日本発の
グローバル企業を実現する
人材育成と成長機会
サントリーグループは125年の歴史の中で「価値のフロンティアへの挑戦」を続け、
今日のグローバル食品酒類総合企業グループへと成長してきました。
「日本発のグローバル企業」として今後も一人ひとりに多様な成長機会を提供し続け、
世界中のお客様へ新しい価値をお届けしていきます。
事業の拡大と従業員の成長フィールドの拡がり
多様な事業・リージョン・機能がキャリアの選択肢
サントリーグループは、創業以来の洋酒事業を起点に、ビール・清涼飲料・健康食品・外食・花など、さまざまな分野に事業を拡大してきました。今日では、米州・欧州・アジア・オセアニアにおいて、メーカーとして幅広いバリューチェーン・機能を有しています。
グローバル食品酒類総合企業グループへ成長する中で、 4万人の従業員一人ひとりが多様な選択肢を持ち、挑戦・成長を続け、世界中のお客様に新しい価値をお届けしています。
地域別グループ会社数(2023年12月31日時点)
米州:52社、欧州:88社、アジア・オセアニア:62社、日本:69社
全社員型タレントマネジメント
サントリーでは、個人のキャリアビジョンに基づく、一人ひとりの成長を重視した「全社員型タレントマネジメント」を実践し続けています。
中長期的な育成計画に基づいた個人の成長と、事業や組織の成長を加速させる適材適所の配置を目指しています。
人事部門は、従業員の状況を上司から間接的に収集するだけでなく、従業員一人ひとりと直接向き合うことにこだわり、年間500人以上の従業員と1対1の面談を実施しています。
主に春季・秋季に行われる全社規模の人事異動の仕組みによって、年間約700人の従業員が新たな仕事に挑戦しており、その多くが、事業・リージョン・職種を跨いだ異動であることが特長です。
また、元々の雇用慣習が異なる海外の従業員に対しても、サントリーグループの多様なフィールドを活用した新たなチャレンジの機会提供を強化しています。例えば、オセアニアで採用した営業担当者が日本で監査部門の仕事に就いたり、サントリーグローバルスピリッツの財経部門のDirectorがサントリー食品ヨーロッパのCFOに就任などの事例が増えてきています。このような個人のキャリアビジョンを活かす人事異動は、従業員の成長だけでなく、組織への刺激や事業間のシナジーを生み出し、サントリーグループの発展を支えています。
世界中のサントリー従業員の
学び舎「サントリー大学」
サントリーグループは企業の成長の源泉は「人」であると考え、積極的に人材育成に取り組み、2015年4月に企業内大学「サントリー大学」を開校しました。「大学」と名前はついていますが、門や校舎があるわけではなく、サントリーグループがグローバルに発展していくための人材育成プログラムの総称です。
サントリー大学は全ての従業員が、創業精神を胸に刻み、自らの志に基づいて学び続け、自分を進化させていくこと、そして一人ひとりの成長を通じて、サントリーグループのビジネスの成長に貢献することをめざしています。
「自ら学び、成長しつづける風土の醸成」「創業の精神の共有と実践」「リーダーシップ開発」「未来に向けた能力開発」の4つの視点からサントリーグループに属するすべての従業員にさまざまなプログラムを開発、提供しています。
このサントリー大学のグローバルな取り組みが高く評価され、米国BetterWork Media Groupが出版するChief Learning Office誌主催の従業員の学習・能力開発の取り組みに優れた企業を表彰する「2022Learning Elite」において、ブロンズを受賞しています。
共通言語としての
「理念」の普及
サントリーグループでは企業理念や創業精神について、理解、浸透を図るための2つのプログラムを展開しています。
Global Leadership Forum
サントリーグループへ新しく参画した国内外のシニアリーダー層を対象に実施しているプログラムで、社長をはじめとする経営陣自らが講師になるなど、経営と深い関わりを持つプログラムです。
