも言えるカルメネールの評価が高い。
- 津軽
- Tsugaru
青森県西部の弘前市を中心とするエリア。りんごの産地として知られ、ワイン用のぶどうは多くはないが、近年の日本ワインコンクールでソーヴィニヨン・ブランが3年連続で金賞受賞するなど注目されている産地。
- D.O.C.
- Denominazione di Origine Controllata
①2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのイタリアでの名称の一つ。原産地統制名称ワイン。イタリアは最上位がさらに2段階に分かれており、D.O.C.はそのベースになる呼称で、イタリアの高級ワインの中核となるカテゴリー。 ②2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのポルトガルでの名称。ポルト、マデイラ、ヴィーニョ・ヴェルデなどが含まれる、同国の高級ワインの中核となるカテゴリー。
- D.O.Ca.
- Denominación de Origen Calificada
2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのスペインでの名称の一つ。特撰原産地呼称ワイン。スペインは最上位がさらに2段階に分かれており、D.O.Ca.はスペインのワイン法において、最も厳しい基準を満たした最上位のクラス。1991年昇格のリオハと2009年昇格のプリオラトの2つしか認可されていない。
- D.O.C.G.
- Denominazione di Origine Controllata e Garantita
2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのイタリアでの名称の一つ。保証付原産地統制名称ワイン。イタリアは最上位がさらに2段階に分かれており、D.O.C.G.は最上位になる呼称で、イタリアを代表する最高級のワインたちが揃っている。
- D.O.P.
- DOP
2009年に改正されたEUの新しいワイン法の3段階の格付けにおいて、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのイタリア語、スペイン語、ポルトガル語での呼び名(イギリスとギリシャはP.D.O.)。その名称の名声を守るために、指定地域のぶどうを100%使用する他、使用可能なぶどう品種、生産するワインのタイプ、ぶどうの栽培やワインの醸造法、収穫して良い最大のぶどうの量など厳しい規制が課せられている。
- 低温浸漬
- Cold Macertion
コールド・マセレーションを参照
- ティンタ・ネグラ
- Tinta Negra
ポルトガルのマデイラ島をはじめとする島嶼部の黒ぶどう品種。ティンタ・ネグラ・モーレ(Tinta Negra Mole)やネグラモル(Negramoll)とも。マデイラ島で最も広く栽培されている品種で、スタンダードクラスのマデイラワインの原料となる。
- ティンタ・バロッカ
- Tinta Barroca
ポルトガルのドウロ川流域の黒ぶどう。ポートワインの主要な原料ぶどうの一つで、やわらかな果実味を与える。
- ティンタ・ロリス
- Tinta Roriz
テンプラニーリョの北部ポルトガルでの呼び名。
- ティント
- Tinto
スペイン語、ポルトガル語での赤ワインの呼び名(正確にはヴィノ ティント)。語源はインクの染み。
- ティント・カォン
- Tinto Cão
ポルトガルのドウロ川流域の黒ぶどう。ポートワインの主要な原料ぶどうの一つで、収量は低いがポートワインにエレガンスと長期熟成のポテンシャルを与える。
- デカンタージュ
- Decantage
デカンタやカラフェと呼ばれる別の容器にワインを移す作業。2つの異なった目的のどちらかのために行われる。1つ目は熟成した古いワインの瓶底に沈んだオリを取り除くため、もう1つは瓶からデカンタに移す過程でワインを空気に触れさせ(エアレーション)、味わいを変化させるため。
- 摘房
- green Harvest
一つの結果枝に2~3房なるぶどうの一部を、成熟する前に切り落としてしまう作業。複数の果実に分配される予定だった養分が少ない果実に集中されるために、より熟度の高い充実した果実を収穫することが可能になる。出来るワインの量(収量)に直結する作業なので、品質の向上度合いと照らし合わせながら慎重に行う必要がある。
- デゴルジュマン
- Dégorgement
スパークリングワインの工程の一つ。泡をつくるための二次発酵で発生した酵母の死骸などのオリを取り除く作業。瓶内二次発酵のスパークリングワインの場合は、逆さにした瓶の首の部分を凍結させ、1本ずつオリを取り除く。シャルマ方式の場合はフィルターで除去する。オリは還元剤の役割を果たすため、スパークリングワインは滓抜きした時点から酸化熟成がはじまる。
- 手摘み
- manual harvesting
手収穫とも。人の手で一房ずつぶどうを収穫していく方法。果実を傷つけず丁寧に収穫出来る、房を選んで収穫出来るので一度目の選果が畑で実施出来る、機械では収穫出来ない場所にある房も収穫出来るなどの長所があるが、反面労働コストが高い、本当に欲しいタイミングで大勢の人の手配が難しい、機械収穫と比較して時間がかかるなどの問題もある。
- テッレ・シチリアーネ
- Terre Siciliane
イタリア・シチリア州のI.G.T.ワインの呼称。州の全域を広くカバーする汎用的な呼称。
- D.O.
- Denominación de Origen
①2009年以前のEUワイン法で、最上位に位置する原産地呼称保護ワインのスペインでの名称の一つ。原産地呼称ワイン。スペインは最上位がさらに2段階に分かれており、D.O.はそのベースになる呼称で、スペインの高級ワインの中核となるカテゴリー。 ②チリの原産地呼称ワインのカテゴリー名称。同国の高級ワインは殆どがこのカテゴリーに属する。75%以上(輸出向けは85%以上)そのエリアのぶどうを使用することが義務付けられている。 ③アルゼンチンの原産地呼称ワインのカテゴリー名称。同国の最上級カテゴリーだが、認定されている産地が少なくあまり見かけない。
- テレ・ブラン
- Terret Blanc
フランス・ラングドック地方の古い白ぶどう品種。テレは突然変異しやすく、黒果皮のテレ・ノワール、ピンクの果皮のテレ・グリも存在する。あたたかい産地でも良く酸を保持する。
- テンプラニーリョ
- Tempranillo
スペインを代表する黒ぶどう品種。スペイン中で栽培され、スペイン最大の栽培面積を誇る。イタリアでのサンジョヴェーゼ同様に、多種多様なスタイルのワインが作られる。なめらかな酸とタンニンのコクのある味わいになる事が多い。最も有名な産地はD.O.Ca.リオハ。リベラ デル ドゥエロではティント・フィノ、ラ・マンチャではセンシベル、カタルーニャではウル・デ・リェブレなど産地によって色々な呼び名がある。ポルトガルでも広く栽培され、北部ではティンタ・ロリスという名前で高品質のスティルワインやポートワインの原料となり、南部ではアラゴネスと呼ばれスティルワインが生産されている。
- ドイツ
- Germany
ビールの国にイメージがあるが、実はワインでも常に生産量トップ10に入る重要な生産国。世界でも北に位置するワイン産地の一つで、冷涼な気候から生まれる香り高く、繊細な果実味と、ピュアな酸味のバランスは、他の産地では表現出来ないドイツならではのもの。代表的なぶどうはリースリング。
- トゥーリガ・ナショナル
- Touriga Nacional
ポルトガルで最高とされている黒ぶどう品種。濃密な色調、凝縮感のある果実味、力強いタンニンと酸など、高品質のワインをつくる条件が整っている。元々は高品質のポートワインの原料品種として重要だったが、近年スティルワインの原料としても評価が高まっている。
- トゥーリガ・フランカ
- Touriga Franca
ポルトガルのドウロ川流域の黒ぶどう。ドウロ川流域で最も広く栽培されている黒ぶどうで、ポートワインに華やかな香りと上品な果実味を与える。
- トゥニーポート
- Tawny Port
ポートワインのタイプの一つ。黒ぶどうを原料にしたポートワインを、小さな樽で意図的に酸化させながら熟成させる事で、黄褐色(トゥニー色)の色調に仕上げたもの。
- 動瓶
- Remuage
ルミュアージュを参照
- ドサージュ
- Dosage
スパークリングワインの工程の一つ。デゴルジュマンの終わったスパークリングワインに、ワインに糖分を足した門出のリキュールを加えて残糖度を調整する作業。二次発酵の終わった状態のスパークリングワインは全ての糖分を消費した完全辛口のため、この工程でどれくらい甘いリキュールを足すかで最終的な製品の残糖度が決まる。スパークリングワインはこのように自由に甘さを決めることが出来るため、EUではラベルにブリュットなどの残糖度を示す言葉を表示することが義務付けされている。
- 土壌
- soil
ぶどうの生育に必要な水分やミネラル分を供給するため、出来るぶどうの品質に大きな影響を与える。ぶどう栽培に適しているのは痩せて水はけの良い土壌と言われる。
- トスカーナ
- Toscana
①イタリア中部に位置し、生産量は中程度だがいつの時代もイタリア最高品質のワインをつくり続けてきた重要な州。サンジョヴェーゼの聖地ともいえる州で、キャンティ、キャンティ・クラッシコ、ブルネッロ ディ モンタルチーノなどのイタリアを代表する赤の銘酒がうまれる。 ②イタリア・トスカーナ州のI.G.T.ワインの呼称。州の全域を広くカバーする汎用的な呼称。
- 土着品種
- Indigenous Varieties
固有品種を参照
- ドミセック
- Demi sec
①フランス語で「ややドライ」という意味でスパークリングワインの残糖量を表す言葉(スペインではSemi-Seco、イタリアではSemi-Secco)。EUのワイン法では32~50g/L(±3g/Lまでの許容範囲あり)と決められている。 ②フランス語でスティルワインの残糖量を示す言葉。こちらはドライという意味の通りEUの規定では残糖量12g/L以下のやや辛口のワイン。
