日本では、従来アイレイと呼ばれてきたが、現地での発音はアイラ。スコッチのモルト生産で有名な島。八つの蒸溜所がある。そのモルトは、ヨードの香りとピートの燻香が強い。もちろん蒸溜所ごとに濃淡の差があり、ファンが分れている。 多くのブレンデッド・スコッチに、ごく少量ブレンドされ、スコッチらしい頑固な味を生み出している。
アイルランド島でつくられるウイスキー。同島は、政治的にアイルランド共和国と、英領北アイルランド自治州から成っているが、どちらでつくられたものも、アイリッシュ・ウイスキーと称される。
そのウイスキーづくりの現存する記録はスコットランドより古く、1172年、アイルランド遠征のイングランド軍が、ウイスキーの前身とみられる蒸溜酒のことを文献に残している。現在のアイリッシュ・ウイスキーは、大麦を主体にライ麦、小麦などを補助材料とし、ピート香をつけていない大麦麦芽を加えて糖化、発酵ののち、単式蒸溜機で3度蒸溜する。これをアイリッシュ・ストレート・ウイスキー、またはアイリッシュ・ポット・スチル・ウイスキーと呼ぶ。1970年以降、これにグレーン・スピリッツをブレンドしたものが生まれ、輸出用の主流になった。こちらは、アイリッシュ・ブレンデッド・ウイスキーと称されているが、スモーキー・フレーバーがなく、まろやかで軽い風味になっている。代表的な銘柄に「ミドルトン・ベリーレア」「タラモア・デュー」「ジェムソン」などがある。アイリッシュ・ウイスキーを使ったカクテルでは「アイリッシュ・コーヒー」が有名。ホット・コーヒーに赤ザラメ、アイリッシュ・ウイスキーを入れ、生クリームをフロートする。アイルランドのシャノン空港で、第2次大戦直後に生まれたホット・カクテルだ。
そのウイスキーづくりの現存する記録はスコットランドより古く、1172年、アイルランド遠征のイングランド軍が、ウイスキーの前身とみられる蒸溜酒のことを文献に残している。現在のアイリッシュ・ウイスキーは、大麦を主体にライ麦、小麦などを補助材料とし、ピート香をつけていない大麦麦芽を加えて糖化、発酵ののち、単式蒸溜機で3度蒸溜する。これをアイリッシュ・ストレート・ウイスキー、またはアイリッシュ・ポット・スチル・ウイスキーと呼ぶ。1970年以降、これにグレーン・スピリッツをブレンドしたものが生まれ、輸出用の主流になった。こちらは、アイリッシュ・ブレンデッド・ウイスキーと称されているが、スモーキー・フレーバーがなく、まろやかで軽い風味になっている。代表的な銘柄に「ミドルトン・ベリーレア」「タラモア・デュー」「ジェムソン」などがある。アイリッシュ・ウイスキーを使ったカクテルでは「アイリッシュ・コーヒー」が有名。ホット・コーヒーに赤ザラメ、アイリッシュ・ウイスキーを入れ、生クリームをフロートする。アイルランドのシャノン空港で、第2次大戦直後に生まれたホット・カクテルだ。
一般的には、口に残る香味をいう。ウイスキーの場合、舌で味わった後、唇を閉じ、鼻孔から息を吐き出して利く。すぐれたウイスキーほど、快い香りと味わいがよく残り、余韻を楽しむことができる。その余韻が何秒持続するか、カウントダウンするのも、ウイスキーの楽しみ方のひとつ。
アメリカでつくられるウイスキーの総称。連邦アルコール法では、ウイスキーを30以上のタイプに細分して規定しているが、現実にはストレート・バーボン、ストレート・ライ、コーン、ブレンデッドなどのウイスキーが市場で流通している主なもの。この他に、ストレート・バーボン、ストレート・ライなどに適用されるボンデッド・ウイスキーという規定もある(ボトルド・イン・ボンドの項参照)。なお、「ジャック・ダニエル」などのテネシー・ウイスキーは、法的にはバーボンの規定に沿ってつくられるが、蒸溜直後サトウカエデの炭で濾過しており、商習慣上別格のテネシー・ウイスキーとして取り扱われている。
アメリカ独自のタイプのブレンデッド・ウイスキー。スコッチのブレンデッド・ウイスキーとまったく異なるタイプなので、アメリカンという名称を冠して呼ばれることが多い。
ストレート・バーボンのようなストレート・ウイスキーを、アルコール度数50度に換算して20%以上使用し、残りを他のウイスキーやニュートラル・スピリッツなどでブレンドしたもの。度数40度以上で瓶詰めする。軽く爽やかな口当たりで、飲みやすいのが特徴。
ストレート・バーボンのようなストレート・ウイスキーを、アルコール度数50度に換算して20%以上使用し、残りを他のウイスキーやニュートラル・スピリッツなどでブレンドしたもの。度数40度以上で瓶詰めする。軽く爽やかな口当たりで、飲みやすいのが特徴。
1958年に誕生したトリス・ウイスキーのCMキャラクター。柳原良平が生みの親で、広告や、当時ようやく普及しはじめたテレビCFで大活躍した。2頭身、ズン胴のユニークな中年男性像。
