Liqueur & Cocktail

カクテルレシピ

グアバーナ&オランジーナ

グアバーナ 40ml
オランジーナ 適量
ビルド
グラスに
クラッシュドアイスを詰める
オランジーナをグアバーナ にフロートする
オレンジを飾る

フローズン・マンゴヤン

マンゴヤン 45ml
オレンジジュース 15ml
ハーゲンダッツ
バニラ
20g
グレナデンシロップ 1tsp.
クラッシュドアイス 1cup
ブレンダー(ミキサー)

ヨーグリート&フルーツ

ヨーグリート 適量
お好みのフルーツ 適宜
すべての材料をよく冷やす
ボウルに飾り付け、
カップに取り分ける

気分はウエスト・コースと

ザ・ビーチ・ボーイズのハーモニーが夏の到来を告げる。

こんな書き出しが通じたのは20世紀までだった。かつては夏のBGMの定番曲といえば、ハワイアンかビーチ・ボーイズ。商店街を歩けばどこからともなく聞こえてきたものだが、いまは季節感とは無関係に流行の曲が流れている町が多いような気がする。海の家はどうだろうか。根強いのはサザンあたりか。ビーチから久しく足が遠のいてしまい、よくわからない。

でも、今年はちょっと違う。8月にはビーチ・ボーイズが33年ぶりに来日する。デビュー50周年。久しぶりに再結成し、すでにはじまっているアメリカでのツアーは大好評らしい。また最新作『神の創りしラジオ』もいい。半世紀経っても、彼らのサウンドは輝きを失ってはいない。軽快なメロディー・ラインに爽やかなコーラス。ハーモニーのよさがこころに涼風をなびかせる。日本でも、山下達郎、大瀧詠一をはじめ多くのミュージシャンたちが影響を受けているというのも頷ける。

先日、出先でひと休みするためにオープンテラスのある喫茶店に入ったら、ビーチ・ボーイズの曲が流れていて嬉しくなった。コーヒーのはずだったのにビールを飲んだ。

ティーンエイジャーの頃、『サーフィンUSA』『ファン・ファン・ファン』といったビーチ・ボーイズ・サウンドを聴くと、かき氷のブルーハワイを食べなきゃいけないような気になったし、早く海にいかなくちゃ、と胸が躍った。

気分だけはアメリカ、ウエスト・コーストの少年になりきる。砂浜、サーフィン、ビキニの女の娘といったシーンが浮かび上がり、夏休みに恋のひとつでも生まれそうな勢いがつく。

ところが夏という時間は日に焼けただけでエンディングとなり、気がつけば秋。無為に時間をつぶしてしまった、と反省をする訳でもなく季節は巡り、またあのサウンドに勢いづく同じ夏がくる。



そんなことを思い出しながらビールを飲むのだが、どうもしっくりこない。

ビーチ・ボーイズのサウンドにはジューシーな清涼感のあるカクテルのほうが似合う。それにビーチで海を眺めている気分だから、潮風の塩っぱさには甘みが必要だ。とはいっても喫茶店だからカクテルなんぞ望めない。リキュールでもあればいいのに、と思ってしまうのは酒好きの我が儘だろう。

そこで何がいいか想い巡らせてみる。浮かんだのが新時代のフレッシュさにあふれたグアバリキュールやマンゴーリキュールだ。リゾート地へ出かけなくても、トロピカルな感覚が欲しい。

こころに秘めた思い出

「グアバーナ」というグアバ果汁とカリブ産ラムでつくられたリキュールがある。柔らかな甘さと溶け合う適度の酸味は、海とじゃれあうかのように沈んで行く夕日の名残惜しさを想わせる。シンプルにソーダを注いでハイボールにしても、オレンジジュースやグレープフルーツジュースで割ってもいい。お手軽カクテルがおすすめだ。

ただここは今風のアレンジを試みたい。『ムッシュはつらいよ!』のCMでお馴染みのフランスの国民的炭酸飲料「オランジーナ」を使ってみる。できるならクラッシュドアイス(細かく砕いた氷)をグラスにいっぱい詰め、まずは「グアバーナ」、それに「オランジーナ」を静かにフロートさせるように注いでお洒落に仕上げてみたい。

もうひとつは「マンゴヤン」。このリキュールはマンゴー果汁とカリブ産ラムでつくられているが、バニラの香りが潜んでいて、ふくらみのある甘い風味が特徴的だ。

こちらもお手軽カクテルとして、オレンジで割ったり、牛乳で割ったりするといい。牛乳とのミックスの「マンゴヤン・ミルク」はマンゴープリンのような味わいとなる。

ちょっと凝って「フローズン・マンゴヤン」に挑戦してみたい。

「マンゴヤン」、オレンジジュース、バニラアイスクリーム、グレナデンシロップ、クラッシュドアイスをブレンダー(ミキサー)にかけてフローズンスタイルに仕上げる。グレナデンシロップはあくまで色づけでなくてもいいが、入れるとちょっとアイボリーの柔らかい色調となる。



ここまで挙げたカクテルは“夏のおもてなし”として最高だ。酒を嗜む人ならば、喜ぶこと間違いなし。

さらにもうひとつ。ホームパーティーを開く予定があるならば、プレーンヨーグルトの爽やかな味わいで人気の高いリキュール、「ヨーグリート」を用意してみよう。「マンゴヤン」と「ヨーグリート」をソーダで割る「マンゴー・ラッシー」がお手軽だが、デザートとして皆に喜ばれる一品はこれではなかろうか。

それは「ヨーグリート&フルーツ」。

好みのフルーツを用意して、「ヨーグリート」をかけるだけ。普通のヨーグルトでやっていらっしゃる方も多いはず。手間といえばフルーツ・カッティングぐらい。材料はよく冷やしておくこと。清涼感が大切だ。



ビーチ・ボーイズ恐るべし。夏のカクテルまで呼び寄せる。恋に勢いづく年齢からは遠ざかってしまったが、あの爽やかなハーモニーがこころ踊らせ、さまざまなイメージを膨らませてくれる。

イラスト・題字 大崎吉之
撮影 川田雅宏
カクテル 新橋清(サンルーカル・バー/東京・神楽坂)

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マンゴヤン


ヨーグリート

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