- 実験編「赤ワイン」
容器が違うと味は変わるの??~赤ワイン編~
2018年11月
最近ワインでもいろんな容器の商品を見かけるようになってきました。瓶はもちろん、小さめの瓶もあったり、紙パックやペットボトルなどなども。ワインの世界では昔から、「中身が同じでも、容量が違うと熟成の仕方が変わって味が違う」とか、「容器の素材によって酸化の仕方が変わって味が違う」と言われていたりします。実際のところはどうなんでしょうか?
そこで!今回は中身が同じで容器が異なる赤ワインの味わいの違いを検証します!
- 目次
▼ とりあえずティスティング!
【ワイン1】フレッシュな果実味で軽めの赤ワイン:『酸化防止剤無添加のおいしいワイン(赤)』
【ワイン2】華やかな香りで軽めの赤ワイン:『ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 2016』
【容器による違い】
375ml瓶は香り華やかで少し熟した果実、750ml瓶は凝縮したフレッシュな果実
●375ml瓶の特長
見た目は375mlの方が少しだけ色が濃くて、わずかにオレンジが入っている。香りのボリュームは大きめで、イチゴジャムを思わせるような熱の入った果実の印象がある。口に含むとやはり少し熱の入ったイチゴのような果実味を感じる。
時間の経過とともに、香りや果実味が弱くなっていく感じも。
●750ml瓶の特長
見た目は750mlの方が若干淡い色で、紫色が主体の色調。香りは開けたばかりの時は控えめだけれど、時間とともにフレッシュなイチゴやクランベリー、少しスパイスの香りも感じられるように。口に含むとぎゅっとつまった果実味を感じられて、ほどよい渋味も感じる。
【ワイン3】力強い味わいの赤ワイン:『バロン ド レスタック 赤 2016』
【容器による違い】
375ml瓶はリッチな樽の香りが前面に、750ml瓶は果実やハーブのような香り、樽の香りがバランスが良い
●375ml瓶の特長
375mlの方が少し色が濃い。香りは樽の香りがしっかりと感じられて、かなりリッチな印象。口に含むと、飲み応えのあるタンニンが感じられる。樽の印象が強くて、果実味は控えめに感じる。
●750ml瓶の特長
750mlの方が少し色が淡い。香りはディルのようなハーブや杉の木のような植物を思わせる香りと、黒い果実を思わせる香り、樽の香りが調和している感じ。口に含むと、滑らかでキメ細かいタンニンで飲み口はスムーズ。
編集後記(やってみてわかったこと!!)
【結局のところは??】
結論としては、今回試したどのタイプの赤ワインも容器によって味わいが異なりました。これまでの実験と比べると大きな違いではないものの、並べて飲むと味わいの違いがわかりました。
どちらが良い悪いというわけではなく、基本の味わいは共通しながらも、強く感じる要素が違う感じでした。
お気に入りのワインも、違う容器のものを飲んでみるとまた違う顔が見れて楽しめそうです。
【なぜ味わいの違いが出るの?】
素材について:
どんな素材の容器や栓も、栓をしていてもごくわずかに酸素を透過したり、紫外線を透過しています。酸素や紫外線はワインの熟成や酸化に影響するのですが、容器や栓の素材によってその透過の度合いがわずかでも異なるため、味わいに違いが現れているのではないかと思います。
容量について:
瓶内の栓とワインの間には空間がありますが、この空間にはわずかに酸素が含まれています。これがワインの熟成に影響するのですが、容器の容量の違いによって、この空間の体積(酸素の量)とワインの液体の体積の比率が異なるので、熟成のスピードも異なると考えられます。
大きい容量の容器の方が、ワインの液体に対する空間(酸素の量)の割合が少ないので、ゆっくり熟成すると言われています。
【この次】
今回は赤ワインについて試しましたが、次回は白ワインやスパークリングワインについても容器の違いを試してみたいと思います。乞うご期待!!