ウイスキー、オー・ド・ヴィー(ブランデーのフランス語)、ウオツカ、アクアヴィットなどの蒸溜酒の語源は、いずれも ”生命の水”に由来する。蒸溜法を広めたのは錬金術師であり、各地の地酒から蒸溜酒をつくったさいに、ラテン語で、”生命の水”を意味するアクア・ヴィテAqua-Vitaeという名でその酒を呼んだ。これが、現地の言語に訳され、アイルランドやスコットランドではウシュク・ベーハーからウイスキーに、フランスではオー・ド・ヴィーに、ロシアではズィズネニャ・ワダからウオツカに変わった。北欧のアクアヴィットは、ラテン語が少し変化しただけの正統的な酒名ということができる。
モルト・ウイスキー独特の用語。ヴァットとは“大きな桶”の意。1樽ごとに異なった個性をもつモルト・ウイスキーを、この大桶に入れて混ぜあわせることをヴァッティングといい、生まれたウイスキーは、ヴァッテッド・モルト・ウイスキーと呼ばれる。これはあくまでもモルト・ウイスキー同士を混ぜる場合に限られており、モルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーを混ぜあわせた場合は、たとえ大桶を使ったとしても、ブレンディングと呼び分けており、生まれたウイスキーはブレンデッド・ウイスキーと呼ばれる。
同一蒸溜所内におけるヴァッティングは、スコッチの場合、1853年から認められるようになった。異なる蒸溜所間のヴァッティングは、1860年になってから認められた。
同一蒸溜所内におけるヴァッティングは、スコッチの場合、1853年から認められるようになった。異なる蒸溜所間のヴァッティングは、1860年になってから認められた。
蒸溜酒の一種。穀物を原料として、発芽した穀物の酵素で糖化し、酵母の働きによって発酵させたのち、蒸溜をし、さらに樽の中で熟成させた酒。生産地別に、ジャパニーズ・ウイスキー、スコッチ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキー、アメリカン・ウイスキー、カナディアン・ウイスキーなどに分けられ、これを世界の5大ウイスキーと称しているが、これら以外の地でもウイスキーはつくられている。最近は、インドのウイスキーの生産量が増大している。五大ウイスキーのうち、ジャパニーズ、スコッチ、カナディアンの各ウイスキーはWhiskyの綴りを使い、アイリッシュはWhiskeyを使っている。アメリカン・ウイスキーは、語尾がkyとkeyを併用しているが、法律用語ではkyを用いている。
ウイスキーは、その日の体調や気分、雰囲気などによって自由に飲み方を変えられる。つまりT・P・Oに合わせてさまざまな楽しみ方があるというわけだが、一杯のウイスキーを最高の条件で味わいたいと思うなら、“食前には割って飲む、食後にはストレート”と覚えておきたい。割り方は、ミネラルウォター、ソーダ、ジンジャエールなど好みのものでどうぞ。そして食後はストレートかオン・ザ・ロックスで、ウイスキーの芳醇な香りと味わいを存分に楽しみたい。
さて、それでは食中には何を飲むか。“食前酒は食中酒たりうる”─これがウイスキーに限らず、アルコール飲料全般にいえるT・P・Oの原則である。
さて、それでは食中には何を飲むか。“食前酒は食中酒たりうる”─これがウイスキーに限らず、アルコール飲料全般にいえるT・P・Oの原則である。
世界でも初めての本格的なウイスキーの博物館。1979年、サントリーが創業80周年を記念して、南アルプス山麓のサントリー白州蒸溜所内に開設した。4階建て、延べ150平方メートルの館内には、ウイスキーの歴史、文化、風俗、科学など、古今東西の資料が豊富に展示されている。
“生命の水”という意味のゲール語。これが転訛してウイスキーになった。もとは、ラテン語のアクア・ヴィテを直訳したものといわれるが、このアクア・ヴィテは錬金術師が蒸溜酒をさした用語。そのため、ウイスキーの起源も錬金術の恩恵を受けているということができる。
エージングとは、熟成のこと。したがって、エージング・セラーとは、熟成中の樽を保管する酒庫。冷涼な、澄んだ空気の地にあることが望ましい。現在サントリーには山崎蒸溜所、白州蒸溜所のほか近江にエージング・セラーがあり、総計80万余樽が熟成中である。
直訳すれば“岩の上に”。グラスに氷を2〜3個入れて酒を注ぐ飲み方。氷を岩に見立てたネーミングで、アメリカでは、“オーヴァー・ロックス”、略して“オーヴァー”ともいう。映画『チャイナ・シンドローム』で、女性TVキャスターに扮したジェーン・フォンダが、「ア・スカッチ・オン・ザ・ロックス、ダブル」とバーテンダーに注文する。仕事をバリバリこなす気鋭のキャスター、といった性格が・浮き彫りにされ、印象に残った。アメリカでこの語が生まれたのは、1946年といわれる。日本で、このオン・ザ・ロックスという飲み方が知られるようになったのは、1953年ごろからである。