チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

日清フーズ
マ・マー ゴールド
チーズのカルボナーラ

第22回 2016年10月

日清フーズ<br>マ・マー ゴールド<br>チーズのカルボナーラ

チーズの味わい

スパゲッティにからまる、チーズと卵黄のコク豊かな、濃厚ソースが印象的なカルボナーラです。
しっかりめに振られたブラックペッパーが、味わいのアクセントになるとともに、ワインとの相性を良くしています。
ソースの濃厚さに比べて、塩分は抑えてある印象で、スルリと一人前を食べてしまいました。
チーズ&クリームという濃厚さを意識して、ワインもスパークリングワイン以外は、コクのあるものを選んでいます。


よく合うワイン

カルボナーラが軽やかな味わいに感じるマリアージュ。

大人気の「サンタ」ブランドから9月6日に発売になったばかりの新商品。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ヴィオニエという3種の白ぶどうをブレンドした、フレッシュかつふくらみのある果実味を持つ辛口スパークリングワインです。
カルボナーラと合わせると、ソーヴィニヨン・ブラン由来の爽やかなハーブやグレープフルーツを連想させる香りが広がる印象を受けました。ふくらみのある果実味はそのままに、果実の甘い感じが良く出て来る感じです。
パスタの味は、ワインの爽やかさで少し流される感じで、カルボナーラを本来よりもさっぱりと楽しむという感じのマリアージュになりました。
ベーコンの香りやコクが結構あるので、パスタの方が少し強い感じです。

ヤルンバワイ シリーズ ヴィオニエ 2015

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

黄桃 白いバラ ■その他果実■メロン

コクとコクが受け止めあう、ふくらみのあるマリアージュ。

ヤルンバはオーストラリアにおけるヴィオニエ栽培の先駆者。ワイ シリーズは、エントリーラインながら、彼らのヴィオニエに対する思いが伝わるような、鮮やかで瑞々しい果実味が楽しめます。第11回でも登場しましたが、ヴィンテージが変わりました。2015年は、より熟した果実の印象が強くなっていて、華やかな味わいです。
カルボナーラと合わせると、ワインの桃のコンポートを思わせる豊かな果実味が、よりふくらみを増す印象を受けました。カルボナーラのチーズとクリームの濃厚さをワインのコクが受け止めて、ゆったりとしてまろやかなハーモニーが生まれます。後半には少し苦味が出ますが、それもまたマリアージュに複雑さを加える印象で悪くないと思いました。このワインはコクのある食べ物には本当に良く合います。

カルロ ロッシカリフォルニア ダーク

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

チェリージャム クローブ アメリカンチェリー

まろやかで包み込まれるような、優しさを感じるマリアージュ。

こちらも9月13日に発売された新商品。カリフォルニアワインの定番「カルロ ロッシ」から、フルーティ&リッチな「濃い赤」が出ました。カリフォルニアの太陽をいっぱいに浴びた果実を100%使用した、濃い色調と厚みのある果実感が特長です。「濃い」と言いながらも、果実味たっぷりで飲みやすいのがカリフォルニアらしいところです。
カルボナーラと合わせてみると、ワインのまろやかで豊かな果実味が口の中いっぱいに広がる印象を受けました。元々豊かな果実味が特長のワインではありますが、これがパスタのチーズとクリームの乳脂肪と合わさる事で、よりその果実の豊かさが強調されている感じです。パスタの味わいは、優しくワインに包み込まれる印象で、赤ワインのタンニンをほぼ感じない、本当にまろやかなマリアージュになりました。白ワインの時にはあまり目立たなかったブラックペッパーが実はアクセントとして結構効いています。

チェザーリジュスト ヴェネト IGT 2014※終売しました

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ドライプルーン チョコレート ブラックチェリー

自然でありながら、お互いをより美味しくする良いマリアージュ。

チェザーリはイタリア・ヴェネト州のワイナリー。2012年のIWSCという権威のあるワインコンクールで「イタリアベストプロデューサー賞」を獲得しました。このジュストはヴェネト州の伝統品種コルヴィナ60%、国際品種のメルロ40%のブレンド。2週間~1ヶ月という通常よりも短めの陰干しを行う事で、果実のコクがありながら瑞々しさも残す、魅力的な味わいを実現しています。
カルボナーラと合わせてみると、ワインの味わいに艶やかな色気のようなものが加わる印象を受けました。ワイン単体だと、陰干し由来の落ち着いた果実のコクを強く感じますが、パスタと一緒に飲んでみると、そこにフレッシュさや、リキュールを思わせる華やかさなどが加わって、ワインの格が上がるように思います。パスタはパスタで、ベーコンの香りや卵の香りが多層的に出てきて、立体感のある味わいになります。お互いをより美味しくする、良いマリアージュだと思いました。

チャレンジまとめ

前回のピッツァに引き続き、チーズ単品ではなくチーズを使ったパスタを試してみました。このカルボナーラ、チーズと卵黄がコク豊かでかなり濃厚な味わい。こういった濃厚なお料理を合わせる場合、ワインにもある程度のコクが求められます。
料理とワインを合わせるポイントと同じで、チーズとワインを合わせる際も、「味わいの強さを合わせる」というのはとても大事な要素になります(詳しくはこちらをご覧下さい)。その意味で今回素晴らしかったのは、ヤルンバのヴィオニエとチェザーリのジュスト。ともに、まったりとした酸と深いコクのある果実味が特長のワインです。まったりとしたカルボナーラソースのテクスチュアと、コクのあるワインのこれまたまったりとしたテクスチュアが混じり合う感じは、マリアージュの一つの醍醐味と言ってもよいかと思う心地よさでした。是非お試し下さい。

今回初めて冷凍食品にチャレンジしてみましたが、そのレベルの高さ、進化ぶりに大変驚きました。次回以降で他のものも試してみようかと思います。



■ 関連サイト
日清フーズ マ・マー ゴールド チーズのカルボナーラ(外部サイトへリンクします)

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

ワインにのめり込んだのは、お酒とは関係のない業務のサントリーフーズ勤務時代。2013年のワインアドバイザー選手権では準優勝だったが、次回大会での優勝を目指して、日々ワインテイスティング、チーズ研究、食材研究に余念がない。お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザー NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル 第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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