サントリー食品インターナショナル(以下、「当社」といいます。)では、多様な従業員が「やってみなはれ」を発揮できるよう、従業員の属性の多様化を推進し、違いを受け入れ、活かす組織づくりに取り組んでいます。
当社では新たな価値を絶えず創造していくためには、国籍や年齢等にとらわれることなく、多様な人材、多様な価値観を積極的に取り入れ、公平性を担保し、活かすことが重要であるという考えのもと、「DEI Vision Statement」と「Strategic Pillars」を制定しました。その実現にむけ、女性、LGBTQ+、障がい者、シニア層等さまざまな人材の活躍を推進すべくグループグローバルで取り組みを進めています。
当社では2011年にダイバーシティ推進室を設置しました。ダイバーシティの取り組みについては課題抽出、経営層への答申を経て実現につなげています。
当社では一人一人が平等に機会をもち、健全な競争環境を整備することにより、2030年に女性管理職比率を30%とすることを目指しています。
当社を含むサントリーグループでは、性別に関わらず一人一人がいきいきと活躍する組織を目指し、活動を進めています。
また当社では、女性活躍支援として、個にフォーカスした継続的な育成およびキャリア支援(能力開発と意識啓発)の観点と、仕事と家庭の両立支援の両面から施策を展開しています。若手の社員研修や異業種交流への積極参加によるマインドセットに加え、タレントレビューを通じて中長期的な女性社員のキャリア構築・拡大を支援しています。
ライフイベントとの両立に関しても、産休前ガイダンス・育休後フォローアップセミナーでは、業務へのより高い意識を醸成するとともに、セーフティネットとして、子どもが保育園に入園できなかった際の「つなぎベビーシッター制度」や、復職後の「緊急時・病児ベビーシッター制度」にて費用の一部を会社が負担するなど、育児中社員の早期復職、フルモード化への支援も行っています。また、育休から復職したメンバーを持つ上司に対して育児中のメンバーをマネジメントするにあたって必要な情報等を提供することで、マネジメントによる活躍支援の後押しを強化しています。
当社では賃金の基準は、性別の差なく同一です。
サントリー食品ヨーロッパではGender Pay Gap Reportを発行し、男女同一賃金の取り組みを開示しています。
サントリー食品ヨーロッパ Gender Pay Gap Report
当社を含むサントリーグループでは、⼀⼈一人がいきいきと⾃分らしく働くことができる企業を⽬指し、LGBTQ+に関する活動を続けています。2016年よりLGBTQ+への取り組みを強化すべく、プロジェクトチームを発⾜。これまで、就業規則における配偶者の定義に「同性パートナー」を加える改定、LGBTQ+に関する相談窓⼝の設置、LGBTQ当事者とALLY(アライ・よき理解者)のためのLGBTQ+ハンドブックの作成、6⽉のプライド⽉間を啓発⽉間として、当事者社員の声を聞くパネルディスカッションイベント等を実施しました。こうした継続した活動が評価され、work with Pride※1が策定する企業・団体等におけるLGBTQ+などの性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」※2において、2016年から連続して2021年には最⾼評価の「ゴールド」を受賞しています。
当社を含むサントリーグループでは、グローバルでも、各国でLGBTQ+啓発に取り組んでいます。特にサントリー食品オセアニア社・サントリーグローバルスピリッツではLGBTQ+啓発を⽬的としたグループが形成されるなど積極的な取り組みが⾏われています。⽇本同様、6⽉のプライド⽉間を中⼼に、各国でイベントを実施し、個⼈の性的指向や性⾃認に関わらず、差別や偏⾒に晒されることなく、⾃分らしく働ける職場環境づくりに取り組んでいます。
当社を含むサントリーグループは、障がい者の方の可能性を広げるため、職域を限定せずに採用活動を行っています。新卒・経験者の両者を対象に、障がい者の方の専用窓口を設けて告知を強化し、ハローワークとの連携も図るなど積極的な活動を展開しています。さらに、グループ会社全体での雇用促進も進めており、2012年からはグループ合同での就職ガイダンスを開始。2022年6月1日時点で障がい者雇用率はサントリーホールディングス(株)が3.04%(雇用者数は105名、うち重度障がい者数47名)、サントリー食品インターナショナル(株)が2.65%(雇用者数は41名、うち重度障がい者数15名)となっています。
