WHiSKY on the Web ウイスキーあれこれ辞典 > ウイスキーの用語集
 
たる
ウイスキー、ブランデー、ワインなどを熟成させるための木製の容器。サントリー・ウイスキーには、北米産のホワイト・オークを使用。ホワイト・オークは、液体を通しにくく、すぐれた強度と耐久性をもった材質で、その柾目どりした、ねじれやそりのない材だけを輸入して、山梨県白州や滋賀県近江にある製樽工場で専門職人が丹精こめて組み立てている。樽は大きさと材質によって、パンチョン(480l入り)、細長いシェリー・バット(480l入り)、ホッグスヘッド(230l入り)、バーレル(180l入り)に分けられる。サントリーでは、これらの樽をモルト・ウイスキーの品質・タイプによって使い分けている。樽の大きさは、ウイスキーの香味、色、および熟成の速度に影響し、小容量の樽ほど熟成は早い。また、シェリーを貯蔵していた樽(シェリー・バット)を使うと、色も濃く、シェリーの香味もついた特徴のあるウイスキーになる。つまり、樽の使い分けにより、多彩なモルト・ウイスキーが生まれるのである。
英語でポット・スチル。構造は、発酵液(ウオッシュ)を入れ加熱蒸発させる釜と、出てくるアルコールの蒸気の冷却機、この両者をつなぐ連結管から成る。シンプルな構造のため、香気成分の富んだ、風味の強い蒸溜酒を生み出す。サントリーの蒸溜所で使用されている単式蒸溜機は、形状によって3つのタイプに大別される。1ストレート・ヘッド型 2ランターン・ヘッド 3バルジ型である。
山崎蒸溜所は、新旧2種類のストレート・ヘッド型と、バルジ型の3種類を備えている。
これにより、力強く芳酵な香味のモルトから、香味豊かで重厚なモルト、華やかでマイルドなモルトなど、さまざまにつくり分けている。白州蒸溜所は、ランターン・ヘッド型を設置。重たい香りの成分がヘッドの膨張部で還流されて釜に戻るため、軽くて華やかな香りに富んだモルトが生まれる。
白州東蒸溜所では、小型のランターン・ヘッド型。直火蒸溜をしているので、香ばしさと力強い味わいをもったフル・ボディ・タイプのモルトが生まれている。
チェイサー
チェイスするもの、つまり追いかけるもののことで、強い酒をストレートで飲んだあとに追いかけて飲む清涼飲料のたぐいをさす。ふつうには水が用いられるが、ソーダ、ジンジャエール、さらにはビールなどを好む人もいる。映画『エアポート1975』で、マーナ・ロイがスチュワーデスに「バーボン・オン・ザ・ロックス、スモール・ビア・フォー・チェイサー」と頼み、3度もおかわりをするシーンは印象的。
チャコール・メロウイング
バーボンやテネシー・ウイスキーの製造工程で、蒸溜後の原酒をサトウカエデの木炭層で濾過するプロセス。独特のなめらかな味わいが生まれる。テネシー・ウイスキーは蒸溜直後に濾過するが、一般のバーボンは、樽熟成後に濾過することが多い。
テイスティング
利き酒。酒の個性を官能を駆使して利き分けること。ウイスキーのテイスティングの基本ステップは、
1.グラスに臭いが付着していないことを確認する
2.ウイスキーを注ぐ
3.嗅覚で香りを分析(ノージングで)
4.水で1対1に割る
5.舌、口中で味覚を分析する(テイスティング)
6.のどごし、後味(アフター・テイスト)を分析する
1対1の水割りにしてテイスティングするのは、ストレートにくらべてアルコールの刺激が柔らかくなり、ウイスキーの香り立ちがよくなるため。これ以上うすくすると、逆に希釈効果で香味が弱くなり、利き分けがむずかしくなる。
テネシー・ウイスキー
アメリカのテネシー州特産のウイスキー。法律上はストレート・バーボン・ウイスキーに含まれるが、バーボンと違うのは、蒸溜直後にサトウカエデ(メープル)の木炭層で一滴一滴時間をかけて濾過(これをチャコール・メロウイングという)すること。そのため、特有のまろやかな風味が生まれる。代表的なものに「ジャック・ダニエル」がある。
とうか
酵母は、穀物のデンプンをそのままアルコールに変えることはできない。そこで、まず発芽した大麦を乾燥させて大麦麦芽(モルト)をつくり、これを細かく砕いて温水を加え、約65度にし、麦芽中の糖化酵素でデンプンを糖類にかえる。これを発酵、蒸溜したものがモルト・ウイスキー。
グレーン・ウイスキーの場合は、蒸煮した穀物に大麦麦芽を加えて、同様に糖類に変えていく。これらの変化過程を糖化というが、仕込みともいう。
トップ・ノート
ウイスキーをテイスティングする場合、グラスに注いだウイスキーからいちばん最初に立ち昇ってくる香りをいう。香りを利くことをノージング(鼻で利き分ける)という。
ドラム
スコットランドで、ウイスキーの一杯分を指す用語。何mlといった細かい規定はなく、酒場により、また時代により、まちまちであった。いうならば、物理的メジャーでなく、感覚的メジャーであるが、最近のスコットランドでは、25ml、または35mlをワン・ドラムとして提供する酒場が多いという。
ちなみに、ドラムとは、古代ギリシアの液量単位ドラクマが語源だとされている。
トリス・バー
昭和30年(1955年)前後に生まれ、爆発的な人気を呼んだ庶民的なバー。トリス・ウイスキーをソーダで割ったハイボールが主力商品だったが、カクテル類も人気があった。サラリーマンや大学生が気軽に訪れ、グラスを傾けながら民主主義を語り、文学・芸術を語り、人生・恋愛を語る舞台であり、新しいライフ・スタイルを象徴する場でもあった。トリスのハイボールは大阪では”トリハイ”、東京では”Tハイ”という愛称で呼ばれた。
Q&A
わ
ら
や
ま
は
な
た
さ
か
あ