アメリカ東海岸北東部の名門私立8大学によって構成されているIVYリーグについて前回エッセイで触れた。それぞれの大学のスクール・カクテルというものがあり、そのなかのひとつ「ハーバード・クーラー」を登場させたが、今回は「ハーバード・カクテル」と「ブラウン・カクテル」のふたつをご紹介しよう。
まずIVYリーグを構成する大学(創立年順/所在地)。
ハーバード大学 /1636年創立/マサチューセッツ州ケンブリッジ
イェール大学 /1701年創立/コネチカット州ニューヘイブン
ペンシルベニア大学 /1740年創立/ペンシルベニア州フィラデルフィア
プリンストン大学 /1746年創立/ニュージャージー州プリンストン
コロンビア大学 /1754年創立/ニューヨーク州ニューヨーク
ブラウン大学 /1764年創立/ロードアイランド州プロビデンス
ダートマス大学 /1769年創立/ニューハンプシャー州ハノーバー
コーネル大学 /1865年創立/ニューヨーク州イサカ
歴史ある大学ばかりで、ハーバード大学は全米最古の大学であり、またほとんどの大学が独立戦争前から植民地高等教育に貢献していた。唯一、コーネル大学だけが南北戦争後の創立である。
8大学とも全米トップクラスの超難関校として知られ、また伝統的に東海岸の富裕層の集まるエリート校、といった見方もされている。これまで大統領をはじめ、政財界はもちろん学術、法曹といった各界をリードする人材を数多く輩出してきた。
さて、IVYリーグはどのように結成されたのか。まず1852年にハーバード大学とイェール大学のボート部が試合をした。そして20世紀に突入する前後には大学間でのスポーツを通じての交流がかなり盛んになっていたようだ。対抗戦がおこなわれる度に一般市民の注目が集まるようにもなった。
リーグ名は、これらの大学のレンガ造りの古い校舎が蔦(ツタ/Ivy)に覆われていたことからIVYリーグと呼ばれるようになったといわれている。名前だけが先行していたのだが、正式に8校で構成するカレッジスポーツ連盟IVYリーグが発足したのは遅く、1954年のことになる。
日本の還暦を過ぎた方たち、とくに団塊の世代の方たちにとってIVYというワードは青春につながる響きがあるはずだ。
1960年代半ばから1970年代半ば頃までアイビールックと呼ばれるファッションスタイルが日本の若者の間で大流行した。IVYリーグの学生たちによく見られた三つボタンのブレザー、ボタンダウンシャツあるいはポロシャツ、コットンパンツ、ローファーの靴を基調としたスタイルである。コートはキャメルのステンカラーだった。