国・組織・機能などの枠を超えて創業の精神・企業文化の浸透を図り、サントリーグループ全体で経営視点を持つこと、そして参加者同志のつながりによって専門性や経験を共有し、シナジーの種を見出すことを目的としています。プログラム受講後はインプットしたサントリーグループのDNAを自身のビジネスで体現していくことが求められます。
Ambassador Program
海外グループ会社従業員を対象とした、参加者が自身の組織内でサントリーのカルチャーを浸透する「アンバサダー」となることを目的としたプログラムです。経営陣との対話、参加者同士のグローバルな交流などを通じて、サントリーグループの文化や企業理念、創業精神の理解・浸透を図ります。
サントリーならではのリーダーシップを世界中で強化
グローバル経営人材を継続的に育成していくために、社外/国内外/異業種との接点を多彩に組み込んだ以下のプログラムを展開しています。
Suntory Harvard Program
国境を越えた真の”Global One Suntory”を実現し、世界マーケットで戦い抜く体制を強化するために、ハーバード・ビジネス・スクールと提携して開発したサントリーオリジナルのプログラム。経営トップとのディスカッションなどを通じて、世界的なビジネストレンドやイノベーションについて学び、グローバルなマインドセット、リーダーシップ、そして国境を超えたグループ経営層のネットワークを醸成しています。
Beyond Borders
事業の枠を超えてサントリーグループ全体を牽引するグローバルリーダーを育成することを目的とし、ウォートン・ビジネススクールと共同開発したプログラム。参加者は約8ヶ月にわたるプログラムの中で、自身のリーダーシップを強化し、革新的および戦略的な思考を深め、グローバルに活躍するシニアリーダーに求められる能力を身に付けます。また世界のサントリーグループで活躍するリーダー達のネットワークを築くことにより、国境・事業を超えたグローバルシナジーを醸成しています。
Global Leadership Development Program
サントリーグループ全体から選抜されたチームリーダー層を対象とし、将来のグローバル経営人材を継続的に輩出することを目的としたプログラム。約8ヶ月にわたるプログラムはケンブリッジ大学とパートナーシップを組んで設計されており、参加者は全3回の集合セッションやコーチング・アクションラーニングを経て、最終発表では経営層に直接プレゼンテーションを行います。マインドセットからサステナビリティなどの重要課題までサントリーリーダーシップ考動項目に紐付けながら学ぶことで、グローバル経営におけるリーダーシップのあり方について深く体得していきます。
次世代経営者研修
部長層・課長層を対象とした次世代のサントリーグループをつくる変革型経営層を育成するためのプログラム。社内外のトップリーダーによる講演から参加者自ら経営課題に取り組むアクションラーニングを実施し、最終的にはデジタルやサステナビリティ、グローバルマーケットなど2030年ビジョン実現のために具体的なテーマに沿った経営構想の提言を行います。
突撃!隣のマネジャー
マネジャー層の人材育成力を強化するための取り組みも行っています。「突撃!隣のマネジャー」は、その名の通り管理職以上の従業員同士が、人材育成についての悩みやナレッジを共有し、ベストプラクティスを学ぶことができる企画です。
「メンバー育成といっても何からはじめたら良いかわからない」「キャリアに悩むメンバーへの対処法がわからない」など、属人化しがちな人材育成に関するノウハウを共有するほか、スポーツ分野で活躍する名監督などを招き、マネジメントの極意についての講義を開講しています。今後は他企画・部門との連携も視野に入れ、全社の育成風土をさらに強化していきます。
従業員に浸透するキャリアオーナーシップ
サントリーグループでは、従業員全員が「自らの旗を立て、挑戦し、やりぬくことができる強い個」(=キャリアオーナー)になることが、競争力のある強い組織・会社をつくっていくと考え、継続的な自己成長・能力や成果の最大発揮を支援する、さまざまな取り組みを行っています。
一人ひとりがキャリアビジョンを描く
