チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

KRAFT
フィラデルフィア クリームチーズ プレーン

第3回 2015年02月

KRAFT<br>フィラデルフィア クリームチーズ プレーン

チーズの味わい

ツルリとしたツヤのある表面と綺麗なクリーム色の外観。乳酸菌飲料を連想させる、酸味を帯びたほんのりと甘い香り。柔らかくてクリーミーな口当たり。バターを思わせる優しい乳脂肪のコクと、ヨーグルト的な優しい酸味。あまり塩味を感じないのも特徴で、素直に乳の味を楽しむチーズと言えると思います。そのまま食べても美味しいですが、ワインの味わいに近いもの(例えば赤ワインに黒胡椒や白ワインにオリーブオイル等)を足す事で、よりマリアージュが楽しめそうです。


よく合うワイン

ビニャ マイポソーヴィニヨン・ブラン/シャルドネ 2014※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

グレープフルーツ 青リンゴ 白い花

お互いにコクを感じるようになるマリアージュ。

元々ワインが持っていたリンゴや柑橘を思わせる果実味が、チーズとあわせる事で強化される印象です。青リンゴはリンゴのコンポートのように、柑橘もより厚みを感じさせる味わいになりました。チーズの方は、どちらかというと醗酵バターのような味わいに感じられ、乳脂肪の甘さが強調される感じになりましたが、両方美味しく満足度の高いマリアージュです。

オーシエール ブラン 2013

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

蜜リンゴ ミラベル/黄色すもも はちみつ

チーズがワインと一体化するマリアージュ。

ワインの持つ黄色い果実感が強調されて、熟した印象が強くなります。ワイン単体ではそれ程感じなかったバターやナッツの様な味わいを強く感じるようになりました。最後に感じられる石を思わせるタッチも強化される印象で、ワインが強くなる感じです。逆にチーズの味わいはワインに飲み込まれる感じで、主張があまり感じられませんでした。似たところのある味わいなので、良く言えば「ワインとチーズが一体化する」という事なのかもしれません。

サントリージャパンプレミアムマスカット・ベーリーA 2012

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

■ベリー■いちご 綿あめ 赤い花

クリームチーズが「大人のチーズケーキ」に変化するマリアージュ。

甘いイチゴを思わせるフレーバーが際立ちます。ワイン単体だと綿菓子の様な少し焦がした砂糖の印象が強く感じられましたが、チーズと合わせるともっとストレートにイチゴの印象になります。果実はボリュームを増し、タンニンも心地良く乳脂肪分とマッチして、「イチゴをのせた大人のチーズケーキ」的な、お互いに単体では感じられなかったおいしさが生まれました。お互いの良さを引き出すとても良い組み合わせだと思います。

フレシネ ミーア(赤) 2013

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

プラム ブラックチェリー クローブ

あたたかさや優しさを感じさせるマリアージュ。

熟した甘い果実が前面に出てくる印象です。ワイン単体では感じなかったイチジクの様な香りがチーズと合わせるとグッと出てきます。スパイスやタンニンの印象が和らぎ、あたたかさや優しさを感じさせる丸い味わいになりました。ワインの方がチーズより強めで、チーズは裏方に徹する感じですが、ワインのコクが強調されるので全体の満足度は高くなるように感じました。

チャレンジまとめ

どのワインと合わせても、ワインの果実味を強調してコクを感じさせるという方向に味わいが変化したのが非常に面白いところでした。乳脂肪と乳の旨味を味わうタイプのチーズなので、バターと合わせた時と同じような感覚になっているのかもしれません。優しい酸と、ストレートな乳の味わいは、恐らくどのようなタイプのワインと合わせても喧嘩する事なく楽しめるかと思います。味わいに癖がないチーズなだけにワインに飲み込まれてしまうように感じるパターンが見られたので、今回はワインとチーズ双方に味わいの主張があったものを高得点にしました(飲み込まれるパターンもそれはそれで美味しいです)。もしワインの味わいの方が強いなあと思われた時は、ワインに近いフレーバーを持つスパイスやオイル(トマトとか魚系調味料、ハムなどの旨味でも)などをちょい足ししてあげる事で、バランスが取れるかと思います。ちなみに今回もジャパンプレミアムの甲州を試してみました。これもやはり果実味を強調する感じでしたが、甲州の持つ苦味も強調される結果となりました。個人的には好きな味でしたが好みが分かれそうです。甲州の相棒チーズを探す旅はまだ続きそうです。興味深かったのは、ジャパンプレミアム甲州2013を単体で飲んだ時に味わいに変化が見られた事です。第1回のテイスティングをしたのが2014年9月、今回のテイスティングは2015年1月という事で、この間に4ヶ月の時間が流れています。当初、食パンの白い部分の様に感じられた香りが、トーストの様な香ばしさを帯びてきました。熟成による味わいの変化で、同じワインでも常に味わいが変化している事が実感されます。同じラベルのワインでも、飲むタイミングによって味わいが異なるという事は、実はマリアージュにも結構影響しています。このあたりについてはまた次回お話したいと思います。

■ 関連サイト
森永乳業 KRAFT フィラデルフィア クリームチーズ プレーン(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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