チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

セルヴェル ド カヌ

第55回 2019年07月

セルヴェル ド カヌ

チーズの味わい

フランス・リヨンの名物。フレッシュチーズとハーブの爽やかな味わい。

準備するもの(今回のレシピ)
 フロマージュ・フレ200g、ハーブ適量(お好みで。今回はシブレット(万能ねぎで代用可)とセルフィーユを使用)、にんにく1かけ、塩少々、オリーブオイル 適量、辛口白ワイン少々

つくり方
 刻んだハーブとつぶしたにんにくをフロマージュ・フレに混ぜる。塩で味をととのえ、1時間以上冷やす。食べる直前ににんにくを取り出し、オリーブオイルと白ワインを混ぜる。


よく合うワイン

サントリージャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブラン 2017

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

グレープフルーツ 青リンゴ ディル

爽やか×爽やか。夏にピッタリの鉄板マリアージュ。

青森県の岩木山麓、りんご畑に囲まれた垣根栽培の区画から生まれる北国のソーヴィニヨン・ブラン。2015年ヴィンテージから3年連続で日本ワインコンクールの金賞を受賞している、日本を代表するソーヴィニヨン・ブランの一つです。華やかさと爽やかさが共存した魅力的な辛口です。
セルヴェル ド カヌと合わせると、ワインとチーズの双方が喜んでいるように感じる、イキイキとしたハーモニーが生まれました。ワインはフレッシュさに加えてふくらみが出て、さらにチーズの酸味と一体になって味わいが心地よく伸びていく印象です。ハーブの香りがまたワインの爽やかさを引き出してくれる感じで、お互いに良いところを引き出し合いながら、味わいの余韻に向かう素晴らしい組み合わせでした。「爽やか×爽やか」の夏にピッタリの鉄板のコンビです。

ラ シャスコート デュ ローヌ 白 2017※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄桃 はちみつ 羊毛

方向性の不一致。良いところが見いだせない残念なマリアージュ。

グルナッシュ・ブラン、ブールブーラン、クレーレット、ルーサンヌという南フランスの4つのぶどうをブレンド。南部ローヌらしい、おだやかでまろやかな酸味と、ゆったり&タップリとしたコクのある果実味が特長の豊かな味わいの辛口です。
セルヴェル ド カヌと合わせると、ワインのコクというか重さが強調される感じになりました。フロマージュ・フレの酸味や、フレッシュハーブの香りを、ワインのアルコール感や果実の厚みが覆い隠していく感じです。下に描いてある別の絵を、油絵具で塗りつぶしていくようなそんなシーンが頭に浮かんできてしまいました。ワインとチーズがかなり対極にある味わいで、しかもお互いにほぼ良いところを見せないという、非常に残念なマリアージュになってしまいました。

ボッラヴァルポリチェッラクラッシコ 2017※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

アメリカンチェリー 赤い花 鉄

さっぱり&スッキリ。夏の赤をたのしむマリアージュ。

ヴェネト州を代表する赤ワインの一つ。「ロミオとジュリエット」の舞台となった古都ヴェローナの郊外で生まれる、フレッシュな果実味と滑らかな口当たりが魅力の赤ワインです。
セルヴェル ド カヌと合わせると、ワインのさっぱり感が強調される感じがありました。元々このヴァルポリチェッラは軽やかでフレッシュな果実味が主体のワインなのですが、ハーブの香りやチーズの酸味によって、それがさらにクッキリとしてくる感じです。ヴァルポリチェッラという産地が醸し出すほのかな植物っぽさも、チーズのハーブの風味といい感じでマッチします。味わいの構成から赤より白の方が合うかなと思っていましたが、なかなかどうして魅力的なマリアージュとなりました。トーストしたパンを添えると、なお良いかと思います。

カルロ ロッシ ICE レッド
※終売しました

アメリカ
カルロ ロッシ ICE レッド※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

オレンジ チェリージャム クローブ

夏のイメ―ジが次々と湧いてくる、とても楽しいマリアージュ。

人気のカルロ ロッシをベースに、オレンジの爽やかな風味をプラス。
アイススタイルでの飲用が一番おいしくなるよう、ほのかに甘く、最適な糖酸バランスをE&J ガロ社とサントリーのノウハウで実現した、氷と楽しむカルロロッシです。
セルヴェル ド カヌと合わせると、通常のワインとチーズを合わせた時とは少し異なる感じになりました。とてもカジュアルで気軽な印象で、オレンジのフレーバーがハーブの風味といい感じで絡んでいきます。イメージは夏のビーチ。降り注ぐ太陽光や、咲き乱れる南国の花、フレンドリーな人々。そしてその夕暮れといった感じで、合わせていて色々なイメージが湧いてくる、とても楽しいマリアージュとなりました。

チャレンジまとめ

今回はセルヴェル ド カヌ。「絹織職人の脳みそ」という意味ですが、由来は単純にリヨンの絹織職人が食べていたからというところのようです。爽やかなハーブとフレッシュなフロマージュ・フレの組み合わせは、暑くなっても(むしろ暑くなればこそ)美味しい、夏にピッタリのチーズ料理です。材料を切って混ぜるだけなので、あっという間に出来上がりますが、美味しく食べるためには(1)しっかり冷やすこと、(2)つくってから少し置くこと、の2点を意識して頂くとより満足度が上がると思います。フロマージュ・フレが手に入らない時は、ヨーグルトの水を切ったものに、少しクリームを加えたものでも近いものが出来上がります。今回僕はシブレット(ねぎ)とセルフィーユを使いましたが、ハーブはディルでもパセリでもエストラゴンでもお好みのもので美味しく出来ます。リヨンではエシャロットを入れる事も多いです。パンチが欲しい場合は、にんにくをすりおろして加えたり、黒こしょうを加えると良いと思います。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

つづきを読む