水を上手に使い、
美味しいものが作れます

“水”の性質を活用した新規技術の開発

私たちの扱う植物原料には、水に溶けやすく従来の方法で利用してきた成分の他に、水に溶けにくいためにうまく利用できなかった成分があります。そこで私たちは、水の魅力を最大限に活かし、その化学的性質を利用して何かできないかと日々研究に取り組んできた中で、水に溶けにくい成分をうまく引き出し、利用することに成功しました。

水は、よく知られている氷(固体)、水(液体)、水蒸気(気体)のような三つの性質の他に、臨界点(374℃、218気圧)を超えた超臨界状態に存在する液体でも気体でもない両方の特徴をもった流体である超臨界水があることが知られています。この超臨界水は、非常に高い反応性を持ち、また誘電率(電気の通りやすさ)が極端に低下するなど、水の性質が大きく変化します。つまりこのような水の性質を利用することによって、通常水に溶けにくい成分を溶かすことができるようになります。

研究によって、原料の中の溶けにくい部分から、従来は引き出すことのできなかったコクやうまみ成分を効果的に引き出すことができる技術を開発しました。これがHHS(高温高圧水利用)技術です。水を高温高圧にすることで、高い反応性を持った高密度のガスとして利用します。この水は、浸透性が非常に高く、原料の中に一気に入り込んでいきます。この効果で中の成分を容易に取り出すことができるようになります。

私たちは麦芽やコーヒーをはじめ様々な植物原料にも、このHHS技術を活用し、魅力的な新商品の開発に役立てています。

麦芽を加工するHHS技術の試験設備の写真
HHSの領域の図
HHS技術の特徴の図

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