ワインって難しい・・・?
世の中で広く言われるワインの常識を、ワインのプロが実際に検証!
毎月1つのテーマに絞って連載していきます。

  • 実験編「豆知識」

バックナンバーはこちら

ワインの保冷グッズはどれくらい効果があるの??

2018年07月

今回は、ワインの温度上昇を防ぐための各種グッズを検証してみます!これまでの実験で、夏の気温では想像以上に速くワインの温度が上がってしまうことがわかりました。

そこで!今回はうまくワインの温度をキープできるものがないか、市販で売られている保冷グッズをいろいろ試してみたいと思います!

目次
  1. ▼ とりあえずいろいろ試してみた!
  2. ①保冷バック(伸縮性のあるネオプレン素材製)
  3. ②保冷バック(氷水を入れられるタイプ)
  4. ③ワインクーラー(真空2重構造)
  5. ④ワインクーラー(保冷剤内蔵の巻きつけるタイプ)

▼ とりあえずいろいろ試してみた!

ワインは750mlの瓶容器を使って、次の保冷グッズを試してみました。
 
●保冷グッズ
 ①保冷バック(伸縮性のあるネオプレン素材製)
 ②保冷バック(氷水を入れられるタイプ)
 ③ワインクーラー(真空2重構造)
 ④ワインクーラー(保冷剤内蔵の巻きつけるタイプ)
 ※比較として、保冷グッズを使わない場合も試しました。
 
●実験条件
 気温は28~30℃で、湿度は60%。ワインの温度が5℃から20℃に上がるまで一定時間ごとに温度を計りました。

 

さて、どの保冷グッズが効果的なのでしょうか?

①保冷バック(伸縮性のあるネオプレン素材製)

【まとめ】
5℃から20℃に上がるまでの時間は120分。保冷グッズなしの倍の時間はキープできる結果でした。
ちなみに、バックの底に1つ保冷剤を入れた場合も試しましたが、あまり違いはありませんでした。底面だけの冷却では効果はなさそうです。
 
【温度変化以外のポイント】
バックに入れたままワインを注ぐこともできて便利です。ただ、少し見た目はよくないかもしれません。また、冷却効果はないので、アウトドアで30℃を超えるようなときはあまり効果がないかもしれません。
軽くてワインの持ち運びにも便利で、使わないときは小さくたためてかさばらないので、そういった面でも使いやすいです。
 
【おすすめのシーン】
家で気軽にワインを飲むとき。ワインはどのタイプもおすすめ。
 
【価格の目安】

メーカーにもよりますが、1,000円程度で購入できるものが多いようです。

②保冷バック(氷水を入れられるタイプ)

【まとめ】
氷水を入れている限りは、0℃近くをキープし続ける結果でした。このバックと氷さえあれば、冷やし続けられそうです。
 
【温度変化以外のポイント】
ワインの持ち運びにも便利で、使わないときは小さくたためてかさばらないので、そういった面でもおすすめです。アウトドアでも簡単にキンキンに冷やせるのでおすすめです。
ただ、氷を用意する必要があるのと、保冷しているときは氷水に浸かっているので、ワインを注ぐときにボトルについた水を拭く必要があるのが少し手間です。また、ワインを入れっぱなしにしておくと、あっという間に0℃近くまで冷えてあまりおいしく感じない温度になってしまうので、ときどき出してあげた方がよいです。
 
【おすすめのシーン】
家やアウトドアで気軽にワインを飲むとき。ワインのタイプは、白やスパークリングワインがおすすめ。
 
【価格の目安】

メーカーにもよりますが、5~600円程度で購入できるものが多いようです。

③ワインクーラー(真空2重構造)

【まとめ】

5℃から20℃に上がるまでの時間は150分。保冷グッズなしの2.5倍の時間はキープできる結果でした。

ちなみに、底に保冷剤や氷を入れた場合も試しましたが、あまり違いはありませんでした。底面だけの冷却では効果はなさそうです。

 

【温度変化以外のポイント】

これまでのグッズと比べて、見た目がスタイリッシュな印象で、そういった面でもおすすめです。

ただ、けっこう大きさがあってかさばって、持ち運びには不向きなので、アウトドアで使うのは手間かもしれません。

 

【おすすめのシーン】

家でお客さんを招いてワインを飲むような場合。ワインはどのタイプもおすすめ。

 

【価格の目安】

メーカーによって高価なものもありますが、手ごろなものでは~2,000円程度で購入できるものがあるようです。

 

④ワインクーラー(保冷剤内蔵の巻きつけるタイプ)

【まとめ】

5℃から20℃に上がるまでの時間は300分。また、75分は5℃以下をキープする結果でした。

 

【温度変化以外のポイント】

これだけを用意しておけば、長時間保冷できるので便利です。

使わない時は折りたたんでコンパクトにもできるので、持ち運びもしやすくて、アウトドアでも使いやすそうです。

ただ、少し見た目はいまいちかもしれません。また、事前に冷凍庫で6時間程度冷やしておく必要があるので、あらかじめ準備が必要です。

ワインに巻きつけたままにしておくと、赤ワインは特においしく楽しめない温度まで冷えてしまいますが、外したりつけたりするのは手間なので、赤ワインにはあまり向かないかもしれません。

 

【おすすめのシーン】

家やアウトドアで気軽にワインを飲むとき。ワインのタイプは、白やスパークリングワインがおすすめ。

 

【価格の目安】

メーカーにもよりますが、~2,000円程度で購入できるものが多いようです。

 

編集後記(やってみてわかったこと!!)

【気がついたこと】

今回試したグッズはどれもしっかり保冷できることがわかりました。グッズによって、温度変化を抑えるものと冷却するもので機能が違うので、ワインのタイプによって使いわけた方がよいと感じました。

 

・温度変化を抑えるもの:どのタイプもおすすめ

 ①保冷バック(伸縮性のあるネオプレン素材製)

 ③ワインクーラー(真空2重構造)

 

・冷却機能があるもの:白ワイン、スパークリングワイン

 ②保冷バック(氷水を入れられるタイプ)

 ④ワインクーラー(保冷剤内蔵の巻きつけるタイプ)

 

よく飲むワインのタイプやシーンを想像して、自分に合うものを何か持っておくと暑い夏もワインをおいしく楽しめると思います。

 

【この次】

夏も本番になってきて、飲食店やSNSの投稿などでワインを炭酸で割って飲んでいるのをよく見かけるようになりました。確かに暑い時期は炭酸のしゅわしゅわ感があったり、少しアルコールを抑えた方がおいしく感じそうですね。

そこで、次回はいろんなタイプのワインを炭酸で割ったり、果汁を加えたりして、暑い時期にもおいしく飲めるレシピを検証してみたいと思います。

乞うご期待!

 

上にもどる

実験編「豆知識」バックナンバー