- 実験編「豆知識」
ワインを上手に飲み頃温度に冷やすには??
2018年04月
すっかり暖かい日が増えてきましたね。最近はお花見やピクニックなど屋外でワインを飲む人もよく見かけるようになってきた気がします。
気温が20℃を超えてくると、白ワインはもちろん赤ワインでも少し冷やして飲んだ方がおいしく愉しめます。家だと冷蔵庫を使ったり、屋外だとクーラーボックスに氷水を入れてワインをつければ冷やせますが、入れっ放しだと冷えすぎて逆においしくなかったりします。
(過去のワインの適温の実験はこちら⇒ 赤ワイン編 白ワイン編)
そこで今回は、一般的な室温の25℃くらいから、飲み頃の温度まで冷やす方法と時間の目安を検証したいと思います。
※急いでいても冷凍庫での保管は避けてください。ワインの凍結によって、容器の破損や液漏れ等の恐れがあります。
▼ とりあえずいろいろ試してみた!
まずは試すワイン!冷え方はワインの種類による違いはあまりないかもしれませんが、念のため赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインそれぞれについて検証しました。また、赤ワインでは容器・容量の違いも試してみました。
・赤ワイン:750mlの瓶容器の『サンタ バイ サンタカロリーナ』
(赤のみ参考に、容器違いのPET容器と容量違いの375ml瓶容器のものも試しました。)
・白ワイン:750mlの瓶容器の『サンタ バイ サンタカロリーナ』
・スパークリングワイン:750mlの瓶容器の『サンタ バイ サンタカロリーナ』
冷やし方は、『冷蔵庫保管(4℃設定で送風口近く)』と『氷水につける』の2通りで、一定時間ごとにボトルに入った状態のワインの温度を計測しました。なお、ボトルの中のワインの温度が均一になるように、上の画像のように計測前に都度、ワインを上下に数回反転させました。
目指すワインの飲み頃温度は、実際にボトルからグラスに注がれるまでに1,2℃上昇することを考慮して、次のように少し低めに設定しました。
赤ワイン:16℃
白ワイン:10℃
スパークリングワイン:5℃
さて、どれくらいの時間でワインは飲み頃温度に冷えるんでしょうか?
※冷蔵庫の送風口から離れた場所では、庫内の保管状況や扉の開閉によって温度がかなり変動することを確認しましたので、今回の実験では試していません。
赤ワイン:750mlの瓶容器 (PET製容器と375mlの瓶容器)
【まとめ】
750mlの瓶容器のワインでは、冷蔵庫(送風口近く)では約40分、氷水では約6分で飲み頃温度16℃になりました。
冷蔵庫で飲み頃温度まで冷やそうと思うと、赤ワインでもけっこう時間がかかるんですね。氷水ではあっという間に冷えて、10分もほうっておくと冷えすぎてしまいました。
参考に試したPET製容器では、大きな違いではありませんが、1割ほど余計に時間がかかりました。また容量が半分の375mlのもの試してみましたが、1.5倍くらい早く冷えました。
白ワイン:750mlの瓶容器
【まとめ】
750mlの瓶容器のワインでは、冷蔵庫(送風口近く)では90分、氷水では15分で飲み頃温度の10℃になりました。冷え方は赤ワインとほとんど変わりませんでした。
家で冷蔵庫を使って冷やす場合、計画的に入れておく必要がありそうです。
スパークリングワイン:750mlの瓶容器
【まとめ】
750mlの瓶容器のワインでは、冷蔵庫(送風口近く)では約3時間、氷水では30分で飲み頃温度になりました。
スパークリングワインは、白ワインよりもさらに、かなり前から冷やしておく必要がありました。飲みたい前日から冷蔵庫に入れておいたり、すぐに飲みたい場合は、お店で冷えているものを買うのがよさそうです。
また、スパークリングワインの瓶は厚みがあるためか、赤ワイン、白ワインよりゆっくり冷える傾向がありました。
編集後記(やってみてわかったこと!!)
【気がついたこと】
冷蔵庫を使って飲み頃まで冷やそうとすると、赤ワインは40分、白ワインは90分、スパークリングワインは3時間と、冷蔵庫に入れたことを忘れてしまいそうな時間がかかりました。
赤ワイン、白ワインは特に、冷えすぎるとワインの魅力を感じにくくなってしまうので、タイマーをかけるとよいかもしれません。
「いま飲みたいのに、冷やしてなかった、、、」という場合は、氷水を使うと赤ワインは6分、白ワインは15分と、現実的な時間で冷えそうです。スパークリングワインは、氷水を使ってもけっこう時間がかかるので、購入したらとりあえず冷蔵庫で保管しておくか、飲みたいときにお店で冷えたものを購入するのがよさそうです。
【もっとはやく冷やすには】
今回の実験では氷水で冷やすのが早かったですが、スパークリングワインはそれでも30分もかかります。もっと急いでいるときは、以下のような方法がおすすめです。
・氷水に塩を入れて、氷水の温度を下げて冷やす。
・氷水で冷やしながら、ボトルを回転させたりして中の液体を動かしながら冷やす。
・小容量の容器にうつして冷やす。
※高級なものや熟成した古酒など繊細なワインにはおすすめできません。
【注意すること】
冷蔵庫で冷やす場合は、冷蔵庫の機種や庫内の保管状況、扉の開閉などによってかなり変動しますので、ご自宅で試した場合、今回の結果と異なる場合があります。何度か試してみて、ご自宅での目安の時間を覚えておくとよいと思います。
【この次】
今回は、どれくらいの時間で飲み頃に冷やせるかを検証してみましたが、次回は逆にグラスに入れた飲み頃温度のワインがどれくらいで温度が上がってしまうのかを検証したいと思います。
会話に夢中になって、気づいたらワインに手をつけていないこともあると思います。ぜひ参考にしてみてください。