チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

雪印北海道100
さけるチーズ プレーン

第8回 2015年07月

雪印北海道100<br>さけるチーズ プレーン

チーズの味わい

さけるチーズは、牛乳中のたんぱく質が、繊維状にかたまる事によって、この独特の性質を持つようになっています。
このチーズの特徴は、この「さける」という特性による「さく」楽しさと、口に入れた時の「シコシコ、キュッキュッ」という食感にあると言えると思います。硬さも絶妙で、味わうという喜びの一つに、噛む快感というものがあるのだなあと思わせてくれるチーズです。
味わいはミルクをそのまま固めたような素直でクセのない味わいで、万人に好まれる食べやすさです。チーズの味を強く感じたいなら太めにさいて、繊細に感じたいなら細めにさいてという感じで、味わいをコントロール出来るのもいいところだと思います。


よく合うワイン

酸化防止剤無添加のおいしいワイン。(白)

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

マスカット 白い花 はちみつ

心をリラックスさせてくれる、やさしいマリアージュ。

ぶどうをそのまま飲んでいるかのような、ストレートな果実味が魅力のワインの、その果実味の部分をしっかりと強化してくれる感じにチーズが働きます。チーズの優しい乳の香りが全体をふんわりと包み込む感じで、心をフッとリラックスさせてくれるような、優しいマリアージュです。チーズの味わいも最後にたんぱく質の旨味を感じさせる感じで戻ってきて、最後まで味わいのハーモニーを楽しませてくれます。

ウィリアム フェーブルシャブリ 2013

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

青リンゴ 石 レモン

チーズがワインの色々な味わいを引き出してくるマリアージュ。

ワイン単体でテイスティングした時は、硬い印象で酸も強く、やや閉じた印象を受けました。それがチーズと合わせる事で、熟したりんごの様な豊かな果実味を感じるようになり、酸もまろやかになって、ワインのコクをしっかりと感じられるようになりました。シャブリを飲む一つの醍醐味と言えるミネラル感についても、ワイン単体の時よりも長く口の中に感じられます。ただチーズの味わいはあくまでサポート役という感じで前面には出てきません。このワインの場合はチーズを太めにさいた方が、お互いに美味しく感じられます。

バルで飲んだサングリア (赤)
※終売しました

日本
バルで飲んだサングリア (赤)※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

オレンジ クローブ ラズベリー

ワインの各要素がクッキリと感じられるマリアージュ。

サングリアの味わいが強く、チーズの味わいはそれほど目立ってきません。
しかし、改めてきちんと意識しながら食べ合わせてみると、サングリアの果実の要素が単体で飲むよりも、クッキリと際立って感じられるのがわかります。ワインの香り、オレンジの香り、そのほろ苦さ。色々な要素を引き出してくれるというのは、他のワインでも感じられたこのチーズの大きな長所だと思います。余韻も素直に甘く感じられ、全体の満足度を少なからず上げてくれているのが良くわかりました。いい脇役です。

チーズによってワインの良いところを発見していけるマリアージュ。

シャブリと合わせた時と似た感じで、ワインの持っている色々な良い点をチーズによって発見していける感じのマリアージュです。果実のなめらかさや上品さ、タンニンのキメ細かさ、華やかなバラを思わせる香りなど、ワイン単体の時よりも、明らかに強く感じ取れるようになりました。ただ、これもシャブリの時と同じで、チーズ自体の味わいはあくまでサポート的な役割という感じで出てきません。もう一つのポイントは、香りの部分で少し気になった鉄っぽい部分が、チーズと合わせるとあまり感じなくなった事でした。ワインを美味しくしてくれるチーズと言って良いと思います。

チャレンジまとめ

どのワインともほぼ同じタイプの合い方をするチーズでした。チーズの味わいはそれ程目立たないのですが、一緒に飲むワインの味わいをクッキリと目立たせて、美味しくしてくれるという事です。チーズにとってそれがいい事かどうかはわかりませんが、ワインにとっては大変便利で使いやすいチーズだと思います。
「チーズとワインが溶け合って最高のマリアージュ!」みたいな事にはならないのですが、悪い部分がほぼ出てこずにワインの味わいを高めるというのは、実はとても貴重な事です。このチーズの価格の買いやすさや、どこでも買う事の出来る手に入れやすさを考えると、よりこのチーズの汎用性の高さが身に染みます。実は私も仕事で遅くなってしまった夜などに、近くのコンビニエンスストアでこのチーズを買って帰って、前の日に飲んでいたワインの残りと一緒に合わせたりするのですが、合わないと思った事がありません。困った時のお助けチーズ(しかも有能)というのがこのチーズの存在の重要さなのかも知れません。
ちなみに今回試したプレーン味以外にも、「スモーク味」「とうがらし味」「ガーリック味」などがありますが、「とうがらし味」ならボルドーも美味しそうですし、「ガーリック味」はワイン全般に相性がよさそうです。「スモーク味」はまた今度、別のスモークチーズでしっかりと検証したいと思っています。

■ 関連サイト
雪印北海道100 さけるチーズ プレーン(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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