Liqueur & Cocktail ホーム > Q&A > とりあえず知りたい!
そうなんです。「カクテル」の語源には実に多くの説があります。
有名なところでは、「鶏の尾説(アメリカ)」、「ドッグ・テール説(イギリス)」、「コクチェ説(カリブ)」などを中心にいくつかの説がありますが、国際バーテンダー協会のテキストに掲載されている「木の根っこ説」をご紹介いたします。
メキシコのユカタン半島の港町にイギリス船が入港したときのお話です。船員たちが地元のバーに入ると、カウンターの中で少年が木の枝でおいしそうなミックス・ドリンクを混ぜていました。当時のイギリスには「お酒を混ぜる」という習慣はなかったため、船員の一人が、少年にそのお酒の名前を聞いてみたところ、少年は、使っていた木の枝のことを聞かれたのだと勘違いして「コーラ・デ・ガジョです」と答えました。コーラ・デ・ガジョとは、スペイン語で、これを英訳すると「tail of cock(雄鶏の尻尾)」。その木の枝は雄鶏の尻尾の形に似ていたため、少年は愛称で呼んでいたのです。それ以来、ミックス・ドリンクはテール・オブ・コックと呼ばれるようになりやがて「カクテル」となったと言われているのだそうです。
今のところはこの説が一番有力といわれていますが、調べてみると他にもたくさんのいわれがありそうですよね。BARでカクテルを楽しみながら、こんな四方山話に花を咲かせるのもまた楽しいものです。
「サワー」と「チューハイ」、いずれもおなじみの一杯になりましたね。ふたつの違いにつきましてお答えます。
サワーとは「酸っぱい」の意で、スピリッツにレモン・ジュースと砂糖など、酸味と甘味を加えてつくるカクテルのこと。一方「チューハイ」とは、焼酎をはじめウオツカなどのスピリッツをベースにして炭酸などの飲料で割った飲みもののことを指します。いずれも、割り物によってさまざまな味わいを楽しめるのが特徴です。
ちなみに、チューハイの「ハイ」はハイボールのこと。ウイスキーのソーダ割りが一般的です。
ジン・フィズやワイン・クーラーなど、よく耳にするカクテル名ですよね。フィズもクーラーも、スピリッツやリキュールなどのお酒と炭酸飲料をあわせたカクテルですが、レシピが少々異なります。
クーラーは、スピリッツにレモンやライムのジュースと甘味を加え、ソーダやジンジャーエールを満たしてつくります。一方フィズは、スピリッツの中でも主にジンをベースに、レモンジュース、砂糖を加えてシェ―クし、タンブラーに注いでソーダ水を加えてつくります。
どちらもご家庭で気軽にお楽しみいただけるカクテルのスタイルですが、シェーカーを使わずビルドでつくる場合、クーラーのほうが簡単かもしれません。
フィズもクーラーも爽やかな飲み口のカクテルです。食前酒や食中酒、また休日の午後の一杯などにぜひおためしください。
甘味と酸味のバランスが良く、炭酸の爽快感がたまらない「ジン・バック」は、多くの人に愛されているカクテルの1つですね。別名「ロンドン・バック」とも言います。”バック”とは、スピリッツにレモンジュースとジンジャー・エールを加えてつくるスタイルのこと。ジンをベースにすれば「ジン・バック」、バーボンウイスキーをベースにすれば「バーボン・バック」になるわけです。“Buck”には、“Stag”(雄鹿)の意味があり、“キックのある飲み物”ということから名づけられたと思われます。
どちらも、カクテルづくりによく使われる、炭酸入りのソフトドリンクですね。
トニック・ウォーターは、ソーダにレモン、ライム、オレンジなどの果皮のエキスと糖分を配合してつくる無色透明のイギリス生まれの飲みもので、ほろ苦さと爽やかな風味をあわせもっています。トニック(Tonic)という言葉には、"元気をつける"、"強壮にする"という意味があるんですよ。
ソーダは、炭酸ガスを含んだ水を人工的につくったもの。その名は、当初、炭酸ガスをつくるのに重炭酸ソーダを用いたことに由来しています。
ちょっと甘くてほろ苦い味わいを楽しむのであれば、トニック・ウォーター、さっぱりとした味わいが好みであれば、ソーダがおすすめです。トニック・ウォーターやソーダでつくられたカクテルは、刺激や爽快感があっておいしく、また食欲増進の効果もあります。食前酒にぜひどうぞ。
監修:サントリースクール