チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

なすチーズ

第44回 2018年08月

なすチーズ

チーズの味わい

暑くなると食べたくなる旬のなすにとろけるチーズ。トロリと甘くとろけるなすと、コクを与えるチーズのハーモニーは、なんとも自然なおいしさです。なすは油脂との相性が抜群なので、チーズはたっぷりかけて焼きましょう。

準備するもの
 なす2~3本、塩、シュレッドチーズ適宜
 お好みでオリーブオイル、ミートソースなど

つくり方
 なすを縦半分に切り、皮目に切れ込みをいくつか入れてから、ラップをして3~4分ほど電子レンジにかける。やわらかくなったら、耐熱容器に並べ、お好みで塩で味付けする。その上にたっぷりのシュレッドチーズを乗せて、オーブントースターで5~6分、焼き色がつくまで焼く。なす→チーズ→なす→チーズとのせて焼いても美味。


よく合うワイン

モマンドール アイス

スペイン
モマンドール アイス

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄色いリンゴ 白桃 はちみつ

ワインと料理の味わいの方向性が一致した、切れ味抜群のマリアージュ。

カジュアルに愉しめるスパークリングワインとして人気の「モマンドール」から、冷やしてそのままでも、氷を入れても愉しめるモマンドール アイスが新登場!フルーティかつまろやかな味わいです。
なすチーズと合わせると、ワインの爽やかな果実感をしっかりと感じる事が出来ました。熱々のなすチーズと氷を入れてキリッと冷えたワインの温度のコントラストも楽しくて、何度も繰り返して口に運びたくなる感じがあります。後半にはワインのスッキリとした酸味がスッと出てきて、後口爽やか。なすとチーズだけというシンプルで潔い組み合わせと、スッキリさわやかなワインの味わいの方向性が一致した、何とも切れ味の良い組み合わせでした。

ガゼラ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ライム 青リンゴ 白い花

ワインのスッキリ感が強調されるマリアージュ。

ポルトガルを代表する白ワイン産地(赤やロゼも少しあります)である「ヴィーニョ ヴェルデ」を代表する銘柄の一つ。軽めのアルコール度数(9%)、爽やかな微発泡、キレのある酸味と三拍子揃った、暑い夏にこそ美味しい、スッキリ系の白ワインです。
なすチーズと合わせると、ワインの酸味、フレッシュさが前面に出て来る感じになりました。ガゼラの低めのアルコール感と、キレのある酸味がさらに強調される感じで、スッキリ感が凄いです。余韻も軽やか。ただ、なすの甘さがワインの酸味と少しぶつかって弱まる感じがあるのと、ワイン単体ではあまり感じなかった塩っぽいホロ苦さが出て来るところがあって、そこが少し気になりました。

エスプリ ガシエ
コート ド プロヴァンス
※終売しました

フランス
エスプリ ガシエコート ド プロヴァンス※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

さくらんぼ ピンクの花 オレンジ

ワインも料理もしみじみ美味しい、自然体のマリアージュ。

辛口ロゼワインの代名詞である、コート ド プロヴァンスのロゼワインです。美しいミレニアルピンクの色調で、食欲をそそります。重い赤ワインを飲むのがしんどくなる夏場に美味しくなるのが辛口のロゼワイン。食事とよく合うガストロノミックなロゼワインです。
なすチーズと合わせると、グンとワインと料理と両方の味わいの厚みが増す感じがありました。ワインはゆったりとした果実味を前に出してきて、かつフレッシュさも失いません。料理を活かす、まろやかで、酸の穏やかな辛口というプロヴァンスロゼの真髄を感じさせる味わいの出方です。なすチーズの方も、なすの甘さがグッと出てきて、「ああ、なすって美味しいなあ。」としみじみ感じる良さがあります。あとから出て来る、じんわりとしたホロ苦さが酸の代わりに後口をスッキリさせてくれる、とても素晴らしい組み合わせでした。
細かい事を考えずに、ただ美味しいと感じることの出来る自然体のマリアージュです。

タヴェルネッロ オルガニコ
サンジョヴェーゼ

イタリア
タヴェルネッロ オルガニコサンジョヴェーゼ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリー スミレの花 トマト

ワインのやさしさを感じるマリアージュ。ミートソース+でさらに◎。

世界No.1※イタリアワインブランド「タヴェルネッロ」から、オーガニックのぶどうを使用した新シリーズが登場です。ドイツのワインコンクール「ムンダスヴィニ」で金賞に輝いた実力派。やわらかな果実味とまろやかな渋み、軽やかな酸味が一体となった、素直な味わいです。赤ワインですが、少し冷やして飲んで頂くと、より美味しく愉しんで頂けると思います。
なすチーズと合わせるとワインの持っているやさしくてあたたかな果実感がいい感じで出てきました。さくらんぼを思わせるやさしい果実感で、なすの甘味、チーズのまろやかなコクともよく馴染んでいます。ただ、少しワインの方が強い感じがあったので、たまたま近くにあったミートソースを少し加えてみると、これがビックリするくらいピッタリ来る素晴らしい相性となりました。このワインの故郷は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州で、ミートソースの故郷でもあるという事もあるのかも知れないですが、とにかく良く合いました。これも是非試してみて下さい。

※シンフォニーIRIグループ2017年12月報告データ(イタリア100m²以上スーパーにおける)

チャレンジまとめ

なすは脂分やコクのある素材と相性がの良い素材なので、チーズと非常に良く合う事を改めて実感しました。シンプルになすとチーズと塩だけでも十分に美味しく、特に辛口ロゼとの相性は出色でした。つくり方も簡単で、なすの紫色とチーズの色とのコントラストも美しいので、おもてなしメニューとしても良いと思います。ちょっと、なすとチーズだけではシンプルすぎるなあと思う方は、ミートソースやベーコンなどの塩気とコクを与える素材をプラスしてあげると、コクのある白ワインや、しっかりめの赤ワインでも愉しめるでしょう。そういったコクのものを加えてあげると、メインのお料理にもなりそうです。
やっぱり、旬の野菜って美味しいですね。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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