人々の穢れを払ったり、権力を持つものに一層の力を与えたりするために、酒は古代より、神や王、権力者に捧げるものとして、神聖な場所や儀式に登場しました。本章では、そうした場面で使われたと推測されるガラスの酒器を紹介します。
2013年9月11日(水)~11月10日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
コアガラス脚付杯
エジプト
紀元前14世紀
MIHO MUSEUM蔵
撮影:山崎兼慈
人々の穢れを払ったり、権力を持つものに一層の力を与えたりするために、酒は古代より、神や王、権力者に捧げるものとして、神聖な場所や儀式に登場しました。本章では、そうした場面で使われたと推測されるガラスの酒器を紹介します。
「シンポジウム」の語源ともなった、ギリシャの「シンポシオン(饗宴)」。長い時間をかけて酒を酌み交わし、互いの意思を語り合うその情景には、様々なガラス器が登場しました。本章では、語らいの場で使用された多彩な酒器の一端をご覧いただきます。
リブ装飾碗
東地中海沿岸地域
紀元前1-後1世紀
サントリー美術館蔵(辻清明コレクション)
撮影:木奥惠三
把手付水差
東地中海沿岸地域
4世紀
岡山市立オリエント美術館蔵
共に戦い、共に生きる。そうした誓いを交わす儀式の場面にも、酒とともに酒器が使われました。本章では、愛を、運命を、共同体を誓い合った情景に寄り添ったガラス器を紹介します。
鳥動物文ティアードゴブレット
ボヘミア
18世紀
サントリー美術館蔵
撮影:小嶋宏和
フリーメーソン文ゴブレット
イギリス
1868年
高畑美術工芸館蔵
撮影:名鏡勝朗
ガラスへの装飾技術が発達するにつれ、様々な暗示を込めた絵柄を施した酒器が数多く生み出されました。国を称え、忠誠を促すものや、ステイタス・シンボルとしてキャビネットに飾り、自らの権威を周囲に促すものもしばしば見られるようになりました。本章では、教訓的、政治的な思想や自負心を人々に促すための酒器をご紹介します。
神聖ローマ帝国選帝侯文フンペン
ドイツ
1606年
石川県立美術館蔵
ロンドン風景文ゴブレット
シレジア
1750年頃
個人蔵
酒といえば、やはり宴。年中行事や祝い事、歓迎の席には数々の酒器が登場しました。最終章は、「祝い、集い、もてなし、愉しむ」場とともにあった酒器を展示すると同時に、現在活躍中の現代作家6名の酒器をご紹介します。
徳利・二段重・小皿入り提重
日本
18世紀
瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館蔵
撮影:上野則宏
黒幾何学文リキュールグラスセット
オーストリア
1920年
石川県立美術館蔵
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