美味しさ
高温で湿潤な日本の風土。自然が、豊かで時に脅威でもあるこの日本の気候と土地は、人が制御できるものではありません。人は自然を超えるものではない、風土と寄り添い、生かし、品種を通して、土地の特徴を表現していく、そのようなワインづくりを目指しています。
造りたいワインのスタイルは、造り手の思いだけでは成立しません。風土とのコミュニケーション、つまりこの土地を表現するにふさわしい姿を自然との共生から見つけ出すことにあります。
「緻密で、凝縮感のある、しなやかな強さ、やさしく、繊細で、やわらかさがあり、品種の特徴と土地の特徴が表現されているワイン」
登美(赤)は、登美の丘の風土とコミュニケーションすることで、このようなワインのスタイルをイメージしています。
高温多湿な風土では豊かな自然が育まれます。植物は旺盛に成長します。
しかし、ブドウは大きくなろうとする力が強く、乾燥したところが多い世界のブドウ産地と比べると凝縮した果実が得られにくいといえます。
このような風土でいかにして凝縮した果実を得るかが、ブドウ栽培のねらいになります。
そのために次のことを行っています。
・ブドウ樹に対して適度な水分ストレスを与える
・他の植物と共生・競合し、ブドウ樹の伸張を制御する
・品種を選ぶ
ブドウ園に生える植物や様々な微生物と共にブドウを栽培をしていく考え方、水分量の管理、ブドウの葉の管理、風土に合った品種選定が技術のポイントとなります。
ワイン醸造では、風土・品種の特徴を引き出すために、造りたいワインのスタイルを実現するグラビティーフローシステム、粒をいためない除梗、選果システム、小型醗酵タンク等の最新の設備を導入し理想を追求しています。
体系化した栽培、最適・究極のワイン醸造を実践し、科学的な切り口で体系・技術を検証していく活動を造り手だけでなく、社外の研究機関との共同研究、国内外の生産者・研究者とオープンイノベーションを実践することで、登美のスタイルの深化につなげています。
これからも自然と共生した循環するブドウ栽培を実践し、グローバルな舞台でオリジナリティーあふれるワインを永続的に生み出していくことで、世界中のお客様に感動を与えることを目指していきたいと考えます。