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世の中で広く言われるワインの常識を、ワインのプロが実際に検証!
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チョコとワインの相性ってどうなの!?

2018年01月

バレンタインデーも近づいてきて、スーパーの店頭で目立つところにチョコが並びはじめましたが、バレンタインに関係なくついつい買ってしまう人もいるのでは?

今回はそのチョコとワインの相性を検証をしてみたいと思います。最近はネットやSNSなどでチョコとワインと合わせておすすめしているのを見かけることもありますが、実際のところはどうなんでしょうか?
いろんなタイプのワインとチョコの相性を実際に試して検証してみました。
さて、どんな結果になるのでしょうか??

目次
  1. ▼ とりあえずいろいろ試してみた!
  2. ワイン1:辛口のスパークリングワイン 『フレシネ コルドン ネグロ』
  3. ワイン2:ほのかな甘口白ワイン 『ファルケンベルク リープフラウミルヒ <マドンナ>』
  4. ワイン3:リッチな辛口白ワイン 『ダークホース シャルドネ』
  5. ワイン4:やや甘口ロゼワイン 『サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ』
  6. ワイン5:軽めの辛口赤ワイン 『ジョルジュ デュブッフ サンタムール』
  7. ワイン6:重めの辛口赤ワイン 『サンタ プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン』

▼ とりあえずいろいろ試してみた!

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まずはワイン!次の6つのタイプについて検証しました。
 
ワイン1. 辛口のスパークリングワイン:『フレシネ コルドン ネグロ』
ワイン2. ほのかな甘口白ワイン:『ファルケンベルク リープフラウミルヒ <マドンナ>』
ワイン3. リッチな辛口白ワイン:『ダークホース シャルドネ』
ワイン4. やや甘口ロゼワイン:『サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ』
ワイン5. 軽めの辛口赤ワイン:『ジョルジュ デュブッフ サンタムール』
ワイン6. 重めの辛口赤ワイン:『サンタ プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン』
 
合わせるチョコは次の7種類!スーパーに売っているチョコをタイプ別に試してみました。
 
チョコ1:ミルクチョコ
チョコ2:ホワイトチョコ
チョコ3:ビターチョコ(カカオ含有量70%台のもの)
チョコ4:ビターチョコ ナッツ入り
チョコ5:レーズン入りチョコ
チョコ6:抹茶ペースト入りチョコ
チョコ7:イチゴフレーバーチョコ
 
検証の仕方は、4人のメンバーで試飲・試食して、合わせることでおいしくなったかどうかを最高5点で数値化して比較しました。点数の基準は以下の通りです。
 
1点:合わせる前には感じなかったネガティブな要素を感じるようになる。
2点:合わせる前より、ワインもしくはチョコの味わいがおいしくなくなったと感じる。
3点:合わせる前と変わらない、予想通りの味わい。
4点:合わせる前より、ワインもしくはチョコの味わいがおいしくなったと感じる。
5点:合わせる前には感じなかったポジティブな要素を感じるようになる。
 
合計6×7=42通りの組み合わせ、なかなか時間も体力も使う検証でした。。
さて、ワインとチョコの相性やいかに??

ワイン1:辛口のスパークリングワイン 『フレシネ コルドン ネグロ』

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【まとめ】
今回試したチョコでは、あまり相性がよいと思うものがない結果に。
その中では、ビターとビター(ナッツ)は、ワインとチョコがお互いに邪魔することなく、悪くはない印象。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:お互いの良さを消し合っている感じ。ワインは酸味や苦味だけが強く感じられ、チョコの渋味が後口に残る。
・ホワイト:チョコの甘味や風味が強すぎて、ワインの香りや果実味を覆い隠してしまう感じ。ワインは酸味だけが残る。
・ビター:良くも悪くもチョコとワインが干渉しない感じ。互いの要素をストレートに感じられるけれど、合わせることでの何か変化がほしいところ。
・ビター(ナッツ):ビターにナッツが加わったことで要素の数は増すけれど、どこかまとまりがない。悪くはないけれど、一緒に口に入れているのに別々に味わっているような感じ。
・レーズン:お互いの良さを打ち消しあっている感じ。ワインの酸味だけが目立つ。
・抹茶:ワインの苦味や抹茶の香りが強調されて、飲み重い感じ。
・イチゴ:チョコの甘味や風味が強く、ワインの香りや果実味を覆い隠してしまう感じ。ワインは酸味だけが残る。

