品質保証の取り組み
茶の栽培には、年平均気温が12.5〜13.0℃以上で湿度の高い環境、水はけがよい弱酸性の土壌が適しているといわれています。
日本にはこの条件を満たす土地が比較的多くあります。東北地方では若干の生産にとどまるものの、日本海側では新潟県以南で、太平洋側では茨城県以南で、広く栽培されています。
茶は製造方法の違いから、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別されます。発酵とは、茶の葉がもつ酵素によりカテキン類などが酸化されることをいいます。
緑茶は不発酵茶に分類され、摘採後すみやかに加熱処理により酸化酵素の働きが止められます。
緑茶はまた、栽培方法や加工方法で分けられます。
たとえば、一般的な緑茶は露天で栽培されるのに対し、碾茶※や玉露はよしずや藁(わら)などで覆った茶園で栽培されます。また、玉露と碾茶は加工方法が異なっており、玉露では加工途中に揉み操作が行われるのに対し、碾茶では行われません。
一方酵素の働きを止めず完全に発酵させる茶(発酵茶)として紅茶が、ある程度発酵させる茶(半発酵茶)としてウーロン茶が挙げられます。 このほか、プアール茶に代表される後発酵茶などがあります。後発酵茶は加熱処理した後、酸化酵素ではなく微生物により発酵させます。
茶はツバキ科の常緑の低木で、葉は厚く、光沢をもっています。緑茶はこの芽や茎、葉を加工してつくられます。
緑茶の中で最も一般的な煎茶の製造工程を紹介します。
摘み採った生葉は茶園の近くの工場に運ばれ、加熱処理と揉み操作、乾燥が行われます。ここでできあがったものを荒茶といいます。
次に、仕上げ工場に搬送され、「選別」、「乾燥・火入れ」を経て仕上げ茶となります。最後に一定の品質にするため、産地や工場が異なる茶葉のブレンド「合組」が行われます。
福寿園と共同で取り組んでいる国産茶葉の品質保証について紹介します。
毎年、取引のある製造工場と栽培農家を訪問・視察し、栽培から仕上げまでの各所で国産以外の茶葉が混入しないしくみが整備されていることを確認しています。
農薬が適正に使用され栽培された茶であることを生産履歴で確認するとともに、残留農薬の分析を実施しています。
近隣の畑から飛散してくる可能性のある農薬や土壌残留性の高い農薬まで分析項目を広げ、安全性を確認しています。
福寿園の茶匠により厳選された茶葉は、さらにサントリーグループの研究所でも品質確認を行います。福寿園・サントリーグループの両者で品質確認を徹底して行い、香り・味はもとより安全性についても確かなものにしています。