チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

タルタル アペリフレ
<イタリア風>

第7回 2015年06月

タルタル アペリフレ<br><イタリア風>

チーズの味わい

アペリフレとはアペリティフ(食前のオードブル)+フレッシュからつくられた造語。名前の通り、ご飯の前にこのチーズをつまみながら、お酒を飲んで楽しむためにつくられたチーズです。
まろやかで軽やかな味わいのフレッシュチーズに、食欲を喚起する良い香りのハーブやたまねぎ、ニンニク、トマトなどが載せられていて、これはワインが進みます。イメージとしては、ピザの具とチーズだけを食べているような感じです。ピック付きな事や、1個5gという大きさも手頃でおつまみにとても使いやすいと思いました。4種類の味わいがアソートで入っていますが、今回は4種類の差はあまり深く考えずにテイスティングしました。


よく合うワイン

カルロ ロッシ フルーティ ホワイト※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

マスカット ■その他果実■メロン 白い花

ワイン初心者でもOK!とてもカジュアルなマリアージュ。

フレッシュな果物そのままの味わいが良さのワインですが、たまねぎやニンニクといった、香りの強い香味野菜のトッピングのものだと、そのフルーティさが少し弱まってしまうように感じました。ただお互いに軽やかな味わいが特長ですので、全体のマッチ感という意味では違和感はありません。
カジュアルに楽しみたい時にはむしろ良いと言える気もします。普段ワインをあまり飲まれていない方でも楽しめるマリアージュです。

マテウス ロゼ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

さくらんぼ プラム ピンクの花

これぞアペリティフ!色々な意味で本当にピッタリなマリアージュ。

これはとても美味しい組み合わせです。元々マテウスは軽やかな果実味といい、微炭酸といい、単体でもアペリティフにピッタリのワインです。それがアペリフレと合わせる事で、アペリフレのトッピングの香りがより華やかに香り立ち、マテウスの果実味がフレッシュチーズによってより魅力的に引き出されて、お互いの味わいをより高めてくれます。それだけではなく、食欲が刺激されて、本番のお食事を美味しく感じたり、会話も弾むだろうと思わせる、心浮き立つ楽しい感じがこの組み合わせにはある気がします。休日の昼下がりなどにオススメです。

タヴェルネッロ ロッソ イタリア

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリー クローブ スミレの花

イタリア同士の相性を感じる素直なマリアージュ。

ワインの果実味が引き出されて、まろやかな味わいになります。無理なく素直に合っている印象です。あと、不思議とトッピングがどれかにかかわらず、熟した桃太郎トマトのような大きめの赤いトマトを連想させる味わいが感じられるようになりました。アペリティフとしてはマテウスの方が合う気はしますが、最初から赤ワインで通したい方や、中盤でこのチーズを楽しむのは凄く良いと思います。ちなみに連載とは関係ないのですが、このワインはおそらくトマトソースのピザと最高に合うでしょう。テイスティングをしていて、とてもピザが食べたくなりました。

カザマッタ ロッソ※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

チェリージャム 紫の花 肉

ワインの方が少し強い、ややアンバランスなマリアージュ。

タヴェルネッロと同じイタリアで、ぶどう品種も同じサンジョヴェーゼなのですが、より味わいにボリュームがあるタイプです。こちらの場合は、ワインのボリューム感がチーズを上回ってしまっている感じが強く、あまり良いマリアージュ結果になりませんでした。ワインのコクや果実の豊かさはよく感じられるものの、チーズの味わいは逆にしぼんでいく感じす。やはりアペリティフ用のチーズというコンセプトを考えると、白ワインやロゼワインの方がピッタリなのかも知れません。

チャレンジまとめ

ワインと合わせて食べるために開発されたチーズだけに、どのワインとも楽しむ事が出来ました。しかし、基本は「アペリフレ」という名前の通り、食前にワインとつまんで会話を楽しむためのチーズというコンセプトなので、やはり食事の最初に楽しむタイプのワインの方が良かったと思います。フレッシュタイプのチーズがベースになっているので、爽やかな味わいのワインであればどれも美味しいでしょう。今回試さなかったワイン達の中でも、パッと思いつくだけで、プロセッコや軽めのカヴァなどのスパークリングワインや、ソーヴィニヨン・ブラン種などのフレッシュで爽やかな白ワイン、辛口のロゼワインなどどれもかなり美味しそうです。今回初の満点だったマテウスもまさにその一例で、合わせる事によってどんどんチーズもワインも、そして会話も進むというような素晴らしい相性でした。パッケージも含めてパーティー用のチーズとして素晴らしいと思います。上のトッピングはピーマン、たまねぎ、ハーブなどの組み合わせで4種類ありますが、実際テイスティングした印象としてはマリアージュにはそれほど大きな変化は無いように思いました。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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