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チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

プーティン

第103回 2025年02月

プーティン

チーズの味わい

カナダのソウルフード。永遠の友であるじゃがいもとチーズに、旨味タップリのグレービーソース。ややジャンクフード的ではありますが、簡単かつやみつきになる美味しさのある一品です。

準備するもの
フライドポテト200g、チーズ50g(今回はカッチョカヴァッロを使用)、グレービーソース大さじ2、みじん切りパセリ適宜
(1)熱々のフライドポテトを準備する
(2)チーズを細かく切り、耐熱容器にグレービーソースと混ぜて、電子レンジで温めておく
(3)(2)にポテトを投入し、混ぜる。パセリをかける。


よく合うワイン

ドメーヌ バロン ド ロートシルト ”サガ” ボルドー ブラン

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

グレープフルーツ ディル 白い花

ワインはずっと支え役、グレービーのコクが際立つ組み合わせ

今回は白は2本ともドメーヌ バロン ド ロートシルトのものです。こちらは本家のあるボルドーで、契約栽培農家さんのぶどうから生産するエントリーシリーズ。このつくり手らしく、派手な樽香や甘い果実味に頼らない、一歩引いたような繊細な果実味と、調和の取れた酸味とのバランスが見事なエレガントスタイルです。
プーティンと合わせると、ワインがグレービーソースの勢いに押されて、ちょっと大人しくなってしまう感じがありました。ワインが持つハーブの風味が、味わいの最後を爽やかにしてくれる感じがあるのと、20%ブレンドされているセミヨンがチーズのコクをガッチリと受け止めるところは好印象です。パセリを多く散らすなど、このワインにプーティンを寄り添わせていく方法もあると思いますが、グレービーソースのストレートな旨味を楽しむのがこの料理の醍醐味だとすると、ちょっと方向性の違いがあると思いました。美味しく食べれるし悪くはないんですけど。ワインはずっと下から支える脇役のイメージで、お互いを活かしあうパートナーと言う感じにはなりません。

ロス ヴァスコス シャルドネ 2023

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄色いリンゴ ミラベル/黄色すもも 石

グレービーに負けないシャルドネの力強さ、甘さの出る組み合わせ

シャトー ラフィット ロートシルトを擁するドメーヌ バロン ド ロートシルトが1989年にチリに設立したのがロス ヴァスコス。当時、全てのチリのワイナリーを廻って最高の場所を選んだという事で、大きな一つの谷がまるまる全て一つのワイナリーと言う非常に贅沢な環境下でワインづくりをしています。このシャルドネは、「チリのシャブリを目指した」と醸造責任者が言う、樽を使わないクリアなスタイル。
プーティンと合わせると、ワインが持つ黄色い果実のゆったりとしたコクと、チーズのまろやかさ、じゃがいもの甘味がグッと前に出て来ました。面白いなと思うのが、サガ ボルドー ブランと合わせた時にはワインの上にドンと主張して来たグレービーソースの風味が、このワインとだと良いバランスで馴染んだ感じになる事です。むしろ、トリュフを思わせるリッチな風味が出て来て旨味が増す感じです。ワインと料理を合わせる時の鉄則の一つ「強さを合わせる」の良い例だと思いました。見た目からは赤ワインの料理かと思いましたが、さすがはシャルドネ。強い料理にも合わせられる本質的な強さを持っているワインです。

タヴェルネッロ オルガニコ サンジョヴェーゼ

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリー オリーブ ラベンダー

まろやかで旨味十分。一体感のある組み合わせ。

タヴェルネッロは販売量世界№1※のイタリアワインブランドで、オルガニコはその傘下にあるオーガニックワイン。現在、日本国内で最も売れているオーガニックワイン※※ブランドに成長しました。10kgのぶどうから出る廃棄物はわずか23gという徹底したリサイクルを行うサステナブル認証のワインでもあります(さらにビーガン認証でもある)。この時代に求められているタイプのワインだと思います。
プーテインと合わせると、ワインの味わいが一気にまろやかになりました。柔らかな果実味と、グレービーの牛由来の香りが良く出て来て、馴染んで落ち着く感じの組み合わせです。サンジョヴェーゼの特性である酸味やタンニンと言った要素が穏やかになるのは賛否両論あるかも知れませんが、一体感のある美味しい組み合わせと思いました。
※Shanken’s IMPACT DATABANK Review and Forecast 2021
※※SRI+ 標準7業態容量実績(23年1-12月)

E&J ガロ ダークホース レッドブレンド

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

イチジク 赤い花 バニラ

口の中が甘さでいっぱいになる、幸せな組み合わせ。

ダークホースのビッグレッドブレンドがリニューアルしてレッドブレンドになりました。時代を反映して濃厚からバランスへ。品種もピノ・ノワール、バルベラ、テンプラニーリョ、ジンファンデルとあまり渋くなく、柔らかな果実味とまろやかでソフトな飲み口を実現しています。お値打ちで飲み応えのある赤ワインを探している方に、おすすめしたい1本です。
プーティンと合わせると、まずはワインが料理を包み込むようなまろやかさを感じます。オーク由来のヴァニラ香と、品種由来の八角やクローブなどの甘いオリエンタルスパイスの香りがこのワインの魅力の一つですが、この香りがグレービーソースのコクのある牛の旨味と良い感じに交わって複雑な風味を出して来るのも魅力だと思いました。ジューシーで滑らか、ワインの甘さ、芋の甘さ、チーズの甘さ、そしてグレービーの牛の甘さ。口の中全体が色々な甘さでいっぱいになる、幸せな組み合わせでした。

チャレンジまとめ

今回はカナダ名物のプーティン。材料さえあれば混ぜるだけで出来てしまうとても簡単な一品で、実際にカナダでもお酒のおつまみだけでなく、小腹がすいた時におやつがわりに食べられたりもしているようです。とは言え材料はじゃがいも、チーズ、牛のエキスと言った定評のあるワインの長年のパートナーばかり。味わいの強弱の部分では、プーティンにワインが負けてしまうという事はありますが、要素の部分で喧嘩するという事はあまりなさそうです。今回は、同じ北米大陸に位置するアメリカのワインが良かったですが、例えばチリやオーストラリア、アルゼンチン、南アフリカなどのワインも同様に楽しめると思います。味わいのハッキリとした料理ですので、ワイン側も果実味がハッキリとしたタイプが相性が良いでしょう。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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