サントリー食品インターナショナル(以下、「当社」といいます)は、循環型社会の構築に向けて、多様なステークホルダーと、問題解決に向けた取り組みを推進していきます。また、問題解決に向け従業員の一人ひとりが責任ある行動に努め、持続可能な社会を率先して実現します。
容器包装には、お客様のもとに届くまで商品を守り、より良い品質を保持する役割があります。しかし、その多くはお客様が中味を消費したあと、廃棄物になっていました。当社を含むサントリーグループは、容器包装がもたらす社会的な影響を強く認識し、1997年に自主基準「環境に係る容器包装等設計ガイドライン」を設定しました。リサイクルの面からラベルの材質、ガラスびんの色などをガイドラインに沿って設計しています。また、LCA(Life Cycle Assessment)の観点から、容器包装の環境負荷低減に取り組んでいます。
サントリーグループは、3R(Reduce・Reuse・Recycle)の考えのもと、環境に配慮した容器包装を開発しています。お客様の飲用時からリサイクル処理を行うまでのユーザビリティに配慮しながら、軽量化をはじめ、より環境負荷の少ない素材の採用、リサイクル処理しやすい設計に取り組んでいます。
プラスチック製品はその有用性により、私たちの生活を豊かにしてきました。一方で使用済みプラスチックの不適切な取り扱いによる環境への影響が、社会問題になっています。日本では環境省がプラスチック製品の利便性を認めつつ、資源循環を総合的に推進するための戦略として「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。
当社を含むサントリーグループにおいても、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導すべく、2019年に「プラスチック基本方針」を策定しました。「プラスチック基本方針」に基づき、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指します。
サントリーグループは、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、多様な生命が輝き響きあう世界の実現にむけて、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導します。プラスチックはその有用性により、われわれの生活にさまざまな恩恵をもたらしています。
当社が使用するプラスチック製容器包装が有用な機能を保持しつつも、地球環境へネガティブな影響を与えないよう、多様なステークホルダーと、問題解決に向けた取り組みを推進していきます。また、問題解決に向けサントリーグループ社員の一人ひとりが責任ある行動に努め、持続可能な社会を率先して実現します。
ペットボトル容器に関しては、サントリーグループ独自の「2R+B」戦略に基づき取り組んでいます。開発において、樹脂使用量の削減と再生素材の使用により徹底した資源の有効利用を図りつつ、可能な範囲で石油由来原料を再生可能原料で代替していく考え方です。
水、GHG、原料、容器・包装、健康、人権、生活文化のサステナビリティに関する7つのテーマに対して、取締役会の諮問委員会であるグローバルサステナビリティ委員会(GSC)で、サステナビリティ経営推進のための戦略立案や取り組みの推進、進捗確認を行っています。
サントリー食品インターナショナルの
推進体制
2030年
目標
2023年
実績
「サントリー天然水」550mℓペットボトルには、独自開発の国産最軽量※となる11.9gのペットボトル(自動販売機対応商品は除く)を採用しています。
従来のボトル(13.5g)に比べ、化石由来原料の使用量を550mℓペットボトル1本あたり約4割削減しています。また、2ℓペットボトルは従来品(36.2g)よりも1本あたり約2割軽量化して29.8gとし、国産2ℓペットボトルで初めて30g以下のボトル重量を実現しました。
ペットボトルの商品ラベルについても、薄肉化による環境負荷低減に努めています。2012年には、国産ペットボトルのロールラベルとしては最薄となる16μm(マイクロメートル※2)のラベルを実用化しました。2014年4月からは、さらに薄肉化した12μmのラベルを「サントリー天然水」2ℓペットボトル、550mℓペットボトルで導入し、以降、ロールラベルを採用している全商品への展開を進めています。これにより従来のラベル(16μm)に比べて、CO2排出量を25%削減※3することができました。
ペットボトルのキャップについても環境負荷低減に努めています。2016年9月より、「サントリー南アルプスの天然水」に、植物由来素材を30%使用した国産最軽量※1となる1.85gのキャップを導入しました。これにより従来のペットボトルキャップに比べ、化石由来原料の使用を約35%削減※2し、CO2排出量を約27%削減することができます。