- 登美の丘
- Tomi no oka
山梨県甲斐市にある丘。甲府盆地に面した南向きの斜面で、雨が少なく、日照時間が長く、常に風の吹く気象条件はぶどう栽培に最適とされる。1909年に小山新助によってぶどう園(登美農園)が開墾され、100年以上にわたってワインがつくられてきた日本ワインの歴史にとっても重要な土地。1936年にサントリーが取得。
- トラジャドゥーラー
- Trajadura
ポルトガル北部のミーニョ地方と、スペインのガリシア州一帯(ここではトレイシャドゥラと呼ばれる)の白ぶどう品種。酸が低く、ヴィーニョ・ヴェルデなどの白ワインにブレンドされてやわらかな果実味を与える。
- トリンカデイラ
- Trincadeira
ポルトガル南部の黒ぶどう品種。ブレンド用の品種として、現在ではポルトガル全土で栽培されている。たっぷりの果実味とまろやかなタンニンのワインとなる。
- トルコラート
- Torcorato
イタリア、ヴェネト州のD.O.C.ブレガンツェ地方で、収穫翌年の1月まで小屋で吊るして乾燥させたぶどうを原料としてつくる甘口ワインのこと。
- ドルチェ
- Dolce
①イタリア語で「甘い」という意味でスパークリングワインの残糖量を表す言葉(フランスではDoux、スペインではDulce)。EUのワイン法では残糖量が50g/L(±3g/Lまでの許容範囲あり)を超すもの。 ②イタリア語でスティルワインの残糖量を示す言葉。こちらは甘いという意味の通りEUの規定では残糖量45g/L以上の甘口のワイン。
- ドルンフェルダー
- Dornfelder
ドイツの交配品種。ヘルフェンシュタイナーとヘロルドレーベの掛け合わせで生まれた黒ぶどう。ドイツの気候でもしっかりと色付き、きちんと熟す。ドイツで最も成功した交配品種の黒ぶどう。
- トレッビアーノ
- Trebbiano
ユニ・ブランのイタリアでの呼び名。イタリアで最も広く栽培されている白ぶどう品種で、酸味のハッキリした軽やかでフレッシュな白ワインをうむ。トレッビアーノの名の下にトスカーノ、ロマニョーロなどの多くの亜種が存在する。
- トレパット
- Trepat
スペイン・カタルーニャ州の黒ぶどう。果皮の色が淡く、フレッシュな軽めのロゼの原料となる。ロゼのカヴァの原料としても認められている。
- トロンテス
- Torrontés
アルゼンチンで最も期待される白ぶどう品種。リオハーノ、メンドシーノ、サンファニーノという3つの系統があるが、全てマスカット・オブ・アレキサンドリアのDNAを持ち、グラスからあふれだすような華やかでボリュームのある香りを持つアロマティック系品種。マスカットやゲヴュルツトラミネールなどに似た華やかな香りが、比較的安価に楽しめるということで、近年人気。酸もしっかりしており、後口はスッキリ。
- ナイアガラ
- Niagara
アメリカ北東部原産のヴィティス・ラブルスカ系の白ぶどう品種。強いフォクシー・フレーバーを持ち、主にグレープジュースやゼリーの原料となるが、アメリカや日本などでは、このぶどうからのワインも生産されている。
- 長野
- Nagano
近年の日本ワインの動きの中で、北海道と並び最も活気のある産地。県の後押しもあり、新しいワイン用ぶどう園やワイナリーが次々と生まれている。品質面では特にシャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのヨーロッパ系ぶどうのワインの評価が非常に高い。
- ナチュラルワイン
- Natural Wine
自然派ワインを参照
- ナパ・ヴァレー
- Napa Valley
アメリカ・カリフォルニア州の重要なAVAワイン産地。生産量は多くないが、高品質ワインに特化した産地で、ヨーロッパ以外のワイン産地を世界に認めさせた「パリ テイスティング」の際にアメリカ側のワインが全てナパ・ヴァレー産だったなどの逸話に事欠かず、アメリカで最も有名なワイン産地と言って良い。シャルドネやメルロの評価も高いが、何と言っても、強さと滑らかさを兼ね備えた偉大なカベルネ・ソーヴィニヨンがナパ・ヴァレーの真骨頂。
- 南仏ブレンド
地中海ブレンドと基本的には同様。
- 二酸化硫黄
- Sulfur dioxide
酸化防止剤を参照
- 日本
- Japan
生産量は多くないが、穏やかで湿度の高い独特の気候からうまれる、繊細でしっとりとした味わいのワインをうむ国。世界的な和食ブームとともに注目が高まっている。主な産地は山梨、長野、北海道、山形など。ヨーロッパ系のぶどうからもワインが生産されているが、この国を代表するワインは固有品種の白の甲州と赤のマスカット・ベーリーA。
- 日本ワイン
- Japan Wine
日本産のぶどうのみを原料として、日本国内で製造された果実酒のこと。国税庁の告示により、2018年10月30日から施行された。
- 乳酸菌
- lactobacillus
空気中に常在し、多くの発酵食品において重要な役割を果たす菌。ワインにおいてはマロラクティック発酵をおこし、味わいやワインの安定性に影響を与える。
- ニュージーランド
- New Zealand
生産量は多くないが、高品質のワインに特化して成功している国。特にマールボロ地区のソーヴィニヨン・ブランは、原産地のフランスのワイン以上にこの品種の特性を表現しているとされ人気が高い。ピノ・ノワールが成功している数少ない産地の一つでもある。
- ニューワールド
- New World
世界のワイン生産国の中で、比較的新しく(とは言え古い国では400年を超える歴史がある)ワインをつくりはじめた国々のことで、主にヨーロッパ以外。これまではアメリカ合衆国や南アフリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリアなどを指してきた。近年、アジア諸国やヨーロッパ北部などのこれまでワイン生産がされてこなかった場所でワイン生産がはじまっており、大きな変化が起きている中でニューワールドの定義づけも難しくなっているが、ワイン生産国を区別する一つの代表的な方法。
- ヌーヴォー
- Nouveau
フランス語で「新しい」という意味。新酒はVin Nouveau(Vin de Primerurとも言う)。特にボジョレー地方でつくられる、ボジョレー ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)が有名。フランスのA.O.C.ワインの新酒の解禁日は毎年11月の第3木曜日。
- ネロ・ダヴォラ
- Nero d'Avola
イタリア・シチリア州の黒ぶどう品種。シチリア南部のアヴォラの町周辺が原産とされる。濃厚な色調と厚みのある果実のフルボディのワインとなる。
- ノヴェッロ
- Novello
イタリア語で「新しい」という意味。新酒はVino Novello。イタリアの新酒の解禁日は毎年10月30日。
- バーガ
- Baga
ポルトガル北部の黒ぶどう品種。色は淡いが、華やかな香りと高めの酸とガッチリとした存在感のあるタンニンで、ネッビオーロ種からのワインに例えられる味わいの赤ワインをうむ。その高い酸からスパークリングワインの原料としても優れている。
- ハーフボトル
- Half
通常の半分(375ml)入りのボトル
- 灰色カビ病
- Grey mold
代表的なぶどうの病害の一つでボトリティス・シネレア菌が原因で起こる。湿度の高い環境が続くと、この菌が花や葉、果実に繁殖し灰色のカビを生じる。黒ぶどうのアントシアニン色素を破壊し、出来上がる赤ワインの色を薄くしてしまうだけでなく、不快なカビ臭もつける。白ぶどうに付着し、条件が整った場合には貴腐と呼ばれる現象を起こして、極上の甘口ワインの原料となることもある。対策は風通しなど畑の衛生状態をよくしておくこと、イプロジオン水和剤の散布など。
- 灰色ワイン
- Vin Gris
伝統的には色素のあまり多くない黒ぶどうを主に直接圧搾法で醸造した、ごく淡い色調のロゼワインをあらわす言葉。近年は甲州やピノ・グリなどの皮がピンク色のぶどうからつくられる、淡くピンク色がかった白ワインをこう呼ぶ事もある。
- バイオダイナミック農法
- Biodynamic viticulture
有機農業の一つの形。オーストリアの人智学者ルドルフ シュタイナーが提唱した農法で、宇宙のエネルギーによって植物の生命力を活性化することで、よりよい農業を目指す。通常の有機栽培に加えて、月の動きに合わせて農作業を行ったり、プレパラシオンと呼ばれる特殊な調剤を畑に撒いたりする。ワインの品質向上への貢献は立証されているわけではないが、多くの有名な生産者が採用している農法。
- BIB
- Bag in Box
その名前の通り、紙で出来た箱(ボックス)の中に、特殊加工されたプラスチック製の袋(バッグ)が入っているタイプの容器。酸素を防ぐ素材の袋と、ワインを注いだ量だけ収縮して容器内の空間を無くすことでワインの酸化を防いでいるため、通常のガラス瓶と比較して開栓後の長期保存が可能。ガラス瓶と比較して軽量で、廃棄しやすいこともメリット。
- 発酵
- Fermentation
微生物が有機物を代謝してエネルギーを得る過程。そこで生成される代謝物としてアルコールや炭酸ガスなどが生まれる。この微生物の働きで人間にとって有用なものを発酵、よくないものを腐敗と呼んでいる。ワインに関係する発酵としては、アルコール発酵と、一部のワインで行われる、マロラクティック発酵の二つがある。
- パッシート
- Passito
イタリアでの陰干しによる甘口ワインの呼称。
- 花振い
- coulure
ぶどうの生理障害の一つで、開花の際に受粉がうまく行われず歯抜け状態の果房になってしまう現象。1房あたりの果実が減ってしまうので、収量に直結する。原因としては、開花期の雨や低温もしくは乾燥などの天候要因や、土壌の栄養状態、剪定の失敗などが挙げられる。若木にも出やすい。
- バリック
- Barrique
小樽の一種。元々はボルドーの樽で225リットル(750ml瓶300本分)サイズ。世界で最も普及している代表的な小樽。
