DRINK&FOOD
23.04.26
様々なフィールドで活躍するサントリーの社員=サントリアンにスポットを当て、「挑戦」をテーマにインタビューしていく特集企画。第1回目は、自他ともに認める自販機LOVERであるサントリー食品インターナショナル株式会社 VMマーケティング部の森 新さん。数々のヒット自販機を世に放ってきた森さんの、次なるミッションとは――。
サントリーの自販機事業において、新サービス開発の中心メンバーとして第一線を走り続ける森さん。 サントリアンのひとりとして、「自販機の価値を再定義し、新しい付加価値を見出すこと」が使命だと、自身のプロジェクトについて熱く語っていただきました。
森さん:自販機は、単に飲料をお売りするだけの「箱」ではなく、消費者にとって、いちばん身近でもっとも優れた「小売店」のひとつです。自販機は日本中に広く普及し、細やかな流通経路が整えられた社会インフラとして機能しています。
一方で、この20年ほどは自販機自体には大きな進化や差分がない状態が続き、他社との差別化が難しくなってきているのも事実です。そんな自販機で、世界を驚かすような新サービスを生み出し、自販機のすばらしさを再発信していくこと――それが私が自分に課しているミッションです。
自販機について語り出すと止まらない森さんは、「自販機事業こそがサントリーの“元気印”でありたい」と、自販機事業での野望を語ります。
森さん:自販機事業は、メーカーから流通、自販機を経てお客様に届くまで、ものすごくバリューチェーンが長い仕事。川上から川下まで、これほどまでに長く商品に携われる業態は、他業種にもなかなかないと思っています。
グループ会社を含め、携わっている人数という点でもサントリーで最大規模の事業で、まさに「団体戦」だと思っています。
全員が一丸となって自販機事業を元気にすることで、サントリーという会社はさらに明るくなりますし、ひいては日本全体を笑顔にするポテンシャルすら秘めていると思っています。個人的な野望としても、サントリーの自販機を世界に発信していきたいという思いは強いですね。
世界にも通用しうる、自販機の強みとはどんなところでしょうか。
森さん:1日あたりの売り上げがほかの小売店に比べて遥かに少なくても成立するという点は、自販機の強みのひとつです。
有人の小売店を一店経営するためには、人件費、テナント料、光熱費も含めて多額のコストがかかり、一店舗あたりある程度の売上がなければ成立しません。一方で、自販機は1日数千円の売り上げがあればお客様に寄り添い続けることができる「奇跡の小売店」なんです。
いろんな場所に出店ができ、かつお客様に寄り添った店舗形態にカスタマイズもできる。自販機はお客様のラストワンマイルまで近づける小売店だからこそ、いろんな売り方や戦略ができるのが、おもしろいですね。
森さんの自販機愛の源泉となっているのは、幼少期の自販機との出会いにあります。
森さん:ぼくは実家に水道が通っていなかったぐらい「ド」がつくほどの田舎町出身です。近所に気軽に買い物をできるお店はなく、思い返せば自分が買い物をする体験とか喜びを教えてくれたのは自販機だったんです。
おじいちゃんにお小遣いをもらい、自販機でジュースを2本買って、1本はおじいちゃんにあげて、お釣りはちゃんと返す――そんな、買い物の原体験が、自販機への思いを支えてくれているのかなと思います。
そんな森さんですが、新卒で配属されたのは小売店への営業部門でした。自販機事業に携わるための道筋は、森さん自身で切り拓いていったそうです。
森さん:自販機事業の部署に異動希望を出したり、新規のアイディアを考えては部署を超えて相談をしに行ったりしていましたが、すぐにはその希望は叶いませんでした。
そこで社内の公募制度を活用し、自ら手を挙げることで、念願叶って自販機事業の部署へ異動となりました。
やりたいことができる環境をただ待つのではなく、自分から掴みにいくことがやはり大切だと感じましたね。それを実現させてくれるのもサントリーの特徴なのかもしれません。
森さんの自信作「社長のおごり自販機」。社員証をかざしてから10秒以内に商品を決めなければならないという工夫が会話のフックに
森さんの自販機愛は止まることを知らず、今では50m離れたところからでもどのメーカーの自販機が判別できるほど。自販機の事業部に配属されて以降、森さんは「DAKARA給水所」「社長のおごり自販機」「ボスマート」など、新しい自販機を世に放ってきました。