さらに、2019年3月に九州熊本工場(熊本県上益城郡)において「サントリー 阿蘇の天然水」550mℓでエチレンを100%植物由来化したポリエチレンキャップ※3を導入しました。これにより、現行ペットボトルキャップに比べて、化石由来原料の使用量を約90%、CO2排出量を約56%削減※4することができます。
日本でのペットボトル軽量化の製造技術・設計力を活かし、欧州・アジアで軽量化ボトルを導入してきました。2020年には耐熱充填容器において、機能性・汎用性・デザイン性も追求した世界最軽量※となる15gのペットボトルの開発に成功しました。さらなる取り組みとして、耐熱ペットボトルに窒素を滴下して陽圧化することでボトルの変形を防ぐ技術を活用しています。
また、これまでにタイのサントリーペプシコ ・ビバレッジ・タイランド社、ベトナムのサントリーペプシコ・ベトナム・ビバレッジ社に導入しています。2023年からは同ボトルで100%リサイクル素材を使用したペットボトルの導入も開始しました。
当社は、使用済みペットボトルを新たなペットボトルに生まれ変わらせる、「ボトルtoボトル」水平リサイクルに取り組んでいます。2012年に日本国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発するなど、「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進してきました。
使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生することを「ボトルtoボトル」水平リサイクル」といい、ペットボトルを資源として何度も循環することができ、化石由来資源の削減とCO2の削減に寄与することが可能となります。メカニカルリサイクル※による「ボトルtoボトル」水平リサイクルは環境負荷(原料調達からプリフォーム製造までの工程におけるCO2排出量)が最も少ないリサイクル手法であり、サントリーでは2011年、国内飲料業界で初めて技術を確立し、その後現在に至るまで「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進しています。
当社は持続可能な社会の実現に向け、業界に先駆けて10年以上前から協力企業と共に、使用済みペットボトルから飲料用ペットボトルのリサイクルに取り組んできました。2011年に協栄産業(株)と協働で、国内飲料業界で初めてペットボトルの「ボトルtoボトル」メカニカルリサイクルシステムを構築し、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入※1したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発※2するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。
また2019年に「プラスチック基本方針」を策定。そこで掲げた、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標達成に向けさまざまな活動に取り組んでいます。2022年は国内清涼飲料事業における当社全ペットボトル重量のうち、サステナブル素材(リサイクル素材あるいは植物由来素材)使用比率は46%まで拡大しました。2023年は、引き続き「ボトルtoボトル」水平リサイクルを積極的に推進し、また植物由来素材の活用も進めることで、全ペットボトル重量のうち50%以上でサステナブル素材を使用することを目指します。
当社は、循環型社会の実現を目指し、企業・自治体と連携し、使用済みペットボトルを新たなペットボトルへと再生する「ボトルtoボトル」水平リサイクルに取り組んでいます。
流通企業・商業施設などと「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定を締結し、店頭などで回収された使用済みペットボトルについて、「ボトルtoボトル」水平リサイクルにより当社飲料のペットボトルに再生するとともに、消費者への啓発イベントを展開しています。
自治体とも同様の協定を締結することで、住民の皆さまが資源物として排出したペットボトルを「サントリー製飲料のペットボトル」として新たに再生します。また、協定を締結した自治体の小学校や中学校で、ペットボトルのリサイクルに関する啓発授業を展開しています。