- バルタザールボトル
- Balthazar
シャンパーニュ地方での12L瓶(通常ボトル16本分)の呼び名
- バルドリーノ
- Bardolino
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.赤とロゼの呼称。ヴァルポリチェッラ、ソアーヴェと並んで、古くからヴェネト州を代表するワインの一つとされる。コルヴィーナ種を主体に複数品種をブレンドした軽やかで素直な果実味の飲み口のよいワイン。特定の昔からぶどう畑のあったエリアのワインはバルドリーノ・ クラッシコを名乗れる。
- バルベーラ
- Barbera
イタリア・ピエモンテ州原産の黒ぶどう品種。現在ではピエモンテ周辺の州でも広く栽培されている。フレッシュな果実味とスミレの花を思わせるアロマ、イキイキとした酸味のミディアムボディのワインをうむ。
- パレリャーダ
- Parellada
スペイン・カタルーニャ州の白ぶどう品種。カヴァの主要3品種の一つで、カヴァにフレッシュさと花のような香りを与える役割をしている。軽やかでアロマティックな早飲みタイプのスティルワインの原料にもなっている。
- バロッサ
- Barossa
オーストラリア・南オーストラリア州のGIワイン呼称。バロッサ・ヴァレーとエデン・ヴァレーのぶどうをブレンドしたワインが名乗る。
- バロッサ・ヴァレー
- Barossa Valley
オーストラリア・南オーストラリア州のGIワイン呼称。オーストラリアを代表するワイン産地で、樹齢100年を超す自根のシラーズやグルナッシュが存在し、この土地でしか生まれない濃密で滑らかな偉大な赤ワインをうむ。
- パロミノ
- Palomino
スペイン・アンダルシア州の白ぶどう品種。辛口タイプのシェリーの原料として大変重要。
- 晩腐病
- Ripe rot
代表的なぶどうの病害の一つで、収穫時期に発生し果実を腐敗させてしまう。ぶどうの酸が下がってくる熟期に多発し、急速に広がり、病状が進行するため大きな被害をもたらす。日本のぶどう病害の中では最も影響が大きい。
- ビアンコ
- Bianco
イタリア語で白のこと。
- pH
- ph
溶液の水素イオン指数を表す数値。溶液の酸性~アルカリ性の度合いを示す。ワインのpHは2.9~4弱とかなりの酸性。基本的に総酸量の多いワインほどpHは低い傾向があるが、醸造方法や原料となるぶどうなどによっても変化する。醸造時の重要な指数。
- ピエス
- Pièce
小樽の一種。主にフランスのブルゴーニュ地方(228リットル)やシャンパーニュ地方(205リットル)での樽の呼び名。
- ビオディナミ農法
- Biodynamie
バイオダイナミック農法を参照。
- ビオワイン
- Vin biologique
ビオはフランス語でオーガニックの意味。有機栽培の認証を受けたぶどう(バイオダイナミック認証も含む)から生産されるワインのこと。EUでは醸造法方や使用出来る添加物とその量にも規定がある。
- ピク・サン・ルー
- Pic-Saint-Loup
フランス・ラングドック地方のA.O.C.ワインの呼称。2017年に地方名ワインから村名ワインに昇格した注目の産地。赤とロゼのみでシラーを主体にグルナッシュ、ムールヴェードルなどをブレンドする。標高の高い山側の産地で、涼しさを感じさせる上品でタイトな味わいのワインをうむ。
- ビジュノワール
- Bijounoir
山梨県で開発され2006年に登録された新しい交配品種。山梨27号(甲州三尺×メルロ)とマルベックの掛け合わせで生まれた黒ぶどう。ビジュはフランス語で「宝石」なので、「黒い宝石」という意味の名前。早熟で、台風の影響を受けにくい日本の気候に向いた特性を持つ。濃厚な色調としっかりとしたタンニンの骨格が特長。
- ピノ・グリ
- Pinot Gris
ピノ・ノワールの果皮の色が突然変異でピンク色になったグリ系ぶどう品種。厚みのあるボディ感とゆったりとした低めの酸味、ほんのりとした苦味などが味わいの特長。強さとコク厚みに加えて、豊かな香りもあり、近年世界中で人気が上昇している。イタリアではピノ・グリージョ、ドイツではグラウ・ブルグンダーもしくはルーレンダーと呼ばれる。
- ピノ・グリージョ
- Pinot Grigio
ピノ・グリのイタリアでの呼び名。アメリカやオーストラリアなどでも、イタリア風に軽やかなスタイルに仕上げる際にはこの呼び名を使うこともある。
- ピノ・ネロ
- Pinot Nero
ピノ・ノワールのイタリアでの呼び名。
- ピノ・ノワール
- Pinot Noir
フランス・ブルゴーニュ地方が原産。世界の黒ぶどうの中でカベルネ・ソーヴィニヨンと人気を二分する国際品種。キーワードは比較的淡い色調、広がる華やかな香り、繊細な果実味、しっかり酸、キメ細かいタンニン、重くならないけど複雑な味わいなど。きまぐれではあるが、エレガントな味わいの典型を生むぶどうの一つ。栽培が難しくカベルネ・ソーヴィニヨンと比べると成功している産地は少ない。代表的な産地はブルゴーニュの他、アルザス、ドイツ、アメリカのカリフォルニアとオレゴン、ニュージーランドなど。シャンパンの主要ぶどうの一つでもあり、スパークリングワインの原料としても重要。
- ピノ・ビアンコ
- Pinot Bianco
ピノ・ブランのイタリアでの呼び名。
- ピノ・ブラン
- Pinot Blanc
ピノ・ノワールの果皮の色が突然変異でなくなった白ぶどう品種。シャルドネに似たニュートラルだが安定した味わいのワインをうむ。イタリアではピノ・ビアンコ、ドイツではヴァイス・ブルグンダーと呼ばれる。
- ピノ・ムニエ
- Pinot Meunier
ムニエを参照。
- 病害
- vine disease
ぶどうの病害としてはカビ系と細菌系とウィルス系などがある。カビ系の病害としてはベト病、ウドンコ病、灰色カビ病、晩腐病などが代表的なもの。細菌系の病害としてはピアース病、ウィルス系の病害としては、リーフロール、コーキーバークなど。
- 瓶熟成
- Bottle aging
瓶内に微量に残された酸素(及び、栓の種類によってはごくわずかに透過する酸素)による、ゆっくりとした酸化作用によって起こる変化のこと。酸化と同時に成分の重合も進み、それによって若いうちにはなかったまろやかな味わいに変化していく。
- ビンテージ
- Vintage
ヴィンテージを参照
- 瓶内熟成期間
- Maturation sur lie
シャンパン、カヴァなどの一部の瓶内二次発酵で生産されるスパークリングワインでは、ワイン法で瓶内二次発酵が始まってからオリ抜きするまでの最低期間が決められている。これは、オリとともにセラーでじっくりと寝かせることで、オリが自己消化を起こしてアミノ酸に変わりその旨味がワインに溶け込んでいくため。この旨味が溶け込むプロセスは徐々に進んで行くため、オリと一緒に長期熟成するほどワインに旨味が溶け込むことになる。それとともに、焼いたパンのような香ばしい風味も付与される。カヴァでは9ヶ月、シャンパンでは15ヶ月、高級品のヴィンテージ・シャンパンでは3年間の最低瓶内熟成期間が定められている。
- 瓶内二次発酵
- Fermentation in bottle
スパークリングワインの製法の一つ。泡をつくる際の二次発酵を瓶内で行う方法。シャルマ法と比較すると特にオリ抜き作業などを1本ずつやらなければならないので手がかかる。また、瓶1本ごとに発酵が行われるため瓶ごとの個体差もある程度発生する。ただし、より複雑で熟成感のある味わいになると言われる。
- ファルツ
- Pfaltz
13個あるドイツのワイン産地の一つ。フランスのアルザス地方に隣接する、ドイツの中では南にある温暖な産地の一つで、上質な辛口白ワインや赤ワインの産地として知られる。
- フィノシェリー
- Fino Sherry
シェリーのタイプの一つ。産膜酵母と共に熟成する事で得られる、クルミなどに例えられる独特の風味を持つ。色は淡く、すっきりとして極めてドライな味わい。
- フィロキセラ
- Phylloxera
北アメリカ原産の昆虫で、ぶどうの害虫としては最も恐れられているもの。ぶどうの根や葉に寄生して樹液を吸う。寄生されたぶどうは最終的に枯死してしまう。19世紀の中頃にアメリカからヨーロッパに輸入されたぶどうの苗木に付着してヨーロッパに侵入し、ヨーロッパのぶどう畑を壊滅させた。対策はフィロキセラ耐性を持つ北アメリカ系の台木への接木苗を使用すること。
- プーイィ・フュイッセ
- Pouilly-Fuissé
フランス・ブルゴーニュ地方のマコネ地区のA.O.C.白ワインの呼称。マコネ地区の中でも特に優れた村から生産される5つの村名ワインの中でも、最も評価の高いワインをうむ。シャルドネからの果実味と酸味と骨格が一体となった厚みのある辛口。
- ブーケ
- Bouquet
ワインの香りをあらわす言葉の一つ。ワインの香りは大きく「ぶどうに由来する香り」「発酵に由来する香り」「熟成に由来する香り」の3つに分けられるが、ブーケはそのうちの熟成由来のもの。繊細で複雑な香りが多い。
- フードル
- Foudre
大樽の一種。ドイツでは1,000リットル、
- ブールブーラン
- Bourlboulenc
南フランス一帯で栽培されている古い白ぶどう品種。単体でワインになる事は殆どなく、ブレンド用としてワインに酸味を与える役割をする。
- フォーティファイドワイン
- Fortified Wine
酒精強化ワインと同義。
- フォクシー・フレーバー
- Foxy Flavor
Vitis Labursca系のぶどうが持つ甘い香り。特にヨーロッパの人々にこの香りを持つワインは好まれないが、アメリカや日本ではカジュアルなレンジではあるものの、普通に存在する。
- ブショネ
- Bouchonné
コルク臭のフランス語での呼び名。コルク臭を参照。
- プチ・シラー(プティット・シラー)
- Petite Sirah
シラーとは全く関係のない黒ぶどう品種。色が濃く、タンニンが強いので、主にアメリカでブレンドの素材として使われる。南フランスのデュリフであると言われているが、複数品種の混植の畑や、よりマイナーな別品種も含めて、まとめてこの名前で呼ばれている。
