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8/23(水)
19:00開始(18:20開場)ブルーローズ(小ホール)
オルガ・ノイヴィルトが、若い作曲家の室内楽作品をノイヴィルト目線で解析。
Olga Neuwirth × Toshio Hosokawa Talk Session
Workshop by Call for Scores
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月9日(火)10:00〜14日(日) |
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一般発売: | 5月15日(月)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。1公演につき、お一人様1枚限り。
テーマ作曲家 セット券
6,500円(限定50セット)
5月9日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※1回のお申込みにつき2セットまで。
8/24(木)
19:00開演(18:20開場)大ホール
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月9日(火)10:00〜14日(日) |
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一般発売: | 5月15日(月)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。1公演につき、お一人様1枚限り。
テーマ作曲家 セット券
6,500円(限定50セット)
5月9日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※1回のお申込みにつき2セットまで。
8/28(月)
19:00開演(18:20開場)ブルーローズ(小ホール)
※曲順が当初発表から変更になりました。
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月9日(火)10:00〜14日(日) |
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一般発売: | 5月15日(月)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。1公演につき、お一人様1枚限り。
テーマ作曲家 セット券
6,500円(限定50セット)
5月9日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※1回のお申込みにつき2セットまで。
「何の賭けにも出ず、みずからを越える一線を踏み出さないならば、退化してしまう。[…]何よりも重要なのは、恐れをなくすことだ」――オルガ・ノイヴィルトは、反骨精神とエネルギーに満ちたその音楽を通して、自身を取り巻く社会と制度をつねに批判し、さまざまな障壁を力強く突破してきた。
1968年8月4日、オーストリアのグラーツに生まれる。父ハラルトはジャズ・ピアニスト、伯父ゲスタは作曲家・音楽学者。ピアノとトランペットを習うが、交通事故で顎を負傷し、ジャズ・トランペット奏者としてのキャリアを諦める。伯父に作曲を学んだのち渡米。サン・フランシスコ音楽院でエリノア・アーマーに学び(86~87)、同地のアート・インスティチュートで絵画・映画を専攻。ウィーン 音楽大学でエーリッヒ・ウルバンナーに作曲、ディーター・カウフマン、ヴィルヘルム・ツォーブルに電子音楽を学ぶ(87~93)。個人的にアドリアーナ・ヘルツキー(88~89)、ルイジ・ノーノにも師事。パリのIRCAMではトリスタン・ミュライユに学んだ(93~94)。91年、エルフリーデ・イェリネクの台本によるミニ・オペラ『身体的変化』と『森』がウィーン祝祭週間で初演され、一躍注目を集める。2004年にノーベル文学賞を受けたこの同国人の作家とは、その後もたびたび共作している。1999年、ロンドン交響楽団の委嘱作『クリナメン/ノードゥス』がピエール・ブーレーズの指揮で初演され国際的名声を獲得、以後現代音楽界の第一線で活動を続けている。
王道のキャリアとは裏腹に、その音楽は保守性とはほど遠い。デビュー直後からエレクトロニクスを駆使し、短編映画の音楽、サウンド・インスタレーションなど分野横断的作品を発表。音の作りにおいても領域の横断を試み、器楽音と電子音のいずれとも判別しがたい、「両性具有的」とみずから形容する音を多用した。また師ノーノに通じる闘士的姿勢を顕わにし、女性作曲家に対する不公平な待遇をインタヴューで告発、2000年には極右のオーストリア自由党(FPÖ)の政権入りに抗議し、デモの先頭でマイクを握ってもいる。しかし創作では、過度の政治性や真摯さに陥ることなく、文化に高低はないという立場から、映画や文学、他の音楽ジャンルを養分としながら、聴き手に衝撃を与える表現を追求。その極端な例が、稀代の前衛的パフォーマーの歌唱を演奏会用音楽として再現した、カウンターテナーと室内オーケストラのための『クラウス・ノミへのオマージュ』(1998、2010改訂)だろう。ヴァレーズを範と仰ぐノイヴィルトが伝統的編成から引きだす音響もまた、聴く人に驚きを与えずにはおかない。ウィーン・フィルが初演した『旅/針のない時計』(13、15改訂)に溢れる、トランペットの音をオーケストラに拡張したかのような、眩いばかりの響きがその好例だ。
デビュー以来、オペラないしミュージック・シアターは創作の大きな柱をなしており、キャリアの形成に貢献している。映像の編集におけるモーフィングに想を得て、カウンターテナーから狼の遠吠えへの推移を連続的に処理した『小羊の饗宴』(1993、97~98改訂)、デイヴィッド・リンチの同名の映画にもとづき、映像と音楽を巧みに同時進行させた『ロスト・ハイウェイ』(2002/03)はともにイェリネクとの共作である。ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』を題材として、作家自身を登場させるといったユニークな発想を盛り込んだ『追放された者』(08~10、12改訂)、ベルクの『ルル』を、1950年代のニューオーリンズに生きる黒人女性を主人公として再構成した『アメリカン・ルル』(06~11)も注目された。だが最大の話題作は、ウィーン国立歌劇場が上演した初の女性作曲家によるオペラ、ヴァージニア・ウルフの同名の小説にもとづく『オルランド』(17~19)であり、プロダクションも川久保玲ら女性を中心としたメンバーが担当した。2018年には、自身ユダヤ系でありながら、1924年の無声映画『ユダヤ人のいない都市』の音楽を作曲している。
2021年よりウィーン音楽大学教授。22年、エルンスト・フォン・シーメンス音楽財団賞を受賞。作品はリコルディとブージー&ホークスから出版されている。
[平野貴俊]
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ここ20年ぐらいの間にヨーロッパの現代音楽祭(特にドイツ語圏のもの)は、「現代の音楽」というより、むしろ「アクチュアルな音楽」を特集するという方向に変化していったと思う。作品の書式(エクリチュール)の良く書けた作品が求められているのではなく、この今という時代にいかにアクチュアルに関わり、そこからまだ私たちが知らなかった音楽世界を強烈に見せてくれる作曲家が求められている。
そうした要求をもっとも見事に鮮烈な切れ味で見せてくれる作曲家が、オルガ・ノイヴィルトなのだ。様々な社会問題、政治、ジェンダー、人種差別、テクノロジー等の問題群を、彼女は優れた他分野のアーティストたちとの関わりのなかから見つけ出し、それを刺激的な「音楽」として生み出し続けて来た。
ノーベル賞作家イェリネク、映画監督リンチ等の関わりから生まれてくる音楽は、ポップ、ロック、ジャズ等を取り入れながら、クラシック音楽の境界を易々と乗り越えていく。
今回のサントリーホール委嘱作品は、ウィーン国立歌劇場での初めての女性作曲家への委嘱作品として話題になったオペラ『オルランド』を編集したもので、初演者のピンチャーの指揮で世界初演される。