2011年、当社は協栄産業(株)と協働で、国内飲料業界で初めてペットボトルの「ボトルtoボトル」メカニカルリサイクルシステム※1を構築するとともに、2012年にはリサイクルペットボトルの安全性の評価に関する共同論文※2を発表しました。このシステムは、2011年、2012年「循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰」、2011年「地球温暖化防止活動環境大臣表彰(技術開発・製品化部門)」をはじめ、食品業界初となる2011年「日経地球環境技術賞 優秀賞」を受賞。2012年には第21回「地球環境大賞」を受賞。2013年には公益財団法人日立環境財団、(株)日刊工業新聞社主催の「環境賞 優秀賞」を受賞しました。
2023年4月時点で、日本で採用されているペットボトルのリサイクル手法のなかで、コスト面および環境負荷(原料調達からプリフォーム製造までの工程におけるCO2排出量)が最も少ない※3のはメカニカルリサイクル法です。再生処理する過程でボトルに色味がつきますが、容器としての品質・安全性においては全く問題ありません。
リサイクルの取り組みの一環として、2017年に、協栄産業(株)および海外機械メーカー(オーストリア・エレマ社(EREMA)、イタリア・シパ社(SIPA))と協働し、さらなる環境負荷低減効果が見込まれる「FtoPダイレクトリサイクル技術」の開発に取り組み、2018年秋より、製造を開始しています。「FtoPダイレクトリサイクル技術」は、回収したペットボトルを粉砕・洗浄した「フレーク(Flake)」を高温で溶解・ろ過後、直接プリフォーム製造を行うことができる技術です。「FtoPダイレクトリサイクル技術」は、新たに化石由来原料を使用する場合と比較すると約70%のCO2排出が削減※できます。(従来のメカニカルリサイクルは、約60%のCO2排出削減※)
2030年目標のペットボトルの100%サステナブル化に向けて、グローバルでリサイクル素材の導入を進めています。 日本国内では、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」(680mℓ, 600mℓ)のすべてのペットボトルにリサイクル素材100%のペットボトルを導入するとともに、「クラフトボス」「伊右衛門」をはじめとする多くの商品にもリサイクル素材100%のペットボトルを使用しています。また、ペットボトルは資源として何度も循環できることを伝えるロゴマーク『ボトルは資源!サステナブルボトルへ』をペットボトル全商品※へ展開し、消費者の皆さまとのコミュニケーションを展開しています。また、国内清涼飲料以外の事業においても、国内ワイン事業の720mℓペットボトルでリサイクル素材100%化を実現しています。今後もグループを挙げて取り組みを加速させます。
「ラベルレス」のペットボトル製品は、従来のペットボトル製品に付いているプラスチック性のラベルをなくしたものです。これにより、ラベルをはがす手間なく便利に商品をお楽しみいただけます。お客様がリサイクルのための分別を楽に行えるようになり、使用済ペットボトルを新たなペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」水平リサイクルの促進へ貢献できると考えています。当社では、2020年よりラベルレス商品を導入し、基幹商品である、「サントリー天然水」、「クラフトボス」、「伊右衛門」などで展開しています。
「サントリー天然水」2Lペットボトルでは、飲み終わった空容器が約6分の1のサイズまで“小さく、たたみやすい”新容器を開発し、23年4月から導入しています。今回の新容器では、ご家庭内で飲み終わった後のペットボトルに対して「つぶしたのに元にもどってしまう」といった不満や、「回収日まで家の中でかさばる」といった不満の解消が実現できるとともに、楽しく取り組んでいただくことを通じて、キャップ・ラベルを剥がす分別を促進し、より質の高いペットボトルの資源循環にも役立つと考えています。
当社では、持続可能な社会の実現に向けて、社外セミナーなどを通して水平リサイクルの取り組みへの理解促進および分別収集の促進に取り組んできました。2021年には早稲田大学と「資源循環型社会の実現に関する協定書」を締結するなど、次世代に向けた取り組みも行っています。「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定を締結した自治体の小学校や中学校では、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進の意義とペットボトルの分別について啓発授業を行い、リサイクルや資源循環について考えてもらうきっかけを提供しています。また、同様の協定を締結した企業でも、家族向けの啓発イベントや従業員への啓発セミナーなどに取り組んでいます。
