8/21(日)
14:00開始(13:20開場)ブルーローズ(小ホール)
イザベル・ムンドリーが、若い作曲家の室内楽作品をクリニックします。
Part 1 Isabel Mundry×Toshio Hosokawa Talk Session
Part 2 Workshop by Call for Scores
後援:ドイツ連邦共和国大使館
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月10日(火)10:00〜16日(月) |
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一般発売: | 5月17日(火)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。お一人様1枚限り。
サマーフェスティバル全公演セット券 20,000円
5月10日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※限定50セット
※大ホールS席/ブルーローズ(小ホール)前方中央寄りの良席。
※1回のお申込みにつき1セットまで。
8/24(水)
19:00開演(18:20開場)ブルーローズ(小ホール)
後援:ドイツ連邦共和国大使館
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月10日(火)10:00〜16日(月) |
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一般発売: | 5月17日(火)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。お一人様1枚限り。
サマーフェスティバル全公演セット券 20,000円
5月10日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※限定50セット
※大ホールS席/ブルーローズ(小ホール)前方中央寄りの良席。
※1回のお申込みにつき1セットまで。
8/28(日)
15:00開演(14:20開場)大ホール
後援:ドイツ連邦共和国大使館
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売: | 5月10日(火)10:00〜16日(月) |
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一般発売: | 5月17日(火)10:00〜 |
※先行期間中は窓口での販売はございません。
※学生券はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。25歳以下、来場時に学生証提示要。お一人様1枚限り。
サマーフェスティバル全公演セット券 20,000円
5月10日(火)10:00〜 一般発売開始
チケット取り扱い: サントリーホールチケットセンター(電話・窓口)のみ
※限定50セット
※大ホールS席/ブルーローズ(小ホール)前方中央寄りの良席。
※1回のお申込みにつき1セットまで。
「作曲とは、区切り区切られる多層的な時間(長さに関わりなく)を、音というかたちでつかまえることである」―イザベル・ムンドリーは、視覚芸術や文学といった多様な分野に好奇心を向けることによって、20世紀後半から数々の作曲家が関心を寄せてきた音楽と時間・空間の関係を作品ごとに捉えなおし、聴くとは何か、音楽とは何かをめぐる思索を重ねてきた。ドイツ哲学の伝統を彷彿とさせる、その透徹した知性が生みだす音楽は、聴体験そのものの在り方を映しだす鏡のごとく、澄明で清冽な響きにあふれている。
1963年4月20日、ヘッセン州のシュルヒテルンに生まれ、まもなくベルリンに移ったムンドリーは、ピアノに続いて17歳で作曲を始めた。83年から91年までベルリン芸術大学で、フランク・ミヒャエル・バイヤーとゲスタ・ノイヴィルトに師事。85年からはベルリン工科大学電子音楽スタジオ、フランクフルト音楽・舞台芸術大学およびフライブルク音楽大学で、電子音楽を学んだ。ベルリン工科大学では音楽学をカール・ダールハウスに師事、芸術史、哲学の教養も蓄えた。SWR実験スタジオでの研修を経て、86~93年にベルリンのシュパンダウ教会音楽学校で音楽理論と分析を教え、91~93年にはベルリン芸術大学でも作曲と音楽分析を担当、91~94年にはフランクフルト音楽・舞台芸術大学でハンス・ツェンダーに師事した。「作品1」ともいうべき弦楽四重奏のための『11の線』(91~92)は、『線、線描画』(99/2004)、『線描画』(06)へと発展した。92~94年にはパリ国際芸術都市、次いでIRCAMの奨学金を得てパリに滞在、IRCAMで1年間の研修を受ける。94~96年にウィーンで活動したあと、96年にフランクフルト音楽・舞台芸術大学作曲科教授に就任。2004年にはチューリヒ芸術大学作曲科教授に就任し、翌05年にはベルリン・ドイツ・オペラで初演されたムジークテアーター『ひとつの息―オデュッセイア』が、『オペルンヴェルト』の年間最優秀初演作品に選ばれた。11年からミュンヘン音楽・演劇大学教授を務める。
近年では時間・空間にとどまらず、歴史、自己と他者、身体といったさまざまな概念に着目し、それらをめぐる思考を音楽化している。たとえば、デュファイの音楽の響きのみならず、その創作原理をも再構成しようとした『デュファイ編曲集』(03~04)、西田幾多郎の同名の論考に触発されて作曲されたピアノ協奏曲『私と汝』(08)、「想像上の舞踊」として構想された管弦楽のための連作『モーションズ//二重の眼差しI-VII』(14/18)などである。
注目すべきは、こうした理知的なアプローチが、他分野における出会いや巡り合わせをつねに源としていること、具体と抽象の間の往還がそのまま作品へと結実していることである。多和田葉子に詩を依頼した『顔』(1997)、南禅寺の庭園から受けた感銘に由来する『時の名残り』(2000)、パチンコ台を楽器として用い、旅行者用レビューサイトの引用をテクストに含む『イム・ファル』(17)などに、ムンドリーの柔軟な発想が表れている。
1997年に秋吉台国際20世紀音楽セミナー&フェスティバルに招かれて以降、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習など世界各国のセミナーで教え、エルンスト・フォン・シーメンス音楽財団奨励賞(2001)、ハイデルベルク女性芸術家賞(11)など数多の賞を得る。ルツェルン音楽祭(03)、マンハイム国立劇場(04)、シュターツカペレ・ドレスデン(07、同楽団では初)のコンポーザー・イン・レジデンスに選任された。20年に予定されていた、SWRシュヴェツィンゲン音楽祭でのムジークテアーター『ジャングルにて』の世界初演は、コロナ禍により23年5月に延期された。作品はすべてブライトコプフ&ヘルテルから出版されている。
[平野貴俊]
※下線つきの氏名・団体名をクリックすると、
プロフィールがご覧いただけます。
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およそ2年前から、世界は新型コロナウイルスのせいで思いもよらぬ停滞状態に陥っています。そして今年の春、ヨーロッパでは新たな戦争が勃発しました。こうした出来事を通し、私たちの日常生活やものの見方は根底から覆され、変化を余儀なくされています。変化は今なお続き、私自身の音楽や芸術の捉え方にも影響を与えています。実際のところ、まだこの文章を書くには早すぎるのです。何かを物語るためには、そこから距離をとる必要があります。ところがこの2年来、私の心に刻まれている感情のひとつは「距離感の喪失」です。世界が大きな災害に揺らいでいるとき、人は一体どこに退避すればよいのでしょうか?
