サントリーホールのオルガンは、4段の手鍵盤(マニュアル)と足鍵盤(ペダル)を備えています。それぞれの鍵盤は、独立した風箱とパイプ列に連結されていて、それぞれが、ひとつの完結したオルガンとみなせますから「5つのオルガンから構成されている」ともいえます。
写真はコンソール(演奏台)。手鍵盤の左右にある丸いノブはストップ(レジスター)で、それぞれ、特定のパイプ群を発音可能にします。このストップによって、さまざまな材質、形状のパイプを組み合わせて演奏することにより、柔らかい弱音から、華麗で強烈な音までを響かせることができるのです。
演奏に際しては、オルガニストは両手で手鍵盤を、両足で足鍵盤を弾きます。また、必要に応じて、演奏中に素早くストップを操作することもあります。そのための補助装置として、ストップの組み合わせをプログラムしてあらかじめ記憶させ、スイッチあるいはピストンで呼び出す電子的な制御機構が開発され、サントリーホールのオルガンにも採用されています。現在のコンサートでは、ストップ操作を助手に任せることも広く行われています。