2022年から、普段何気なくやっている身近な行動が実はサステナブルなことだと気付き、気軽に取り組んでもらうことを目的に猫のゆるキャラ(サステニャ)を起用したデジタル動画の「それだって、サステニャブル。」シリーズを展開しています。また「ペットボトルはゴミではなく資源」、「リサイクルボックスはゴミ箱ではなく、次のひとに届く入口、すなわちポストみたいなものである。」と多くの人に思ってもらいたいという想いから「ペットボトルポスト」イベントを開催するなど、消費者への啓発活動・コミュニケーション活動を積極的に展開しています。
2022年秋より業界統一仕様のリサイクルボックスを異物混入の多い屋外で順次展開しています。 新機能リサイクルボックスは、投入口が下向きなどの工夫により異物削減効果が検証されており、回収ペットボトルの品質を改善することで、ペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進します。業界統一使用のリサイクルボックスの展開を行うことで、自販機事業者や再生処理工程の業務効率を改善し、ペットボトルの資源循環を促進していきます。
イギリス、フランス、スペインを中心としたサントリー食品ヨーロッパ社(以下SBFE)においても、2030年ペットボトルの100%サステナブル化に向けて、活動を進めています。イギリスですでに100%サステナブルボトルを導入している「Ribena」に続き、2021年にはフランスで「MAY TEA」および「Pulco」に100%サステナブルボトルを導入しました。2022年には、イギリスおよびアイルランドで「Lucozade Sport」に100%サステナブルボトルを導入しました。 ベトナム、タイを中心としたサントリー食品アジアパシフィック社(以下SBFAPAC)においては、ベトナムで2022年に当社アジア地域として初、タイで2023年にタイ国内で初の100%サステナブルボトルを導入しました。
SBFEはフランスの再生プラスチックベンチャー企業であるカルビオス社(Carbios)とのコンソーシアムに参画しています。このコンソーシアムにおいて2021年6月、世界で初めて酵素技術でケミカルリサイクルした食品容器として使用できる品質のペットボトル開発に成功※し、SBFEの「オランジーナ」で試作品を作成しました。試作品ボトルのつくりやすさや安全面の検証など、カルビオス社では実施できない分野の支援を日本の技術チームが行いました。カルビオス社は、2021年9月に最初のデモプラントを開設し、2025年の商業化プラント稼働を目指しています。この技術は、ポリエチレンテレフタラート(以下:PET)のみに働く特別な酵素によって元の材料にまで分解し、再び使用可能なペットボトル原料にする画期的な技術です。分別が不十分であったり、欧州に多い色つきのペットボトルもヴァージンPETレベルまで再生できることが期待されています。
※ 当社調べ
当社を含むサントリーグループでは、2030年にすべての商品を100%サステナブルペットボトル(リサイクル素材or植物由来素材等)にすることを目標としています。環境負荷の低い「ボトルtoボトル」水平リサイクルを優先して推進し、ペットボトルを資源として何度も循環することでペットボトルの循環する社会を目指しています。
一方で清涼飲料市場全体においては、ペットボトル以外の用途へのリサイクル分や、ペットボトル飲料市場拡大に伴う新規資源の投入分が必要となるため、それを補うべく、サントリーグループでは「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進とともに、植物由来素材等のペットボトルの開発を進めています。
2013年には植物由来素材30%使用のペットボトルを「サントリー天然水」550ml※に導入し、同2Lでも23年4月より導入開始、23年秋には全数へ展開予定です。
サントリーホールディングス(株)と米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社は、植物由来素材100%使用ペットボトルの共同開発に取り組み、2016年にペットボトル原料を生成する実証プラントを米国テキサス州に建設、2019年には実用化に向けた技術検証を完了しています。ペットボトル原料の70%を構成するテレフタル酸の前駆体「パラキシレン」を、食料用原料のサプライチェーンに影響が出ない非食用の植物由来素材(ウッドチップ)のみから生成することを実現しました。2021年12月には、当技術を用いた植物由来素材100%ペットボトルの開発に成功し、食料用原料のサプライチェーンに影響を与えない100%植物由来素材のペットボトル実用化へ向けて前進しました。
ペットボトルのキャップについても環境負荷低減に努めています。2016年9月より、「サントリー南アルプスの天然水」に、植物由来原料を30%使用した国産最軽量※2となる1.85gのキャップを導入しました。これにより従来のペットボトルキャップに比べ、石油由来原料の使用を約35%削減※3し、CO2排出量を約27%削減することができます。
