マスカット(モスカート)

Muscat(Moscato)

アロマティック系を代表する古代品種

【栽培面積】

マスカットはいわゆる「ムスク(麝香)」の香りを持つぶどうの総称で、実は非常に多くの品種を含んだ一大グループです(白だけでなく、ピンクの皮や黒い皮のものもあります)。醸造用だけではなく、生食用としても世界中で広く栽培されている一群です。

【その他の呼び名】

フランスではミュスカ、イタリアではモスカートやモスカテッロ、スペインやポルトガル語圏ではモスカテル、ドイツ語圏ではムスカテラー、ハンガリーではムシュコターイなどなど、沢山の別名を持つぶどうです。

ぶどうの写真
味わいのチャート

【ぶどうの特徴】

ワインになる基本のマスカットはフランスで「ミュスカ・ブラン・プティ・グラン」、イタリアでは「モスカート・ビアンコ」と呼ばれる粒の小さなものです。

【味わいの特徴】

フレッシュでアロマティックなマスカットの香りが命のぶどうです。他のぶどうと比較すると、甘口のワインにする事が多く、マスカットそのものを頬張るようなフルーティーな味わいと甘さが魅力です。辛口タイプのものは、オレンジの花のアロマとほのかに青いタッチを持つ、より爽やかな味わいになります。

アロマ
  • マスカット
  • オレンジリキュール
  • みかんの花
  • はちみつ
  • 紅茶
  • オレンジ

【原産地】

古くから地中海世界で広く栽培された、とても古い品種です。原産地は特定されていませんが、ギリシャだという説が有力です。ミュスカ・ブラン・プティ・グランが最も古くから存在する品種で、マスカット・オブ・アレキサンドリアや黒い皮のマスカット・オブ・ハンブルグ(マスカット・ベーリーAの片親)などは、その子孫である事がわかっています。トロンテスもマスカット・オブ・アレキサンドリアの子供なので、マスカットのグループに属します。

【主な産地】

世界中で広く栽培されているぶどうです。辛口のタイプとして有名なのはフランスのアルザス地方。甘口タイプは地中海域全域で広く生産されています。スパークリングワインでは、イタリア・ピエモンテ地方のアスティが有名です。

【その他】

マスカットは酒精強化ワインの原料としても重要です。南フランスやスペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなどのヨーロッパ南部の暑いエリアで、広く酒精強化タイプのマスカットが生産されています。他にはオーストラリア・ヴィクトリア州ラザグレンの、濃密な酒精強化のマスカットも有名です。こちらはオレンジリキュールのタッチと濃厚な甘さを持つ力強い味わいになります。

【よく合う食材】

辛口のタイプは爽やかな緑の野菜、甘口のタイプはチーズやフルーツを使ったデザートがおすすめです。

【こういう時におすすめ】

・食前酒として ・そのものをデザートとして
・フルーツを使ったデザートに
・軽めのチーズに

『マスカット』のおすすめワイン

マスカット

Muscat

アロマティック系を代表する古代品種