野菜が活きる爽やかさ。涼やかで軽やかなマリアージュ。
ガゼラはポルトガルの一番北、ミーニョ地方で生産される「ヴェーニョ・ヴェルデ」を代表する銘柄の一つです。軽めのアルコール度数(9%)、微発泡、キレのある酸味が特長で、蒸し暑い日本の夏にはピッタリだと思います。実際、気温が上がるほどに美味しく感じられるワインです。
グリークサラダと合わせると、ワインの軽やかさが引き立つ感じがありました。トマトの酸味、きゅうりやトマトの爽やかな青い風味と、ワインのイキイキとしたフレッシュな酸味や、柑橘を連想させる果実感がピッタリとはまっていきます。その後にフェタチーズの塩気と脂肪分がじわっと口の中に広がっていく感じで、軽いだけに終わらない満足度のある組み合わせになっています。良く冷やしたグリークサラダとガゼラ、食欲のない時にもピッタリな涼やかで軽やかなマリアージュとなりました。今回はドライのオレガノを使いましたが、その代わりにフレッシュミントやバジルを使っても美味しいと思います。
ドメーヌ ド オーシエール
オーシエール シャルドネ 2017
コクと苦みが強く出てくる。意外な反応が楽しいマリアージュ。
ドメーヌ ド オーシエールはボルドー1級筆頭シャトー ラフィット ロートシルトを要するドメーヌ バロン ド ロートシルトが、南仏ラングドックで運営するワイナリー。南のシャルドネらしい熟した果実味を持ちながら、エレガントな味わいが特長です。
グリークサラダと合わせると、ワインがフェタチーズとピーマンに強く反応している感じがありました。フェタチーズの塩気と脂肪分がワインの果実の厚みやコクを引き出し、ピーマンはこのワインが持っている苦みの部分を強く前に出してきます。トマトやきゅうりの瑞々しい野菜らしさはあまり目立たず、ワインがどっしりとした落ち着きを出す方向性に行くのが面白いところでした。結構しっかりと苦みが出てきますので、苦いのが苦手な方はこの組み合わせはちょっと難しいと思います。僕はピーマンの味も苦味も大好きなので、この組み合わせは嫌いではなかったです。何というか、「この味が前に出てくるんだ。」という新鮮な驚きのあるマリアージュでした。
ただただ自然体。気軽だけど本当にピッタリなマリアージュ。
ダークホースのロゼはグルナッシュを主体にしたプロヴァンススタイルのしっかり辛口。プロヴァンス的なオレンジの皮を思わせるほろ苦さと、カリフォルニア的なボリュームのある果実味の両方を感じられるのが魅力です。
グリークサラダと合わせると、ワインとサラダが不思議なくらい馴染む感じがありました。両方ともがただ自然体でそこにあって、体にそのままスッと吸収されていくような感覚です。細かい味わいの変化で言うと、トマトの風味とワインが持つトマト感が一体化する、ワインに感じられるオレンジを思わせるフレーバーがブラッドオレンジっぽくなる、ワインの味わいがよりドライに感じられる、オレガノの香りが前に出てくるなど色々あります。でも、そういう説明をすることで、むしろこの自然なマリアージュの良さがうまく伝わらなくなるんじゃないかと思うような感じのする、気軽に楽しめるけど本当にピッタリな組み合わせでした。
サンタ カロリーナ
ピノ・ノワール レセルヴァ 2017
軽く赤ワインを飲みたい時にピッタリなマリアージュ。
レセルヴァはサンタ カロリーナの上級レンジ。ピノ・ノワールは太平洋に近く、冷涼なレイダ・ヴァレーのぶどうを使用し、新鮮なラズベリーや小梅を思わせるフレッシュな果実味が魅力です。これまで料飲店様専用でしたが、この春から小売店様でも販売するようになりました。
グリークサラダと合わせると、ワインの果実味が素直に引き出される感じがありました。ワイン単体で飲むよりも、イキイキとしたフレッシュな赤い果実を思わせる果実感が前に出てきます。サラダはというと、トマトの酸味ときゅうりとピーマンの香りがグッと前に出てきて、全体として軽やか、爽やかな方向性に向かう組み合わせだと感じました。ワインがタンニンも少な目で果実主体の軽やかなタイプなので、サラダでも結構いい感じで合う印象です。このサラダにパンを混ぜてあげたりすると(とても美味しいです)よりワインとの相性も良くなりますし、十分に一食になるだけの満足感が得られると思います。