ゴーダ味がおすすめ。ワインの味わいが鮮やかになるマリアージュ。
ドイツワインを代表する銘酒「リープフラウミルヒ(聖母の乳)」の元祖です。フルーティで甘酸っぱい、キュートな味わいです。2015年ヴィンテージからスクリューキャップになりました。
実際に合わせてみると、マドンナの良い味わいを引き出す相性となりました。ワイン単体で飲む時よりも、果実味に厚みが感じられ、味わいに充実感を感じるようになります。実はこのワインの味わいには、まだまだこんなに奥行きがあったんだなあと、正直驚きました。ゴーダ味もチェダー味も良い印象でしたが、特にゴーダ味と合わせた時にはパッとワインの味わいに輝きが灯るような鮮やかで華やかな変化が現れて、とても魅力的なマリアージュになりました。マドンナは色々なチーズの旨味に本当に良く合う、対チーズでは万能のワインなのですが、中でもこの組み合わせはオススメです。
余韻の甘香ばしさが魅力の、複雑さを加えるマリアージュ。
大人気のサンタにプレミアムが登場しました。チリの銘醸地ラペル・ヴァレー産のぶどうと、フレンチオークで6ヶ月熟成したワインを使用した、ワンランク上のサンタです。甘い果実味とまろやかなコクが感じられる味わいです。
実際に合わせてみると最初はトロピカルフルーツを連想させる熟した果実感が強調されるのですが、その後にワイン単体ではあまり目立たなかった味わいがグッと出てくるのが印象的でした。具体的には、カスタードプリンやカラメル、カフェラテなどのクリーミーで甘香ばしい味わいで、それらが出る事で味わいの複雑さや全体の満足度が底上げされる感じでした。
ゴーダ味とチェダー味では結構違う合い方で、ゴーダ味はあくまでまろやかに果実味や甘いクリーミーさを強調するのに対し、チェダー味は酸と果実のメリハリや、余韻の香ばしさが強めに出てくる感じでした。どちらが良いかは好みになると思います。
チェダー味がおすすめ。満足感とメリハリが共存するマリアージュ。
第23回でも登場した、チーズのための赤ワインです。フランス最大級のワインメーカー「カステル」社とサントリーが、日本のチーズに合わせて共同開発しました。日本のプロセスチーズを意識して開発されたワインなので、再登場してもらう事にしました。
実際に合わせてみると、ワインのまろやかさや果実の甘さが引き出される相性となりました。ただ、白ワインの場合はゴーダ味、チェダー味ともに良さを引き出した感じがありましたが、このワインの場合は圧倒的にチェダー味の方がオススメです。ゴーダ味がやや全体にぼんやりとした散漫な印象になるのに対して、チェダー味の場合は比較的高めの酸のおかげか、適度に引き締まった構造感がワインに現れて、「赤ワイン飲んでるなあ。」という満足感と、次の一口を誘うメリハリが共存する、とても魅力的なマリアージュとなりました。リキュール的なコクも出て、素直に美味しい組み合わせです。
ワインの強さが印象に残るマリアージュ。
サンデマンは世界中で愛されるポートワインのビッグブランド。ポートワインは発酵中のワインにブランデーを加えてつくられる、甘口の酒精強化ワインです。日本では飲用として利用される事が少なく、お料理のソース用の役割が大きいのですが、飲んでみると大変美味しいお酒です。チーズとの相性も良く(特にブルーチーズとの相性の良さが有名)、ゆっくりとチーズを愉しむにはとても良い相棒だと思います。
実際に合わせてみると、ややワインの方が強い感じがありました。酒精強化なのでアルコール度数が19%あり、しっかりと甘さもあるので、かなりワインの味わいが前に出てきてしまいます。ゴーダ味よりは味わいにより強さのあるチェダー味の方が、マリアージュしてポートの果実のコクを引き出す印象はありますが、それでも少し力不足の感は否めません。このワインには合わせるには、もっとクセや塩分のあるブルーチーズやウォッシュチーズなどの方が良いかも知れません。特に悪い部分は出なくて美味しいんですけど・・・。