- 実験編「赤ワイン」
- 実験編「白ワイン」
「ワインは寝かせたらおいしくなる」ってほんと??
2016年08月
よくワインは熟成した方がおいしいとか、寝かせておくとおいしくなるという話を耳にします。みなさんも一度は聞いたことがあるのでは?
確かにこれまでの実験でも、同じ銘柄で同じ年、さらに管理の仕方が同じワインでも、飲む時期が違うと味が違うなあと感じることがありました。
よく聞くけれど、実際に検証してみるのはなかなか難しい話でもあります。今回はあまり長い期間ではなく、数ヶ月程の短いスパン寝かせてみる実験をしてみます!
さて、結果やいかに!?
- 目次
▼ さっそくやってみた!!
▼ ざっくりと結果まとめ!!
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【ワイン1.ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン 2015】
★寝かせるとまた違う顔がでてくる★
寝かせるごとに、このワインの特徴の青草のような香りは穏やかになって、果実の香りは熟した印象に。味わいは酸味の感じ方がまろやかになっていき、甘味や苦味を少し強く感じるように。 -
【ワイン2.ビニャ マイポ ビトラル シャルドネ 2015】
★寝かせることでワンランクアップした感じ★
初回は控えめな香りだったのが、寝かせるごとに香りが豊かに。熟した果実のようなリッチな印象に。飲み口は酸味が少し穏やかになって、ボリューム感が増した印象。 -
【ワイン3.ジョルジュ デュ ブッフ ボジョレー 2014】
★寝かせるとまた違う顔がでてくる。★
初回はフレッシュな赤系の果実の香りが主体だったのが、寝かせるごとにフレッシュな印象は落ち着いて、花や土、革のような複雑な香りが出てくる。味わいも、はじめは少し粗く感じたタンニンや酸味がまろやかに感じるように。 -
【ワイン4.ロス ヴァスコス グランドレゼルブ 2012】
★寝かせると香り豊かに、味わいもバランスよくなる★
初回から香りは豊かな印象なのに、寝かせるごとにさらに香りの要素が多く感じる。また、果実、植物、樽のニュアンス、スパイスなど、それぞれの要素がバランスよく感じられる。リキュールのような熟成感ある落ち着いた果実の香りも。味わいはタンニンや酸味が穏やかになって、飲み口がどんどんスムーズに。
必ずしも「寝かせればおいしくなる」というものではなさそうでした。どのタイプのワインもけっこう変化していましたし、タイプによってずいぶん変化の仕方も違いました。
ワインごとの変化の仕方など、詳しくは「検証結果をくわしく!」で。
【ワイン1】~すっきりした味わいの辛口白ワイン~
ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン 2015
【ワインの特徴】 ?ブランドサイトはこちら
青草や柑橘、青いりんごのような爽快な香りと、キレの良い酸味が特長です。
【検証結果】
★寝かせるとまた違う顔がでてくる★
【初回⇒2回目の変化】
外観: 少し緑がかった黄色だったのが、緑のトーンが薄く。輝きも少し落ち着いた印象。
香り: もともとあった青いリンゴや青草のような青い若々しい印象が落ち着く。ハチミツやパイナップルのような甘やかなニュアンスが出てくる。
味わい: 爽やかな酸味が少し穏やかに、あまり感じなかった苦味を少し感じるように。
印象: 若々しく爽やかな印象が落ち着いて、少し果実が熟したようなリッチな印象に。
【2回目⇒3回目の変化】
外観: 緑のトーンがほとんど見られなくなり、黄色のトーンが濃く。輝きももう少し落ち着いた印象。
香り: 果実味はさらに熟した黄色の果実のような感じで、甘やかなニュアンスもさらに強く。植物系の香りは少ししおれた草のような印象に。スパイスや石灰のような香りも感じる。