- プティ・ヴェルド
- Petit Verdot
フランス・ボルドー地方原産の黒ぶどう品種。色濃く、力強く、スパイシーな、品質の高いワインをうむが、晩熟で完熟しないリスクが高いため、現在では主に補助品種として細々と栽培されている。近年、日本でも可能性の高い品種として注目されている。
- ぶどう品種
- grape varieties
種の下層に位置する分類。ワインになるぶどう品種は殆どがVitis vinifera種に属し、有名なものとして黒ぶどうのカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、白ぶどうのシャルドネやリースリングなどが挙げられる。世界には1,500種を超えるワイン用のぶどう品種が存在するとされている。同じぶどう品種は共通の香りや味わいを持つ。
- ブラッククイーン
- Black Queen
1927年に新潟・岩の原葡萄園の川上善兵衛氏がベーリーとゴールデン・クイーンを交配させてつくり出した、日本生まれの交配品種。濃厚な色調と、穏やかなタンニン、非常に豊かな酸味のワインをうむ。
- ブラッシュワイン
- Blush Wine
ロゼワインの一つのタイプ。主にアメリカで濃い色調の果皮を持つ黒ぶどうを直接圧搾法式で仕込んでつくられる、ごく淡いピンク色のワイン。代表的なものとして、ホワイトジンファンデルが挙げられる。
- ブラン
- Blanc
フランス語で白のこと。
- ブラン ド ノワール
- Blanc de Noirs
元々はシャンパーニュ地方で、黒ぶどうのみからつくられる白いシャンパンを指す言葉。シャンパーニュ地方で黒ぶどうと言えばピノ・ノワールとムニエの2種類だが、どちらかだけ使用でもいいし、両方を混ぜても構わない。通常のシャンパンよりも肉厚でコクのある味わいになる事が多い。現在ではシャンパン以外のエリアのスパークリングワインでも使われている。近年は、黒ぶどうから生産される白のスティルワインの名称としても使用される。
- ブラン ド ブラン
- Blanc de Blancs
元々はシャンパーニュ地方で、白ぶどうのみからつくられる白いシャンパンを指す言葉。シャンパーニュ地方では白ぶどうは(ほんの少しの例外を除いて)シャルドネ種なので、通常はブラン ド ブランと言うと、シャルドネ100%のシャンパンを指す。通常のシャンパンよりも硬質で鋭い酸味を持ち、エレガントで繊細な味わいになる事が多い。現在はそこから派生して、白ぶどうのみからつくられるスパークリングワインの名称としても使用される。
- ブランコ
- Blanco
スペイン語、ポルトガル語で白のこと。
- フランス
- France
イタリアとワイン生産量世界1位を常に争う大生産国。生産量だけでなく、スティルワインのボルドーやブルゴーニュ、コート デュ ローヌ、スパークリングワインのシャンパーニュなど世界中で有名なワインが揃っており、特に高級ワインの世界では他の国を圧倒する。カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどフランス原産のワイン用ぶどうが世界中で栽培されていることでも、その存在感の高さがわかる。
- フリーランワイン
- Free run wine
圧搾工程の中で最初に発酵容器から自重で引き抜かれる部分。ピュアな果実味の上品な味わい。
- フリウラーノ
- Friulano
イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の白ぶどう品種。ソーヴィニヨナス(もしくはソーヴィニヨン・ヴェール)と呼ばれる、香りが穏やかなタイプのソーヴィニヨンと同じぶどうで原産地はボルドー。柑橘と白桃を思わせる果実の香りに、ほのかに青草のニュアンスを含んだ、爽やかなワインとなる。
- プリオラト
- Priorat
スペイン・カタルーニャ州のワインの呼称。小さいながらスペインで2つしかない最高クラスのD.O.Ca.に格付けされている重要な産地。修道士によって開墾された粘板岩の土壌の急斜面に畑があり、今も手で畑仕事が行われている。カリニェナとガルナッチャからの濃密な赤ワインと、極少量の白とロゼ。
- ブリュット
- Brut
「生のまま」という意味でスパークリングワインの残糖量を表す言葉。一般的にBrutと書いてあれば辛口のこと。EUのワイン法では12g/L未満(±3g/Lまでの許容範囲あり)と決められている。より辛口のExtra Brut(0~6g/L)、全くドサージュを行わないBrut Nature(3g/L未満)という、より辛口のタイプもある。
- フルート型ボトル
- Germanic bottle
スラリと背の高い細長型の瓶。伝統的にドイツやオーストリア、フランスのアルザス地方などで使用されてきた形状で、他の産地でも、リースリングやゲヴュルツトラミネールなどの上記の国々で生産されているぶどうからつくられるワインにはこのボトルが使用されることが多い。
- フルーリー
- Fleurie
フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区のA.O.C.赤ワインの呼称。ボジョレー地区の中でも特に優れた10の村から生産されるクリュ・ボジョレーと呼ばれるワインの1つ。「ボジョレーの女王」と呼ばれ、10のクリュ・ボジョレーの中で最もバランスがよく、エレガントな味わい。
- ブルゴーニュ
- Bourgogne
①フランス東部のワイン産地。シャブリ、コート・ドール、マコネ、ボジョレーなどの有名な地区を内包する。基本、赤はピノ・ノワール(ボジョレーはガメ)、白はシャルドネという単一のぶどう品種から、畑ごとの違いが顕著に味わいに出た、繊細でエレガントなワインをうむ。ワインはぶどうが育つ畑によって味わいが異なるということを、最もわかりやすく表現している産地。 ②フランス・ブルゴーニュ地方のベースとなるA.O.C.ワインの呼称。
- ブルゴーニュ型ボトル
- Burgundy bottle
なで肩が特徴の太めの形状の瓶。伝統的にフランスのブルゴーニュ地方やコート デュ ローヌ地方、ロワール地方などで使用されてきた形状で、一般的に「ブルゴーニュ型」と呼ばれている。ブルゴーニュ地方以外でも、ブルゴーニュ原産のぶどう品種(シャルドネ、ピノ・ノワール)でつくられるワインや、ロワールスタイルのソーヴィニヨン・ブランやコート デュ ローヌスタイルのシラーのワインもこのボトルを使用している生産者が多い。
- ブルネッロ ディ モンタルチーノ
- Brunello di Montalcino
イタリア・トスカーナ州のD.O.C.G.赤ワイン呼称。サンジョヴェーゼ種(この土地ではブルネッロと呼ばれる)100%からの豊満で力強く、長期熟成能力を持ったワインをうむ。イタリアでも「贈答品にはブルネッロ」と言われる、この国を代表する高級赤ワインの産地。
- フルボディ
- Full Body
最も力強く複雑なタイプのワイン。果実味に厚みや複雑さがある印象。渋さが強かったり、色が濃い印象があるが、ワインのボディはそれ以外にも、アルコール度数や、果実味の豊かさ、熟成感などの要素にも左右されるため、渋くなかったり、色が淡いワインでもフルボディのものは存在する。
- プルミエクリュ
- Premier Cru
日本語訳は1級。フランスのワインに見られる表示で、公的な格付けでグランクリュに次ぐ位置にあるという証明。
- フレーバードワイン
- Flavored Wine
醸造法によるワインの4分類の一つ。ワインにハーブやスパイス、ぶどう以外の果実、甘味などを加えてそれらの風味を持たせたもの。代表的なものに、ハーブやスパイスを加えたベルモット、果実やスパイスを加えたサングリア、松脂を加えたレッチーナなどがある。
- ブレガンツェ
- Breganze
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.ワイン呼称。赤と白を産するが、有名なのはヴェスパイオーラを数ヶ月陰干ししたぶどうでつくる、甘口ワインのトルコラート。
- プレスワイン
- Press wine
圧搾工程の中で、フリーランワインを抜いた後の果皮などを圧搾機でプレスして得られるワイン。フリーランワインと比較すると、タンニンが多く、ボディ感のあるタイプになる。上質なものはフリーランとブレンドして味わいに複雑性を与えるのに使用される。圧搾機の圧力によって味わいが変わり、強い圧力をかけたものは強い収斂味やエグ味を持ち、格落ちのワインや蒸留用のワインになる事が多い。
- フレンチ・オーク
- French Oak
ワインの醸造や貯蔵用の容器(発酵槽や樽)の材料として使われる木材の一つ。トロンセ、アリエ、ヴォージュ、リムーザンなど樽材が供給される森の名前で呼ばれる。アメリカン・オークと比較するとタンニンが多めで、ヴァニラやココナッツのような甘い香りは控え目。
- フレンチ・コロンバード
- French Colombard
コロンバールのアメリカでの呼び名。
- ブレンド
- Blend
アッサンブラージュとも。出来上がったワインを混ぜることで味わいのバランスを取ったり、複雑味を増す作業。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロなど複数品種をブレンドしたり、同一品種の異なる畑区画をブレンドしたり、寒い年に温かい年のワインをブレンドして平均化したりなど、色々なパターンがある。
- プロヴァンス
- Provence
フランス南部のワイン産地。ニースやカンヌなどの世界的なリゾート地を抱える観光地。ワイン産地としては、この産地のワインの9割近くがロゼワインという、淡い夕焼けの色をした辛口のロゼの大産地。
- フロール
- Flor
シェリーやヴァン ジョーヌの様に、樽熟成の際にわざと補酒をせずに酸化熟成をさせるワインで活躍する酵母。アルコール発酵後にワインの表面に浮かび上がって白い膜をつくるので、産膜酵母と言われる。クルミなどを連想させる独特の酸化熟成香をワインに与える。
- プロセッコ
- Prosecco
