酸が酸を呼ぶ。キレ味鋭い爽やかなマリアージュ。
この6月にブリュットL-Pからリニューアルしたローラン・ペリエ社の顔と言えるシャンパンです。スタンダードキュベでありながら、50~55%という高いシャルドネ比率、48ヶ月に及ぶ長期の瓶内熟成、一番搾りの果汁(ラ キュベ)のみを使用というこだわり溢れる1本です。ローラン・ペリエらしい「フレッシュさ」「エレガンス」は保ちながら、「複雑さ」や「厚み」が増した気がします。
チーズと合わせると、シェーヴルのフレッシュな酸味がシャンパンの酸味を呼ぶ感じで、スパッとキレのある爽やかなマリアージュとなりました。これまで実験してきたマリアージュでは、チーズによってワインの酸味はまろやかになる傾向が多かったのですが、これはむしろ酸味を強調する組み合わせです。ローラン・ペリエらしい軽やかさやエレガンスがクッキリと前に出てくるようになりました。酸味が大好きな私にはたまらない組み合わせですが、酸が苦手な方は少し辛いかもしれません。採点は私の個人的な評価点です。
驚くべき一体感。味わいの要素がピッタリと一致するマリアージュ。
ポルトガル北部、ヴィーニョ・ヴェルデ産のワインです。ヴィーニョ・ヴェルデは「緑のワイン」という意味。その名前の通りの微発泡でイキイキとした酸味が特長の爽やかさと、ワインとしては比較的低めのアルコール度数(9%)で、暑くなるほどに美味しく感じられる味わいです。
チーズと合わせると、ワインとチーズの強さが大体同じくらいの時に感じる、何ともいえない心地よさを感じました。言葉にすると微妙な感じが伝わらない気もしますが、あえて言うなら、双方の味わいが同じ時間口の中に存在して同時に消えていく本当に自然な一体感です。味わいの方向性も、「フレッシュ」、「軽やか」、「爽やかな酸味」という点で相当に一致しており、違和感が全くなく「生まれてからずっと一緒です。」的な素晴らしい相性でした。体への負担を殆ど感じないほどの自然で軽やかなマリアージュです。
コクと滑らかさを感じる、優しさが全面に出るマリアージュ。
キンキンに冷やして、もしくは氷を入れて愉しめる、サンタブランドの新商品。4種類のぶどう(シャルドネ、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン・ブラン、モスカート)のブレンドによる華やかな香りとフルーティな果実味、しっかり冷やして本領を発揮する、ハチミツのような優しい甘さが特長のワインです。
チーズと合わせると、ワインの柔らかくてコクのある甘さがグッと引き出される印象がありました。ワイン単体で飲むと、やわらかでフレッシュな果実感が全面に出るところが、チーズと一緒に飲むことで、本来持っているほのかな残糖の甘さに加えて、ハチミツや桃のコンポートを思わせるコクのある味わいが前に出てくるのが印象的でした。チーズもローラン・ペリエやガゼラの時のように爽やかな酸味を前に出す感じではなく、キメの細やかなテクスチュアとまろやかさを強く感じて、ゆったりと全体を支える感じになりました。
サントリー
バルで飲んだサングリア
オレンジ&ベリー
※終売しました
ラズベリーの味わいが全面に出る、デザートのようなマリアージュ。
人気の「バルで飲んだサングリア」がリニューアル。赤ワインにオレンジとラズベリー、イチゴを加えた華やかなフルーツ感が特長です。これまでよりも濃いめの味わいで、氷を入れても愉しんでいただけるようになっています。
チーズと合わせると、不思議なことにオレンジ&ベリーのなかのベリー(特にラズベリー)の香りが前面に出てきました。ワイン単体の時には一番強く感じたオレンジのフレーバーが陰を潜めて、ラズベリーの華やかな赤い果実感が全開になります。このチーズにはヨーグルト系の味わいを感じるので、ラズベリーとは非常に相性が良く、爽やかなベリー系のデザートを食べているかのような素敵なマリアージュとなりました。シェーヴルの香りも殆ど前に出てきませんので、初めてシェーヴルにチャレンジする方でも食べやすく、素直に美味しい組み合わせだと思います。これもオススメです。