味わい: 酸味がまろやかに感じられて、甘味や苦味を少し強く感じる。
印象: もともとの爽やかな印象が、寝かせると熟した果実のようなまろやかな酸味で甘やかな印象に。
【ワイン2】~リッチな味わいの辛口白ワイン~
ビニャ マイポ ビトラル シャルドネ 2015
【ワインの特徴】 ?ブランドサイトはこちら
熟れたリンゴやマンゴーような果実の香りと、ナッツやバニラのような香りも感じられる香り豊かな白ワインです。また、爽やかな酸味と飲み口にコクを感じるリッチな味わいです。
【検証結果】
★少し寝かせた方がよさそう★
【初回⇒2回目の変化】
【2回目⇒3回目の変化】
外観: 少し緑のトーンが少なくなったけれど、ほとんど変化は感じない。
香り: もともとあった果実の印象は熟したニュアンスが出てきて、バターを使った焼き菓子やキャラメルのような香ばしい香りも。ボリュームも要素も増えたように感じて、かなりリッチな印象に。
味わい: 少し酸味が穏やかになったように感じる。アクセントのようにほどよい苦味も感じる。
印象: 寝かせることでよりリッチな印象に。香りも味わいも何かの要素が突出することなく、バランスがよくなったように感じる。
【ワイン3】~華やかな香りで軽めの赤ワイン~
ジョルジュ デュ ブッフ ボジョレー 2014
【ワインの特徴】 ?ブランドサイトはこちら
イチゴなどの赤い果実を思わせる華やかな香りが特徴のワインです。渋味は比較的穏やかで、イキイキとした酸味とフレッシュな果実を楽しむ軽やかなタイプです。
【検証結果】
★寝かせるとまた違う顔が出てくる。どちらがいいかは好みしだいかも★
【初回⇒2回目の変化】
【2回目⇒3回目の変化】
外観: 紫のトーンがさらに少なくなった感じ。
香り: イチゴジャムやキャンディのような甘やかな香りはあまり感じられなくなって、ベリー系のリキュールのような熟成した印象に。赤や紫の花、腐葉土、キノコ、革、動物の血のような香りも感じられるようになってより複雑味が増す。
味わい: 酸味がさらに穏やかになったように感じる。タンニンはさらになめらかに。
印象: 寝かせることで初回とはけっこう違う印象のワインに。
【ワイン4】~力強い味わいの赤ワイン~
ロス ヴァスコス グランドレゼルブ 2012
【ワインの特徴】 ?ブランドサイトはこちら
濃密で熟したカシスなどの果実を思わせる香りが特徴のワインです。南国の太陽を浴びた豊かな果実味と、骨太のタンニンの力強い味わいです。
【検証結果】
★寝かせるほどに香り豊かに、味わいはバランスよくなる★
【初回⇒2回目の変化】
外観: 黒みおびたルビー色から赤のトーンが多くなった感じ。
香り: 初回は少し果実の香りが控えめで、針葉樹のような植物的な香りやバニラのような香りが主体だったけれど、寝かせることでカシスやブラックチェリーのような香りもしっかり感じられるように。バラやミント、スパイスのニュアンスも強くなったように感じて、複雑味が増した。
味わい: 初回からなめらかな酸味とタンニンでスムーズな印象なのに、寝かせることでさらにスムーズな印象に。
印象: 初回は香りが少し控えめな印象だったのに、寝かせることで華やかな印象に。
【2回目⇒3回目の変化】
外観: 赤のトーンがさらに強くなった感じ。
香り: 多くの要素が顔を出し始める。カシスリキュールのような濃厚な熟した果実やドライイチジク、ドライハーブ、腐葉土、野生の動物の血、ナツメグや丁子のようなスパイスなどなど、かなり複雑味が増す。
味わい: さらにスムーズに。酸味やタンニンは多いはずなのに粗さをまったく感じない。
印象: 寝かせることで複雑味がかなり増して、味わいもバランスがかなりよくなった。