水と生きる SUNTORY

  • 工場行こうファクトリップ
  • 品質への取り組み
  • ドリンクスマイル
  • サントリー食品オンラインストア 新しいウィンドウで開く
  • SUNTORY WELLNESS 自分に合うサプリメントを探してみよう! 新しいウィンドウで開く
  • サントリー公式WEBマガジン「サントリーポスト」
  • 大阪・関西万博2025 サントリー万博特設サイト

大英博物館 北斎
―国内の肉筆画の名品とともに―

2022年4月16日(土)~6月12日(日)

※各作品の出品期間は、出品作品リスト(PDF) をご参照ください。
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※会期は変更の場合があります。
※本展は「為朝図」「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」のみ撮影可能です。

見どころ

本展の見どころをご紹介します

main_680.jpg

1.貴重な初期作と、晩年の代表作

北斎の揃物の名品は、その多くが70歳を過ぎてから制作されました。たとえば、風景版画の名手としてのイメージを決定づけた《冨嶽三十六景》は、数え71歳から74歳頃の作品と考えられており、晩年になっても尽きることのない北斎の創作意欲を感じさせます。その後、立て続けに刊行された《諸國瀧廻り》や《諸國名橋奇覧》のシリーズは、《冨嶽三十六景》と同じ西村屋与八から出版されており、北斎の独特な風景描写が広く人気を博していた様子がうかがえます。一方で、「春朗」という画号で活動していた初期の作品《市川鰕蔵の山賤実は文覚上人》からは、人物の動きを捉える巧みなバランス感覚が見て取れ、画業の最初期からすでに才能を開花させていたことが分かります。本展では、大英博物館の所蔵する揃物の優品や、現存数の少ない貴重な初期作をご紹介します。

2.肉筆画の名品

北斎が直接筆を執った肉筆画には、彼の卓越した画力と大胆な発想力が遺憾なく発揮されています。肉筆画は40代から50代半ばと、75歳頃から没年までの2期に多く描かれており、とくに前者では美人画の優品、後者では幅広い画題に挑戦をした意欲作が次々と生み出されました。代表作《流水に鴨図》(大英博物館)は88歳の作品ですが、水上と水中の様子を対比的に描き分ける巧みなテクニックには、一切筆の衰えが感じられません。年齢が記された肉筆画のなかでは88歳が最も多く、最晩年になっても常に高みを目指し続けていたことが分かります。また、暗闇に浮かび上がる鬼と弘法大師の姿が強烈なインパクトを残す《弘法大師修法図》(西新井大師總持寺)は、晩年期の作品では最大級で、80代後半になってもなお気力と体力に満ち溢れていた北斎の姿が浮かび上がってきます。本展では、大英博物館および国内所蔵の肉筆画の名品を通して、天才絵師・北斎の真骨頂をご覧いただきます。

3.コレクターと大英博物館

大英博物館が所蔵する北斎作品は、様々なコレクターからの譲渡によって、質・量ともに充実していきました。華やかな錦絵や肉筆画はもちろんのこと、版本、摺物、版下絵など、北斎の多岐にわたる作画活動を網羅しており、それぞれのコレクターや研究者の優れた審美眼が、世界有数の北斎コレクションを築き上げました。なかでも、外科医ウィリアム・アンダーソン(William Anderson、1842~1900)と小説家アーサー・モリソン(Arthur Morrison、1863~1945)の果たした役割は大きく、彼らの蒐集品は大英博物館における日本絵画コレクション全体の礎となりました。アンダーソンは著作『日本の絵画芸術(“The Pictorial Arts of Japan”)』のなかで、自身が所蔵していた《為朝図》を取り上げ、北斎の芸術的才能や作品に表れる精神性・知性を高く評価しています。そして、《流水に鴨図》や《若衆図》などの重要作品を所蔵していたモリソンもまた、著作『日本の画家(“The Painters of Japan”)』で北斎について言及し、その幅広い画域を称賛しています。加えて、研究面で北斎コレクションを支えたのが、詩人であり大英博物館のキュレーターでもあったローレンス・ビニョン(Laurence Binyon、1869~1943)です。ビニョンは《百人一首姥がゑとき》や《詩哥冩真鏡》といった代表的な版画の揃物を購入し、博物館のコレクションをより成長させただけでなく、アンダーソン・コレクションを整理し、数多くの日本美術関連の著作を執筆するなど、イギリスにおける日本美術研究に多大なる功績を残しました。本展では、6人のコレクターおよび研究者に着目し、旧蔵品や著作、関連資料などを通して、イギリスにおける北斎愛好にも焦点を当てます。


音声ガイド

音声ガイド:ナビゲーター田中泯(たなかみん)

映画「HOKUSAI」で老年期の北斎を演じた泯さんによる解説で、より深く展覧会をお楽しみいただけます。

(c)Kojiro Hosoi.jpg
©️Kojiro Hosoi
貸出料金

お一人様1台 600円(税込)

解説時間

約30分

※耳が不自由なお客様へ、音声ガイドの文字原稿を1部600円(税込)にて貸し出しています
※英語版はありません
※貸し出し受付は閉館時間の45分前まで

田中泯プロフィール
ダンサー。74年独自の活動を開始。「ハイパーダンス」と称した新たなスタイルを発展。78年ルーブル美術館において海外デビュー。80年代、旧共産圏で前衛パフォーマンスを多数決行。国際的に高い評価を獲得。85年山村へ移り住み、農業を礎とした舞踊活動を現在も継続中。02年に映画初出演。以後映像界でも国内外で活動中。