ワイン2:ほのかな甘口白ワイン 『ファルケンベルク リープフラウミルヒ <マドンナ>』

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【まとめ】
ほとんどのチョコと相性が悪くない。中でもビターは、チョコとワインの味わいや風味がお互いに溶け合う感じでおいしい。
抹茶だけはNG。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:お互いの良さを消し合っている感じ。ワインは酸味や苦味だけが強く感じられ、チョコの渋味が後口に残る。
・ホワイト:チョコの甘味や風味が強すぎて、ワインの香りや果実味を覆い隠してしまう感じ。ワインは酸味だけが残る。
・ビター:良くも悪くもチョコとワインが干渉しない感じ。互いの要素をストレートに感じられるけれど、合わせることでの何か変化がほしいところ。
・ビター(ナッツ):ビターにナッツが加わったことで要素の数は増すけれど、どこかまとまりがない。悪くはないけれど、一緒に口に入れているのに別々に味わっているような感じ。
・レーズン:お互いの良さを打ち消しあっている感じ。ワインの酸味だけが目立つ。
・抹茶:ワインの苦味や抹茶の青い香りが強調されて、飲み重い感じ。
・イチゴ:チョコの甘味や風味が強く、ワインの香りや果実味を覆い隠してしまう感じ。ワインは酸味だけが残る。

ワイン3:リッチな辛口白ワイン 『ダークホース シャルドネ』

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【まとめ】
ビター系のチョコと相性が良い。とくにナッツ入りのものは、合わせることでより香ばしさが感じられておいしい。他のチョコとはあまり相性がよくない。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:ワインを重く苦く感じてしまってよくない。
・ホワイト:バニラのような風味が感じられて面白いけれど、酸味や苦味、渋味が強調されてバラバラに感じる。
・ビター:チョコの苦味や渋味をうまくワインの果実味が包み込んで溶け合っているような感じ。余韻も同じくらいで、チョコのカカオ感とワインのリッチな果実味が邪魔することなくしっかりと愉しめる。
・ビター(ナッツ):ナッツの香ばしさが加わって、ワインの樽の香りと相乗効果で香ばしい香りを愉しめる。ビターと同じで余韻もバランスよく、ワインの果実味は少しリッチになったように感じられる。
・レーズン:よくも悪くもあまり影響し合わない。少し後口に苦味が残って重い印象も。
・抹茶:ワインや抹茶の苦味が強調されて飲み重い感じ。ワインの酸味を浮いて感じて違和感がある。
・イチゴ:イチゴの香りが単調になったように感じられて安っぽくなる。ワインの果実味も覆い隠されてしまう。ネガティブな要素は感じないけれど、お互いの良さを消しあう。

ワイン4:やや甘口ロゼワイン 『サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ』

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【まとめ】
ビター系とレーズンとの相性は良い。イチゴはかなり好みがわかれる結果に。他のチョコは相性イマイチ。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:ワインのイチゴのような果実味と酸味だけが強調されて、少し安っぽい感じに。
・ホワイト:イチゴミルクアイスが溶けてしまったような重くて甘い味に。酸味や苦味も浮いて感じてよくない。
・ビター:チョコの苦味や渋味に、ワインの酸味や果実味がうまくマッチして溶け合っている感じ。ワインの果実味もイチゴだけでなく、フランボワーズやクランベリーのようなニュアンスが感じられる。
・ビター(ナッツ):ナッツの香ばしさが加わって、ワインの果実味が少し抑えられる感じ。ビターとはまた違う味わいだけど、うまく溶け合っていて良い。
・レーズン:ワインの華やかな赤系果実を思わせる果実味に、少し落ち着いた印象の黒系果実が加わることで、味わいが引き締まって感じられる。複雑みが増して面白い。
・抹茶:ただ青臭くてすっぱい。ミスマッチ。
・イチゴ:チョコにイチゴだけでなくフランボワーズのような香りが加わって、酸味も足される感じ。チョコは複雑みが増して良くなるけれど、ワインの印象が消えてしまうので好みがわかれるところ。

