ライ麦を主原料にしてつくるウイスキー。アメリカのストレート・ライ・ウイスキーは原料となる穀類の51%以上がライ麦で、アルコール分40%以上、80%以下で蒸溜し、内側を焦がしたホワイト・オークの新樽で2年以上貯蔵する。アメリカ初期のウイスキーはこれだったといわれ、初代大統領ジョージ・ワシントンも若い頃、バージニア州マウント・バーノンの自分の農場でつくって売っていたという話も残っている。
グレーン・ウイスキーやスピリッツを連続的に蒸溜する装置。数十段の棚をもつ塔を使用し、1回の蒸溜中に棚ごと精溜を繰り返し、アルコール濃度の高い液を連続的に溜出する。その原型となるものは、1826年、スコットランドのロバート・スタインによって開発された丸型のもの。1831年、アイルランドのイーニアス・コフィーがそれを改良して、2塔から成る蒸溜機で特許(パテント)をとったため、それはパテント・スチルと呼ばれた。その後、歴史的な技術の発展により、さまざまな連続式蒸溜機が生まれ、数塔を併立使用するまでになっている。アメリカでカラム(塔式)・スチルと呼ばれているのもその一種。現在では、これらの連続式蒸溜機を総称する英語として、コンティニュアス・スチルが一般に用いられている。
スコットランドで、グリーノックとスターリング、パースを結ぶ線の南側の地域をいう。このあたりは産業革命の中心地で、個性おだやかなモルト・ウイスキーの他、生産性、経済性にすぐれたグレーン・ウイスキーを主に製造している。これに対し、北側の山地をハイランドという。