チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

六甲バター
Q・B・B ブルーチーズ入り 6P

第11回 2015年10月

六甲バター<br>Q・B・B ブルーチーズ入り 6P

チーズの味わい

一見普通のプロセスチーズに見えますが、鼻を近づけると確かにブルーチーズ入りだとわかる特有の青カビの香りがあります。口に入れてみると、通常のチーズの味わいが最初に口に広がった後に、ブルーチーズの青カビの香りが「ほんのり」と優しく感じられました。ブルーチーズ特有の塩分の強さも抑えられて、とてもまろやか。適度なブルーチーズ感がアクセントになって、通常のプロセスチーズよりも旨味を感じさせてくれる気がします。


よく合うワイン

モマンドール ブリュット※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

レモン 青リンゴ 白い花

ワインの印象が180度変化するマリアージュ。

モマンドールは「季節の料理と合わせる」をコンセプトに開発された辛口のスパークリングワインです。和食との相性を考えた、すっきり軽やかで爽やかなキレの良い味わいが特徴です。この軽やかなワインという印象が、チーズを合わせると、まろやかで柔らかな味わいという全く反対の印象に変化しました。ただ、チーズの香りや味わいはストレートに出てきますし、味わいを膨らませているようにも思います。「一緒に食べるものを活かす」というワインのコンセプトはしっかりと表現されていると感じました。

ヤルンバワイシリーズ ヴィオニエ  2014

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

白桃 ■その他果実■メロン はちみつ

まったり感にひたることの出来るマリアージュ。

ヤルンバはオーストラリアにおけるヴィオニエ種の先駆者として知られます。桃やメロンのタップリの果汁感、大きな百合の花を連想させる、まろやかでコクのある味わいが特徴的です。ここの醸造責任者が「ヴィオニエはブルーチーズととても相性がいい。」と言っていました。その言葉通り、ワインのまったりとしたテクスチュアがブルーチーズの香りを包み込み、チーズの塩気と香りがワインの瑞々しい果実味とコクを引き出すようで、いい相性だと思いました。ワインの方がやや強い印象を受けたので、このワインの場合、「ブルーチーズ入り」よりも、本当のブルーチーズの方が良いのかも知れません。

フレシネ セミセコ ロゼ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

さくらんぼ ラズベリー ピンクの花

お互いの味わいを高めあうマリアージュ。

チェリーやベリーを思わせる甘い赤い果実の香りと、優しい甘さが特徴のワインです。料理とのマリアージュでも万能性を発揮している優等生です。今回の実験でも、チーズと合わせる事でワインの果実の瑞々しさがグッと引き出され、チーズはチーズで、きちんとブルーの香りを残しながらワインとまろやかに混じりあって消えていくという、理想的なマリアージュを見せてくれました。赤肉メロンのようなジューシーで甘い果実感が出てくるのが面白いところです。やはりこのワインは懐が深いです。

カステル バロン ド レスタックボルドー ルージュ 2013

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

カシスリキュール 樽 ミックススパイス

お互いの良いところを引き出してくれるマリアージュ。

バロン ド レスタックはフランスでNo.1 ※1のボルドーワイン。しっかりと樽熟された本格感のある味わいと、リーズナブルな価格が人気の秘密です。このワインと食べ物を合わせる際には、特徴的な樽の香りとの相性がキーとなってきますが、今回のチーズはワインの味わいをまろやかに感じさせてくれるだけではなく、この樽香といい感じで調和してコーヒー牛乳的なやさしい甘香ばしさを感じさせてくれました。それだけではなく、ブルーチーズの香りが最後に残る事で、味わいの最後を爽やかにしてくれるように感じます。ワインの味わいを引き出してくれる良い相性だと思います。

※1、IRI FRANCE 2014データ フランス国内、ボルドーACワイン2014年 年間販売数量

チャレンジまとめ

 ブルーチーズというと、特有の香りと強い塩気でクセのあるチーズとして知られます。通常のブルーチーズは苦手な方もいらっしゃるので、今回はよりカジュアルに、その入門編とでもいうべき5%程度ブルーチーズを含んだ「ブルーチーズ入り」チーズでマリアージュを実験してみました。結論としては、今回試したどのワインとも結構美味しく楽しめました。ブルーチーズが苦手な方も、このあたりのチーズから始めて頂くと抵抗感なく美味しく感じられるようになるのではないかと思います。
 これまでの僕の個人的な経験則から言うと、ブルーチーズに合うのは、「甘口のワイン」か「味わいにコクのあるワイン」のどちらかです。フレシネのセミセコ ロゼやヤルンバのヴィオニエ、レスタックが相性が良かったのはその点では想定通りだったと言えます。しっかりしたブルーチーズと試すと、また違った結果になるかと思いますが、ヴィオニエとセミセコ ロゼはそれでもきっと良い相性を示すでしょう。
 チーズの大きなカテゴリーの一つであるブルーチーズ。みなさんも是非色々なワインと試してみてください。



■ 関連サイト
Q・B・B ブルーチーズ入り 6P(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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