サントリーでは、一人ひとりが自身の成長に向け、マネジャーとキャリアについて考える機会として、年に1度「キャリアビジョン面談」を実施しています。中期視点を持った「キャリアビジョン」をマネジャーとの双方向のコミュニケーションでつくり上げることがポイントです。育児休業中の従業員に対しても、復職後のキャリアを考える場として面談実施を推奨しています。
自身のキャリアを考えるにあたっては、各社・各部署の業務内容や求める人材などの参考情報を集約したwebサイト、「キャリアサイト」を設けています。このサイトは仕事の面だけでなく、ライフの面からもキャリアについて考え、行動することを応援するサイトとなっており、セカンドライフやマネー相談、働き方に関する情報を提供しています。
「キャリアビジョン面談」実施のもう一つの目的は「従業員一人ひとりにあった育成および適材適所の配置につなげていくこと」です。サントリーの人事担当者は、全従業員の「キャリアビジョン」が頭に入っているといっても過言ではないほど、個人のビジョンを大切にしており、まさに、従業員一人ひとり・マネジャー・人事担当者が三位一体で、キャリア形成に取り組んでいます。
なお、“人生100年時代”に対応できるマインドセット・スキルセットを身につけ、自身のキャリアについてより主体的に考えることを目的とした「100年キャリア学部」を、「サントリー大学」内に設立しました(2023年4月)。
部署フォーラム BUSHOFO
サントリーでは毎年の「キャリアビジョン面談」の時期や社内公募の開催時期に合わせて、従業員同士が自部署を紹介する合同説明会、「部署フォーラム BUSHOFO」を開催しています。それぞれが他部署の業務への知識を広げ、自身のキャリアを深く考えるきっかけにしてもらうことを目指しています。
メタバースによる自部署紹介のほか、役員とメンバーの代表者による100年キャリアの「旅」をテーマにしたパネルディスカッション、外部講師による「外から見たサントリー」「サントリー 大学の優位性」など、さまざまなテーマの説明会などを企画。2023年は70部署が出展、のべ6,136名(前年より117%UP)が参加しました。参加者にとって新たな視野が拓かれるだけでなく、現在の業務に対するモチベーションのアップや所属部署の風土醸成といった効果にもつながっています。
自ら手をあげキャリアを切り拓く社内公募
サントリーでは、各部署の強化と従業員の成長を両立することを目的とした「社内公募」による部署異動を強化しています。最近では海外ポストやシニア層も対象としたさまざまな異動の募集に対し、200人を越える従業員が自ら手をあげ、新たなキャリアに向けてチャレンジしています。営業職から本社スタッフ職への転身、デジタル初心者がデジタル部門への挑戦など、まるで転職したかのような新たな挑戦の機会を後押しする、まさに「やってみなはれ精神」に基づく取り組みです。
世界中どこからでも学べるMy Suntory University
サントリーグループでは、学習プラットフォーム「MySU(My Suntory University)」を全世界に多言語で提供しています。
MySUでは18,000以上の社内外のオンライン講座や動画・資料などから、いつでも自分に合ったものを選んで学ぶことができ、ビジネススキルに関するものからサントリーの創業精神・MVV・中長期ビジョン等、企業の理念に関するものまで幅広いコンテンツを展開しています。
各学習コンテンツは日本語、英語に加えフランス語、スペイン語、ベトナム語、タイ語、インドネシア後、中国語(簡体・繁体)など複数の言語に対応しており、グローバルに等しく学習機会を提供することを目指しています。
2023年には全面的なリニューアルを実施し、プログラムをパーソナライズするためのAIや利用者同士が双方向で交流可能な機能を搭載。世の中の変化が加速し、社員一人ひとりの成長がますます重要となる中、世界中の社員がいつどこでも自発的かつ効果的に学習できる環境を整備しています。
Suntory Self-Development Program
