Liqueur & Cocktail

カクテルレシピ

ROKU抹茶エスプレッソ

ジャパニーズクラフト
ジンROKU
30ml
エスプレッソ 30ml
抹茶 1/4tsp.
ハチミツ 10ml
生クリーム 10ml
シェーク/カクテルグラス
ハチミツまでをシェークしてグラスに注ぎ、軽くホイップした生クリームをフロートする

HAKU抹茶ラテ

ジャパニーズクラフト
ウオツカHAKU
20ml
ジャパニーズクラフト
リキュール奏<抹茶>
20ml
牛乳 80ml
ハーゲンダッツ
バニラ
10g
シュガーシロップ 1tsp.
シェーク/タンブラー
あらかじめグラスの縁を「奏<抹茶>」で1/4程度軽く濡らし、抹茶をつけてスノースタイルに仕上げておく。材料をシェークしてクラスに注ぐ

山崎蒸溜所100周年が千利休へと導く

戦国の世、1582年。織田信長が重臣・明智光秀に討たれた京都・本能寺の変が起こる。中国地方に出陣していた羽柴秀吉は4万の大軍を率いて西国街道を驚異的な早さで山崎まで駆け戻り、光秀と対峙した。

秀吉軍を京の都に上らせたくない光秀は、山崎の地で踏み止まり打ち破るしかなかった。山崎合戦、天下の分け目の天王山の戦いである。サントリー山崎蒸溜所のある地は、歴史の大きな分岐点となる舞台にもなった。

桂川、宇治川、木津川。この三川が山崎の地で合流して大河、淀川となる。三川合流地点は大阪平野と京都盆地が接する自然の関門といえる特異な地形にある。山崎蒸溜所を懐に抱く天王山と、淀川を挟んで対岸の男山までの距離はわずか1キロメートルあまり。この狭い関門で戦いがあった。

秀吉が光秀を破り、豊臣秀吉と改名して天下人となるのだが、激動のなかにすべてを削ぎ落としたような静の美、侘びの精神が醸成されている。

山崎城を築いた秀吉は、戦いの後も本拠として半年間ほどここに留まる。そして千利休を招き、天王山の麓に茶室・待庵をつくらせる。利休は天王山の竹林に湧く清水で秀吉に茶を点て、禅を談じ、侘び茶の世界を大成させた。

待庵はいまも国宝としてJR山崎駅すぐ傍にある妙喜庵に遺る。慶長年代(1596-1615)に妙喜庵に移築されたといわれている。我が国最古の茶室建造物であり、利休の遺構としては唯一のものであるらしい。

日本初の本格モルトウイスキー蒸溜所であり、今年100周年を迎えた山崎蒸溜所のある地は歴史的エピソードに事欠かない。偉人たちの足跡がたくさん遺るが、千利休もそのひとりである。

利休の名言とされているのが“一期一会”。弟子であった山上宗二の著書『山上宗二記』において利休の言葉として、“路地に入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬ヒ畏ベシ”との記述が元になっているらしい。

茶会に臨むにあたり、相手との時間は一度だけのものかもしれない。そんなこころで最高のもてなしをしよう、という意味である。一期一会は、いまでは茶事にかかわらずさまざまな場面で用いられている。

バーにおいても一期一会の精神が伝わってくることがある。オーセンティックであろうがカジュアルであろうが、はじめてのバーでゆったりと寛げる素敵な時間を過ごすことがある。またカクテルの美味しさだけでなく、バーテンダーの見事なまでの接客に癒されることもある。

ROKUとHAKUで茶の世界に遊ぶ

山崎蒸溜所100周年から山崎と歴史的偉人、茶聖・千利休の関わりに導かれてバーの接客の世界へと想いがワープした。

そこで今回は抹茶を使ったカクテルを楽しんでみた。ご紹介する2品とも遊び心から生まれたものである。

まずは「ROKU抹茶エスプレッソ」。この連載第131回『コーヒー豆3粒は健康・富・幸福』で、「ジャパニーズクラフトウオツカHAKU」をベースにした「エスプレッソ・マティーニ」を登場させた。今回はそのアレンジであり、エスプレッソに抹茶を加えてみたらイケるんじゃないか、という単純な発想から試してみたものだ。

ベースは「ジャパニーズクラフトジンROKU」。エスプレッソコーヒーに少量の抹茶を溶かして冷ます。そして甘みとしてハチミツを加える。これらをシェークしてカクテルグラスに注ぎ、最後に軽くホイップした生クリームをフロートさせる。

このカクテルはなかなかにまとまった味わいになった。「ROKU」はジュニパーベリーをはじめとしたジン原料酒に、和のボタニカル6種(八重桜の花、大島桜の葉、煎茶、玉露、山椒の実、柚子の皮)の原料酒をブレンドしている。エスプレッソと抹茶とのミックスに違和感がなく、「ROKU」のボタニカルである煎茶、玉露の味わいとも調和しているのだ。

抹茶が「ROKU」の茶のボタニカルの風味を巧みに引き出しているような気がする。「ROKU」を使う意味はここにある。

そしてハチミツの甘みと生クリームが柔らかい口当たりを生んでもいる。ハチミツは採取された花の蜜によって味わいや甘みが異なる。その種類によって使う分量を調整するとよい。好みではあるが、甘みのインパクトが弱いと感じたならば分量を多めにすればいい。厚みというかコクも生まれる。


次は「HAKU抹茶ラテ」。これは誰にでもウケる、わかりやすい味わいといえるだろう。

ベースは原料に国産米を100%使用した「ジャパニーズクラフトウオツカHAKU」。米由来のふくらみのある独特のしなやかな弾力感があるウオツカである。これに「ジャパニーズクラフトリキュール奏<抹茶>」、牛乳、アイスクリームの「ハーゲンダッツ バニラ」、そしてシュガーシロップを少量加えてシェークする。かなり贅沢なスタッフといえよう。

ふくらみのある「HAKU」の味わいが生きていて、よく知っている抹茶ラテにとどまることなく、全体をしなやかなアルコール感で包み込んでいる。

グラスの縁を1/4ほど抹茶でスノースタイルに仕上げるのだが、この部分に口をつけながら飲むと茶の感覚がより深まり、味わいの変化が楽しめる。

もし千利休が現在に生き返り、バーカウンターでこうしたカクテルを飲んだならばどんな言葉を発するのだろうか。カクテルの世界に興味を抱き、素晴らしいバー空間を創りあげるのではなかろうか。

イラスト・題字 大崎吉之
撮影 児玉晴希
カクテル 新橋清(サンルーカル・バー/東京・神楽坂)

ブランドサイト

ジャパニーズクラフトジン「ROKU」
ジャパニーズクラフトジン
「ROKU」

ジャパニーズクラフトウオツカ「HAKU」
ジャパニーズクラフト
ウオツカ「HAKU」

クラフトリキュール「奏<抹茶>」
クラフトリキュール
「奏<抹茶>」

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