チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

ベルジャポン
ベルキューブ
赤ワインセレクト

第12回 2015年11月

ベルジャポン<br>ベルキューブ<br>赤ワインセレクト

チーズの味わい

名前の通り、赤ワインに合う味わいを集めた一口サイズのチーズです。味わいはグリーンペッパー、ハム、トマトの3種類。クセのないクリーム系のチーズがベースなので、それぞれの味わいの違いがはっきりとわかります。味わいの違いが明確なので、それぞれのフレーバーによって相性の良いワインが変わってきそうです(ベルジャポンさんのホームページでも、それぞれのフレーバーにオススメのぶどう品種が掲載されています)。今回は一つのワイン毎に3つとも味を試して、相性の良いものをご紹介したいと思います。おすすめ度については最も相性の良かったものの点数をつけています。


よく合うワイン

フレシネ コルドン ネグロ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄色いリンゴ はちみつ フランスパン

ハムが圧倒的に合う。甘さや香ばしさを強調するマリアージュ。

コルドン ネグロは世界NO.1スパークリングワインメーカー※1フレシネ社の看板商品。黒いボトルが目印の辛口スパークリングワインです。このワインに合ったのは圧倒的にハム風味。ワインの果実の甘さや、熟成由来のトーストのような香ばしさをグッと引き出してくれました。それぞれの味わいが融合して、単品では感じられなかったクロックムッシュのような一体感が生まれるとてもオススメのマリアージュです。ペッパーは少しチーズが強く、トマトは不思議とトマトの青さを感じてしまう感じで、あまり良い印象を受けませんでした。

※1 IMPACT DATABANK 2012 EDITION 2012年度 スパークリングワイン世界販売数量

ジョルジュ デュブッフボジョレー ヌーヴォー 2015

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

■ベリー■いちご 赤い花 キャンディ

これもハム。ワインの旨味がグッと引き出されるマリアージュ。

今年のボジョレー ヌーヴォーは帝王ジョルジュ デュブッフ氏が、その70年に及ぶワイン人生の中で「最良の年」と太鼓判を押したヴィンテージです。ハム風味と合わせると、普段は甘い果実の香りに隠れて見逃してしまいがちな、奥にあるワインの繊細なおいしさに気付かされる感じで、とても良い相性だと思いました。確かに、現地でもボジョレーにはハムやソーセージを合わせます。経験からも保証された間違いのない相性なのでしょう。他の2つも面白くて、ペッパーではワインの印象がガラリと変化し、トマトではフレシネでは青っぽかった味わいが、とても甘く感じられるなど、このワインとのマリアージュは3つとも、とてもオススメです。

※試飲時はヌーヴォー解禁前のため「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 2014」で試しました。

ヤルンバワイ シリーズ シラーズ/ヴィオニエ 2013

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリー スミレの花 ミックススパイス

トマトがおすすめ。果実味の豊かさを感じられるマリアージュ。

ヤルンバはオーストラリアを代表する家族経営ワイナリーの一つ。このワインはシラーに、数%のヴィオニエ(華やかな香りが特長の白ぶどう)を混ぜて、一緒に発酵する事で、強さだけではなく、華やかさやエレガントさを表現しています。シラーがメインなのでグリーンペッパーが良いかと予想したのですが、シラーの黒胡椒の感じと微妙に合わなくてあまりしっくり来ず、実はトマトとの相性が一番良いという結果になりました。果実の豊かさやコクが引き出される感じです。トマト味はトマトが結構強めなのですが、それをゆったりと包んでくれる感じで、心落ち着くマリアージュです。ハム風味は、意外に鉄っぽさが出て、ギスギスした印象になります。

サンタ カロリーナカルメネール レセルヴァ 2014

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

カシス ししとう コーヒー

グリーンペッパー。同調しながら味わいをスケールアップするマリアージュ。

カルメネールはチリを代表するぶどう品種。元々はフランスのボルドー出身で、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンの親戚筋にあたります。少し針葉樹を思わせる植物的なフレーバーがあるのはその血筋から。ガッチリした骨格のフルボディのワインが出来ます。最も相性の良かったのはグリーンペッパー。元々このワインの特長である植物の印象や黒胡椒を思わせる香りにピッタリなのですが、さらにそこにチーズの乳脂肪が加わる事で味わい全体を大きく膨らませてくれるかなりピッタリのマリアージュです。ハム風味はややタンニンを強く感じるのが難点、トマトは本当にトマトをかじっている感じが出て、これもいいマリアージュでした。

チャレンジまとめ

 今回は「赤ワインセレクト」という事で、赤ワインを中心にマリアージュを試してみました。一口に赤ワインと言っても、ライトボディからフルボディまで、スパイシーなものから植物的なものまで多種多様な味わいがあります。
 今回のチーズは味わいに3つのフレーバーを持たせる事で、その赤ワインの幅に上手に合わせる事が出来るようにしてあるなあと感じました。今回のワイン達を試した結果で言うと、ハム風味がライト~ミディアムボディ向け(これは白ワインでも美味しく飲める)、トマトがミディアム~フルボデイのそれ程タンニンが強くなくコクを感じるタイプのワイン向け、グリーンペッパーが結構しっかり目のワイン向けで特にカベルネ系の植物的なニュアンスのあるワインとはバッチリという感じでしょうか。
 個包装の一口サイズなので常備しておいて、お好みの相性で少しずつ食べていくのもいいですし、一度に何本かワインを飲むようなパーティーの場所にもピッタリかと思います。丁度解禁を迎えたボジョレー ヌーヴォーとは、抜群の相性!是非お試し下さい!!



■ 関連サイト
ベルジャポン ベルキューブ 赤ワインセレクト(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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