それでもなお私は音楽を書き続けています。作曲という行為が退避を意味するのか、あるいはその真逆の意味を持つのか、わかりません。おそらくこの二つの間を行ったり来たりしているのです。私が退避するのは、音楽という媒体において自分自身の知覚を開放するためでもあります。
コロナ危機以前から私は、音楽の形式や表現形態に関心を持っていました。口承文化では、音楽は楽譜に書き記すことからではなく、記憶と継承の営みから生まれます。日本の伝統音楽はその一例であり、私自身の文化的背景ではグレゴリオ聖歌がそれにあたります。偶然にも最近、雅楽の録音を聴く機会に恵まれました。太鼓の一打、管楽器の一呼吸、笙の音の連綿たる無限。すべてがつながって弧を描いているさまに、深い感動を覚えました。以来、私はもっぱら雅楽を聴いています。相反するものすべてを受け入れる音楽です。痛みと慰めが渾然一体となって聞こえてくる、これこそが自分にとっての現在(いま)の音楽です。一定のフォルムで構成されていながら、常にその時その瞬間に開かれているという点に魅了されます。あらゆるものを受容し取り込みながら、独自性を保っているのです。
この2年間、こうした音楽に匹敵する形式を自分自身の作曲においても発展させようと、懸命に取り組みを重ねてきました。私が探求し続けているのは、多方向の揺れを敏感に察知する地震計のごとく、広く開かれた知覚を備えた音楽です。
[イザベル・ムンドリー]
現在、ヨーロッパでは、現代音楽シーンでの女性作曲家の活躍が目覚しい。カイヤ・サーリアホ、ウンスク・チン、オルガ・ノイヴィルト、レベッカ・サンダース等、個性的で豊かな想像力に恵まれた作曲家たちが、新しい音楽の地平を切り開いている。そうした中で、イザベル・ムンドリーはドイツの中堅世代のもっとも重要な作曲家の一人である。清潔で高いエクリチュール、毎回新しいものに挑戦する芸術家としての真摯な姿勢、知性の豊かさ。そして優れた作曲教師として若い作曲家への目配り。かつてこのサントリーの国際作曲委嘱シリーズで、ラッヘンマンが選んだ希望のある若い作曲家が、イザベルだった。ドイツのプロテスタントの良家に育った美しいイザベルと対話することは、私にとっても毎回貴重な体験である。
イザベルは1963年生まれで、ドイツの極めて強い影響力を持っているラッヘンマン、リームのような作曲家たちの次の世代の作曲家だ。ラッヘンマン、リームのスタイルを模倣すれば、すぐにその出どころがわかってしまう。その強い影響を受けながらも、それとは異なった独自の音楽スタイルをどのように見つけていくか。イザベルはフランスの音楽、特にブーレーズたちの音楽の影響をも受けながら、独自な時間論を展開しながら、極めて精緻な音楽構造を持つ音楽を書き続けてきた。
そして日本文化への強い関心と愛情。日本庭園をテーマにした作品もいくつかあり、現在は芥川龍之介の台本で、シュヴェッツィンゲン音楽祭のための新作オペラも用意している。小津安二郎、谷崎、井上靖の大ファンでもある。
今回、サントリーホール委嘱でヴィオラ界のホープ、ニルス・メンケマイヤーへのヴィオラ協奏曲を作曲してくれる。彼女の愛する日本での世界初演を、心から期待し、楽しみにしている。
1989年からサマーフェスティバルにずっと通い続けているという音楽評論家の沼野雄司さんに今年の聴きどころをご紹介いただくとともに、このフェスに出演されてきた演奏家のお二人に、フェスの魅力や現代音楽を演奏する面白さについて伺いました。
成田達輝と神田佳子が誘う
サントリーホール サマーフェスティバル
~現代音楽のススメ(文・沼野雄司)