一人ひとりが自分らしく、イキイキと働き、自己成長していくためには、自らの仕事人生に自ら責任をもって前向きに努力し続けることが必要です。そのため、サントリーでは、自己啓発支援プログラム「SDP(Suntory Self-Development Program)」を導入しています。当プログラムはライブで学べる「応募型研修」、好きな時間に学べる「Eラーニング」、じっくり取り組める「通信教育」の3種類からなり、国内グループ会社の従業員が幅広くプログラムを受講できます。受講者が一堂に会する応募型研修は、講座自体からの学びに加え、グループ会社間におけるネットワーク形成にも有用な手段です。
従業員が主体的に学び合う
「寺子屋」
自己啓発のプログラムに加え、もっとカジュアルに、より主体的に学ぶ風土を醸成するため、「学ぶ」「つながる」「教えあう」をコンセプトにした学びのプラットフォーム「寺子屋」を2017年に開設しました。サントリーグループ国内従業員をおもな対象に運営されており、業務に関することから一般教養までさまざまな内容で、講義を受講したり、反対に自らが講師として講義を開くことができます。
2023年の受講者数はのべ約3万人に。従業員同士が自発的に交流し、知見を広げることができるカジュアルな学びの場として、大いに盛り上がっています。現在は国内のみで展開するプラットフォームですが、今後は世界中のサントリーグループでの展開を予定しています。
【2023年実績】参加者数(のべ):29,524人、年イベント数:300回(内社員講師によるもの220回)
幅広い真の知性も身に付ける「リベラルアーツ」
私達一人ひとりが成長していくには、ビジネススキルや語学力に加え、幅広い「真の知性」を身に付けていくことが必要だと考えています。
そのためサントリーでは思考の幅の拡がりを目指して、日常業務では触れることの少ない知の世界との接点をつくっています。
サントリー文化財団、サントリー芸術財団と連携し、文化、芸術、スポーツなどさまざまな分野から講師を招聘。オンラインのライブ配信により全国どこからでも無料で参加でき、またアーカイブ動画も視聴できるプログラムを開催しています。講師の著書から事前に学べるほか、聴講のみに留まらず、質疑応答の時間を設け理解を深められる内容です。
キャリアサポート
サントリーでは、2007年に「キャリアサポート室(現在は「キャリア推進センター」へ組織名を変更)」を設置しました。専門のアドバイザーによる、キャリアに関する個別相談や人事異動後のキャリア面談、世代別ワークショップ、フォロー面談等を通して、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援しています。このうち、世代別ワークショップは、入社3年目、10年目、43歳、58歳を対象に、それぞれ必須参加のプログラムを実施しています。ここでは、自身の強みや価値観を言語化することで自己理解を深めたうえで、今後のキャリアビジョンを描きます。更に、より深く考えたい40代、50代の従業員向けには、いつでも、何度でも受けられる応募型のワークショップを用意しています。こうした複層的な施策を通じて、「自分のキャリアに自ら責任を持って、前向きに主体的に努力し続ける」、いわゆるキャリアオーナーシップを持った従業員が、様々な仕事にチャレンジしつつ成長していく会社を目指しています。
コーチング・メンタリング
サントリーグループでは、事業内容や組織を深く理解し、プロのコーチとしても経験豊富なExecutive Coachを社内に保有し、世界中のシニアエグゼクティブの育成を支援しています。コーチングの中身は一人ひとりの目的に合わせて構成しており、質問や対話を通して、対象者の思考を引き出していきます。また、社内コーチは、リーダーシップポテンシャルを始めとした、多種多様なアセスメント資格も保有しており、客観的データに基づいたフィードバックによる成長も支援することができます。
プロのコーチだけでなく、従業員同士のメンタリングの仕組みも積極的に活用しています。例えば、将来の経営者候補と期待する人材において、サプライチェーンマネジメントに関しての知識や視点を強化してほしい場合に、サプライチェーン部門のエグゼクティブをメンターに起用するなど、社内のネットワーキングを活用して互いに成長し合う取り組みを行っています。