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カクテル・グラス使用のカクテルの場合は、カクテル・レシピに書かれている分量表示は、グラス1杯分のカクテルに占めるそれぞれの材料の割合を分数で示すのが一般的。グラスに注いだときの適量を1として、その半分の量を1/2というように表記する。分数標記は、ベースの酒類をはじめ使用材料の構成、バランスなどがひとめでわかる長所がある。
日本で一般的に使用されているカクテル・グラスは容量90ml。これに注いで、適切な量は70mlだが、シェ−クやステアをする間に氷が溶ける分(約 10ml)を考えると、90mlのカクテル・グラスに必要な量は60mlと考えられる。その場合、2/3とあれば、60ml×2/3=40mlになる。
ブランデー 1/2 | 60ml×1/2=30ml |
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ホワイト・キュラソー 1/4 | 60ml×1/4=15ml |
レモンジュース 1/4 | 60ml×1/4=15ml |
大きなグラスを使うことが多いロングドリンクでは、使用材料の量をmlやオンス(oz.)の単位で具体的に表記する。メートル法の国際規格化に伴い、メートル法を採用する国が増えているが、液量、容量表示では、まだガロン(Gallon・gal)やオンス(Ounce・oz.)といった基準が世界的に通用している。特にアメリカでこの傾向が多く、カクテル文化はアメリカの影響が強いので把握しておくと便利。
1ガロン | 1クォート | (1ボトル) | 1パイント | 1オンス | |
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アメリカ | 3,785ml (USガロン) |
946ml (1/4ガロン) |
757ml (4/5クォート=フィフス) |
473ml (1/2クォート) |
29.56ml (1/16パイント) |
イギリス | 4,546ml (インペリアル・ガロン) |
1136ml (1/4ガロン) |
758ml (1/6ガロン=シックスス) |
568ml (1/2クォート) |
28.4ml (1/20パイント) |
1ドロップ(Drop) | 約1/5ml(ビターズ・ボトルを逆さにして自然に滴り落ちる量) |
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1ダッシュ(Dash) | 約1ml(ビターズ・ボトルをひと振りしたときの量) |
1ティー・スプーン(tsp.) | 約5ml(tsp.は、ティー・スプーン、茶さじの略) |
1オンス(oz.) | 約30ml(日本での換算) |
1ジガー(Jigger) | 【米】1.5oz.(約45ml) 【英】2oz.(約60ml) |
1カップ(Cup) | 200ml |
1ボトル(Bottle) | 760ml(日本の一般的なボトル容量) |
※また、日本では、1oz.にあたる30mlをシングル(Single)といい、60mlをダブル(Double)ということがある。
ボトルを持つときは、手が濡れていることもあるので、ラベルを汚さないように、後あるいは横からボトルを握る。右利きの人の場合は、ボトルを右手に持ち、その手を左回りに内側に巻き込む。左手を右側に巻き込むようにして真横からキャップを握り、両手を外側に開くようにすると、1回か1回半の回転でキャップをスピーディに開けることができる。
外したキャップは、左手の親指と人さし指の付け根で軽く保持しながら、右手に持ったボトルから酒を注ぐ。
メジャー・カップは、人さし指と中指とで持つ。人さし指を手前に、中指を向こう側に添えて持つと、この2本の指の操作で、メジャー・カップを逆さ向きに置くことも、酒を計量して器に注ぎ入れることも軽快な動作で行うことができる。このとき、薬指と小指は手前に軽く添えておく。
また、メタルポアラーという器具を用い、ボトルから注ぐ時間で液体の量をコントロールする計量方法があります。
まず、使用するグラスの容量に関係なく、使用する材料の全体量を1として、個々の材料の使用量を分数化し、その材料のアルコール度数をかける。そして、全ての材料の数値を加算した数字が、そのカクテルのアルコール度数となる。最近は、アルコール度数と飲酒心理の関係もあり、提供するカクテルのアルコール度数を知っておくことも大切である。
材料名 | アルコール度数 |
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30% | |
ブランデー | 1/2×40%=20% |
ホワイト・キュラソー | 1/4×40%=10% |
レモンジュース | 1/4×0%=0% |
アルコール分の表示は、国によって違う場合もある。日本の場合、容量パーセント(100mlの液体中に、何mlのエチル・アルコールが含まれているかを表わす)が採用されるが、アメリカでは、プルーフが使われている。これは水を0プルーフ、100%のアルコールを200プルーフとするもので、容量パーセントを2倍したものと考えればよい。一方イギリスは、同じプルーフだが、やや複雑で、水は0プルーフ、100%のアルコールは175プルーフとしている。このようにプルーフには二通りあるので、両者を区別するため、アメリカ式のものはアメリカン・プルーフ(American Proof)、イギリス式のものはブリティッシュ・プルーフ(British Proof)とよばれている。比重計などの計器がなかった時代に、アルコール濃度がちょうどよいことを証明(Proof)するために、火薬と等量混ぜて火をつけ、燃える状態によって判断したところから始まったと言われている。