天然水の森 阿蘇
この森は、「サントリー九州熊本工場」の水源涵養エリアに位置しています。
「天然水の森 阿蘇」の取り組み
自然にやさしい作業道づくり
間伐などが行われず整備遅れとなっている人工林が全国に広がっています。この森にも、活動開始前に整備遅れとなっていた人工林がありました。そのような森林を整備するためには、まず作業道づくりから始める必要があります。
「天然水の森」では、作業道づくりの際にも、自然にやさしく、丈夫で長持ちするような方法をとっています。
この活動に携わる専門家
岡橋 清元
清光林業(株)会長
田邊 由喜男
森杜産業 代表
サシバ(タカの仲間)の狩場づくり
森の生態ピラミッドの頂点に位置しているサシバなどの猛禽類は、草木がうっそうと生い茂った森で狩りをすることができません。そこで、この森の谷筋に近い場所のスギ林を調査したうえで、強めの間伐を実施し、狩りをしやすい環境を整えました。
この活動に携わる専門家
伊藤 哲
宮崎大学 教授
山﨑 亨
アジア猛禽類ネットワーク 会長
合同会社MORISHO
支援プロジェクト」の活動を見る
伐採した木の有効活用(育林材)
豊かな森を育んでいくためには、木を伐ることも必要です。サントリーでは、「天然水の森」の活動で伐採した木を「育林材(いくりんざい)」と名付け、器や家具、建物の床などに利活用しています。
この森で伐り出された「育林材」(スラッシュ松)は、カリモク家具とのコラボレーションによって家具となり、熊本県益城町役場の展望ロビーに置かれています。
伐採した木の有効活用(育林材)について見る
子どもたちの自然体験教育の場として
調査や研究・整備活動を行うだけでなく、子どもたちに森や水の大切さを伝える水育(みずいく)「森と水の学校」の教室としてもこの森を活用しています。子どもたちは、実際に森に入り、木や葉に触れたり、生き物を探したり、自然の中でさまざまな体験をします。
地元の皆さんと取り組む 「冬水田んぼ」
地下水を育むのは森だけではありません。「サントリー九州熊本工場」の水源涵養エリアにあたる益城町の水田で、2010年から地元農家の皆さんのご協力を仰ぎながら「冬水田んぼ」を実施しています。
「冬水田んぼ」とは休耕する冬の時期に水田に水を張る農法で、土壌と生態系を豊かにすることで知られていますが、水が地下に浸透することによる効率的な水源涵養としても、その効果が期待されています。
また、九州大学の監修のもと、地元の子どもたちと田んぼの生き物調査を実施するなど、地域に根ざした活動も行っています。
熊本地震・冬水田んぼの復旧
2016年4月の熊本地震によって、「冬水田んぼ」を実施している水田も地割れなどの被害にあいました。そこで、熊本地震の震災復興プロジェクト「サントリー水の国くまもと応援プロジェクト」の一環として、被災した水田の復旧工事を行いました。
目標は翌年2017年6月に田植えができるようにすること。2017年1月に「冬水田んぼ」を実施している水田と、隣接する水田の復旧工事に着手し、地割れによる漏水対策や水田傾斜の補正、畦や用水路の補修などを行いました。
復旧作業は2017年5月に完了し、6月には無事に田植えを行うことができました。その後も、地元の子どもたちとの「田んぼの生き物調査」や、農家の皆さんと「有機栽培」にも取り組んでいます。
この活動に携わる専門家
島谷 幸宏
熊本県立大学 特別教授
久保 幹
立命館大学 教授
鹿野 雄一
九州大学 特任准教授
「天然水の森 阿蘇」に関わりのある製品
「サントリー天然水〈阿蘇〉」をはじめ、サントリーの清涼飲料やビール類には、「天然水の森 阿蘇」で育まれた良質な地下水(=天然水)が使われています。自然の恵みをそのままに、おいしさと安全性にこだわった製品をお届けしています。
「サントリー天然水」のこだわりを見る
森の概要
協定地の詳細情報
- 所在地
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熊本県上益城郡山都町大矢野原
熊本県阿蘇郡西原村河原
- 面積
- 約102ha
- 契約年月
- 2003年2月
- 契約期間
- 60年
林野庁の「法人の森林(もり)」制度を活用。「天然水の森」活動の第一号になった森。
- 所在地
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熊本県上益城郡益城町下陣
熊本県阿蘇郡西原村鳥子
- 面積
- 約170ha
- 協定年月
- 2010年7月
- 協定期間
- 5年(数十年にわたって更新予定)
林野庁の「社会貢献の森」協定制度を利用。
- 所在地
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熊本県上益城郡益城町下陣
熊本県阿蘇郡西原村河原
- 面積
- 約148ha
- 協定年月
- 2015年8月
- 協定期間
- 30年
熊本県が推進する「熊本県企業・法人等との協働の森づくり」制度を活用。