- 実験編「白ワイン」
容器が違うと味は変わるの?? ~白ワイン・シャンパン編~
2018年12月
前回に続いて今回も、容器だけが違うワインの味わいを検証したいと思います。
今回は白ワインとシャンパンです。赤ワインではどのタイプでも違いがありましたが、はたして白ワインとシャンパンはどうなんでしょう!?
『シャンパンはマグナム(1,500ml)の方が美味しい』なんていうことも耳にすることがありますが、実際に並べて飲んでみて検証したいと思います。
- 目次
▼ とりあえずティスティング!
まずはワイン!次の3つのタイプについて、容器が異なるワインの味わいを比べてみました。
ワイン1.カジュアルな軽めの白ワイン:
『酸化防止剤無添加のおいしいワイン(白)』
容器:1.8L紙パックと720mlペットボトル
ワイン2.華やかな香りと果実味の白ワイン:
『ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ シャルドネ ”ラ ヴィニェ” 2015』
容器:375ml瓶と750ml瓶
ワイン3.フレッシュでエレガントなシャンパン:
『ローラン・ペリエ ラ キュヴェ』
容器:375ml瓶と750ml瓶と1,500ml瓶
使用したグラスは小ぶりのテイスティング用のグラスです。
4人のメンバーで試飲して、味わいの要素を最高5点で数値化しました。
さて、味わいや風味に違いが出るのでしょうか?
【ワイン1】カジュアルな軽めの白ワイン:『酸化防止剤無添加のおいしいワイン(白)』
【容器による違い】
紙パックはフレッシュな果実で、ペットボトルは熟した果実
●1.8L紙パックの特長
見た目は紙パックの方が色が濃くて、黄色が強め。香りはフレッシュなデラウェアやバナナのような果実を思わせる香り。口に含むと酸味は穏やかで果実味がストレートに感じられる。
●720mlペットボトルの特長
見た目はペットボトルの方が色が淡い。香りは熱の入った熟したバナナのような香りや少しだけアルコール感を強く感じる。口に含むと、やはり少し熟したバナナ思わせる果実味を感じて、紙パックより少しだけ酸味とアルコール感を感じる。
【ワイン2】華やかな香りと果実味の白ワイン:『ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ シャルドネ ”ラ ヴィニェ” 2015』
【容器による違い】
375ml瓶は熟れた果実、750ml瓶は複雑味のある味わい
●375ml瓶の特長
見た目は375mlの方が少しだけ黄色が濃い。香りは熟れたパイナップルや洋ナシ、りんご、はちみつのような果実味たっぷりの香り。口に含むと、酸味は控えめで甘味を少し強く感じてまったりとした味わい。後口にも甘味が残る。
時間の経過とともに、香りや果実味が弱くなっていく感じもあった。
●750ml瓶の特長
見た目は750mlの方が少しだけ緑がかっている。香りは開けたばかりの時は控えめだけれど、時間とともにボリュームが大きくなって、洋ナシやりんご、白い花や軽くトーストしたパンのような複雑な香りを感じられるように。口に含むと、ドライながらもぎゅっとつまった果実味が感じられて、ほどよい酸味とミネラル感が味わいを引き締めてくれる。とてもバランスがよい味わい。
【ワイン3】フレッシュでエレガントなシャンパン:『ローラン・ペリエ ラ キュヴェ』
【容器による違い】
375ml瓶はシンプルな味わい、750ml瓶はバランスよい味わい、1,500mlはフレッシュで豊かな果実味
●375ml瓶の特長
375mlは開けたばかりのときは果実味や香りをしっかり感じられるけれど、時間の経過とともに控えめになっていく。香りはりんごや食パンのような香りでシンプル。口に含むと優しく細かい泡で早く消える。酸味が比較的穏やかで、後口に少し苦味を感じる。
●750ml瓶の特長
750mlは375mlよりもいろんな要素を感じられて、1,500mlと比べると開けはじめから楽しめる。香りは柑橘やりんご、食パン、少し白い花のような香りを感じる。口に含むと、イキイキとした泡で炭酸は一番強め、持続性も長い。フレッシュな酸味、果実味で端正な味わいが後口にも続く。
●1,500ml瓶の特長
開けたばかりの時は、一番香りや果実味が控えめだけれど、少し時間が経つとどんどん要素が出てくる。香りは柑橘やりんご、白桃、食パン、ゴマ油、白い花とミツなど、他の容器よりも多くの要素が感じられる。口に含むと、キメ細やかな優しい泡なのに持続性が長く心地良い。フレッシュな酸味とミネラル感、豊かな果実味のバランスがとてもよく、その味わいが後口にも長く続く。余韻まで楽しめる。
編集後記(やってみてわかったこと!!)
【結局のところは??】
結論としては、今回もどのタイプのワインも容器によって味わいが異なりました。そして、白ワインとシャンパンでは、大きい容量の方がフレッシュさがあって多くの要素がバランスよく感じられ、小さい容量の方がシンプルに感じる傾向がありました。
お気に入りのワインも、違う容器のものを飲んでみるとまた違う顔が見れて楽しめそうです。
個人的には、シャンパンが特にウワサで聞いていたとおり、マグナム(1,500ml)が一番おいしく感じられました。ふだんはなかなか開ける機会はないですが、クリスマスや年末年始、お祝いの席などでワイン好きの人が多く集まるときにはぜひチャレンジしてみてください。
大きなボトルの見た目と味わいできっと驚かせられると思います!
【この次】
今回、シャンパンもティスティンググラスで飲みましたが、いつもより香りがよくわかるように感じました。そういえば、レストランなどではスパークリングワインは細身の長いグラスで出されることがほとんどですが、他のグラスだとおいしく飲めないんでしょうか?
そこで!次回はスパークリングワインをいろんな種類のグラスで味わいを比較してみたいと思います。乞うご期待!