さらに、バイオ素材活用での環境への取り組みをさらに進化させ、2019年3月より九州熊本工場(熊本県上益城郡)において「サントリー 阿蘇の天然水」550mlでエチレンを100%植物由来化したポリエチレンキャップの導入を開始しました。これにより、現行ペットボトルキャップに比べて、石油由来原料の使用量を約90%、CO2排出量を約56%削減※4することができます。
当社を含むサントリーグループは、バリューチェーンを構成する12社で、持続可能な社会の実現に向けてプラスチック課題解決に貢献すべく、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社、(株)アールプラスジャパンを設立し、2020年6月から事業を開始しました。2023年4月現在、参画企業は40社に広がっており、アネロテック社(Anellotech)とともに、使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めています。
ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが焼却※されているといわれています。今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接プラスチックの原料となる基礎化学品(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術です。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待しています。この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができると考えています。
(株)アールプラスジャパンは、世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、業界を超えた連携により、技術開発に加え、その社会実装を目指していきます。
詳細は「株式会社アールプラスジャパン」Webサイトをご覧ください
当社では、社員一人ひとりがライフスタイルの変革に努め、分別収集の促進、河川、海岸の清掃活動などの社会貢献活動にも積極的に参加しています。2022年9月には、ベトナムのサントリーペプシコ・ベトナム・ビナレッジ社が、グローバルに活動している海洋自然保護団体「オーシャン コンサーバンシー(Ocean Conservancy)」と協働してハノイ近郊でビーチクリーンを実施し、従業員やその家族など150人以上が参加しました。
当社を含むサントリーグループは、2019年1月、経済産業省の呼びかけにより設立された官民連携のアライアンスであるCLOMAに設立時点から加盟しています。このアライアンスを通して、政府機関や業界と強力に連携し、プラスチック代替素材の開発・普及促進に努めるとともに、海外各国への情報発信と技術コンサルティングを通して、各国の状況に応じた効率的なリサイクルシステムの構築を目指します。
当社を含むサントリーグループは、2019年11月、プラスチックによる環境課題の解決に取り組むグローバルなアライアンス「グローバル プラスチック アクション パートナーシップ(GPAP:Global Plastic Action Partnership)」に加盟しました。「GPAP」は、プラスチックによる環境課題の解決を目的に、世界経済フォーラムを基盤とした官民連携により創設された、プラスチックの循環型経済を目指すグローバルなアライアンスです。イギリス、カナダ政府、企業、投資家、専門家、NGOをはじめとする市民組織など、多岐にわたるメンバーで構成されています。グローバルレベルでの情報交換やベストプラクティスの共有に加え、ローカルレベルでも地域に根差したプロジェクト活動に取り組んでいます。
当社を含むサントリーグループは、持続可能な社会の実現に向け、2022年2月にWWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)による「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ 2025」に参画しました。
「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ 2025」は、WWFジャパンの呼びかけに応じ、企業がプラスチック諸問題の解決を目指す枠組みです。参画企業は、2025年をマイルストーンにした容器包装/使い捨てプラスチックに関するコミットメントを掲げ、「持続可能なサーキュラー・エコノミー」のアプローチで活動を推進していきます。
