お互いの方向性に食い違いがある、ギクシャクした感じのマリアージュ。
フレシネ社がフレシネのブランド名を冠して発売する、初のシャルマ製法のスパークリングワイン。「フレスカ」はフレッシュという意味で、カヴァとは異なるフルーティでフレッシュな味わいを志向しています。もぎたてのベリーを思わせる甘い果実の香りと、これまたベリーをまとめて口の中に放り込んだような甘酸っぱさのある、チャーミングな味わいが魅力です。
長ネギとじゃがいものブルーチーズ煮と合わせると、ワインの味わいをかなり軽く感じるようになりました。何と言うか炭酸の清涼飲料を飲んでいるかのようなスッキリ感で、ややお酒感が下がります。お料理の方の味わいは、最初はスッキリするのですが、後から徐々にブルーチーズのコクが戻って来て、口の中が乳の香りに支配されていく感じでした。軽い⇒重いに急激に口の中が変化する、ややギクシャクした組み合わせになってしまいました。フレスカはもっと軽い食事と合わせた方が、本領を発揮するワインという事ですね。
対照的なテクスチュア、良いところが消えてしまうマリアージュ。
昨年春の新発売以来、大好評の「レゾルム ド カンブラス」シリーズから、ソーヴィニヨン・ブランが新発売。イキイキとしたグレープフルーツや青草を思わせる香りとフレッシュな果実感と酸味が特長の、「爽やか」という言葉が良く似合う味わいです。フランスの人気ガイド「ジルベール&ガイヤール」で金賞を受賞している実力派です。
長ネギとじゃがいものブルーチーズ煮と合わせると、正直あまり合っていない印象がありました。ワインのフレッシュさが乳のコクで消えてしまい、柑橘やハーブを連想させる爽やかな要素を、柑橘の皮の苦い部分や、ハーブのエグミのような、あまり心地よくない要素として感じてしまいます。テクスチュアもワインの軽やか&フレッシュな感じと、料理のネットリとしたコクが対照的で、あまり馴染みません。ねぎの風味とソーヴィニヨン・ブランが合うかと思ったのですが、火を入れてトロトロに甘くなったねぎではダメだったようです。これは私のチョイスミスでした。ワインと料理の両方にごめんなさいです。
どこまでもまろやか、ほっこりとした安心感のあるマリアージュ。
ワイン大国フランスの家庭で80年以上愛されてきた、フランス販売数量No.1ブランド*、ヴュー パープが、さらに洗練され美味しくリニューアルしました。
さすがはフランスのベストセラー・テーブルワイン。まろやかな果実味とやさしい酸味、軽やかなタンニンが特長の、親しみやすく懐の深い味わいです。
長ネギとじゃがいものブルーチーズ煮と合わせると、ワインのまろやかさと料理のまろやかさが口の中で一体となる感じがありました。長ネギ、じゃがいも、ブルーチーズという3つの要素を、ワインが一気にまとめあげてくれる感じで、安心感があります。特に乳とじゃがいものやさしい甘さをワインが引き出してくれて、ほっこりとした気持ちになれる組み合わせでした。ワインの方はよりチャーミングな印象になり、スルリと体に入っていきます。ワインの味を強く感じたい場合は、こしょうを多めに使ってもらうと良いようです。
※IRI FRANCE 2017データ フランス国内地理的表示のないワイン年間販売数量
ワインの力がしっかり見える、ふくらみのあるマリアージュ。
サンタ カロリーナのレセルヴァが装い新たになりました。ラベルデザインは、創業者夫人でワイナリー名にもなっているカロリーナさんの横顔。このシリーズの中で、特にワイナリーがこだわる品種がカルメネール。滑らかでよく熟した肉厚な果実感と、コーヒー豆を思わせる香ばしい香りと、パプリカ的な野菜っぽさという、異なった要素が綺麗に融合した、豊かな味わいが特長です。
長ネギとじゃがいものブルーチーズ煮と合わせると、ワインの味わいがギュッと凝縮感を増すのがよくわかりました。元々しっかりとした果実味を持ったワインですが、そこに酸とタンニンのハリがうまれて、このワインが本来持っていた強い骨格が見えてくるような印象を持ちました。料理によって、ワインの力が引き出されている感じです。料理の方も、長ネギやブルーチーズなど香りの強い素材がしっかりとワインに受け止められて、きちんと旨味を主張できていて、双方がお互いの良いところを引き出してくれている感じです。口の中で味がふくらむ、良い組み合わせだと思います。