また、障がい者の方のさらなる活躍推進に向けて2014年より知的障がいの学生を対象としたインターンシップを実施し、2021年4月までの7年間で27名採用。このチームで2018年4月、お台場オフィスに「コラボレイティブセンター」を開設し、チームの従業員達がメール便手配などの業務に従事しています。このコラボレイティブセンター、通称「コラボセ」に全国から寄せられる業務相談や依頼は、年間5,000件以上に上り、バックオフィスの戦力として活躍しています。2020年4月に大阪オフィス、2021年3月に田町オフィスへと拡大し、サントリーグループ全体の業務サポートおよびDEIの実践を目指して、さらに活躍の場を広げていきます。
世界中の当社を含むサントリーグループにおいて、12月3日の国際障がい者デーにはイベントを実施し、障がいに対する社内の理解促進と啓発に取り組んでいます。コラボレイティブセンターにおいても、同日コラボセメンバーが従業員に業務を教えながら一緒に働くという機会を設け、相互理解を深めるきっかけを創出しています。
当社を含むサントリーグループでは、障がい者の⽅にも、より⼀層いきいきと活躍いただける環境をつくっていきたいという考えのもと、2013年より「障がい者サポート休暇制度」を導⼊しました。障がい者⼿帳を保有する⽅を対象に、特別休暇として年5⽇を付与しており、この制度は、正社員・嘱託を問わず利⽤することができます。上司のマネジメントをサポートするために「ハンドブック」も作成、共有しています。
今後も、障がい者の⽅の雇⽤を促進していくと共に、より働きやすい環境づくりを進めていきます。
毎年12⽉3⽇は国際障がい者デーと呼ばれ、障がい者問題への理解促進、障がい者が⾃分らしい⽣活を送る権利とその補助の確保を⽬的とした国際的な記念⽇です。当社を含むサントリーグループでは2021年より、グローバルにイベントを実施し、社内の理解促進と啓発に取り組んでいます。
当社では、世に先駆けて2013年に65歳定年制を導入。以後、60歳に到達した従業員も引き続き、持ち味を発揮し働きがいを持っていきいきと活躍しています。こうした状況を踏まえ、2020年、65歳定年後再雇用制度を導入しました。本人・会社が合意すれば最長70歳まで単年契約を更新できる仕組みであり、人生100年時代に向けて新たな選択肢を提供するものです。また従来より、50代のうちに必ず受講する「キャリアワークショップ」や「ライフプランセミナー」で、シニア期のキャリア・ライフを考える機会を提供してきました。常に新たな可能性を探りチャレンジによって輝き続けるシニアの存在は、組織にも新たな活力をもたらします。やってみなはれ精神のもと、一人一人が存分に個性を発揮できるよう取り組んでいきます。
また、人生100年時代におけるオープンなキャリアパスの構築を目指すサントリーでは、内閣府の「地方創生人材支援」の枠組みに基づき地方自治体に従業員を派遣しています。これは、日本全体の課題である地方の活性化に向けて、企業で経験を積んだ人材が自治体で貢献する仕組みです。 シニア層の新たなキャリア開発につながると同時に、サントリーグループの理念である「利益三分主義」を、人を通じて実行することにもつながると考えており、毎年の社内公募には多数の応募があります。2023年現在、約10人の従業員が自治体で活躍しており、今後も継続して拡大実施していく予定です。
こうした取り組みの結果、当社を含むサントリーグループは社外より下記のような評価をいただいてきました。
経済産業省が2012年から取り組みを開始した事業で、さまざまな規模・業種の企業を対象として「ダイバーシティ経営」への積極的な取り組みを「経済成⻑に貢献する経営⼒」として評価・選定しています。さらに選定企業をベストプラクティスとして広く発信することで、ダイバーシティ推進のすそ野を広げることを⽬的としています。
NPO法⼈ J-Winが、2008年より毎年実施しているアワードです。各企業におけるD&I推進の進捗度を絶対評価するアセスメントと、推進状況の相対評価により、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している先進企業を表彰することで、⽇本企業におけるD&I推進を加速することを⽬的としています。
「えるぼし」は、企業における“⼥性の活躍推進を図る”ことを⽬的に、⼥性活躍推進法に基づき、(1)採⽤(2)継続就業(3)労働時間などの働き⽅(4)管理職⽐率(5)多様なキャリアコースの5つの項⽬から評価を受け、厚⽣労働⼤⾂から認定されるものです。
「くるみんマーク」は、企業における“仕事と⼦育ての両⽴⽀援”の取り組みを進めることを⽬的に、次世代育成⽀援対策推進法に基づき、制度の導⼊や利⽤が進み、⾼い⽔準の取り組みを⾏っている企業が、厚⽣労働⼤⾂から認定されるものです。