容器包装には、お客様のもとに届くまで商品を守り、よりよい品質を保持する役割があります。しかし、その多くはお客様が中味を消費した後、廃棄物になります。サントリー食品を含むサントリーグループは、容器包装がもたらす社会的な影響を強く認識し、1997年に自主基準「環境に係る容器包装等設計ガイドライン」を設定。リサイクルの面からラベルの材質、ガラスびんの色などをガイドラインに沿って設計しています。
ペットボトルを含むプラスチック容器による海洋汚染の問題が深刻化しており、世界的な環境課題として議論されています。サントリーグループは多くの容器を扱う飲料企業として、積極的にこの問題に取り組み、国や地域、産業界と連携しながら、解決に向けて取り組んでいきます。当社はこれまでも2R+Bの推進、また消費者へのリサイクル啓発活動を、国内・外で継続的に展開してきました。
今後も各国や地域におけるさらなるリサイクル率の向上を目指し、さまざまなステークホルダーと恊働して、改善活動を促進していきます。
また、社員ボランティア活動の一環として、国内ではNPO法人が主催する「海岸クリーンアップ活動」に参加するなど、社員一人ひとりがこの課題を自分事として捉え、行動を起こしていくよう啓発活動を行っています。
サントリーグループでは、2019年6月に「プラスチック基本方針」を策定し、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指します。
当社を含むサントリーグループでは、PET樹脂「レジン」からPETプリフォームを製造し、ふくらませてペットボトルにする自社成形を推進しています。これにより、ボトル成型から中味充填までの一貫した設計・管理が可能になり、樹脂の使用量を削減し、ボトルの軽量化もしやすくなっています。
さらに、完成品のペットボトル購入時に比べて、輸送時の燃料やCO2排出量も削減できます。また、ペットボトル成型で使用した高圧エアーを回収再利用することで、効率的にエネルギーを使用し、CO2排出量を削減しています。
コーヒーなどの缶について、お客様の扱いやすさを確保しつつ、使用する資源量を極力減らすことを目指して軽量化を進めています。コーヒーのスチール缶も缶胴の薄肉化を実施し、着実に軽量化を推進しています。
当社では、環境負荷低減に向けて、業界連携のもと飲料のダンボールカートンのショートフラップ化に取り組み、2012年春から清涼飲料の小容量ペットボトル商品にて導入を開始しました。これにより、従来の段ボールに比べて紙の使用量を約20%削減できました。
サントリーグループは、国産商品において、国際的な森林管理認証FSC認証※を取得した紙製包材を順次採用しています。「サントリー天然水」にFSC認証取得ダンボール包材を2017年8月製造分から使用し、2018年には「サントリー天然水」ブランド全商品のダンボール包材を、FSC認証紙に切替えました。飲料事業に加え、酒類事業の商品のダンボール包材、6缶パック包装紙においても順次採用し、グループ全体でFSC認証を取得した紙製包材の使用を推進しています。
当社では、循環型社会の構築に寄与するため、副産物・廃棄物の排出量削減と100%再資源化に取り組んでいます。
サントリー食品ヨーロッパでは工場からの廃棄物をゼロにするという目標を掲げて廃棄物の削減と再資源化に取り組んでいます。また、商品の食品廃棄物を50%削減するという目標を掲げており、この目標に向けた取り組みの一環として、余剰商品を慈善団体に寄付し、貧困に苦しむ人々の支援を行っています。
エリア | 排出量(千t) | ||
---|---|---|---|
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
日本 | 84 | 85 | 88 |
米州 | 2 | 2 | 2 |
欧州 | 28 | 24 | 34 |
アジア | 31 | 29 | 53 |
オセアニア | 7 | 7 | 6 |
アフリカ | 0 | 0 | 0 |
計 | 151 | 148 | 184 |
環境美化と資源の有効活用推進のために、空容器の散乱防止活動に取り組んでいます。空容器回収ボックスは、自動販売機1台に1個の設置を推進しています。また、自動販売機には散乱防止のための「統一美化マーク」を貼りつけ、リサイクルへの意識啓発を図っています。
2022年秋より業界統一仕様のリサイクルボックスを異物混入の多い屋外で順次展開します。
自動販売機横 新機能リサイクルボックスは、投入口が下向きなどの工夫により異物削減効果が検証されています。
当社はペットボトルの水平リサイクル推進に向け、自動販売機での使用済みペットボトルの回収に力を入れていますが、「回収する清涼飲料空容器の品質向上」は、オペレーションセールスや再生処理工程の業務効率を改善し、ペットボトルの資源循環に貢献します。
当社は、これからも自動販売機横 リサイクルボックスを資源循環の入り口として、「ゴミ箱ではありません、リサイクルボックスです」の周知・啓発に取り組んでいきます。