研究開発者からのメッセージ
カジュアルワイン商品開発担当
Q1.
私はスピリッツ・ワイン商品開発研究部に所属し、カジュアルワイン、主に「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」の商品開発を担当しています。現在は白ワインのさわやかな香りをさらに豊かにするために新しい原料酒の開発にも取り組んでいます。
Q2.
入社当時からワインの商品開発を担当し、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」<濃い赤>の新商品開発、「彩食健美」のリニューアル、「バルで飲んだサングリア」ブランドの立ち上げなどを手掛けました。約7年の商品開発業務に加え、ワインやスピリッツの品質保証や、酒類全般の微生物保証も約3年経験しました。
Q3.
目指す味わいを明確にイメージすることです。これがおいしいワインを作るための肝だと思っています。そのために、トレンドに左右されないような「本質的においしい」と感じられる味のセンスを磨くようにしています。例えば、私たちは毎月部署内でワイン勉強会を開催しています。テーマを決めて世界的に評価されている高品質なワインを飲み比べ、地域や品種、製造方法が異なる多様なワインの味わいを体感しながらも、ワインの美味しさの本質的な要素を議論しています。また、ワインは食事と共に楽しまれることが多いので、おいしい食事やワイン以外の飲み物とも共に味わっていただき、お客様に喜んでいただけることも大切です。そういった目指すべきワインの味わいを明確にイメージして、試作をしています。
Q4.
新しい発酵方法の技術開発をしていた際に、登美の丘ワイナリーのぶどうを用いて、現場設備で実験した経験です。試作段階で「より美味しくなる発酵方法ができた」と意気込んで実験を行ったのですが、実際はコントロール(対照)に用いたぶどうの方が高い品質だったため、結果として出来上がった原料酒もコントロールの方が美味しい、という評価になってしまいました。
「よいワインはよいぶどうから」と言われるように、よい原料とよい発酵方法の両方が優れたワイン製造には不可欠であること、そして、天然物を扱うことの難しさを学びました。難しさはありますが、ぶどうの品質やそのばらつきを理解し、受け入れつつ、様々なぶどうを組み合わせて、お客様の「美味しい」を実現する香りや味わいを妥協することなく追求していこうと思いました。
Q5.
現在、ワインは高級感のある“いいお酒”というイメージがあり、日頃飲むには少しハードルが高いお酒になっていると感じる部分があります。その良さは理解しつつも、いろいろなシーンでいろいろな方にワインを楽しんでいただけるような世界を作りたいと思っています。肩ひじ張らず、日頃からワインを愉しみ、飲みたくなるような製品を今後も提案していきたいと思います。
※2024年9月の内容となります。
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