イタリア・ヴェネト州のD.O.C.の呼称。スティルや微発泡(フリッツァンテ)タイプもあるが、ほとんどがスパークリングワイン。グレーラ種のぶどうからつくられる、白桃や白い花を思わせる香りがする、フレッシュという言葉がピッタリの味わい。軽やかで爽やかなので、食前のスパークリングワインとして世界的に大人気になっている。今、世界で最も消費されているスパークリングワインの呼称。
- ペイ ドック
- Pay d'Oc
フランス・ラングドック地方のI.G.P.ワインの呼称。地方全体をカバーし、フランスのI.G.P.の実に半分の生産量を誇る、フランス最大のI.G.P.ワイン産地。多くがラベルにぶどう品種名を表示したヴァラエタルワイン。
- ペットボトル
- PET Bottle
近年少しずつ増加している容器。スクリューキャップのガラス瓶同様に取り扱えるだけでなく、ガラス瓶と比較すると軽量で、破損しにくく、リサイクルがしやすいため、人気がある。通常のペットボトルは酸素を透過してしまうため、ワインには適さないとされているが、ワイン用として使用されているペットボトルは内面に特殊なコーティングをすることで酸素の透過性を抑えている。
- ペティヤン
- Pétillant
フランス語での弱発泡性(3気圧未満)のスパークリングワインの総称。
- ペデルナン
- Pedernã
ポルトガルの白ぶどう品種。アリント(Arinto)とも呼ばれる。柑橘を思わせる強い香りと、鋭く強い酸味が特長。ヴィーニョ・ヴェルデに酸味を与えるブレンド用のぶどうとして知られるが、あたたかい産地でも酸を保持するためポルトガル全土で広く栽培されている。
- ベト病
- Downy mildew
代表的なぶどうの病害の一つで、湿度の高い状況で繁殖し、花や葉、果実に白いカビ状の胞子が形成される。病気が進行するとカビのついた葉や葉、果実は落ちてしまう。対策はボルドー液(硫酸銅+生石灰+水の混合溶液)の散布。
- ベビーボトル
- Baby
通常の1/4サイズのボトル。187mlが一般的だが、200mlなどの場合もある。
- ベルデホ
- Verdejo
スペイン西部の白ぶどう品種。柑橘やハーブを思わせる強い香りを持ち、ソーヴィニヨン・ブランと似た風味を持つされる。最も有名な産地はルエダ。
- ベルモット
- Vermouth
フレーバードワインの一種。白ワインにハーブやスパイスを浸漬して成分を抽出したもの。イタリアとフランスが主要な生産国。
- 捧仕立て
ぶどう樹の仕立て方の一つ。ドイツのモーゼル地方や、フランスのコート デュ ローヌ地方北部などで見られる。斜度40度などの極端に傾斜の強い斜面ではテラス状に畑が造成される。ここでは針金が張れず、垣根栽培が出来ないために、捧を中心に長梢を左右から取ってハート型になるように固定する。
- ポーイヤック
- Pauillac
フランス・ボルドー地方のA.O.C.ワインの呼称。ジロンド川左岸のメドック地区のA.O.C.オー・メドック内にある、6つの村名ワインの中の一つ。6つの村名ワインの中で、最も濃密で長期熟成ポテンシャルのあるワインをうむと言われる。
- ポート
- Port
世界3大酒精強化ワインの一つ。世界遺産でもあるポルトガルのドウロ渓谷で生産され、下流のポルトの町で熟成されるためポートワインという名前になった。ルビー、トゥニー、ホワイト、ロゼの4タイプの他に、ヴィンテージ・ポートなどのスペシャルタイプが存在する。一部の例外を除いて甘口のコクのあるデザートタイプ。
- 補酒
- Ouillage
樽熟成の際に、樽に吸収されたり、木目を通して蒸発した分のワインを定期的に補う作業。空いた空間に空気が入り込み急激な酸化がおきるのを防止するために行う。補酒用のワインは基本的には同じワインをタンクで取っておく。
- ボジョレー
- Beaujolais
フランス・ブルゴーニュ地方の最南部に位置するA.O.C.ワインの呼称。ボジョレー地区全体をカバーし、赤白ロゼを産するが、圧倒的に赤が主流。ブルゴーニュの他の産地と異なり、このエリアの黒ぶどう品種はガメで、いちごなどの赤い果実や花を思わせる、フレッシュでチャーミングな香りを持った、軽やかでカジュアルなワインをうむ。軽い食事の際の最高の相棒。
- ボジョレー・ヴィラージュ
- Beaujolais-Villages
フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区のA.O.C.赤ワインの呼称。ボジョレー地区の中でも通常よりも優れた38の村から生産されるワンランク上のボジョレー。果実味のフレッシュさは保ちながら、より厚みのある味わいのワインを産する。
- 保存料
- preservative
保存料としてはソルビン酸が主に使用されている。微生物の働きを抑える効果があるために、多くの場合は糖分の残っているワインの再発酵を防止するために添加される。こちらも亜硫酸塩同様、食品衛生法によって使用の最大値が決められているため、人体への悪影響はなし。ソルビン酸の使用量の上限は0.2g/kg。
- 北海道
- Hokkaido
近年の日本ワインの動きの中で、長野と並び最も活気のある産地。個人・企業ともに進出が活発で、新しいワイン用ぶどう園やワイナリーが次々と生まれている。他県と比較してワイン専用のぶどう畑が多いのが特徴で、伝統的にケルナーなどのドイツ系のぶどうが栽培されてきたが、近年ピノ・ノワールに挑戦する生産者が増えている。2018年に山梨に次いで、ワインとしては日本で2番目のGIに認定された。
- ホッグスヘッド
- Hogshead
小樽の一種。オーストラリアなどで使用される300リットルサイズの樽。ウイスキーの貯蔵に広く使用されている同名の樽は225リットルサイズ。
- ボディ
- Body
ワインの重さや複雑さをあらわす言葉。ライトボディ⇒ミディアムボディ⇒フルボディの順番に、風味が強くなり、味わいが複雑になる。一般的に赤ワイン用の言葉だが、白ワインに使用される場合もある。
- ボトリティス・シネレア
- Botrytis cinerea
灰色カビ病の原因菌。条件が整うと貴腐ぶどうをうみ、極上甘口ワインの原料になる。
- ボトル缶
- Bottle cans
近年になって開発された新しい容器の一つ。通常の缶であればワインの酸とアルコールによる腐食が心配されるが、缶内部を特殊コーティングすることでその問題を解決している。小容量から愉しめ、冷えやすく、持ち運びしやすく、さらにグラスが必要無い上に再栓可能というのが大きなメリット。
- ボバル
- Bobal
スペイン南東部の黒ぶどう品種。特にバレンシア州で集中的に栽培されていて、濃厚な色調の力強いワインをうむ。
- ポリフェノール
- Polyphenol
ワインの健康成分として注目されている成分。過剰な活性酸素を消去する効果を持つ。ポリフェノールはぶどうの果皮や種子に多く含まれるので、果皮や種子をマセラシオンする赤ワインに多く含まれる。また、同じ赤ワインでも原料となるぶどうによってポリフェノールの含有量は異なる。果肉に対して果皮が厚く、種子が大きい品種(つまり色が濃く、渋みの強い品種)が多くポリフェノールを含む。
- ボルドー
- Bordeaux
①フランス西部のワイン産地。偉大な赤ワインの産地として世界的に知られるが、数は少ないものの辛口や甘口の白ワインでも素晴らしい品質のワインを生産する。ジロンド川左岸でカベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした赤ワイン産地であるメドック地区、ドルドーニュ川右岸でメルロを主体とした赤ワイン産地であるサンテミリオンとポムロール地区、ガロンヌ川左岸で素晴らしい赤と辛口の白の両方を産するグラーヴ地区、同じくガロンヌ川左岸で世界最高レベルの甘口貴腐ワインをうむソーテルヌ地区などが著名な産地。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルド、セミヨンなど、世界中で栽培されているぶどう品種の故郷でもある。 ②フランス・ボルドー地方のベースとなるA.O.C.ワインの呼称。
- ボルドー型ボトル
- Bordeaux bottle
いかり肩が特徴のスラリとした形状の瓶。伝統的にフランスのボルドー地方で使用されてきたボトル形状なので、一般的に「ボルドー型」と呼ばれてる。ボルドー地方以外でも、ボルドー原産のぶどう品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ソーヴィニヨン・ブランなど)でつくられるワインではこのボトルを使用している生産者が多い。
- ボルドーブレンド
- Bordeaux Blend
複数品種をブレンドしたワインのスタイルの一つで世界中で見られる。赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロを主体に、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベックなどをブレンドしたもの。白ワインではソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを主体に、ミュスカデルなどをブレンドしたもの。
- ポルトガル
- Portugal
歴史の古いワイン生産国。特に酒精強化ワインの産地として知られ、ポートとマデイラという世界3大酒精強化ワインのうちの2つを擁する。スティルワインで有名なのは、ヴィーニョ・ヴェルデ、ダォンなど。
- ポルトギーザー
- Portugieser
オーストリア原産でドイツや東欧でも広く栽培されている黒ぶどう品種。ブラウアー・ポルトギーザー(Blauer PortuGIeser)とも呼ばれる。やわらかな果実味でカジュアルな味わいのワインをうむ。
- マイポ・ヴァレー
- Maipo Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン生産の中心であるセントラル・ヴァレーの最北部、首都サンチアゴに隣接する、チリで最古のワイン産地。特に高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンの産地として定評がある。
