美味しさ
昨今、飲食店での一杯目はハイボールと言われるほど人気のハイボール。その飲食店の美味しいハイボールをご家庭でも気軽に味わっていただきたい、そんな想いから「角ハイボール缶」は生まれました。氷が一杯入ったグラスに軽く搾ったレモン、その上から適量の角瓶を注いだ後、冷えたソーダを静かに注ぎ、最後に軽く混ぜる。サントリーが自信を持ってご紹介できる美味しい角ハイボールの味を、いつでも気軽に味わえるようにするためには?そこにはサントリーならではの技術と、お客様を想う開発精神が存在しています。
一口に飲食店の味と言っても、お店によって多少の違いがあります。そこで開発にあたり、まずは様々な角ハイボール取扱店を訪問。お客様の注文が殺到するお店のハイボールは何がキーになっているのか、その味わいの特徴を分析し目標の味を設定しました。
キーの一つと考えたのが、しっかりした炭酸感。炭酸が弱いとハイボールの爽快さが失われ、美味しいハイボールにはなりません。では、しっかりした炭酸感とはどのくらいの強さなのか。美味しい角ハイボールを実現する炭酸感を見つけ出し、それを達成する中味・容器・製造工程を検討しました。「-196℃」等の缶チューハイや「ペプシコーラ」等の清涼飲料で培われた知見を基に、長年にわたる独自研究を続け、理想の炭酸感を達成しました。
もう一つのキーと考えたのが「ほんのり香るレモン」。通常のソーダ割りでももちろん美味しいのですが、レモンを少し加えることでより飲みやすい、軽快でカジュアルな味わいになります。しかし一方で、レモンが目立ちすぎると角瓶の味わいが邪魔されてしまいます。あくまで角瓶の味わいを引き立てる、ほんのり香るレモン感。これを達成するために使用したのがレモンスピリッツ。これは何十年も前から作り続けているサントリー独自の原料酒で、バーで扱われる本格リキュールや本格スピリッツを開発してきた会社だからこそ持っていたこだわりの原料でした。
これらを基に製品のかたちにしていきます。試作には、角瓶をはじめ各原料の配合量を一つ一つ、0.001%単位までしっかりと検討していきました。また、ここでも、「-196℃」や「ほろよい」など他チューハイで培われた知見が製品としての仕上げに役立ちました。
そして、官能評価は研究所で試飲するだけでなく、実際にお客様が飲まれる気持ちを体感しようと自宅に持ち帰り、食事前、食事中、風呂上りなど様々なシーンで試飲を行いました。目標とする味わいの設定から実際にそれを作るまでの仕事は、研究所が独断で進めるのではなく、市場調査はマーケティングスタッフや営業スタッフ、実際の製造ラインへの作りこみは生産スタッフや工場スタッフなど、関係者と一つ一つ議論を重ね、チーム一丸となって取り組みました。
最後に。角ハイボールを作るときには、グラス一杯の氷を使います。「角ハイボール缶」をさらに美味しく味わうには、「キンキンに冷やす」ことも大切です。缶のまましっかり冷やすと一層、氷一杯のグラスに注ぐとより一層の「美味しさ」が楽しめます。飲食店の味わいを追求し、更にスッキリした味わいになった角ハイボール缶。皆様も是非、ちょっとした一手間で、その「美味しさ」を体感してみてください。