ワイン5:軽めの辛口赤ワイン 『ジョルジュ デュブッフ サンタムール』

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【まとめ】
このワインとビターは今回の実験のベストマッチ!他のチョコも抹茶以外は相性が悪くない。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:少しワインの果実味を抑えて、酸味が強調されて感じるけれど、ネガティブな感じはない。
・ホワイト:少しワインの果実味を抑えて、酸味が強調されて感じるけれど、お互いのバランスは悪くなく愉しめる。
・ビター:チョコの苦味や渋味に、ワインの渋味や酸味、果実味がうまくマッチして溶け合っている感じ。赤い花やジャーキーのような香りも感じられて複雑みも感じられる。一体感が感じられて良い。
・ビター(ナッツ):ナッツが加わることによって、どこか少しだけバランスが崩れる感じ。悪くはないけれど、ナッツがない方が良い。
・レーズン:ワインの華やかな赤系果実を思わせる果実味に、少し落ち着いた印象の黒系果実が加わることで、味わいが引き締まって感じられる。複雑みが増して面白い。
・抹茶:ただ青臭くてすっぱい。ミスマッチ。
・イチゴ:素直なイチゴの果実味が感じられてチャーミングな味わい。ワインは少し単調になってしまうけれど、甘やかでスムーズな飲み口。

ワイン6:重めの辛口赤ワイン 『サンタ プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン』

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【まとめ】
レーズンとの相性がバツグン!他のワインでは軒並み評価が低かった抹茶との相性も悪くない結果に。
 
【チョコのタイプごとの結果】
・ミルク:ワインがチョコの味わいを覆ってしまう感じ。後口にも苦味やエグミが残ってよくない。
・ホワイト:チョコの甘味がワインの複雑みを隠してしまう感じ。悪くはないけれどわざわざ合わせなくてもよい。
・ビター:良くも悪くもチョコとワインが干渉しない感じ。互いの要素が似ていてうまく溶け合うかと思いきや、それぞれの要素をそのまま感じて、変化を感じられないのがちょっと残念なところ。
・ビター(ナッツ):ビターよりはチョコとワインの味わいにまとまりがある。
・レーズン:ワインの黒系果実を思わせる果実味が強調されることで、味わいが引き締まって感じられる。チョコの甘味もほどよく溶け込んでコクが感じられて、ポートワインのような顔も見られる。
・抹茶:抹茶の香りとワインの植物的な香りがうまく同調している感じ。少し重い飲み口にはなるけれど、ネガティブな印象ではない。
・イチゴ:チョコのカカオ感とワインの果実味が消しあってしまう感じ。イチゴのフレーバーと単調になってしまったワインの味わいだけが残る感じで良くない。
 

編集後記(やってみてわかったこと!!)

【結局のところは??】
チョコとワインの組み合わせは、思っていたよりも相手を選ぶ結果になりました。
ワインと合わせるなら、あまり考えずにとりあえずビターなタイプのチョコを選んでおけば良さそうです。
 
【ワインのタイプごとのおすすめ】
 
★辛口スパークリングワイン × ビターチョコ
★ほのかな甘口の白ワイン × ビターチョコ
★リッチなタイプの辛口白ワイン × ナッツ入りビターチョコ
★やや甘口のロゼワイン × ビターチョコ
★軽めの辛口赤ワイン × ビターチョコ
★重めの辛口赤ワイン × レーズン入りチョコ
 
【補足ですが】
今回はビターチョコとの相性がおおむね良い傾向でしたが、これは試したワインのラインナップによるところもあると思います。スーパーやコンビニなどでも手に入りやすい、ほのかな甘口~辛口のタイプのワインを選びました。
 
もっと甘口のワインの場合は、また違う結果になるかもしれません。甘口ワインは、高価なものや、スーパーなどで取り扱いが少ないものが多いですが、これもまた違う機会に試してみたいと思います。
 
【この次】
今回は甘めのお菓子のチョコで実験しましたが、そういえばもっと定番のお酒のおつまみとワインの相性はどうなんでしょうか?コンビニなどでビールと一緒に買われることが多いナッツや生ハム、ジャーキーなんかで試してみたいと思います。乞うご期待!

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