サントリーホールの正面にすえられた楽器、オルガン。その歴史ははるか紀元前にまでさかのぼります。古代ローマでは円形闘技で大きな音をとどろかせて競技を盛り上げ、ヨーロッパの長い歴史のなかでは、教会を、神への信仰と賛美の輝きで満たしました。そして今、オルガンは、オーケストラに比肩する豊かな響きでコンサートホールに集う人々の心を魅了しています。たった一台のオーケストラとまでいわれるオルガンの響きはどのようにして生まれるのでしょうか。楽器の「表側」とふだんは目にすることのできない「裏側」までのぞいて、そのしくみをご紹介します。また、「オルガンの名曲たち」では、時代別に作曲家と作品をご紹介します。
オルガンにはピアノのように鍵盤があります。でもその音の出る基本は、子供の頃に吹いたことのあるリコーダー(縦笛)などの管楽器と同じ原理。オルガンの表側に輝いているパイプは裏側にも並んでいて、それらに空気が送り込まれて音が生まれるのです。ただ、パイプにはリコーダーのような穴はないので、ひとつの高さの音しか出すことはできません。サントリーホールのオルガンには全部で5898本ものパイプがあり、それぞれがひとつの音の高さ、ひとつの音色をもち、鍵盤が押されると裏側にある風箱から特定のパイプに空気が送り込まれて音を発するのです。
メーカー | リーガー社/オーストリア |
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演奏台 | 2台 (組込式、移動式)4段手鍵盤、 足鍵盤 |
ストップ数 | 74 |
パイプ数 | 5898本 |