- マカベオ
- Macabeo
スペインのカタルーニャ州原産の白ぶどう品種。フランスの地中海沿岸でも広く栽培されており、スペインのリオハではビウラ(Viura)、フランスではマカブーとも呼ばれる。素直な果実味の軽やかな味わいのワインとなる。マカベオはまたカヴァの主要3品種の一つでもあり、ブレンドの中でフルーティさと爽やかさを与える役割を果たしている。
- マグナムボトル
- Magnum
1.5L瓶の呼び名
- マコン・ヴィラージュ
- Mâcon-Villages
フランス・ブルゴーニュ地方のマコネ地区のA.O.C.白ワインの呼称。この地区のベースとなるワインで、シャルドネからフレッシュで軽やかな辛口のワインをうむ。
- マスエロ
- Mazuelo
カリニェナのスペインのリオハ地方での呼び名。
- マスカット
- Muscat
イタリア語ではモスカート(Moscato)スペイン語ではモスカテル(Moscatel)。地中海世界が原産のとても古い白ぶどう品種。マスカットの名前の元に多くの品種が存在し生食・醸造兼用の品種であるが、醸造用として最も高い評価を得ているのは粒の小さなマスカットと呼ばれるMuscat Blanc à Petits Grains。マスカットそのものの香りが楽しめる、フレッシュでフルーティー、軽やかな味わいのぶどう。世界で広く栽培されているワイン用ぶどうの中では、原料であるぶどうの香りがそのままワインに表現される、ほぼ唯一の存在。
- マスカット・オブ・アレキサンドリア
- Muscat of Alexandria
マスカットグループの一員。Muscat Blanc à Petits Grainsの子供。生食用としても広く利用されている。
- マスカット・ベーリーA
- Muscat Bailey A
名前からは海外のぶどうのように思えるが、1927年に新潟・岩の原葡萄園の川上善兵衛氏によって新潟県で交配された日本固有のぶどう。ベーリー×マスカット・ハンブルグ(黒い果皮のマスカット)。キーワードは明るい外観、独特のイチゴや綿菓子を連想させる甘い香り。フレッシュでピチピチした果実味、意外に固くて鋭い酸、とても軽くてまろやかなタンニンなど。フルーティーという言葉がぴったりの味わい。マスカット・ベーリーの後にAがつくのは、過去に同じ親から生まれたマスカット・ベーリーBが存在したため。
- マセラシオン
- maceration
ワインの製造工程の一つで、赤ワインの工程の中では最も重要なもの。発酵容器内で果汁に果皮や種子を漬け込むことで、醸しとも言う。目的はワインに漬け込まれた果皮や種子から色素であるアントシアニンや渋み成分であるタンニンを溶出させることで、マセラシオンの工程を経て初めて赤ワインらしい色調や味わいが出て来る。マセラシオンの期間は原料のぶどうの品種や状態などを見て判断する。またマセラシオンはロゼワインの主要な製法(セニエも参照)でもあり、ロゼワインの場合はマセラシオンの途中、求める色まで色素が抽出されたと判断した時点でワインと果皮を分離し、ワインのアルコール発酵を進める。白ぶどうの場合でも赤ワインのようにマセラシオンを行うことがあり、ややオレンジがかった濃い色調と、渋みを持った白ワインが出来る。近年増加してきているスタイルで一般的にオレンジワインもしくはアンバーワインと呼ぶ。
- マセラシオン・カルボニック
- Macération carbonique
ワインの特殊な醸造法の一つ。密閉ステンレスタンクに収穫した黒ぶどうを破砕せずに入れ、炭酸ガスを注入(もしくは自然発生)した状態で数日置く方法。鮮やかな色調と、フルーティな香りは存分に出るが、タンニンはあまり抽出されない、フレッシュでフルーティな飲みやすい赤ワインが出来る。独特のバナナを思わせる香りも特徴。この製法でつくられる代表的なワインはボジョレー ヌーヴォー。タンニンが強い品種のワインを、若い状態でも飲みやすくするために採用されることもある。
- マチュザレムボトル
- Mathusalem
シャンパーニュ地方での6L瓶(通常ボトル8本分)の呼び名。ボルドーでは6L瓶はアンペリアルと呼ぶ。
- マデイラ
- Madeira
世界3大酒精強化ワインの一つ。リスボンから南西に1,000kmの大西洋に浮かぶ絶海の孤島マデイラ島で生産される。温めて熟成するという独特の製法から生まれる、特有のマデイラ香と呼ばれる酸化熟成の香りがその他の酒精強化ワインとの大きな違い。
- マリアージュ
- Mariage
フランス語で結婚を意味する言葉。ワインと料理の相性や、ワインと料理を合わせた際に生まれる味わいの変化のことを指す。美味しくなる場合だけでなく、マイナスの結果をうむ事もあるというのが、マリアージュという言葉の深いところ。
- マルヴァジア・フィナ
- Malvasia Fina
ポルトガルの白ぶどう品種。ドウロやダォンなどでスティルの白ワインにブレンドされる他、ドウロではホワイトポートの原料にもなる。また、スパークリングワインの原料としても使用される。マデイラ島ではボアル(Boal)とも呼ばれ、ヴィンテージ・マデイラなどの品種名をラベルに表示した、高品質なやや甘口のマデイラワインの原料にもなっている。
- マルゴー
- Margaux
フランス・ボルドー地方のA.O.C.ワインの呼称。ジロンド川左岸のメドック地区のA.O.C.オー・メドック内にある、6つの村名ワインの中の一つ。6つの村名ワインの中で、最も華やかで繊細なワインをうむと言われる。
- マルサーラ
- Marsala
イタリアのシチリア州の西部、マルサーラの町周辺で生産される偉大な酒精強化ワイン。
- マルサンヌ
- Marsanne
フランス・コート デュ ローヌ地方原産の白ぶどう品種。現在は南仏一帯、アメリカやオーストラリアでも人気となっている。スイカズラの花やアーモンド、マジパンなどを思わせる香りと、リッチでコクのある味わいのワインをうむ。原産地のコート デュ ローヌ地方ではルーサンヌとよくブレンドされる。
- マルベック
- Malbec
フランス・南西地方原産の黒ぶどう品種。コー(Côt)、オーセロワ(Auxerrois)とも呼ばれる。歴史的に「黒ワイン」と呼ばれた事も納得の暗くて濃厚な色調が特徴。みっちりと詰まった果実の香り。凝縮したボリュームのある果実味、高めの酸、しっかりとしたタンニン、高めのアルコールなど。凝縮感のある強めのワインを生むぶどう。産地としては原産地のフランス・南西地方カオールとアルゼンチンのメンドーサ地方が有名だが、圧倒的に数量が多いのはアルゼンチンで、世界のマルベックの約80%が生産されている。ボルドーの赤ワインのブレンド用の補助品種でもあり、ボルドーブレンドを生産している多くの国で栽培されている。
- マロラクティック発酵
- Malo-lactic fermentation
ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌の働きによって、乳酸と炭酸ガスに分解される発酵。結果として①酸の絶対量が減りまろやかな味わいになる、②乳酸菌が生成するダイアセチルなどの成分によって乳製品の香りが加わるため香りが複雑になる、③不安定なリンゴ酸が安定的な乳酸に変化することでワインの生物学的安定性が上がる、などの効果がある。赤ワインではほぼ100%のワインで行われるが、酸の絶対量が減るため、酸を大事にする白ワインの場合はあえてこの発酵を行わない場合もある。空気中に存在する乳酸菌によって自然に起こる発酵だが、スムースに発酵を進行させるために市販の乳酸菌を加える場合もある。
- ミディアムボディ
- Midium Body
最も一般的なタイプのワイン。中程度の味わいなので、かなり幅広い品種や産地をカバーする。
- 緑ワイン
- Vinho Verde
ポルトガル北部ミーニョ地方の伝統的なワイン。ほのかに緑色を帯びた若々しく爽やかなワインを生産する事からヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)と言われた。現在ではEUの原産地呼称保護(D.O.P.)ワインの一つとなっており、白ワインだけでなく、赤ワインやロゼワイン、スパークリングワインなどを産する一大産地名となっている。
- 南アフリカ
- South Africa
常に世界のトップ10に入る生産量を持つワイン大国の一つ。地中海性気候に恵まれた西ケープ州を中心にワインの生産が行われている。栽培面積世界一を誇るシュナン・ブラン(スティーンと呼ばれることもある)がこの国を代表する品種。赤ワインでは、この国独自の交配品種ピノタージュが知られるが、ボルドーブレンドや 地中海ブレンドの品質も高い。
- 南オーストラリア
- South Australia
オーストラリア最大のワイン生産量を誇る、オーストラリアワイン産業の中心地。バロッサ・ヴァレー、エデン・ヴァレー、クレア・ヴァレー、マクラーレン・ヴェイル、アデレード・ヒルズ、クナワラなどのこの国を代表するGIを擁し、質の面でも充実している。この産地を代表するワインは、古木のシラーズからの濃密で滑らかな赤。
- ミネルヴォワ
- Minervois
フランス・ラングドック地方のA.O.C.ワインの呼称。赤白ロゼがつくられるが、生産量としてはシラー、ムールヴェードル、グルナッシュなどのぶどうをブレンドしてつくられる、滑らかさと力強さを併せ持った赤ワインが圧倒的に多い。
- ミュスカデ
- Muscadet
フランス・ロワール地方の白ぶどう品種。正式名称はムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne)で、その名の通り元々の生まれはブルゴーニュ地方。爽やかな辛口の白ワインであるミュスカデの原料となる。
- ミュスカデ
- Muscadet
フランス・ロワール地方のA.O.C.白ワインの呼称。ムロン・ド・ブルゴーニュもしくはミュスカデと呼ばれる白ぶどう100%でつくられる、軽やかで爽やかな辛口。ロワール川の河口付近に位置する産地で、海産物に相性のよいワインとして知られる。味わいに旨味を増すシュール・リーと呼ばれる製法がよく採用されている。
- ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌ
- Muscadet de Sèvre et Maine
フランス・ロワール地方のA.O.C.白ワインの呼称。A.O.C.ミュスカデの中でもロワール川の支流であるセーヴル川とメーヌ川沿いのエリアは、良質のぶどうが収穫されることで知られる。ここで生まれる、より厚みのある味わいの1ランク上のミュスカデ。
- ミュズレ
- muselet
スパークリングワインのコルクが飛び出さないように押さえてあるワイヤーと王冠のこと。王冠部分は生産者によって様々な工夫を凝らしたデザインがされていることも多く、コレクションする人も。
- ミュラー・トゥルガウ
- Müller-Thurgau
ドイツの交配品種。ドイツだけでなく、中欧~東欧にかけて広く栽培されている他、北海道でも実績がある。1882年にスイスのトゥルガウ出身のミュラー博士によって、リースリングとマドレーヌ・ロワイヤルの掛け合わせで生まれた白ぶどう。早熟で寒さに強く多産。やわらかな果実味と、花を連想させるアロマティックな香りが特長。
- ミレジメ
- millesimé
ヴィンテージを参照
- ムーラン・ナ・ヴァン
- Moulin-á-Vent
フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区のA.O.C.赤ワインの呼称。ボジョレー地区の中でも特に優れた10の村から生産されるクリュ・ボジョレーと呼ばれるワインの1つ。「ボジョレーの王」と呼ばれ、10のクリュ・ボジョレーの中で最も力強く、濃く、滑らかな味わいで知られる。
- ムールヴェードル
- Mourvédre
モナストレルのスペイン以外の国での呼び名。
- ムニエ
- Meunier
フランス・シャンパーニュ地方の黒ぶどう品種。シャンパーニュの主要3品種の一つ。シャンパーニュにやわらかさや果実味を与える。シャルドネやピノ・ノワールと比較すると、早くから愉しめるタイプ。
- メドック
- Médoc
①フランス・ボルドー地方の重要な地区名。ボルドー市の北西、ジロンド川の左岸に位置し、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とする偉大な赤ワインの産地として知られる。ボルドーという名前を聞いて、多くの人が連想するボルドー地方を代表する産地。 ②フランス・ボルドー地方のA.O.C.赤ワインの呼称。メドック地区の中の下流で、A.O.C.オー・メドックに含まれない部分。オー・メドックと比較すると土壌に粘土の比率が多くなり、ワインのブレンドにも粘土を好むメルロの比率が高まる。
- メリテージワイン
- Meritage wine
アメリカでの高品質なボルドーブレンドタイプの赤ワインの呼び名。
- メルロ
- Merlot
フランス・ボルドー地方原産の黒ぶどう品種。キーワードは濃いめの色調。肉厚でタップリとした包み込むような果実味、穏やかな丸い酸、やわらかなタンニン、重量感のあるボディなど。やわらかでタップリとした味わいで、渋い赤ワインを飲みなれない方でも親しみやすいぶどうの一つ。比較的栽培しやすく、世界中で広く栽培されている。日本でも成功しているヨーロッパ系のぶどうで、特に長野県の塩尻市周辺が名高い。
- メンドーサ
- Mendoza
アルゼンチンのワイン生産量の約80%をうみ出す最大産地。最高のマルベックをうむ。
- モーゼル
- Mosel
13個あるドイツのワイン産地の一つ。ライン川の支流のモーゼル川沿いに広がり、ドイツの中でも涼しい産地。渓谷の急斜面にテラス状に畑が拓かれており、30%を超える斜度の畑も多い。シーファーと呼ばれる粘板岩の土壌と冷涼な気候からうまれる繊細で透明感あふれる味わいのリースリングは、世界中でここでしか出来ない独自の個性を持つ。
- モスカート ダスティ
- Moscato d'Asti
イタリア・ピエモンテ州のD.O.C.G.白ワインであるアスティのタイプの一つで、モスカート(マスカット)からつくられる、低アルコール(5%前後)で微発泡のフレッシュでフルーティな甘口ワイン。
- モナストレル
- Monastrell
スペイン・バレンシア州原産の黒ぶどう品種。濃厚な色調、強靭な骨格とタンニン、厚みのある果実味とスパイシーな風味を持った、力強い味わいのぶどう品種。単体でワインになる事はあまり無く、シラーやグルナッシュなどの同じく地中海沿岸出身のぶどう品種にブレンドされる事が多い。現在は地中海沿岸で広く栽培されるだけでなく、アメリカ、オーストラリア、南アフリカなどにも広がりを見せている。スペイン以外ではマタロと呼ばれる事もある。
- モリナーラ
- Molinara
イタリア・ヴェネト州の黒ぶどう品種。コルヴィーナやロンディネッラとブレンドされ、ヴァルポリチェッラやバルドリーノなどの有名な赤ワインをうむ。
- モンテプルチアーノ
- Montepulciano
イタリア中部、アドリア海沿岸で広く栽培されている黒ぶどう品種。単体でワインになる場合も、ブレンドの原料となる場合もある。濃い色調と熟した果実味を持ちながら、コストパフォーマンスの高いワインを産出する。
- 山形
- Yamagata
山梨、長野、北海道に次ぐ日本ワイン第4位の産地。内陸部の置賜盆地、山形盆地がワイン生産の中心だが、日本海側の庄内でもワインが生産されている。マスカット・ベーリーAとデラウェアからのワインの生産量が多い。内陸の上山周辺ではシャルドネやメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどヨーロッパ系のぶどう品種からも高品質なワインが生産されている。
- 山梨
- Yamanashi
日本ワイン発祥の地であり、生産量も1位。2013年に日本のワイン産地として初めてGI認定された、日本を代表するワイン産地。江戸時代からぶどう栽培の歴史がある甲州市・勝沼周辺が有名だが、近年より冷涼な気候を求めて県西部の甲斐市、韮崎市、北杜市などでの畑の開設が増加している。山梨を代表するぶどうは県の名前でもある甲州。黒ぶどうはマスカット・ベーリーAが多い。サントリーは甲斐市に100年以上の歴史を持つ登美の丘ワイナリーを所有している。
- 有機栽培
- Organic Agriculture
有機農法を参照
- 有機酸
- Organc Acid
ワインの味わいを決める重要な要素。ワインに多く含まれる酸としては酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、酢酸などがある。
- 有機農法
- Organic Agriculture
化学的に合成された肥料や農薬を使用せず、遺伝子組み換え技術も用いずに行われる農業。専門の認証機関に認証されたもののみが有機を名乗ることが出来る。
- 有機ぶどう
- Organic Grape
有機農法で栽培されたぶどう。
- ユニ・ブラン
- Ugni Blanc
トレッビアーノのフランスでの呼び名。フランスで最も広く栽培されている白ぶどう品種であるが、その多くはコニャック、アルマニャックをはじめとするブランデーの原料となっている。高い酸味が特徴の品種で、それを活かしてスパークリングワインや、カジュアルなスティルワインのブレンド用にも利用されている。
- 余市
- Yoichi
北海道最大のワイン産地。海にむかってなだらかに開けた丘陵地に垣根仕立てのぶどう畑が広がる。ケルナー、ミュラー・トゥルガウなどのドイツ系のぶどう品種を主体にしていたが、近年日本では難しいと言われていたピノ・ノワールの栽培地として注目を集めている。
- ラ・マンチャ
- La Mancha
①スペイン内陸部の台地(メセタ)南部にある地方名。延々と続く極端な大陸性気候の乾燥した平原に300,000ha以上ものぶどう畑が広がる。スペイン全体の約半分のワインを生産する大産地。 ②同エリアのD.O.ワインの呼称。認定ぶどう畑が160,000haにもなる、単一の原産地呼称としては世界最大の産地。
- ライトボディ
- Light Body
最も軽やかなタイプのワイン。色が明るく、フレッシュな果実味主体で、渋さも少なめ、アルコールも低めといった味わいが連想される。
- ラインヘッセン
- Rheinhessen
13個あるドイツのワイン産地の一つ。ライン川左岸のなだらかな丘陵地帯にぶどう畑が広がるドイツ最大のワイン産地。
- ラペル・ヴァレー
- Rapel Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン生産の中心であるセントラル・ヴァレーの中央部に位置する重要なワイン産地。サブ・リージョンとしてカチャポアル・ヴァレーとコルチャグア・ヴァレーの2つのD.O.を内包する。高品質な黒ぶどうの産地として定評がある。
- ラングドック
- Languedoc
①フランス南部・地中海沿岸のワイン産地。ぶどうの生育に適した温暖な地中海性気候に恵まれ、170,000haものぶどう畑が広がるフランス最大(全体の40%を占める)のワイン産地。伝統的な南仏ブレンドのワインに加え、ぶどう品種名をラベルに表示したいわゆるヴァラエタルのI.G.P.ワイン(ペイ ドック)やテーブルワインの大産地となっている。 ②フランス・ラングドック地方全域をカバーする、この地方のベースとなるA.O.C.ワインの呼称。
- ランブルスコ
- Lambrusco
イタリアのエミリア・ロマーニャ州とその周囲で栽培される黒ぶどう品種。早飲み用のフルーティで微発泡の赤ワインの原料となる。ランブルスコの名の下に、ディ・ソルバーラ、サラミーノなどの10を超える亜種が存在し、殆どのランブルスコと名前のついたワインはこれらのぶどうのブレンドから生産されている。
- リアス バイシャス
- Rías Baixas
スペイン・ガリシア州の辛口白ワインのD.O.呼称。アルバリーニョ種からつくられ、桃や百合などを連想させる華やかな香りと、品種由来の引き締まった酸味が特徴のメリハリのある味わいで、スペインの高級白ワインの代表とされる。リアスはガリシア語で「入江」であり、リアス式海岸の語源となった言葉。その名の通り海に近い産地で、海産物との相性は抜群。
