WHiSKY on the Web ウイスキーあれこれ辞典 > ウイスキーの用語集
 
ハート
ウイスキー蒸溜に関してハートという場合、ポット・スチルから溜出してくる液体の最初の部分(ヘッド)と、最後の部分(テイル)を取り除いた”中溜部分”のことをいう。ウイスキーの場合、ポット・スチルで2回蒸溜を繰り返すのが一般的だが、2回目の蒸溜のハートの部分のみが樽熟成に振り向けられる。
次々と溜出してくる液体のどの部分までをヘッドとして分離し、どの部分からハートとして受け入れるかは、熟練した蒸溜技術者のハンドル操作ひとつにかかっている。ハートのことは、ミドル・カットともいう。
バーボン・ウイスキー
とうもろこしを主原料にしたアメリカのウイスキー。ケンタッキー州バーボン郡で生まれたところから、この名がついた。日本でよく飲まれているストレート・バーボン・ウイスキーは、とうもろこしを51%以上使用し、麦芽で糖化、発酵させてから、連続式蒸溜機でアルコール分80度以下で蒸溜し、さらに内面を焦がしたホワイト・オークの新樽で最低2年以上熟成させたものをいう。世界のウイスキーのなかで、最も強い個性をもっており、色が濃く、華やかで厚味のある風味が特徴。
ハイボール
ウイスキーのソーダ割りのこと。語源は諸説あるが、有力なのは次の2つ。ある日、スコットランドのゴルフ場で、ウイスキーのソーダ割りを飲んでいた人のところに、高々と打ちあげられたゴルフ・ボールが飛び込んできたから、というのが1つ。また、19世紀のアメリカの鉄道は、高い鉄塔に気球を吊し、それを信号係が上に高く掲げるとGOのしるしになった。セントルイスの信号係にウイスキーのソーダ割りが好きな人物がいて飲むたびに”ハイ・ボール”といったところから、この名がついたとか。その他、ソーダから上昇する泡をボールに見立てて、ハイボールと呼んだという説もある。
ハイボールをおいしく飲むためには、混ぜる回数を2回ぐらいにとどめること。何回も混ぜると、炭酸ガスが逃げてしまい、せっかくの爽やかな味わいが台無しになる。
ジンなどのお酒を、ソーダ等で割った飲みものについてさす場合もある。
ハイランド
スコットランド北部の土地をさし、スコットランドのモルト・ウイスキーの代表的な産地として知られている。地図の上ではグリーノックとスターリング、パースを結ぶ線の北側をいう。ここでつくられるハイランド・モルトは、香り立ちが良く、豊かなコクをもっているのが特徴。
ばくが
英語でモルト。発芽した麦のことで、ウイスキーやビールの最も重要な原料。麦を水に浸漬し、発芽槽で温度をコントロールしながら発芽を行い、理想的な発芽状態になったら、火力で乾燥させて発芽をとめる。これが麦芽。この麦芽を粉砕し、温水を加えると、芽のなかに生成した糖化酵素の働きによって、麦芽中のデンプンが糖分に変化する。これがマッシュであり、濾過した液が麦汁である。麦汁に酵母を加えると、アルコール発酵がはじまる。こうした麦汁だけでつくられる酒が、モルト・ウイスキーであり、また麦芽100%のビール「モルツ」である。
はくしゅうじょうりゅうじょ
山梨県北巨摩郡白州町にあるサントリーのモルト・ウイスキー蒸溜所。南アルプス甲斐駒ヶ岳のふもと、清澄な空気と緑濃い山峡に包まれ、花崗岩層を通って湧く良質の水と、熟成に適した気候条件に恵まれている。ウイスキーは、この理想的な自然環境のなかで、じっくり発酵、蒸溜、熟成される。
はっこう
酒類では、アルコール発酵をさす。酵母のもつ酵素の働きにより、糖類が分解されて、アルコールと炭酸ガスを生じる現象。ウイスキーの場合、糖化した麦汁に酵母を加えると、アルコール度数7〜8度の発酵液が生まれる。発酵のことを英語ではウオッシュと呼ぶ。
ピート
スコットランド北部の湿地で産する泥炭。この地方特有の植物ヒースと水性植物などが部分的に炭化したもの。これを燃やして麦芽を乾燥させると、特有の香り(スモーキー.フレーバー)がウイスキーにつく。世界の有名産地のウイスキーのなかで、麦芽の乾燥にこのピートを使用しているのは、スコッチ・ウイスキーとジャパニーズ・ウイスキーが代表的なものだが、サントリー・ウイスキーの場合、スモーキー・フレーバーをおさえ、日本人の嗜好に合った独自の風味をつくり上げている。
ピュア・モルト・ウイスキー
モルト・ウイスキー100%のウイスキー。アンブレンデッド・モルト・ウイスキーと表記されることもある。2ヵ所以上の蒸溜所のモルト・ウイスキーを混合したヴァッテッド・モルト・ウイスキーと、単1蒸溜所でつくられるシングル・モルト・ウイスキーがある。
ブートレガー
アメリカの禁酒法時代の”酒密造人”のこと。フラスク入りのウイスキーやジンを、ブーツにかくして持ち歩いたところからきている。現在、アメリカでは”非合法の品”を指すようになっている。例えば、「×u215 国警察は、有名歌手の海賊盤ブートレッグCD1000枚を非合法販売で摘発した」というように。
フィンガー
