日本では家庭の味ともいえる梅酒が代表的なリキュールとしてあげられるが、ではリキュールとはいったいどんな酒なんだろうか。
一般的にはスピリッツ(蒸溜酒)に果実、花、薬草、香草などの香味を移した酒である。またそれに甘味料を加えたりして魅力的な酒に仕上げたものだ。
酒の分類上ではリキュールは混成酒に属している。だが、単純にリキュール=混成酒とはならない。
混成酒には醸造酒をベースにしたものと蒸溜酒をベースにしたものがある。醸造酒である、ビールをベースにした混成酒はビールの一種になり、ワインをベースにした混成酒はワインの一種となる。たとえばワインをベースにした混成酒の場合、サングリアやベルモットなどのフレーバードワイン、シェリーといったフォーティファイド(アルコール強化)ワインに分類される。
つまりリキュールのベースはスピリッツ(蒸溜酒)であり、それに香味成分といった何か(付加価値)を加えたものとなる。基本的には、原材料、製造方法は自由である。
厳密な定義は国によって異なる。日本の酒税法では「リキュールとは、酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類で、エキス分が2%以上のものをいう。ただし、清酒、合成清酒、焼酎、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、および発泡酒に該当するものは除かれる」となっている。
※エキス分:液体中の固形物の含有量を示す値。基本的には甘味料(主に砂糖)の割合を表す。