森さん:どの自販機も、ぼくにとっては愛しい子どもたちです。でも、特に思い入れが強いのは「社長のおごり自販機」。社員ふたりが社員証を同時にかざすことで、それぞれ1本ずつ飲み物が無料でもらえる(会社負担)という法人向けのサービスです。
単なる福利厚生の一環に留まらず、社内のコミュニケーションの活性化を図ることができるのが最大の特長ですね。ただ飲み物をお売りする箱というだけではなく、「自販機はコミュニケーションを生み出せる装置だ」という、価値の再定義を示すことができた自信作となりました。
「挑戦するサントリアン」は、プライベートの過ごし方も特徴的。森さんの趣味はスノーボードで、競技大会に出場してベスト8に入るほどの腕前というから驚きです。
森さん: サントリーでは年次有給休暇取得を促進していて、原則年間16日以上休むということを推奨しているので、それを冬場の週末に集中して取得しています。
年次有給休暇活用とともに、勤務中は日々の業務効率化を徹底的に図ることで、結果として仕事も休暇も充実させることができる好循環が生まれていますね。
森さんは、会社の業務だけでなく、可処分時間を少しでも増やすための研究には余念がありません。そこで培われた能力で、本を出版するまでにいたったというから、森さんの「好き」への探究心は底知れません。
森さん:業務効率化についての講演をしたり、ショートカットキーを解説する本を出版したり、パソコンの使い方について動画配信をしたり、何かやってみたいと思ったらチャレンジしてしまうたちなんですよね(笑)。
ワークライフバランスの推進についても、サントリーは日本をリードしていく立場にあると考えていますが、楽しそうに働いている社員が実際にとても多いのが、サントリーの特長といえるかもしれませんね。
昨今は「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にするようになりましたが、それよりはるか昔から、サントリーはひとりひとりの個性を大切にする企業風土があるなと感じています。
個人でも事業を立ち上げている森さん。本の出版やYouTubeでの配信を行なっている
森さんの「挑戦」のフィールドでもある自販機事業。自販機業界全体としては縮小傾向にあるものの、その未来は明るいと確信していると言います。
森さん:自販機の総市場は、近年はどんどん右肩下がりになっていますが、自販機はまだまだ伸びしろが大きいチャネルだと私は思っています。
自販機市場をV字回復させるぐらいのインパクトがある新しいサービスや技術を作っていくことが私の責務だと思っています。
その点で、サントリーという会社はずっとシュリンクし続けていたウイスキー市場において、ハイボールを定着させてV字回復させたという成功体験を持っている会社。勝ち筋を見つけて、一丸となってみんなで取り組んでいければ、自販機という市場でも、もう一度あの体験ができるのではないかと信じています。
森さんがスマホにメモしたアイディア帳を見せてもらうと、新しいアイディアが数十ページわたって記録され、膨大なネタの宝庫となっていました。溢れ出るアイディアを携え、自販機の新たな可能性に思いを馳せる森さんの挑戦はまだまだ続いていきます。
森さん:サントリーの自販機で世界のお客様を驚かせるためには、飲料自販機の先進国であるこの日本でいちばんのシェアを獲得することは絶対条件。サントリーは常に挑戦を求められる企業で、社内では「次はどんな新しい自販機が生まれるの?」と聞かれることも多いです。
周りからの期待や注目が年々高まっているなと感じることもあり、ときにはそれがプレッシャーになることもあります(笑) ただ、それを超えていく楽しさがあるのは事実。まずは自販機のシェア日本一を目指して、これからも奮闘していきたいですね。
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サントリー食品インターナショナル株式会社
VMマーケティング部
森 新┃もり・あらた
1988年生まれ、高知県出身。北海道大学工学部を卒業後、2012年にサントリーフーズ株式会社に入社。関連会社への出向で小売店への営業に携わった後、サントリーフーズに戻り自販機のオペレーターへの営業を担当。サントリー食品インターナショナル株式会社の人事部への配属を経て、2019年、現在のVM事業本部に着任。「社長のおごり自販機」「ボスマート」などのアイディア自販機を次々と世に送り出し、自販機の持つ可能性を拡大し続けている。