2012年9月19日(水)~11月4日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
平安時代に始まる物語文学は、鎌倉時代を経て、やがて公家の衰微にともなって衰えていったといわれます。そのような中、鎌倉時代末期になると、物語文学の系譜に連なりながらも、題材・表現ともに貴族文学とは全く異なる革新的な作り物語が現れました。これが、お伽草子ならびにお伽草子絵の萌芽です。本章では、14・15世紀絵巻の優品によって、お伽草子の源流へと時をさかのぼります。
平安時代から鎌倉時代まで、物語は、公家(貴族)が公家の世界を描き、そうして公家が読み鑑賞したもので、まさに公家社会の産物でした。しかし鎌倉時代末期になると、時代ならではの必然として、武士が登場する物語が多く生み出されます。本章では、武勇説話・怪物退治説話として圧倒的な支持を得た〈武家物語〉の代表作ともいえる『酒呑童子』の物語をご紹介します。
鎌倉時代から武家階層が台頭し政治経済の実権を握るに及んで、文化もまた社会的・地域的に発展しました。戦国の動乱はそれに拍車をかけ、文芸の世界においても質の変化と多様化をもたらしました。そのような現象を端的に見せてくれるのが、お伽草子です。本章では、「下剋上」という語に示される、この時代の精神や風潮を背景に、物語の主人公・享受者層・画風の変容の跡をたどり、お伽草子とその絵画を文化的所産として見つめ直します。
お伽草子は、時代設定が現代(当時)から神代の昔に至るまで様々な一方で、物語の舞台は具体的に特定の場所が示されることは少なくありません。なかでも清水寺が登場するお伽草子はその数40篇を超え、現存するお伽草子作品の約一割を占めています。ではなぜお伽草子には清水寺に関する作品が多いのでしょうか。本章では清水寺を例に、物語が生み出され鑑賞される、その背景と信仰を探ります。
鳥獣魚虫・草木・器物など、人間以外が主人公となる作品が多いのもお伽草子の特徴の一つです。いわゆる<異類物語>の初期作例は、公家などの知識階級の手によるものといわれ、異界を舞台にした物語には、彼らの、人間界には拘泥しない自由な想像の広がりを見てとることができます。本章では、お伽草子の中でも特に異類物語に示される、中世の人々の豊かな想像力とその深化に迫ります
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