チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

グリークサラダ

第54回 2019年06月

グリークサラダ

チーズの味わい

ギリシャだけでなく、南欧~東欧にかけて広く食べられているサラダです。この一帯の夏の定番の食事で、熟したトマトが出てくるとつくりたくなる1品です。

準備するもの(今回のレシピ)
フェタチーズ100g、トマト2個、きゅうり1本、ピーマン2個、ドライオレガノ少々、エキストラヴァージンオリーブオイル適量
(紫たまねぎやオリーブを加えても◎)


つくり方
 野菜を一口大に切って混ぜ、よく冷やす。冷えた野菜を皿に盛り、フェタチーズを一口大に切ってオレガノとオリーブオイルをかけ良く混ぜる。


よく合うワイン

ガゼラ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

レモン 白い花 青リンゴ

野菜が活きる爽やかさ。涼やかで軽やかなマリアージュ。

ガゼラはポルトガルの一番北、ミーニョ地方で生産される「ヴェーニョ・ヴェルデ」を代表する銘柄の一つです。軽めのアルコール度数(9%)、微発泡、キレのある酸味が特長で、蒸し暑い日本の夏にはピッタリだと思います。実際、気温が上がるほどに美味しく感じられるワインです。
グリークサラダと合わせると、ワインの軽やかさが引き立つ感じがありました。トマトの酸味、きゅうりやトマトの爽やかな青い風味と、ワインのイキイキとしたフレッシュな酸味や、柑橘を連想させる果実感がピッタリとはまっていきます。その後にフェタチーズの塩気と脂肪分がじわっと口の中に広がっていく感じで、軽いだけに終わらない満足度のある組み合わせになっています。良く冷やしたグリークサラダとガゼラ、食欲のない時にもピッタリな涼やかで軽やかなマリアージュとなりました。今回はドライのオレガノを使いましたが、その代わりにフレッシュミントやバジルを使っても美味しいと思います。

ドメーヌ ド オーシエール
オーシエール シャルドネ 2017

フランス
ドメーヌ ド オーシエールオーシエール シャルドネ 2017

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄色いリンゴ みかんの花 杏仁豆腐

コクと苦みが強く出てくる。意外な反応が楽しいマリアージュ。

ドメーヌ ド オーシエールはボルドー1級筆頭シャトー ラフィット ロートシルトを要するドメーヌ バロン ド ロートシルトが、南仏ラングドックで運営するワイナリー。南のシャルドネらしい熟した果実味を持ちながら、エレガントな味わいが特長です。
グリークサラダと合わせると、ワインがフェタチーズとピーマンに強く反応している感じがありました。フェタチーズの塩気と脂肪分がワインの果実の厚みやコクを引き出し、ピーマンはこのワインが持っている苦みの部分を強く前に出してきます。トマトやきゅうりの瑞々しい野菜らしさはあまり目立たず、ワインがどっしりとした落ち着きを出す方向性に行くのが面白いところでした。結構しっかりと苦みが出てきますので、苦いのが苦手な方はこの組み合わせはちょっと難しいと思います。僕はピーマンの味も苦味も大好きなので、この組み合わせは嫌いではなかったです。何というか、「この味が前に出てくるんだ。」という新鮮な驚きのあるマリアージュでした。

ダークホース ロゼ 2017

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

オレンジ キャンディ トマト

ただただ自然体。気軽だけど本当にピッタリなマリアージュ。

ダークホースのロゼはグルナッシュを主体にしたプロヴァンススタイルのしっかり辛口。プロヴァンス的なオレンジの皮を思わせるほろ苦さと、カリフォルニア的なボリュームのある果実味の両方を感じられるのが魅力です。
グリークサラダと合わせると、ワインとサラダが不思議なくらい馴染む感じがありました。両方ともがただ自然体でそこにあって、体にそのままスッと吸収されていくような感覚です。細かい味わいの変化で言うと、トマトの風味とワインが持つトマト感が一体化する、ワインに感じられるオレンジを思わせるフレーバーがブラッドオレンジっぽくなる、ワインの味わいがよりドライに感じられる、オレガノの香りが前に出てくるなど色々あります。でも、そういう説明をすることで、むしろこの自然なマリアージュの良さがうまく伝わらなくなるんじゃないかと思うような感じのする、気軽に楽しめるけど本当にピッタリな組み合わせでした。

サンタ カロリーナ
ピノ・ノワール レセルヴァ 2017

チリ
サンタ カロリーナピノ・ノワール レセルヴァ 2017

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ラズベリー 梅干 シナモン

軽く赤ワインを飲みたい時にピッタリなマリアージュ。

レセルヴァはサンタ カロリーナの上級レンジ。ピノ・ノワールは太平洋に近く、冷涼なレイダ・ヴァレーのぶどうを使用し、新鮮なラズベリーや小梅を思わせるフレッシュな果実味が魅力です。これまで料飲店様専用でしたが、この春から小売店様でも販売するようになりました。
グリークサラダと合わせると、ワインの果実味が素直に引き出される感じがありました。ワイン単体で飲むよりも、イキイキとしたフレッシュな赤い果実を思わせる果実感が前に出てきます。サラダはというと、トマトの酸味ときゅうりとピーマンの香りがグッと前に出てきて、全体として軽やか、爽やかな方向性に向かう組み合わせだと感じました。ワインがタンニンも少な目で果実主体の軽やかなタイプなので、サラダでも結構いい感じで合う印象です。このサラダにパンを混ぜてあげたりすると(とても美味しいです)よりワインとの相性も良くなりますし、十分に一食になるだけの満足感が得られると思います。

チャレンジまとめ

グリークサラダの魅力はその手軽さ。野菜を切って、フェタチーズとオリーブオイルと混ぜるだけなので、ものの10分もあれば出来上がります。フェタチーズが塩気が強いチーズなので塩すら必要ありません。とてもシンプルな料理だけに素材の味がものを言うところがあるので、出来るだけ旬の野菜を使って頂くとこのサラダの良さをより感じて頂けると思います。これから暑くなって来ますので、ぜひ完熟したトマトが手に入ったらつくってみて下さい。
ワインは軽めのものが良く合うと感じました。日本の蒸し暑い夏の夜を涼やかにしてくれる、爽やかな組み合わせになると思います。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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