タンブラーに注がれたウイスキーの分量を表わす便宜的な単位。シングルの量をタンブラーに注ぐと、横にした指一本分の深さ、ダブルは2本分の深さになる。そこで、ワン・フィンガー、ツー・フィンガーという言い方が用いられるようになった。もともとは、イギリスで1400年代あたりから用いられるようになった原始的な目安測定法で、指一本分の幅は、約3/4インチ(約1.9cm)と目されてきた。その幅を、タンブラーの中のウイスキーの深さに転用した用語である。
プルーフ
酒のアルコール濃度を表わす単位のひとつ。日本では溶量率(%、度)で表示しているが、アメリカやイギリスでは日本と異なり、プルーフという単位を用いる。アメリカン・プルーフは溶量率を2倍したもの(アルコール濃度40度=アメリカン・プルーフ80となる)。イギリスの場合は、ブリティッシュ・プルーフと呼び説明は複雑になるが、プルーフ数に0.571を掛けると、アルコール濃度が算出できる。つまり、70ブリティッシュ・プルーフは約40度となる。
ブレンダー
ウイスキーのブレンド技術者。樽ごとに個性の異なるモルト・ウイスキーを利き分け、これをバランスよく組み合わせたり(ヴァッティング)、モルト・ウイスキーにグレーン・ウイスキーをバランスよく配合(ブレンディング)するのを決めるなど、製品化の要の位置にいる人。専門の訓練を受け、研ぎ澄まされた味覚と嗅覚が求められる。ブレンダーの長をチーフ・ブレンダー、最高責任者をマスター・ブレンダーと呼ぶ。
ブレンデッド・ウイスキー
スコットランドと日本の場合は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーのこと。樽ごとに異なった個性のモルトウイスキー同士を組み合わせ、さらにグレーンウイスキーをブレンドしてバランスのとれた風味に仕上げたもの。こうしたブレンドが生まれたのは、1853年のこと。エディンバラ市のアンドルー・アッシャーが、「アッシャーズ・オールド・ヴァッテッド・グレンリヴェット」(略称「アッシャーズOVG」)を発売したのが最初である。その後1860年にモルトとグレーンをブレンドしたブレンドデッドウイスキーが生まれた。現在ではこのブレンデッドウイスキーが世界の主流になっている。
ポティーン
アイルランドで、密造ウイスキーを指した言葉。現地では、ゲール語を使い、poitinと表記してポティーンと発音する。それを英語式に表記したのが右の見出し語。現地でこうしたポティーンという言葉が用いられるようになったのは、19世紀初頭から。もともと、poitinとは、”小さなポット”の意。この場合のポットは、ポット・スチル(単式蒸溜機)を指す。それが、次第にその小型蒸溜機から溜出してくる液体を指すようになり、大麦を蒸溜したものは、ウシュク・ポティーンuisge poitinと呼ぶようになった。のち、ウイスキーへの課税が厳しくなると、非合法なウイスキーを指す語として用いられるようになった。
ボトル
瓶。英語のボトルの語源は、古代ラテン語で”容器”を意味するブッティスbuttisにある。これが、中世ラテン語でブッティクラbutticulaになり、古代フランス語でブテーユbouteilleとなり、イギリスに伝わってボトルになったということである。ウイスキーをボトル詰めで発売した先覚者は、スコッチ・ウイスキー「ホワイト・ラベル」の創始者ジョン・デュワーで、1850年代のことである。1960年代には、それまで樽売りしか認めていなかったイングランドで、瓶詰めのウイスキーが法的に許可された。これ以後、ロンドンに瓶詰めのスコッチが普及するようになった。だが、イギリス全土で瓶詰めのウイスキーが樽売りウイスキーより優位に立つようになったのは、1917年以降のこととされている。
日本における本格ウイスキー第1号「サントリー白札」の発売は、昭和4年(1929年)のことだが、これははじめから瓶詰めで発売された。
ボトルド・イン・ボンド
アメリカのストレート・ウイスキーのうち、熟成4年以上、アルコール度数50度で瓶詰めされたものは、ボトルド・イン・ボンド、またはボンデッドとラベル表記できる。ただし、1蒸溜所(シングル・ディスティラリー)だけの原酒であり、それも1年(シングル・イヤー)の1季節(シングル・シーズン)に蒸溜されたものだけを樽詰めし、政府監督の保税倉庫で熟成したもの、という条件がある。1897年発令のボトルド・イン・ボンド法という連邦法に基づくもので、ストレート・バーボン、ストレート・ライなど各タイプのストレート・ウイスキーに適用される。代表的銘柄に「オールド・フォレスター・ボンデッド」がある。
ホワイト・オーク
ウイスキーなどの貯蔵のために使われる樽材。北米、フランスなどが主産地。非常に固く液体を通しにくい材質で、長い貯蔵期間が必要なウイスキーやブランデーの樽に最適。樹齢100年以上の柾目の通った良質のものだけが厳選される。
Q&A
わ
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さ
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