チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

ポン デ ケージョ ケージョ

第77回 2021年05月

ポン デ ケージョ ケージョ

チーズの味わい

ポン デ ケージョはブラジルのチーズパン。ポルトガル語でポン(パォン)はパン、 ケージョはチーズで、そのまんまチーズパンです。タピオカ粉のモチモチ食感と焼けたチーズの香ばしさで食が進みます。今回はパンの中にもチーズを包み込んでダブルチーズにしたので、ポン デ ケージョ ケージョです。簡単に出来て、失敗しない素敵なワインのおつまみです。

準備するもの
タピオカ粉150g枚、牛乳50cc、水30cc、オリーブオイル20g+適宜、卵1個、塩2g、黒胡椒(お好みで)、粉チーズ50g、シュレッドチーズ100g

つくり方
(1)牛乳、水、オリーブオイルを沸騰直前まで温め、そこにタピオカ粉を加えて混ぜる。
(2)ある程度混ざったら、溶き卵と粉チーズ、シュレッドチーズの半量、塩、黒胡椒を加えて混ぜ、最後は手でこねる。
(3)オリーブオイルを塗った手で生地をちぎり、シュレッドチーズを包みこんで丸める。
(4)180℃のオーブンで15~20分程焼く。


よく合うワイン

サントリーワインサワー <白>※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

レモン 蜜リンゴ 白い花

チーズスナックをつまむ感覚。とてもリラックスする組み合わせ。

白ワインをソーダで割って、最後にレモン果汁を加えた、名前の通りのワインサワー。スプリッツァーなどとも呼ばれますね。最後に一搾りしたレモンの爽やかさが心地よく、アルコール度数も5.5%と軽めです。ほのかな甘口の味わい設計ですが、レモンの爽やかさのおかげか、それほど甘くは感じません。ワインと言うよりかは、チューハイなどの感覚に近いかも知れませんが、気軽にワインを楽しむという点では最高です。
ポン デ ケージョと合わせると、ワインサワーのワイン感が一回り膨らむ感じがありました。ポン デ ケージョの味わいは、チーズ味のスナックを連想させる、後を引く香ばしさと軽やかさが魅力ですが、そこが、カジュアルさが前面に出たワインサワーの味わいと、とても相性が良いと思いました。
一人で好きな事をしながらとか、家族や親しい友人とおしゃべりしながら何かつまみたい時にピッタリで、とてもリラックスする組み合わせだと思います。

ガゼラ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

レモン 白い花 青リンゴ

どこまでも軽やか。涼やかな風を感じる爽やかな組み合わせ。

ガゼラはポルトガルの一番北、ミーニョ地方で生産される「ヴェーニョ・ヴェルデ」を代表する銘柄の一つです。軽めのアルコール度数(9%)、微発泡、キレのある酸味が特長で、蒸し暑い日本の夏にはピッタリだと思います。ポン デ ケージョはブラジルのパンで、ブラジルは元ポルトガルの植民地でポルトガル語ですので、もしかしたら合うかな?と思って選んでみました。
ポン デ ケージョと合わせると、ガゼラの爽やかな酸味やフレッシュな果実味がより良い感じに際立つようになりました。ちょっと蒸し暑い時にサッと吹いてくれる涼やかな風のような印象で、とても心地よく感じます。ポン デ ケージョの方はというと、チーズの香ばしさよりも、生地のタピオカの香りが出て来て、少しヤマイモを感じさせる植物感が出るのが面白いところ。チーズタップリなのに、全然重くなくてサッパリ軽やかに食べれてしまう、なんとも爽やかな組み合わせでした。

サンタ バイ サンタ カロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン 2019

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

カシス ブラックチェリージャム クローブ

合わせると甘香ばしいカフェラテの風味。味わい広がる組み合わせ。

サンタ バイ サンタ カロリーナはチリの名門サンタ カロリーナ社とサントリーが共同で日本向けに開発した、日本人のためのデイリーチリワイン。この春からラベルをリニューアル。それに合わせてカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネは味わいもリニューアル。カベルネ・ソーヴィニヨンは、少しのメルロとブレンドする事で、より果実味豊かに、バランスの良い味わいになりました。
ポン デ ケージョと合わせると、ワインの味わいがよりリッチで滑らかになる感じがありました。ワインが持つ完熟果実とオーク由来の甘い香りにチーズの乳の甘さと香ばしい香りが加わる事で、カフェラテのような甘香ばしい風味が出て来ます。ブラジルではポン デ ケージョは朝食として食べる事も多いという事で、コーヒーとの相性の良さは言うまでもないところ(ブラジルと言えばコーヒーも有名ですよね)。ワインに感じるクローブのようなスパイスのタッチが、また味わいの余韻を心地よくしてくれます。味の要素が広がる組み合わせでした。

カロ アルマ マルベック 2019

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックベリー ミックススパイス バニラ

ワインの味わいが大きく広がる。ワインを活かす組み合わせ。

カロは、フランスのラフィットグループと、アルゼンチンのトップワイナリーであるカテナ社のジョイントワイナリー。アルマはそのエントリーワインで、インカの言葉で「夜の力」を意味します。包み込むようなやわらかで暖かな果実味と、滑らかなで緻密なテクスチュアは、さすが世界最高峰と言ってよい2社の力だと思います。
ポン デ ケージョと合わせると、元々しっかりのワインの果実の力がさらに増す感じがありました。ブラックベリーや色の濃いプラムなどのジューシーな果実感に加えて、それらのリキュールや、太陽をいっぱい浴びたドライフルーツのような印象も感じる濃密な果実感を感じます。ポン デ ケージョに練り込まれた黒胡椒との相性も良好で、ワインの果実の甘さや程よいスパイス感がどんどん引き立つ感じです。
ポン デ ケージョの方はと言うと、やさしく全体を支えている感じ。味わいの力としてはワインの方が少し強い感じがあって、ベストマリアージュという感じではないですが、ワインは明らかに美味しくなります。

チャレンジまとめ

友人の家などにワイン会でお呼ばれした際などに、ちょこちょこと出て来るのがポン デ ケージョ。手でつまめる手軽さと、焼き立てのあつあつの楽しさ、もちもちの美味しさはなんとも言えない魅力があります。今回、初めて自分でつくってみましたが、とても簡単でビックリしました。なるほど、良くおつまみで出て来るわけだと納得です。
チーズ&卵&粉という原料なので、合わないワインがほぼ思いつかないというのも良いところ。赤ワインに合わせる時は、黒こしょうを多めにするか、青カビやウオッシュ、長期熟成タイプのパルミジャーノたっぷりなど、強い味わいのチーズにしてあげると良いと思います。水の替わりにトマトジュースで仕込んだり、茹でたほうれん草を混ぜたりで色を変えても楽しいです。
本場ブラジルではキャッサバの粉(タピオカ粉)でつくるという事で、今回はそれに従ってタピオカ粉を使いましたが、インターネットなどで検索すると、白玉粉をはじめとして、他の色々な粉でつくるレシピなんかも沢山ありますので、気軽に試してみて下さい。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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