- リースリング
- Riesling
ドイツ原産の白ぶどう品種。シャルドネと並び、最も高貴な白ワイン用品種の一つ。アロマティックな果実や花を連想させる香りと、石油のような独特の香り(ペトロール香)が特長。引き締まった果実味と、シャープで厳しい酸と、強いミネラル感からくる硬い味わいが印象的な、繊細で透明感あふれる味わいのぶどう。辛口~甘口まで、全てのスタイルで非常に長命な偉大なワインをうむ。代表的な産地として、原産地ドイツ、フランスのアルザス、オーストリア、アメリカのニューヨーク州とワシントン州、オーストラリアなどが挙げられる。中欧、東欧でも広く栽培されている。
- リースリング・イタリコ
- Riesling Italico
ヴェルシュリースリングを参照。
- リースリング・フォルテ
- Riesling Forte
日本の交配品種。1983年にサントリーによって、日本固有のぶどう品種である甲州三尺とリースリングの掛け合わせで生まれた白ぶどう品種。リースリングの成熟の遅さ、収量の低さ、不安定さを日本の気候に適合した甲州三尺で補っている。フレッシュで香り高いワインをうむ。
- リープフラウミルヒ
- Liebfraumilch
聖母の乳という意味。元々はドイツのラインヘッセン州ヴォルムスにある聖母教会周辺から産するワインに付けられた名称。あまりの人気から生産エリアが拡大され、現在は周辺の州でも生産が認められている。リースリング、ミュラー・トゥルガウ、ジルヴァーナー、ケルナーなどのブレンドでつくられる、やや甘口のフレッシュでフルーティな白ワイン。
- リオハ
- Rioja
スペインに2つしか存在しない最高クラスのD.O.Ca.に最初に選ばれた、最も重要かつ有名な産地。テンプラニーリョを主体とした赤ワインが殆どだが、白やロゼも存在する。生産量も多く、比較的軽く飲めるタイプから小樽で長期間熟成した複雑でコクのあるタイプまで幅広いタイプのワインをうむ。
- リスベラトロール
- Resveratrol
レスベラトロールを参照
- リゼルヴァ
- Riserva
イタリアワインの用語の一つ。通常製品よりも長い期間の熟成を経てから市場に出される高品質なワイン。リゼルヴァを名乗るワインには一般的に通常よりも格上の長期熟成のポテンシャルを持った原酒が使用されるため、複雑で厚みのある味わいになる事が多い。
- リパッソ
- Ripasso
イタリア、ヴェネト州のD.O.C.ヴァルポリチェッラで伝統的に行われる特殊な製法。通常のヴァルポリチェッラの発酵の際に、この地方の代表的なワインであるアマローネやレチョートなどのワインの絞りカス(まだ成分が残っている)を加えてつくられる。通常のヴァルポリチェッラよりもコクがあり、複雑な味わいになる。
- リベラ デル ドゥエロ
- Ribera del Duero
スペイン内陸部のカスティーリャ・イ・レオン地方にあるD.O.赤・ロゼワイン産地。テンプラニーリョ(この地方ではティント・フィノもしくはティント・デル・パイスと呼ばれる)を主体としてつくられる力強い味わいのワインで、リオハやプリオラトと並んでスペインを代表する赤ワイン産地となっている。
- リマリ・ヴァレー
- Limarí Valley
チリのD.O.ワインの呼称。チリのワイン産地としては北に位置するコキンボエリアの産地。海に近く冷涼であることと、石灰質が多く含まれる独特の土壌から、高品質のシャルドネやピノ・ノワールの産地として近年注目が集まっているエリア。
- ルーサンヌ
- Roussanne
フランス・コート デュ ローヌ地方原産の白ぶどう品種。現在は南仏一帯、アメリカやオーストラリアでも人気となっている。完熟の黄桃やメロン、百合の花思わせる香りと、厚みと繊細さを併せ持った長期熟成タイプのワインをうむ。原産地のコート デュ ローヌ地方ではマルサンヌとよくブレンドされるが、単一品種でも、またグルナッシュ・ブランやブールブーラン、時にはシャルドネなどとのブレンドでも良い結果が出ている。大変晩熟な品種で、暖かい気候を好む。
- ルージュ
- Rouge
フランス語で赤のこと。
- ルビー・カベルネ
- Ruby Cabernet
アメリカ・カリフォルニア州の交配品種。1936年にカリフォルニア大学ディビス校のハロルド オルモ博士によって、カリニェナとカベルネ・ソーヴィニヨンの掛け合わせで生まれた黒ぶどう品種。カリニェナの多産性と暑さへの耐性にカベルネの品質の高さの融合を狙ってつくられた。豊かな果実味を持つワインをうむ。
- ルビーポート
- Ruby Port
ポートワインのタイプの一つ。黒ぶどうを原料にしたポートワインを3年程度の熟成後に瓶詰めした、ルビー色に輝くタイプ。果実味たっぷりでコクのある甘口。
- ルミュアージュ
- Remuage
動瓶を参照
- レイダ・ヴァレー
- Leyda Valley
チリのD.O.ワインの呼称。海岸山脈よりも西に位置する、チリの中でも最も海に近い産地の一つ。沿岸を南極からの冷たいフンボルト海流が流れるチリは、海岸に近いほど冷涼なため、レイダ・ヴァレーはチリの中で最も冷涼とされる。この気候をいかした、高品質なピノ・ノワールやシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの産地。
- レスベラトロール
- Resveratrol
赤ワインに含まれるポリフェノールの一種。抗ガン作用や老人性痴呆症、アルツハイマー病の予防に効果があるなどの健康効果が発表されている。
- レセルバ
- Reserva
ワインの用語の一つ。スペインの場合には高級ワイン(D.O.ワイン及びD.O.Ca.ワイン)で330リットル以下のオーク樽を使用し、一定期間熟成したものがラベルに表示する事が出来る。赤ワインは合計36ヶ月以上(そのうち12ヶ月以上は樽熟成)、白及びロゼワインは合計24ヶ月以上(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)。チリでも使用されるが、チリの場合は熟成期間の法的な規定はなく、アルコール度数が12%以上あり、独自の香味がある場合に表示する事が出来るため、生産者の中でのクラス分けの名称として使用されている事が多い。
- レチョート
- Recioto
イタリア・ヴェネト州のヴァルポリチェッラやソアーヴェで使用される製法。収穫したぶどうを2~3ヶ月陰干しすることで得た糖度の高い果汁から生産される甘口。
- レッチーナ
- retsina
ギリシャの松脂の風味を溶かし込んだフレーバードワイン。白ワインが基本だが、ごく少量ロゼワインも産する。
- ロウペイロ
- Loupeiro
ポルトガルとスペイン・ガリシア州の白ぶどう品種。シリア、コデガ、ドニャ・ブランカなどの多くの異名を持つ。ブレンドの原料としてワインに華やかな香りを与える他、ホワイトポートの原料にもなる。
- ロウレイロ
- Roupeiro
ポルトガル北部の白ぶどう品種。ヴィーニョ・ヴェルデの主要品種の一つで、単一品種でワインになる事もある。華やかな甘い桃を思わせる香りと瑞々しい果実味が特長の、魅力的な味わいのワインを産む。
- ローヌブレンド
- Rhône Blenc
南仏ブレンドと同義。
- ロール
- Rolle
ヴェルメンティーノのプロヴァンスでの呼び名。
- 濾過
- filtration
ワインの製造工程の一つ。清澄を行ったワインの透明度をさらに高めたい場合に行う作業。濾過器を通して細かい濁りまで除去する。ただ、ワインの濁り成分は旨味成分でもあるため、濾過を行わないかったり、粗いフィルターで濾過を行う場合も多い。
- ロシアン・リヴァー・ヴァレー
- Russian River Valley
アメリカ・カリフォルニア州のソノマにあるAVA。西の海岸山脈の隙間から冷たい海風が流入する冷涼な地域で、カリフォルニアを代表する高品質のシャルドネやピノ・ノワール(特にピノ・ノワール)の産地として定評がある。
- ロゼ・ダンジュ
- Rosé d'Anjou
フランス・ロワール地方のアンジュの町周辺で生産される、やや甘口のロゼワインのA.O.C.呼称。ピンク色をしたフルーティでキュートな味わいのロゼワインで、グロロー種を主体とする。
- ロゼワイン
- Rose Wine
皮に色を持つぶどうの色素を何らかの方法で抽出してつくられる、ごく淡いピンク色~赤ワインに近い淡い赤色をしたワインのこと。色素を抽出する代表的な方法としては、マセラシオン、直接圧搾法、混醸の3つが挙げられる。法律で禁止されているエリアも多いが、白ワインに少量の赤ワインを色付けに用にブレンドしてつくられる事もある。
- ロッソ
- Rosso
イタリア語で赤のこと。
- ロブレ
- Roble
ロブレはオークの意味。クリアンサ(6ヶ月以上樽熟成)に満たない、3~5ヶ月程度オーク樽で熟成させたワインに使用される表現。
- ロマーニャ
- Romagna
イタリア・エミリア・ロマーニャ州のD.O.C.ワインの呼称。州の東部を広くカバーし、その下にサンジョヴェーゼ、トレッビアーノなど複数の呼称が包括される。
- ロワール
- Loire
フランスの中央部~西部に向かって流れるロワール川沿いに広がる産地。河口域から上流域まで全長1,000kmもの広範囲を含むため、多彩なワインが生産されるが、全体的に比較的冷涼な気候の爽やかで軽やかなタイプのワインが多い。有名なワインとして、ミュスカデ、ロゼ・ダンジュ、ヴーヴレ、シノン、サンセール、プーイィ・フュメなどが挙げられる。代表的なぶどうは白がミュスカデ、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、赤がカベルネ・フラン。
- ロンディネッラ
- Rondinella
イタリア・ヴェネト州の黒ぶどう品種。コルヴィーナやモリナーラとブレンドされ、ヴァルポリチェッラやバルドリーノなどの有名な赤ワインをうむ。
- 若木
- young vine
植えて数年のぶどう樹。樹に勢いがあり、多くの果実をつけるが、品質面では一定の年数を経たぶどう樹のぶどうに及ばないとされる。